1.猫にうどんを与えても良い?
1-1.うどんに含まれる栄養素
1-2.期待できる効果
猫にうどんを与えても良い?
私たち人間の主食ともなる「うどん」ではありますが、調理の最中に愛猫が欲しがった場合、与えても大丈夫なのか悩んだことのある飼い主さんは多いはずです。
基本的に人間の食べ物は猫に与えるべきではないと言われていますが、うどんには猫にとって有害な成分は含まれていないため、少量であれば与えても問題ありません。
シンプルな素材で作られているうどんには、どのような栄養素が含まれているのかを、まずは見ていきましょう。
◆うどんに含まれる栄養素
乾麺や冷凍うどんなど、使い勝手の良いうどんではありますが、原材料は小麦粉、水、塩を混ぜて作られているため、主食にもなる優れものの食材となります。
うどん1玉には豊富な炭水化物が含まれており、そこにさまざまな食材をトッピングすることによって、バランスの良い主食へと変化します。
小麦粉にはたんぱく質も含まれていて、水を加えて練ることによりグルテンが形成され、粘り気のあるうどん特有のコシが生まれます。
量は多くありませんが、小麦粉にはミネラル類やビタミン類、食物繊維も含まれているようです。
◆期待できる効果
うどんには豊富な炭水化物が含まれていることから、身体を動かすためのエネルギー源として力を発揮してくれます。
そして、小麦粉に含まれているたんぱく質といった栄養素は、猫にとっても欠かすことのできない栄養となるため、体力の落ちている猫ちゃんや食欲低下している猫ちゃんに食べさせることにより、栄養を補助してくれるといった役割を果たしてくれるのです。
グルテンが形成されているうどんは消化や分解がスムーズに進み、迅速な消化吸収やエネルギー変換が行われるため、消化効率もよく胃腸に負担をかけにくい食べ物と言えるでしょう。
健康な猫ちゃんに敢えて食べさせる必要はありませんが、何かしらの事情によってキャットフードを食べられない猫ちゃんにとっては、効率の良いエネルギー源となるためおすすめです。
うどんを好む猫もいる
味付けをしていないうどんは、ほんの少し塩味を感じるだけで味気ない感じがしますが、猫ちゃんの中にはそのようなうどんを好む子も居ます。
何かしらのきっかけでうどんを口にし、その味を覚えてしまった猫ちゃんや、飼い主さんが食べているから興味を持つきっかけになった猫ちゃんなど、理由はさまざまとなるようです。
また、うどんの出汁やつゆには、かつお節やいりこが使われていることも多く、その香りにつられてうどんを欲しがる子も少なくありません。
愛猫がうどんを欲しがった場合、どのようにして与えることが適切なのでしょうか。
うどんの与え方
愛猫がうどんに興味を示した際には、以下のことに注意しながら、安全に食べさせてあげましょう。
◆最適な量
毎日総合栄養食を食べて、1日に必要な摂取カロリーが摂れている猫ちゃんであれば、うどんを与える際にはトッピング程度を心掛けてください。
商品にもよりますが、うどんは大体1本で10gほどとなるため、健康な成猫の場合はうどん1本程度であれば食べても問題ありません。
しかし、1回に与える量はそれよりも少ない方が、より安全に与えることが可能となります。
また、消化器が未発達な子猫や消化器官が衰えている老猫の場合は、何かしらの理由によってキャットフードが食べられない限りは、与えない方が賢明です。
しっかり茹でて柔らかくしたうどんであれば、そこまで消化に負担はかかりませんが、うどんには塩分も含まれているため、大量に摂取させてしまうと、塩分がほかの臓器に負担をかけてしまうためおすすめできません。
うどんを猫に与える際には必ず、年齢や健康面を考慮した上で、適切な量を与えるようにしましょう。
◆茹でる
うどんには乾麺や茹で麺などが売られていますが、猫に与える際にはうどんに含まれている塩分量を減らすためにも、必ず沸騰したお湯で茹でてから与えるようにしてください。
そして、少しでも消化吸収を良くするためにも、表示茹で時間よりも長めに茹で、しっかりと流水で洗って粗熱を取るようにしましょう。
◆細かくカットする
うどんはのど越しも楽しめる食べ物となりますが、猫に与える際には必ず細かくカットするようにしてください。
