猫の耳が赤くなる原因は?
猫の体は全身を被毛で覆われていますが、耳だけは被毛の量も少なく皮膚も薄いため、比較的異常に気付きやすい部位と言えますよね。
そんな猫の耳が赤くなっていた場合、どんな原因によって赤くなっているのか、気になるところです。
猫の耳が赤いときには、以下のような理由が考えられています。
◆興奮してる
人が緊張や興奮すると顔に血が上って赤くなるように、猫も興奮すると耳が赤くなることがあります。
興奮すると鼓動が早くなり、皮膚の下にある毛細血管に大量の血液が流れるため、毛細血管が多く集まる耳は赤くなりやすいといった仕組みです。
猫は人間のように汗をかいてもクールダウンができないこともあり、自分自身で体温調節を行って熱を体外へ放出させる必要があるため、放熱しやすい耳や肉球などの体毛の薄い部分に熱が集まりやすく、熱によって赤く(濃いピンク)変色していきます。
特に被毛の色が薄い猫ちゃんの場合は、鼻や肉球の色素も薄い子が多いこともあり、興奮した際には耳だけでなく、鼻や肉球なども赤い色へと変色することがほとんどです。
興奮といった一時的な感情で耳が赤くなった場合は、しばらくすると元の色に戻るため、そこまで問題視する必要はないと言えるでしょう。
◆熱がある
猫の耳が赤い色に変化している時は、興奮した時だけでなく、猫自身に熱がある時にも赤く変色します。
発熱で耳が赤い時は、耳だけでなく体のほかの部位も熱くなっていると考えられ、長い時間耳が赤い色のままだった場合は、まずは体に触れて全体的に熱があるのかを確認してあげてください。
元々平熱が高い(38度前後)猫ではありますが、何かしらの理由によって熱が出た場合には、40度を超すことも珍しくないため、早急な対処が必要となってきますよね。
体が一生懸命放熱をしようと、皮膚が薄く放熱しやすい耳に熱が溜まりますが、汗をかかないといった特有の体質を持つことからも、なかなか熱を下げることが難しいため、様子をみるようなことはせず、すぐに動物病院を受診するようにしてください。
猫の耳が赤くなる原因として考えられる病気
猫の耳が赤くなる理由には、興奮や発熱だけでなく、病気が関係していることもあります。
一時的な生理現象と受け止めないためにも、耳が赤い色になるような症状が出やすいと言われる、猫が患いやすい病気を知っておくと安心です。
◆アレルギー症状
体を触っても発熱している様子もなく、耳がずっと赤いままで耳の中がキレイな場合は、真っ先にアレルギー症状を疑ってみてください。
猫も人間と同じように様々なアレルゲンに反応することが多く、幼少期からアレルギーを発症していなかったとしても、何かしらの理由によって突然発症することがよくあります。
猫が患いやすいアレルギーは「食物アレルギー」「ノミアレルギー」の2つが挙げられますが、「非食物・非ノミ科アレルギー」といった、アレルゲンが特定できないアトピーのようなアレルギーを発症することもあるようです。
顔や耳に赤い斑点が出ることや、痒みを伴うことの多い疾患ではありますが、他の動物や人に感染する病気ではないため、日常の中でアレルゲンを避けた生活を心掛けるようにしましょう。
◆外耳炎
耳の入り口から鼓膜までの外耳に起こる炎症を「外耳炎」と呼びますが、様々な要因から誘発される病気となり、猫に多く見られる皮膚病の一つと言われています。
急性の外耳炎の場合は耳介や外耳道が赤く腫れることや、耳介が分厚くなるといった症状が現れるため、両耳ではなく片耳だけが赤い場合には、外耳炎を疑うようにしましょう。
他にも耳垢が多くなって痒みが出たり、膿が出ることによってニオイが出たりと、様々な症状が現れるため、愛猫の耳が赤いと思ったら、そのほかの症状が出ていないかの確認を怠らないようにしてください。
また、耳の中はとても敏感なため、出ている症状を改善しようと耳掃除をすることや、ティッシュなどで擦ってしまうと、さらに症状を悪化させて炎症が広がる可能性があるため注意が必要です。
◆耳血腫
猫の耳が赤いだけでなく、耳介が腫れるといった「耳血腫」も、気を付けておきたい猫の病気と言えるでしょう。
耳血腫の原因は解明されていない部分も多く、発症する主な原因は外耳炎を患った後に、激しく耳を引っ掻く行為や頭を振るといった行為により、耳介内の血管が切れて血液が溜まることによって膨れることが多いようです。
耳介が膨れると餃子のようになることからも、その症状を初めて目にする飼い主さんはさぞ驚かれることでしょうが、耳血種になる前にも何かしらのサインが出ているはずのため、できればその段階で気付いてあげたいものですよね。
耳血種を発症してしまうと、患部が熱を持つだけでなく、強い痛みを伴うことも多いため、早急の治療が必要と言えるでしょう。
病院に連れて行くべき?
