1.猫の一日のご飯の量、把握していますか?
2.猫の適切なご飯の量は?
2-1.愛猫の体型と体重をチェック
2-2.給餌表もしくは計算式に当てはめる
3.猫のご飯の与え方
4.猫のご飯の量の見直し
5.まとめ
猫の一日のご飯の量、把握していますか?
猫のご飯の量について、「とりあえず何となくの量で猫にご飯をあげている」という飼い主さんもいるかもしれません。
しかし、1日に食べるご飯の量は、「何となく」を毎日積み重ねてしまうと肥満や痩せすぎ、シニア猫では筋肉量が低下しやすくなって足腰の弱りにつながることもあるなど、健康状態を悪化させるリスクもはらんでいます。
もしも今まで猫にあげる1日のご飯の量について正確に把握していなかったのであれば、今のご飯の量がちょうど良いのかどうかをぜひ今からチェックしてみてください。
猫の適切なご飯の量は?
猫のご飯の量が適切かどうかは、現在の「体型」と「体重」を目安にしましょう。通常は体重ばかりに目がいきがちですが、骨格のサイズや筋肉量に違いがあれば理想的な体重は異なり、同じ猫種・同じ体重であっても、時には適正な体型を維持できていないかもしれません。
愛猫の体型が理想的かどうかを確かめたい時には、「BCS(ボディコンディションスコア)」という指標が参考になります。
・上から見ると腰のくびれがわずかに確認できる
・横から見ると腹部のラインが上がっている
といったものが「理想的」と言われるBCS「3」の状態です。
しかし、骨がゴツゴツと触れるようならBCS「2」以下の痩せ気味~痩せすぎ、反対に、力を込めても肋骨が触りにくく、腰のくびれがないならBCS「4」以上の太り気味~肥満と評価されます。
ただし、猫は腹部に「ルーズスキン」と呼ばれる皮膚のたるみがある子も多いので、飼い主さん自身で体型の評価するのが難しければ獣医師に尋ねてみましょう。もしも適正体重・体型でない場合は、猫のご飯の量を増やしたり、減らすことが必要です。
猫に与える1日のご飯の量を具体的に知りたい時には、市販のキャットフードのパッケージに記載されている給餌表(給与量)を参考にすることができます。ただし、給餌表はあくまで目安であり、猫の体質や運動量、病気の有無などによって、給餌表に記載のご飯の量では多すぎたり、少なすぎたりする可能性があります。
フードによっては、「運動量が多い猫の場合」「去勢・避妊をした猫の場合」など、必要カロリーの変化に大きく関わる条件ごとにご飯の目安量を表示してくれているものもあるので、その場合は愛猫に当てはまる条件の欄をチェックしてみてください。
より正確に猫のご飯の量を確認したければ、1日に必要なカロリーを「栄養計算」してみることも可能です。
・理想体重
・年齢
・1日の運動量
・去勢、避妊の有無
・現在食べているご飯のカロリー
などの情報を元に、個体別に「RER(安静時エネルギー要求量)」や「DER(1日あたりのエネルギー要求量)」と呼ばれる必要エネルギー量を算出するのですが、飼い主さんだけで正確に計算することは難しいことが多いでしょう。
かかりつけの動物病院で愛猫の状態を確認してもらった後、獣医師や愛玩動物看護師にご飯の量を計算してもらったり、動物病院などがインターネット上で公開している計算式に各条件を記入して、ご飯の量を求めてみることをおすすめします。
猫のご飯の与え方
猫のご飯の与え方は、3つのポイントに気を付けましょう。
正確な愛猫のご飯の量が分かったら、多くの場合はカロリーオーバーにならないように注意します。「総合栄養食」と呼ばれる栄養バランスを適切に配合した主食をあげているなら、基本的にはそれと水だけ摂取していれば健康維持ができます。
しかし、愛猫の楽しみのために、いわゆる「一般食」「副食」「間食」と呼ばれるような、主におやつやトッピングとして活用されるキャットフードをあげている飼い主さんも多いことでしょう。
もしも主食におやつやトッピングを追加したのであれば、その分の主食の量を減らす必要があります。ただし、おやつが多くなりすぎれば栄養の過不足が起こる危険もあるため、おやつの量は1日に必要なエネルギー量の10%程度までにおさめてあげてください。
また、シニア期になると太りやすくなると聞いたからと、ご飯の量を減らしてしまう飼い主さんもいます。ところが、栄養素の吸収能力が落ちている高齢猫でむやみにご飯の量を減らすと、体に必要なエネルギー量をご飯だけでは満たせず、体内の筋肉を分解してまでエネルギーに換えてしまうことがあるので注意が必要です。
愛猫が食べるべき1日のご飯の量は、「何となく」増やしたり減らしたりはせず、その時の体重や体型をもとに見直すようにしてみてください。
離乳前後の幼い子猫などの場合は、食欲(食べたご飯の量)や体重をチェックして毎日比較するためにも、時間を決めて与えることが大切です。
また、成猫期以降でもご飯の時間をあらかじめ決めておくことで、万が一のあげ忘れや与えすぎを防ぎやすくなるメリットが生まれます。
ただし、ご飯の時間になると猫から激しく催促されて飼い主さんが困ってしまうこともあるため、飼い主さんの仕事時間が不規則な場合などは、あえて時間を決めずにご飯を出すのも1つの方法です。
時間を決めてあげたい場合は、必要に応じて自動給餌器も利用してみましょう。ご飯を時間通りに食べたい猫と、催促に悩む人間のストレスの両方をカバーしやすくなります。
