猫が毛玉を吐く原因は?嘔吐の回数を減らすにはどんな対策が有効?

2022.04.25

猫が毛玉を吐く原因は?嘔吐の回数を減らすにはどんな対策が有効?

全身を被毛で覆われている猫は、グルーミングの度にたくさんの抜け毛を体内に取り込んでしまいます。 溜まった抜け毛は体内で毛玉となり、猫ちゃんによってはその毛玉を吐くことがありますので、心配になってしまう飼い主さんは多いことでしょう。 猫はよく嘔吐をする動物と言われてはいますが、やはり頻繁に毛玉を吐くようであれば、そのまま見過ごすことはできませんよね。 苦しさを伴う嘔吐に対して、飼い主さんはどのような対策を心掛けてあげるべきなのでしょうか。

猫が毛玉を吐く原因は?

あくびをする猫

猫はよく吐く動物と言われていますが、その理由をご存知でしょうか?

全身を被毛で覆われていることはもちろん、体の構造が人間とは異なり四足歩行動物ゆえの、非常に嘔吐しやすい構造をしていることが原因と考えられています。

胃がもともと小さいため、大量のフードを一気に食べてしまえば容量オーバーとなって吐くことも多いですが、もっとも日常的な嘔吐と言えば毛玉を吐くということではないでしょうか。

この毛玉を吐くという行為も、猫特有の生理現象となりますが、猫の習性をあまり知らない方であれば、嘔吐の中に異物とも言える塊を発見した際に、さぞかし驚かれることかと思います。

猫が毛玉をよく吐く動物と言われてもピンとこない方も多いことかと思いますが、なぜ毛の塊といった異物が、体内から排出されることがあるのでしょうか?

◆丸飲みした獲物の毛を吐いている

猫は獲物を捕獲すると、私たち人間のようによく噛んで消化するといった食べ方はしませんので、丸飲みに近い状態で捕食をします。

そのため、胃液で溶けずに消化されなかった獲物の被毛は、嘔吐か便と一緒に排出するしかなく、胃の容量をオーバーしている際は、食道を通じて胃に到達する前に吐き戻してしまうことが多いようです。

完全室内飼いの猫ちゃんであれば、自分で獲物を捕獲して食べることはありませんが、野良猫などの屋外が生活の拠点になっている猫ちゃんは、自身の被毛だけでなくほかの動物の毛玉を吐く可能性があると言われています。

◆グルーミングによって胃に溜まった毛を吐いている

キレイ好きな猫は眠らず起きている時間帯には、自身のケアに時間を費やすことが多く、全身を舐めるといったグルーミングを怠りませんよね。

猫の舌には「糸状乳頭(しじょうにゅうとう)」と呼ばれる、トゲトゲとした突起物が複数生えているので、この突起物がブラシの代わりとなり、余計な猫の抜け毛を絡めとります。

絡めとった抜け毛は唾液と合わさることにより、毛と毛同士がどんどん絡まり合い、それが毛玉となって猫の体内で成長していくといった仕組みです。

本来体内に溜まった毛玉は腸管を通って便と混ざり合い、排出時の刺激によって体外に排出されますが、食道や胃で消化されなかった毛玉はそのまま留まってしまうので、違和感を覚えた猫は吐くことにより、毛玉を体外へと排出させるのです。

とくに短毛種の猫よりも長毛種の猫の方が毛玉ができやすく、吐く回数もある程度多くなるようですが、長毛種ゆえの個性でもありますので、猫自身のケアが行き届かないようであれば、飼い主さんが手助けをしてあげれば問題ありません。

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猫が毛玉を吐いても問題はない?

どんなに猫が毛玉を吐く動物だと言われていても、猫が吐く姿はとても辛そうに映るので、見るに堪えないといった飼い主さんも多いはずです。

できることなら愛猫に吐くことを止めさせたいところですが、生理現象とも言える猫の嘔吐を止めさせる手段は無いに等しいので、ある程度は許容する気持ちも必要と言えますよね。

猫が吐いても問題のない毛玉のサイズはどれぐらいの大きさで、どのくらいの頻度で嘔吐をするのであれば、許容範囲内と言えるのでしょうか?

◆少量の毛であれば問題なし

猫の毛玉は一般的に2~3cm程度のボール状と言われているので、便よりも小さな塊であれば、そこまで心配する必要はありません。

これよりも小さな毛玉であれば、胃腸を通過して便と絡まり合い排出されることがほとんどですので、しっかりとご飯を食べてお水を飲んでいる子であれば、毛玉を吐く回数も少ないはずです。

少ない回数でも猫自身は吐いたことに嫌悪感を示すことがありますので、嘔吐したことに対して叱ったりはせず、声を掛けながら背中を優しく撫でたりするなどをして、安心させてあげてください。

毛玉を吐いたあとには元気な様子で動き回り、食事もしっかり摂れているのであれば問題ありませんので、引き続き愛猫の様子を観察しておくようにしましょう。

◆頻繁に吐く場合は注意が必要

毛玉は唾液や胃液、食べ物などと混ざり合って形成されますので、猫の毛色よりも色が濃い見た目となり、はじめて毛玉を見る方は、元が猫の毛だと気付かない方も多いはずです。

