1.猫のおしっこの臭いがきつい理由は?
1-1.猫のおしっこはとても濃い
1-2.おしっこにフェロモンが含まれる
1-3.おしっこが薄い場合は病気の可能性も
2.猫のおしっこの臭い消し方法
2-1.粗相をされてしまった場合
2-2.部屋がおしっこ臭い場合
2-3.トイレがおしっこ臭い場合
3.猫の粗相対策
3-1.おしっこ臭をしっかり消す
3-2.トイレの環境を整える
4.まとめ
猫のおしっこの臭いがきつい理由は?
猫のおしっこは健康体であっても臭いがきつく、猫と一緒に暮らす方であればトイレ周辺の掃除を念入りに行っている方がほとんどではないでしょうか。
どんなに掃除を頑張っていたとしても、鼻の奥にこびり付いたような臭いはなかなか消し去ることができず、頭を悩ませている方も少なくないはずですよね。
そもそも猫のおしっこはなぜ、こんなにも臭いがきついのでしょうか?
◆猫のおしっこはとても濃い
猫のおしっこはとても濃いことで有名です。
その理由にはおしっこを生成するメカニズムが関係してきます。
猫の先祖は砂漠といった乾燥地帯で暮らしていた「リビアヤマネコ」が起源とされています。
飲み水が少ない環境下でも生活をしていくために、少ない水分量で効率よくおしっこを生成し、濃縮されたおしっこを出すようになりました。
その名残が現代を生きる猫たちにも強く受け継がれ、色が濃く臭いの強いおしっこが出ると考えられているようです。
このような濃いおしっこをすることからも臭いが強く、日常的に臭い消しといった作業が必要になってしまうことにも納得ですよね。
◆おしっこにフェロモンが含まれる
猫のおしっこの臭いがきつい理由には、メカニズムだけでなくおしっこ内に含まれる成分も大きく関係しています。
猫が排出するおしっこの中には、「尿素」や「フェリニン」といった成分が含まれています。
尿素は人間のおしっこにも含まれている通り、「ウレアーゼ産生菌」に分解されることによって「アンモニア」へと変換され、ツンとした刺激臭になるといった仕組みです。
猫はこのアンモニアの原因となる尿素のほかに、猫のおしっこにしか含まれない物質となるフェリニンが含まれています。
フェリニンは異性を惹き付けるためのフェロモンや、テリトリーを示す臭い物質となります。
縄張り意識の強いオス猫はこの臭いを利用してマーキング(スプレー)行為をし、自分の存在を主張することも多いようです。
◆おしっこが薄い場合は病気の可能性も
健康な猫ちゃんの場合は濃いおしっこを出す通り、黄色く澄んだ色をしています。
猫砂やペットシーツで明確な色が分からないかもしれませんが、例えるとジャスミンティーのような色合いをしています。
飲水量が少ないからこその凝縮されたおしっこの色となり、この色が多少薄くなっているとしたら、普段よりも飲水量が多かったのかもしれません。
しかし、飲水量も普段と変わらず薄いおしっこが出続けている場合は、病気の可能性を考える必要が出てきます。
腎臓で血液がろ過されることによりおしっこは生成されます。
腎臓の機能が衰えて濃縮されず、必要以上に水分が体外へと排出されている可能性も否めません。
おしっこの色が薄い場合は慢性腎臓病や、多飲多尿といった症状が出る初期の糖尿病といった病気が疑われます。
また、白濁した薄い色のおしっこが出る場合は、細菌が混ざることにより白濁している可能性が高いです。
膀胱炎などといった泌尿器系の病気を疑うようにしましょう。
猫のおしっこの臭い消し方法
猫と一緒に暮らす以上、飼い主さんは日常的に臭い消しの作業を続けなくてはいけませんよね。
排泄物の掃除だけをしていれば、部屋の中に臭いが蔓延しないような気もしますが、飼い主さんのほとんどは猫のおしっこに対しての免疫がつき、臭いに鈍感になってしまっている方も多くいらっしゃることかと思います。
それらの臭いを再確認するときは外出先から戻った際や、来客が訪問した際に指摘されるなどさまざまではあります。
原因となるおしっこ臭を元から断ちたいと望んでいる方がほとんどではないでしょうか。
まずはシチュエーション別に、どんな臭い消し方法が効果的なのかを見ていきましょう。
◆粗相をされてしまった場合
猫ちゃんによっては何かしらの原因により、トイレ以外の場所で粗相をしてしまう子は多く存在します。
粗相をした箇所を徹底的に掃除したつもりでも、臭いの元が残っていればその臭いをたどって、再度粗相を繰り返す子は少なくありません。
また、飼い主さんが外出中に粗相をされて時間が経過している場合は、なかなか粗相をした場所が特定できず、そのまま放置されてしまうケースもありますよね。
愛猫が粗相をした場合には、臭いを元から断つといった臭い消し方法が効果的です。
