【掲載:2021.5.23 更新:2024.04.25】
鮭を与えても大丈夫?
鮭は猫に与えても特に問題はないと言えます。
鮭には様々な栄養素が含まれていますので、魚類が好きな猫ちゃんには是非食べさせてあげたい魚であると言えるでしょう。
◆鮭の栄養価
鮭に含まれている主な成分と、猫の体に期待できる効果は以下の通りです。
成分 | 猫に対する効果 | たんぱく質 | 体作りに必要な栄養素。消化が苦手な猫にとって負担が少なく吸収できる | ビタミンB3 | セラミドの合成を促進し、皮膚を乾燥から保護する | ビタミンB6 | 多くの酵素の補助因子。代謝に貢献する | ビタミンB12 | タンパク質の合成や赤血球形成の主要な役割を果たす | ビタミンD | カルシウムやリンの代謝に重要な役割を果たす | アスタキサンチン | 強い抗酸化作用が期待できる上に、抗炎症作用も優れている | DHA・EPA | 抗炎症成分を持ち、体の様々な機能を保護する |
鮭は身の色が鮮やかなオレンジ(赤)色をしているので赤身の魚だと思われがちですが、実は白身魚に分類されます。
国内で獲れる鮭のほとんどが白鮭となり、秋が旬となりますが、春から夏にかけて獲れる産卵前の鮭は脂が乗っていて美味しくいただけるのが特徴です。
鮭の主な成分は体を作る元のたんぱく質となりますが、そのほかにも体の調子を整えるビタミン類やDHA・EPAなどの脂肪酸、鮭の赤色の素となるアスタキサンチンは抗酸化成分として働きます。
鮭を与える時の注意点は?
猫にとって嬉しい成分の多い鮭ではありますが、鮭であれば何でも好きなように好きなだけ与えても良いというわけではありません。
猫に鮭を与える際には、以下の注意点を確認しておきましょう。
②アレルギーに注意する
③味付けはしない
④アニサキスに注意
鮭の切り身には皮が付いていることがほとんどですが、この皮を食べずに捨ててしまう方は意外と多いですよね。
実は魚の栄養素は身の部分だけではなく、皮にも栄養が豊富に含まれているので、皮を食べるのと食べないのでは、摂取できる栄養素の量が変わってしまいます。
そのため、猫に鮭を与える際には、皮も細かく刻んで与えてあげると良いでしょう。
ほかにも皮の部分には豊富なコラーゲンが含まれているので、関節の滑りや毛艶も良くなり、猫にも嬉しい効果が期待できますよね。
皮を与えても問題はありませんが、焼き鮭の皮を与える際には、固く焼かれ過ぎていないか、焦げていないかの確認を怠らないでください。
硬い皮は猫の消化器官に負担をかけてしまうので、与える際には硬すぎないもの、焦げていないものを与えるようにしましょう。
また、鮭の骨も胃腸などを傷付ける危険性があるので、小さい骨もできるだけ取り除き、安全な状態で猫ちゃんに与えてあげてくださいね。
健康な猫ちゃんであれば鮭を食べても問題がありませんが、鮭にはアレルギー物質が含まれていますので、猫ちゃんによってはアレルギー反応が出てしまう子も居るようです。
アレルギー反応が出た際には、初期症状として痒みが発生しますが、その痒みに対して鋭利な爪で引っ掻くことによって悪化し、皮膚に炎症ができることがほとんどです。
ほかにも下痢や嘔吐の症状が出ることもあるので、鮭を口にして異変が起きた場合には、すぐに与えるのを止めて動物病院に連れていくようにしましょう。
鮭の中には塩で味付けされた塩鮭や、西京漬けやみりん漬けなど、味付けされている商品が市場に多く出回っています。
それらの鮭は塩分を多く含んでいますので、猫ちゃんに与えるのには向いていない鮭と言えるでしょう。
猫ちゃんに鮭を与えるのであれば、必ず味付けされていない状態の商品を選び、ご自宅でも味付けをしないことが鉄則となります。
鮭フレークや鮭とばは、原材料を鮭とした加工品として販売されています。
飼い主さん自ら調理する必要性がないので、手軽に猫ちゃんに与えられるような気もしますが、これらの商品にはたくさんの塩分や添加物が使用されています。
人間用の加工用品は猫にとっては塩味が強すぎますので、猫に与えないようにしましょう。
手軽に鮭風味の商品を猫に与えたいのであれば、猫用の鮭味のおやつなどを選び、美味しく食べてもらえるような工夫をしてあげてくださいね。
生のお刺身を与える場合には、アニサキスに注意しなくてはいけません。
また、天然ものの鮭にはアニサキスが居ることが多いですが、養殖の鮭はアニサキスが居ないかわりに脂が多く乗っているので、与えすぎてしまうと脂肪分の摂取量も多くなってしまいます。
アニサキスが付いている生の鮭を食べてしまうと、食中毒を起こすことがあります。
アニサキスは冷凍や熱を通すことによって死滅しますので、猫に与える際には調理方法も気を付けておくと安心ですよね。
猫に鮭を与える方法
・与え方
必ず味付けされていない鮭を与えます。
お刺身用の鮭であれば生のままでも大丈夫ですが、茹でたり焼いたりして与えることもできます。
・与える量
