【掲載:2016.07.31 更新:2020.11.26】
検疫探知犬の仕事内容
空港で働く検疫探知犬は我が国だけでなく、海外でもおなじみです。
荷物の周囲を歩きながらニオイを嗅いで探知します。
海外と自国をつなぐ場所である空港では、欠かせないワンちゃん達なのです。
◆検疫って何?
私たちの生活は、海外からの輸入に頼っている部分が大きいものですよね。食料など、海外のものを食べることも多いです。
しかし、空港からのルートで肉類やハム・ソーセージ類、果物類の持ち込みはNGとされています。
このような食べものの中には伝染病のウイルスや害虫などが入り込んでいる危険性があります。伝染病が日本に侵入してしまえば大変ですよね。これを確認する目的なのが検疫です。
海外から旅行に来る外国人の手荷物の中に、これらの食べ物があった場合、検疫の対象になります。
◆知らずに持ち込んでしまう・・・それを発見するのが検疫探知犬
法で禁止されている行為とはいえ、それ自体知らない人がいまだ多いのが現状。外国でおやつとして食べていたものを何気なく持ち込むケースなどもあるようです。
しかし膨大な手荷物からすべてを検査するのは至難のわざ。そこで、活躍中なのが検疫探知犬なのです。
得意の鼻を活かして、毎日「クンクン」とニオイを察知して、これらの食品の持ち込みを見つけてくれます。
ワンちゃん達が働く姿を見てもらうことで、動物検疫のことを知ってもらうことができます。
日本で活躍中の検疫探知犬はビーグル犬
現在、日本国内の各地の空港において活躍している検疫探知犬はすべてビーグル犬。ビーグルというと垂れた耳で、キュートな顔つきで人気のワンちゃんですよね。
どうしてビーグルが多いのかというと、数ある犬種の中でも「嗅覚」が突出して優れているからだとか・・・。
ビーグル犬というと、狩猟犬として生きてきた野生時代の名残があります。狩猟には「鼻で敵のニオイを嗅ぐ」という技が欠かせませんよね。
ビーグルはその能力を今でも引き継いでいるため、検疫探知犬の仕事にはぴったりなんですね。
◆お仕事中はそっとして
可愛らしいビーグル犬がクンクンしている姿を見ると、思わず声をかけたくなるかもしれません。でも、遠くから見守ってあげましょう。
ワンちゃん達は、集中しながらお仕事をこなしています。たくさんの人に声をかけられたりすれば「気が散ってしまう」のです。
日本に感染源のあるものを持ち込ませないという重要な任務をこなしている最中ですから、そっとその様子を眺めているようにしたいものですね。
海外の検疫探知犬事情
#Somali police says sorry to Journalists for “sniffer dog mistake” Two #journalists detented in Mogadishu 3 days ago pic.twitter.com/VUW32U51F5
— Somalia Live Update (@HassanIstiila) 2016年7月19日
このように海外からの手荷物の中からニオイを嗅ぎ分けて人間のために働いている犬たちは、日本以外でも世界各国でたくさん活躍中です。犬が活躍しだしたのは1960年代のころ。
当時は、麻薬や爆発物といったものが対象でした。そして1970年後半にはアメリカの国際空港で探知犬の導入が始まりました。
ただ、当時、検疫探知犬は旅行客の目に触れることはなく、裏方さんとして毎日のように業務に励んでいました。
しかし、1984年には旅行客がいる場所で活躍できる小型犬を導入しようというプランができ、その時に採用された犬種がビーグル犬たちだったのです。
今やアメリカ全土のメインの国際空港で「Beagle Brigade(ビーグル隊)」として活躍しています。
また、現在、国際空港で検疫探知犬が活動している国は、アメリカ、中国、オーストラリア、韓国、イギリス、カナダ、ニュージーランドなど。
ハンドラーと言われる人間のパートナーと一緒に行動し、ニオイを嗅いで「怪しい!」と感じた荷物の前に座り込んで教えてくれるのだとか・・・!
日本で働く検疫探知犬は、海外で訓練を積んできた有能な犬たちばかりです。空港で彼らの姿を見ても、遠くから優しく見守ってあげたいものですね。
– おすすめ記事 –
・小さな警察犬!ビーグルってどんな犬種? |
・うちの子を警察犬にしたい!どうしたらなれる?仕事の内容は? |
・最近人気のレモンビーグルってどんな犬? |
・ラブラドールレトリバーの毛色・毛質の種類は?種類によって違いがあるの? |