サルーキーの歴史
サルーキは最も古い歴史を持った犬種といわれており、紀元前数千年という古代エジプトの墓に、サルーキが存在した証拠が見つかっています。サルーキという名前については、アラビア古語の「アラーの神より授かりしもの」や古代アラブにあった地名「サルク」、地中海東海岸の古代文明「セレウキア」に由来すると諸説ありますが、定説はありません。ですが、犬を不浄なものと見なすイスラム国においてさえ、例外的に「el hor」、つまり「高貴なもの」として扱われています。狩猟犬として食用の肉を調達してくれるサルーキは、人間と一緒にテントの中で眠ることを許され、ベドゥイン人(アラビアの遊牧民族)の族長に、丁重に扱われていたからでしょう。
初期のサルーキは、中近東から北アフリカにかけてレイヨウ、ジャッカル、キツネ、野うさぎ、イノシシ狩りなどをする際の猟犬として活躍していたと考えられます。その後、遊牧民族とともに移動したため、生息地が大幅に広がり、シルクロードに沿った殆どの地域でサルーキを見かけるようになりました。
そのような遺伝子を持ったせいでしょうか、サルーキの性格はどこか超然としたところがあり、独立心が旺盛です。見知らぬ人にはあまり懐かず、一定の距離をおいて接する反面、飼い主や家族に対しては非常に献身的で、よく指示に従います。それでもあまり自分の感情を出すタイプではありません。
サルーキーの性格
サルーキーは感受性がとても強く、秩序のない遊びには参加しようとはしません。家の中でも非常に落ち着いており、いつも暖かく過ごしやすい居場所を確保しようとします。しかし一度外に出ると、狩猟犬としての血が騒ぐのか、物凄いスピードで走り回り、早く動く物を見かけたり小動物が走っているのを見たりすると、全力で追いかけたりします。そんなときは呼んでも戻ってこないくらい、夢中になっている場合もあります。ちなみにサルーキは犬の中でも俊足で、時速77キロというスピードで走ります。
サルーキは清潔好きで体臭も少ないため、家庭犬に向いているといえます。しかし自由奔放な性格ですから、そこをよく理解して躾ける必要があります。きちんとした躾を行わないと、暴走に似た行動を取ることがありますし、利口ですから躾はすぐに覚えますが、飼い主の要求に納得しないとなかなか従いません。ただ頭がよい分感受性も敏感ですので、毎日話し掛けてあげていれば、飼い主の言葉を次第に理解してきます。また叱るときは叩くなどの体罰はやめておいた方がよいでしょう。叩いてしまうとかえって近寄ってくれなくなり、お互いの信頼関係が保てなくなってしまいます。叩くよりは褒めるようにした方が効果は上がります。
大型犬で運動が大好きなサルーキを散歩に連れ出すときは首輪とリードが必要です。最初は嫌がるかもしれませんが。室内で緩く首にリボンをまいたり、長めの紐をまいたりして少しずつ慣らしていけば、スムースに首輪とリードを着けることができます。
運動は毎日、足場のよい安全な場所に行くのがポイントです。リードをつけて長めの散歩をしたり、ジョギングをしたりして十分に走り回らせ、広場などで一緒に遊んであげましょう。真夏の暑い季節以外は、いつでも自由に外に出られるようにしておくのが理想的です。雪の日や寒い風の中でも活発に遊びますが、あまり長時間過ごさせるのは避けた方がよいでしょう。
サルーキは食べ物に関しては好き嫌いが激しく、かなり神経質です。しかし栄養バランスの偏りは多くの病気の原因にもなりますから、きちんとしたドッグフードを選びましょう。またサルーキはあまり食欲旺盛な方ではありませんので、エサを与えすぎて太らせないよう気を付けて下さい。ただでさえ細くスマートな身体ですから痩せすぎではないかと思いがちですが、サルーキは従来からスリムな身体をしています。理想体重であっても細く見えることを忘れないように。
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