洗えるものであれば洗濯も有効ですが、室内には洗濯機で洗えない家具も多いため、消臭スプレーなどの利用がおすすめとなります。
猫のおしっこ臭を消すためにはお酢が効果的となり、スプレーボトルにお酢1:水4の割合で混ぜ合わせた、お手軽な消臭スプレーを作ってください。
粗相した場所が十分に濡れるまでスプレーし、乾いたタオルや新聞紙などで余分な水分を拭き取りましょう。
この作業を何回か繰り返したのちに、ドライヤーの熱を使って一気に乾かします。
お酢のツンとした臭いは熱でだんだんと気にならなくなります。
自然由来の材料のみで臭い消し作業を行うことができれば、安全が確保できたことに飼い主さんも安心できるはずです。
お酢の消臭スプレーを使ってもまだ臭いが気になるようであれば、粗相をした場所に重層を振りかけて15分ほど放置します。
そしてその上からお酢の消臭スプレーをかけてさらに15分程放置します。
重層にも消臭効果が期待でき、お酢と重層を混ぜることにより「酢酸ナトリウム」といった研磨作用のある物質が発生するため、気になる臭いだけでなく汚れも一緒に吸収してくれますよ。
合計で30分程度放置したら乾いたタオルなどで水分を吸収し、ドライヤーでしっかりと乾かしましょう。
◆部屋がおしっこ臭い場合
部屋の中がなんとなくおしっこ臭い場合には、壁紙や布製品の家具などに臭いが付着しています。
まずは部屋の窓を開けるなどをして、空気の入れ替えをするようにしてください。
換気をすることによって室内の空気が循環していき、ある程度の臭いが気にならなくなるはずです。
その間に洗える布製品は洗濯をして、洗えない布製品などには消臭スプレーを使用しましょう。
壁紙は水で濡らしたタオルを固く絞ってから拭きあげましょう。
消臭スプレーを使用する際には必ず、布製品に使用できるペットにも安全な成分(もしくはペット用)の商品を選ぶようにしてください。
置き型の消臭剤も効果的ですが、香料を使用した商品は猫にとって害となります。
猫に安全な無香料の商品を選ぶようにし、常に愛猫の安全を気遣ってあげるようにしましょう。
◆トイレがおしっこ臭い場合
猫のおしっこ臭は、排泄した猫砂やペットシーツを掃除するだけでは、強い臭い消し効果は得られません。
定期的な猫砂の交換やトイレ本体の丸洗いといった掃除も必要となってきます。
また愛猫が排泄したタイミングで掃除ができず、1日に最低1回程度の掃除頻度であれば、1日2回以上の掃除回数を増やすことによって、ある程度の臭い消し効果が得られるはずです。
トイレがおしっこ臭い場合は、掃除を徹底的に行うことこそが臭いを断つ近道となります。
常に清潔な状態を維持できるように心掛けていきましょう。
猫の粗相対策
猫のおしっこで一番厄介なのは、やはり粗相といった一層臭いのきつい粗相ではないでしょうか。
愛猫が何度も粗相を繰り返す場合には、以下のような対策を行うようにしてください。
◆おしっこ臭をしっかり消す
前述してある通り、猫の粗相は臭いの元を断つことこそが効果的と言えます。
猫は鼻がよく利く動物として知られている通り、わずかな臭いでも感じ取れます。
臭いが残っていればまた同じ場所に粗相を繰り返してしまうはずです。
臭い消し作業を徹底的に行うようにし、臭いの元を根絶させるように努めましょう。
◆トイレの環境を整える
猫が粗相を繰り返すということは、トイレ環境に何かしらの不満やストレスを抱えている証拠となります。
根本的な原因を解決しない限り室内の決まった場所だけでなく、別の場所でも粗相をするようになってしまいます。
しっかりと原因追究をしつつ、トイレ環境を整えてあげてください。
猫はトイレトラブルの多い動物ではありますが、それも一つの個性として受け止め、責任を持って快適なトイレ空間を保つようにしましょう。
まとめ
猫と一緒に暮らしていると、生活空間の中に猫用トイレを設置する必要があり、どんなに気を遣って掃除を行っていたとしても、刺激臭強めの猫のおしっこ臭は残ってしまうものです。
日常的に臭いが気になってしまえば、ゆっくり過ごせるはずの自宅で心が休まらなくなってしまうため、日常的に意識をしてトイレ環境を整えていく必要があるのではないでしょうか。
第一に猫のトイレ掃除は徹底して行うようにし、粗相をした箇所は臭いが残らないような臭い消し作業を心掛け、新鮮な空気を取り込むといった作業を日常的に怠らないようにしてください。
毎日の積み重ねこそが猫のおしっこ対策には一番ですので、日頃から臭い消し作業を行うことを心掛け、清潔を保っていきましょう。
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