【掲載:2016.07.12 更新:2021.08.06】
パンティングとは?
犬のパンティングとは、口を大きく開きハアハアと呼吸することをいいます。散歩や運動をしたときや、気温の高いとき、興奮した時などに見られる呼吸です。
犬は人間と違って、汗腺が足の裏にしか存在しないため汗を流して体温を下げることができません。
そのためハアハアと呼吸し唾液を蒸発させて、その気化熱で体温を下げています。
パンティングは一時的な体温の上昇を止めるための呼吸で犬にとっては自然な行動ですのでほとんどの場合は心配することはありません。
ですが、長時間荒い呼吸が続く場合、気温が高くなく運動していないのにハアハアしている場合、元気がない場合、舌の色が悪い場合など危険なパンティングもあります。
異常なパンティングがみられる場合これから紹介する病気が隠されている場合がありますので、少しでも異変を感じたら動物病院で診察してもらいましょう。
免疫介在性溶血性貧血(IMHA)
–症状–
急に元気がなくなり、すぐに疲れるようになります。また、運動をしたがらず、息が浅く速くなることが一般的な症状です。ほかにも、多飲・多尿や嘔吐などの症状もあらわれることがあります。とくに、マルチーズやプードル、コッカー・スパニエル、シーズー、アイリッシュ・セッターなどの犬種に多く見られ、特にメスに多い傾向がある病気です。
–原因–
体内へ侵入するウイルスや細菌などを撃退するために免疫システムが自身の赤血球を攻撃してしまい、破壊してしまうことにより発症します。
–治療–
ステロイド剤などで抑えます。ひどい場合には輸血を行う場合もありますが、その際にはきちんと獣医と話合う必要があります。放置しておくと2〜3週間でなくなってしまうこともあるので、早期発見・早期治療が必要です。
拡張型心筋症
–症状–
初期のころでは失神することもありますが、他に症状がなく発見しにくい病気です。
その後、咳や呼吸困難が見られ、最悪の場合突然死することもある怖い病気です。
元気がなくなったり、意識が飛ぶようなこともあり、パンティングのような呼吸をすることが多いです。
–原因–
原因はいまだ解明されていませんが、老犬がとくに発症しやすい特徴があります。
アメリカン・コッカー・スパニエル、ダルメシアン、グレート・デーン、ドーベルマン、ピンシャー、ボクサーなどの大型の犬種によく見られる病気です。
–治療–
進行性の病気で完治しずらく根気強く継続的な治療をする必要があります。
利尿剤や強心剤を用いたり、血管拡張剤、抗不整脈剤を使用するなど症状によって投与薬が変わってきますので、獣医と念入りに相談しておく必要があります。
また、食事にも気を付ける必要があり、塩分を控えて心臓への負担を軽減させなければなりません。
しかし、治療は進行を遅らせるだけのもので、良くならないので、延命にも限界があります。
とにかく異変を感じたらすぐに病院へつれていきましょう。
気管虚脱
–症状–
パンティングのようは「ハッハッハ」という息とは違い、ゼーゼーとした息をするのがこの病気の特徴です。
呼吸が荒く、乾いた咳をするようになるほかに嘔吐をしたり、呼吸困難を引き起こすこともあるので要注意です。
また舌が紫色になる症状がでてくることもあります。
–原因–
一般的に遺伝的要因や肥満、老化、慢性による気管支炎などよって引き起こされる病気です。はっきりとした原因は不明ですが、ミニチュア・プードル、チワワ、ポメラニアン、ヨークシャー・テリアなどのミニチュア犬種が発症することが多いです。
まれに、大型種も発症することがあります。
–治療–
一度発症すると完治することが難しい病気です。
治療は呼吸困難時に酸素吸引などの処置が必要になり内利的治療では症状がコントロールできない場合には手術を行うことも・・・。
肥満にならないように注意し、呼吸に異変がある際にはすぐに病院へ駆けつけましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
とても怖い病気ばかりでしたね。
あなたのワンちゃんは大丈夫でしたか?少しでも気になる場合にはすぐに病院に駆けつけて、治療を開始するようにしてください。
早期治療・早期発見が病気を食い止めることに繋がります。
ぜひ、ご参考にしてみてください!
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