猫は食べ物をよく噛まず、丸飲みする傾向の強い動物のため、うどんのように細長く粘り気がある食べ物をそのまま与えてしまえば、うどんが喉に詰まってしまう危険性も否めません。
最大で1cm程度を目安とし、安全な状態で食べさせてあげる必要があります。
うどんは粘り気があることからも、歯などにくっついてしまうこともあるため、食べづらそうにしているようであれば、ウェットフードに混ぜるなどをして与えてみることもおすすめです。
◆味付けはしない
出汁も美味しいうどんではありますが、猫に与える際には味付けをしていない素うどんのみを与えるようにしてください。
人間用に味付けされたうどんは、猫にとって味が濃すぎますし、うどんそのものにも塩分が含まれているため、塩分過多となってしまい大変危険です。
塩分が気になるようでしたら、無添加のうどんを与えるようにし、より安全に愛猫に食べさせてあげる工夫をしても良いでしょう。
また、薬味に使われているネギ類は中毒症状を引き起こす食材となるため、取り除いたとしても成分がうどんに付着している場合もありますし、そのようなうどんは与えない方が賢明と言えますよね。
いかなる場合でも味付けや薬味の入ったうどんは猫に与えないようにし、飼い主さん自身で茹でた安全な素うどんのみを与えるように努めましょう。
小麦アレルギーに注意
うどんの主原料となる小麦粉は、アレルギーにも注意しなくてはいけません。
食物アレルギーの代表格とも言える小麦アレルギーは、人間だけでなく猫ちゃんでも発症することがあるため、愛猫が穀物アレルギーを持っている場合は、さまざまなアレルギー反応を引き起こす可能性があります。
アレルギー症状のほとんどは皮膚の痒みや湿疹となりますが、症状が悪化すれば嘔吐、下痢、口周りの腫れ、過剰な抜毛、血便が出ることもあるため、初めて愛猫にうどんを食べさせる際には、少量を与えて様子を見るようにし、食後の経過観察を怠らないようにしてください。
万が一うどんを食べたあとにアレルギー反応が出た場合には、うどんを与えることを中断し、速やかに動物病院を受診するようにしましょう。
猫にうどんを与える際の注意点
主な原材料が小麦粉となるうどんは、炭水化物や脂質といった栄養素が豊富に含まれているため、愛猫が欲しがるからといって与えすぎてしまうと、肥満に繋がってしまいます。
塩分が含まれていることからも、大量にうどんを食べてしまえば血圧が上がり、心臓や腎臓に負担をかけてしまうため、特別な理由がない限りは与えない方が賢明と言えますよね。
また、うどん特有のもちもち感や粘り気を出すグルテンは、腸の粘膜に張り付いて腸内環境に悪影響を及ぼす可能性もあります。
もともと植物の消化が苦手な猫にとって、小麦粉のような穀物は摂取する必要はないため、敢えてうどんを食べさせる必要はないとも言えるでしょう。
穀物は水を加えて加熱してあれば消化不良を起こす心配はありませんが、少しでも胃腸などに問題を抱えている猫ちゃんには、うどんは与えない方が安全と言えます。
愛猫の健康は飼い主さんしか守ることができないため、人間の食べ物を与える際には細心の注意を払い、安全を考慮して与えることを心掛けていきましょう。
まとめ
日常的に食べる機会の多いうどんではありますが、飼い主さんが美味しそうに食べていると、「どんなに美味しいものなんだろう?」と興味を示して、欲しがる猫ちゃんは少なくありません。
もちろんうどんの出汁に使われているかつお節や、いりこなどの香りに釣られる猫ちゃんも居ますが、欲しがってきたら放っておけないといった飼い主さんも多いのではないでしょうか。
うどんそのものに害のある成分は含まれてはいませんが、食べ過ぎてしまえば肥満や血圧の上昇を促すこともありますし、臓器への負担も懸念されますよね。
うどんで猫に必要な栄養素は補えませんし、特別な理由がなければ与える必要のない食べ物とも言えます。
どうしても愛猫がうどんを欲しがる場合には、少量の味付けをしていないうどんのみを細かくカットし、フードにトッピングしてあげるようにしましょう。
猫の食事ではうどんを主食にできませんので、おやつ感覚で与えることを心掛け、安全に美味しくうどんを食べさせてあげてくださいね。
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