気づきにくいので要注意!犬の「貧血」について

2016.01.20

気づきにくいので要注意!犬の「貧血」について

「実は、最近うちの子、元気がなくてふらついてました」と夜間救急で、当院に運ばれてくるペットたちが、意外と多くいます。 原因は家庭環境による盗食から、自己免疫性疾患という重病の可能性もあるため注意が必要です。 今日は、「貧血」について説明していきましょう。

「貧血」とは…

血液中の赤血球や血色素(ヘモグロビン)が少なくなってしまうことを言います。では、そうなるとどうなってしまうのでしょうか?
赤血球の働きとして、主に酸素を全身に運ぶ役割があります。
ですので、症状としては下記が上げられます。

・ ふらつき
・ 元気消失
・ 下の色がいつもの赤ではなくピンクや紫色などになる

などが考えられます。
そのような病状になるには、原因が必ずどこかにあります。
それは、骨髄での産生の異常、また抹消血中で赤血球が壊される、そして大量出血などが考えられます。
みなさんもご存知の通り「タマネギ中毒」は抹消血中の血が壊され貧血になるということです。

166634

そして、マダニによるバベシア感染も赤血球に寄生虫が付き、破壊していきます。そう考えると、様々な原因はあるものの実は、貧血の症状は比較的多い病気なのです。
検査としても、確定診断を行うためには麻酔をかけ、骨髄検査が必要な場合もあります。
ただ、早い診断を行わないと命の危険性があるため、躊躇している時間はありません。
症状が見られた際はいち早く病院に行きましょう。

– おすすめ記事 –

 犬のてんかんについて…


 備えあれば憂いなし ペット保険のススメ


 ノミ、マダニから愛犬を守ろう


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
Dr.佐藤 貴紀

Dr.佐藤 貴紀

幼い頃から大の動物好きで、獣医を志す。 麻布大学獣医学部卒業後、西荻動物病院、dogdaysミッドタウンクリニックにて副院長をつとめる。 また、獣医生命科学大学内科学教室において循環器を主に学ぶ。 2008年7月に「白金高輪動物病院」開業。 2011年4月に「中央アニマルクリニック」開院。 専門は「循環器」。全国に約60人しかいない(2013年5月現在)「日本獣医循環器学会認定医」の一人。 専門外来を特徴とし、確定診断にもこだわり、かかりつけ医を推進している。 誠実でやさしい人柄と確かな技術に惹かれて、全国の飼い主さんから相談が絶えず寄せられている。

関連するキーワード


記事に関するお問い合わせはこちら