猫の耳が赤いときは、様々な理由によって変色することが分かりましたが、症状によっては一時的なものや、治療が必要となる場合がある通り、瞬時に飼い主さんがどのような対処をすべきか判断する必要がありますよね。
遊んだ後に興奮して耳が赤くなったなどの生理現象は、愛猫が落ち着くまで様子をみても問題ありませんが、それ以外の原因で赤くなっている場合には、すぐに動物病院へ連れて行くべきか悩む飼い主さんも多いことでしょう。
発熱が原因となる場合は、猫風邪をひいているのか、別の理由(ケガや炎症など)による発熱なのかを確認する必要がありますし、そのほかの病気が原因であれば、耳が赤い以外にも別の症状が出ていないか、確認しなくてはいけません。
急を要するかしないかは素人判断では難しいため、生理現象で耳が赤くなっている場合以外は、様子をみるようなことはせず、動物病院をすぐに受診した方が安心です。
様子をみてしまうと愛猫が辛い思いをする時間が長くなってしまう上に、飼い主さん自身もその間の時間はずっと不安な気持ちでいなくてはいけないため、悩んだりするようなことはせず、すぐに行動へ移すようにしましょう。
耳が赤い時の対処法
愛猫の耳が赤いと気付いた時には、まずは疑問を持って耳に優しく触れてみてください。
飼い主さんが触ってみても嫌がらないようであれば、一定時間様子をみて構いませんが、少しでも痛がる、嫌がるような素振りを見せる場合には、そのほかにも何か別の症状が出ていないかの確認しましょう。
耳に触れさせてくれずに、食欲不振や元気消失などといった症状が見られるときは、強い痛みや高熱によって体力を奪われている可能性が高いため、すぐに動物病院を受診するようにしてください。
また、食欲不振や元気消失といった症状がなかったとしても、異常に耳を痒がる仕草を見せたり、たくさんの耳垢が出たり、異変があったときにも、自己判断で処置をしようとはせず、動物病院を受診して適切な治療を受けるようにしましょう。
そして耳に関する病気の中でも耳血腫は、強い痛みから元気消失や食欲不振へと繋がり、放置しておくと腫瘍がどんどん大きくなって耳介が変形していきます。
様子をみていたとしても腫れが自然に引くことはないため、少しでも腫れていると感じたときには、1日でも早く動物病院での治療を開始してあげてください。
まとめ
普段は冷たく白からピンク色がかった猫の耳ですが、その耳が赤い色をしていたとき、飼い主さんにとっては理由が分からず、不安な気持ちになってしまうことでしょう。
耳はとても敏感な部位となるため、普段からあまり触れないように意識しているかもしれませんが、このような異常が出たときには触れて確認する必要があり、普段からスキンシップを欠かさないようにして、耳に触れることに慣れさせておくことも大切です。
一時的に耳が赤くなるような生理現象であれば問題ありませんが、発熱している場合や痛みがあるときなどは、飼い主さんが触れてから反応をみてみないことには、どんな対処をすべきか、判断が難しくなってしまいますよね。
信頼できる飼い主さんに触れられて拒否反応を示すようでしたら、放置するようなことはせず、動物病院へ連れていき適切な治療を受けるようにしてください。
愛猫の健康を守れるのは飼い主さんしかいませんし、異変に気付いてあげられるのも飼い主さんしか存在しないため、毎日を一緒に楽しく過ごしながらも、日常的に不調がないかの確認も怠らないようにしましょう。
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