しかし、毛玉の正体を理解し、どのようなサイクルで排出されているのかを理解している方であれば、嘔吐物を見てもそこまで気にならない方も一定多数はいらっしゃることでしょう。

基本的に猫が毛玉を吐くのは生理現象なので問題ないのですが、嘔吐の頻度が多い場合は多少の注意が必要です。

1ヶ月のうちに2、3回程度毛玉を吐くのであれば、そこまで珍しいことではありませんが、月に3回以上の嘔吐をし、その状態が数ヶ月続くようであれば毛玉を吐いているだけでなく、胃腸に何かしらの異変や病気を患っている可能性も否めません。

とくに元気消失や食欲不振、急激な体重減少、嘔吐物から糞便の臭いがする、嘔吐物に血が混ざっている、寄生虫が混じっている、排泄をしている様子がないなどは、異常のサインと言えるでしょう。

たかが毛玉を吐いているだけだと放置してしまえば、「毛球症」や「腸閉塞」などを併発する危険性もありますので、嘔吐の頻度が多いようであれば、愛猫の健康管理を怠らないようにし、毎日の行動をしっかりと観察するようにしてください。

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猫が毛玉を吐くときの対策

ブラッシングされるブリティッシュショートヘア

嘔吐の辛さは誰しも一度は経験したことがあるはずなので、体の小さな猫に大きな負担がかかっていることは一目瞭然ですよね。

生理現象を人間の手で止めることはできませんが、何かしらの対策をすることによって、辛さを軽減してあげることはきっとできるはずです。

愛猫に辛い思いをさせないために、飼い主さんは日頃からどんなことを心掛けておけば良いのでしょうか?

◆こまめなブラッシング

ファーミネーター
 >>ファーミネーター<<

セルフグルーミングを欠かさない猫ではありますが、起きている間は暇さえあれば毛並みを整えることに夢中になる子は多いので、たった1日でも相当数の抜け毛を体内に取り込むこととなります。

健康体で代謝の良い猫ちゃんであれば、便と一緒に排出されることがほとんどですが、代謝の落ちた高齢の猫や、グルーミングが上手にできない子猫などは、体内に被毛が溜まったとしても、上手に吐き出せるとは限りませんよね。

また、長毛種の猫ちゃんの場合は、短毛種の猫ちゃんよりも体内に抜け毛が蓄積されやすいので、自身のセルフグルーミングでは取り除ける抜け毛にも限界がある上に、少量の毛でも毛玉ができやすいので、飼い主さんの手助けが必須となります。

抜け毛を上手に取り除けない可能性が高い猫ちゃんには、飼い主さんが日常的にブラッシングをして、毛並みを整える手助けをし、体内に取り込む抜け毛を極力減らしてあげてください。

もちろん毛玉を吐く回数が少ない子には、ブラッシングが不必要なわけではなく、コミュニケーションの一環としてもブラッシングは有効なので、信頼を深めるためにも日常的に取り入れてみるのもおすすめです。

とくに年に2回ある換毛期は抜け毛の量が多くなることもあり、ブラッシングの需要が高まります。

ブラッシングとシャンプーを併用して、無駄な抜け毛を取り除くなどをし、愛猫が過ごしやすいように毛並みを整えてあげましょう。

◆フードを変えてみる

最近は猫の年齢や体調に合わせて、さまざまなキャットフードが開発されていますが、毛玉を自然に排出させるために、天然の食物繊維が配合された毛玉ケアフードなども市場に多く出回っています。

それぐらい猫と毛玉は切っても切れない関係なので、毛玉を吐く機会を少しでも減らしてあげたいと願うのであれば、このようなフードを活用してみるのも良いですよね。

毛玉ケアフードのほとんどは、毛玉の排出を促すだけでなく、皮膚や被毛の健康状態を整え、優れた栄養バランスが期待できますので、愛猫が喜びそうなフレーバーを選び、食事でのコントロールを心掛けてみましょう。

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また、猫ちゃんの中には便秘がちな子や上手に嘔吐できない子も居ますので、猫草といった植物を食べさせてあげるのも効果的です。

猫草が胃を刺激して毛玉を吐き出す手助けをしてくれますので、毛玉を排出しにくい子には試してみたい方法と言えるでしょう。

もちろん猫草に興味を示す子と示さない子が居ますので、愛猫が興味を示すようであれば、日常的に取り入れてみるのもおすすめですよ。


まとめ

猫がどんなに嘔吐を繰り返す動物だと言われていても、その行為に見慣れる飼い主さんはいらっしゃらないはずです。

それぐらい嘔吐は辛い行為ですし、気分が滅入りますので、できることなら吐く回数を減らしてあげたいと願う飼い主さんは多いことでしょう。

生理現象として毛玉を吐くことをある程度許容する必要がありますが、吐く頻度を減らすことは飼い主さんの工夫次第で可能となります。

愛猫に辛い思いをさせないためにも、日常的に健康管理を怠らないようにし、ブラッシングやフードの見直しをして、極力体内に抜け毛を溜めないような手助けを心掛けてみてはいかがでしょうか。



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たぬ吉

たぬ吉

小学3年生のときから、常に猫と共に暮らす生活をしてきました。現在はメスのキジトラと暮らしています。3度の飯と同じぐらい、猫が大好きです。


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