子猫期は、一度にお腹の中に入れられるご飯の量も限られているため、1日3~4回以上に小分けして食べさせてあげましょう。離乳前後の子猫ならば、ミルクから固形のご飯へと少しずつお腹を慣らすため、1日4~6回程度の頻回で与える必要もあります。
成猫期は、猫のご飯の食べ方や形状、食事にまつわるトラブルがないかを確認しながら、回数を維持するか、減らすかを決めるのがおすすめです。
猫は、基本的には少量頻回でご飯を食べる動物です。そのため、時間をかけてドライフードをちょっとずつ食べたいタイプの猫であれば、朝と夜の1日2回で新鮮なご飯を入れ替えて与えることも可能です。
ただし、ウェットフードなどの水分を多く含むご飯は置きっぱなしにすると傷んでしまうので、猫が一度に食べきれる量を小分けにして出してあげましょう。
ご飯をあげると一気に全部食べてしまう猫は、がっついて食べることによる吐き戻しや、ご飯とご飯の間隔が長くなりすぎて、空腹による嘔吐や精神的なストレスにつながっていることもあります。その場合は、必要なご飯の量だけ成猫用フードで計算し直して、回数は子猫の頃と同じく多いままでもまったく問題ありません。
シニア期の猫は、胃腸の消化・吸収機能が低下しやすいこともあり、小分けにしてあげた方がお腹への負担は軽減されます。
人間が年を重ねた時のように、食欲はあるけれども一度にたくさん食べることが難しいと感じているようであれば、1回あたりのご飯の量を少なくして小分けにすることで、トータルで見れば1日に必要な食事量をきちんと食べきることができる子も多いです。
猫のご飯の量の見直し
猫のご飯の量を見直す機会が多いのは、ライフステージが変化する時です。特に、「1歳未満(12ヶ月齢まで)」「1~6歳頃」「7歳以降」と、いわゆる「子猫(キトン)」「成猫(アダルト)」「高齢猫(シニア)」でキャットフードの切り替えをすすめているメーカー・ブランドが多いことから、飼い主さんも意識するきっかけとなるでしょう。
基本的に、子猫の頃は体がぐんぐんと成長する時期です。そのため、1日に必要なご飯の量(カロリー)も多い傾向にあります。
しかし、避妊・去勢手術をしてホルモンバランスの変化が起きると太りやすくなったり、成長期が終わりをつげる1歳頃には、体が必要とするご飯の量が落ち着くことも多いです。猫それぞれの運動量も見ながらになりますが、成猫用フードに切り替えるときには肥満を防ぐためにもしっかりとご飯の量を見直してみましょう。
高齢猫は、シニア期が始まったばかりの頃と、シニア後期ではご飯の量に関する考え方が異なります。初期では、基礎代謝の低下に伴う太りやすさが問題となりやすいですが、老化に伴う筋肉量の減少や胃腸機能の衰えが目立つようになる後期では、しっかり食べているはずなのに痩せてしまうことも少なくありません。
猫の体型に変化があった時には、ご飯の量の見直しや健康診断が必要なサインだと考えましょう。特にシニア猫の体型変化は、老化によるものか、それとも病気によるものかが分かりにくいケースも多いです。
例えば、腎臓機能が悪化している猫の場合、明らかな嘔吐がなかったとしても、気持ち悪さから1日に食べるご飯の量がいつのまにか減り、気づかぬうちに痩せてしまっていたという子もいます。
毎日猫と一緒にいると、食べるご飯の量が適正範囲なのかどうかや、体型の変化を実感しにくいこともよくあるので、自宅に体重計があれば測定する習慣をつけたり、動物病院でこまめに健康診断を行うようにしてみてください。
同じメーカーのご飯であっても、ブランドや対象年齢が違うものならフードの組成も異なるため、1粒・1gあたりに含まれるカロリーも変化します。元のフードと同じ量をあげているつもりでも、猫が健康を維持するには、食べるご飯の量が少ない・多いといったトラブルにつながることがあるので注意しましょう。
また、病気になった時に処方される「療法食」を治療の一環で与え始める場合、おやつの中止などを求められるケースもあります。その際にも、おやつの分のカロリー摂取量が減ることから、ご飯の量の見直しが必要になるでしょう。
キャットフードを切り替える時には、新しいフードを元のフードに少しずつ混ぜて、お腹を慣らしながら変更していきます。ご飯の量について栄養計算し直しつつ、下痢などのうんちの崩れが起きないかもよく見てあげると良いですね。
まとめ
猫のご飯の量は、体重だけを目安にするものではなく、体型が適正範囲かどうかも重要なポイントになります。
しかし、理想的な体型かどうかのチェックや、ご飯の量を求める栄養計算は難しいと感じる飼い主さんも多く、なかなか手が出せなかったという人もいるはずです。また、ご飯の与え方についても、猫それぞれの条件が異なれば、1日の食事回数や1回量を変更した方が良い場合もあります。
ご飯の量はもちろんのこと、愛猫の食事について悩みがある時には、ぜひ信頼できる動物病院とも連携しながら見直してみてくださいね。
– おすすめ記事 –
・猫のダイエット方法は?肥満におすすめのフードやおもちゃ |
・猫缶のおすすめポイントは?嗜好性の高い猫フードを利用しよう |
・【ウェット・ドライ別】キャットフードの保存方法をご紹介! |
・猫にツナ缶がNGな理由!シーチキン好きにおすすめのフード4選も |