1日に与えても良い分量は猫の体重1kgに対し、10g程度が妥当とされています。
体重が5kgの猫ちゃんであれば、50g程度までは食べても問題ありませんが、キャットフードも通常量食べているようでしたら、多くてもお刺身一切れを与える程度にしておきましょう。
・体調を崩した場合
どれぐらいの分量をどのような調理方法で与えたかが、回復への鍵となります。正規のフード以外を与える際にはそれらをしっかりと覚えておくようにしましょう。
アレルギー反応や食中毒を起こしているのであれば、自宅で様子を見ていても回復はしません。動物病院に連れて行き、獣医師さんに状況を説明してください。
原因がすぐに解明できれば猫ちゃんへの負担も軽減できますので、飼い主さんは落ち着いて行動するようにしましょう。
このようなことからも、なるべく少ない分量を与えるように心掛け、与えすぎに注意するようにしましょう。
加熱した鮭を与える場合には粗熱を取り、骨を取り除いてから身を細かくほぐし、フレーク状にして与えるようにしてください。
鮭を使った猫用のフード・おやつ
猫用のフードやおやつはマグロやカツオなどが主流となっていますが、鮭味の猫用おやつやフードもたくさんの商品が販売されています。
原料は鮭だけの無添加おやつ。
鮭が大好きな猫ちゃんにぴったりの猫おやつです。
メーカー | コジマ | 原産国 | 日本 | 原材料 | 鮭 | 保証分析値 | 粗たんぱく質:75.0%以上、粗脂肪:8.0%以上、粗繊維:0.5%以下、粗灰分:3.0%以下、水分:15.0%以下 | 代謝エネルギー | 325kcal/100g |
お肉ベースの総合栄養食なので、主食として与えることができます。
鮭のおいしさがぎゅっと詰まったうまみたっぷりのゼリー仕立てで食べやすい!
メーカー | アイシア | 原産国 | タイ | 原材料 | 肉類(鶏肉、牛レバー、チキンエキス)、小麦たんぱく、エンドウたんぱく、油脂類(ひまわり油、鶏脂)、魚介類(ツナエキス、サーモン)、調味料、増粘多糖類、ミネラル類(Ca、P、K、Na、Cl、Mg、Fe、Cu、Mn、Zn、I、Se)、ポリリン酸Na、キシロース、ビタミン類(A、D、E、K、B1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、コリン)、タウリン、香料 | 保証分析値 | たんぱく質:9.7%以上、脂質:2.1%以上、粗繊維:0.1%以下、灰分:3.8%以下、水分:84.4%以下 |
乳糖ゼロでおなかにやさしい国産牛乳を使ったウェットタイプの総合栄養食。
ささみとサーモンのほぐし身と牛乳スープでうまみたっぷり!
メーカー | ドギーマンハヤシ | 原産国 | 日本 | 原材料 | 鶏肉(ササミ、レバー)、乳類(ねこちゃんの国産牛乳等)、サーモン、油脂類、調味料、ミネラル類(カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、塩素、マグネシウム、鉄、銅、マンガン、亜鉛、ヨウ素、セレン)、増粘多糖類、リン酸塩(Na)、タウリン(抽出物)、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、C、D、E、パントテン酸、ナイアシン、葉酸、コリン) | 保証分析値 | たんぱく質:5.0%以上、脂質:1.0%以上、粗繊維:1.0%以下、灰分:4.0%以下、水分:95.0%以下 | 代謝エネルギー | 70kcal/100g |
サーモンフレーバーのペースト状おやつ。1本約4.6カロリーと嬉しい低カロリー。
ナチュラルな素材にこだわって作られており、タウリン配合。
メーカー | ジェックス | 原産国 | タイ | 原材料 | サーモン、サーモンオイル、増粘安定剤(加工でん粉)、天然フレーバー、タウリン | 保証分析値 | たんぱく質:5.0%以上、脂質:1.0%以上、粗繊維:2.0%以下、灰分:1.0%以下、水分:90.0%以下 | 代謝エネルギー | 約4.6kcal/本 |
まとめ
鮭は使い勝手の良い魚としても知られており、どんなレシピであっても美味しく食べられるのが特徴とも言えますよね。
そして一年中安定した価格で入手できることもあり、買い物の際についつい購入してしまう方も多いのではないでしょうか。
猫ちゃんと一緒に暮らしているご家庭で、鮭を調理する際には、猫の欲しい欲しい攻撃に耐えなくてはいけませんが、調理法などによっては猫に与えても問題ありません。
しかしスーパーなどで売られている鮭は、あくまで人間の食用として販売されていますので、猫ちゃんに与える際には細心の注意を払って与えるようにしてください。
毎日同じフードを食べている猫ちゃんにとっては、少量であってもご馳走になりますので、ご褒美的な意味合いで与えてみるのもおすすめですよ。
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