そもそも腸ってどんな働きをする部分なの?
人間にとっても犬にとっても「腸」という器官は、とても大事な役割をしています。腸は「小腸」と「大腸」に分けられ、それぞれの働きをします。
口から食べたものは食道を通過して胃、そして小腸に向かいます。小腸では食べ物を消化し、栄養分を体に吸収します。
そして大腸では、吸収されて栄養分がなくなった食べものの残りを大便にして体外に排出できるようにします。
生きていく上でとても重要な器官である腸ですが、犬の腸は人間よりもはるかに短く、人間とは違う部分が多々あります。
そのため、人間にとってOKな食べ物が犬にとってNGとなることも多いので食材には注意する必要があります。
また、腸は免疫機能をアップさせることができる器官でもあります。腸内環境が悪くなると免疫が低下して、さまざまな病気を引き起こしてしまうと言われています。
腸内環境が悪いってどういうこと?
腸の中には多くの種類の菌が存在していて、「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」といった3種類に大きく分類されています。
本来、生まれたばかりの頃には腸の中には菌がありません。しかし、年数を重ねるごとにたくさんの菌が増殖していく・・・というのは、
人間も犬もほとんど変わりません。
善玉菌は消化を助けてくれたり、腸の活動をサポートしてくれたりと文字通り「良い菌」です。一方、悪玉菌は腸の中の状態を悪くしてしまう「悪い菌」。
これらのバランスが健康のカギを握っているのです。つまり、善玉菌が多い腸内環境は健康的、悪玉菌が多い腸内環境は不健康なのです。
それでは日和見菌とは何でしょうか。実は、日和見菌とは善玉菌にも悪玉菌にもどちらにもなることができる存在。
善玉菌が多い腸内ならば日和見菌は「善玉菌の味方」となってくれます。逆に悪玉菌が多い腸内では日和見菌は「悪玉菌に加勢」してしまうのです。
腸内環境を良くするには、善玉菌を優勢にして日和見菌を味方につけることも大事です。
腸内環境が悪くなって出てくる症状
「腸内環境が良い」「腸内環境が悪い」と言葉で表すのは簡単ですが、実際に腸の中を見ることができません。
そのため、愛犬の腸状態の善悪をどうやって判断したらいいのか悩んでしまうところですね。
そこで腸内環境が悪くなった時に、身体的症状として表れることについてお話ししていきたいと思います。
もっとも分かりやすい症状が下痢や便秘といった便の変化。悪玉菌が多くなると、黒いウンチや臭いウンチが出るようになります。
理想的なウンチは「硬すぎず柔らかすぎず」という状態。カチコチのウンチは水分が足りないだけでなく、
いつものペットフードがあっていない可能性もあります。またウンチの色も重要です。一般的には「茶色」「黄色よりの褐色」が理想的な色です。
黒、白、明るい黄色などの色のウンチが出た場合には明らかに腸内環境が悪くなっている証拠です。
健康的なウンチの状態を知っておけば、腸内環境が悪くなった時のサインが分かりやすいので覚えておくようにしたいものです。
また、悪玉菌が増加すると腸内でのガスが多量に発生しウンチのニオイがきつくなります。それだけでなく、口臭もきつくなります。
腸内環境の良い悪いは、便の様子をチェックするだけでもだいぶ把握できますから、日ごろから意識的に確認しておきたいものですね。
免疫機能が下がるので、体全体に悪影響が出てきます。皮膚や毛など外見にも悪影響が出て、痒がったり毛のツヤがなくなったりと
見た目にも不健康が分かるようになってきます。
愛犬にしてあげたいおススメの腸活
愛犬が不調になれば、飼い主さん家族にとっても辛いことですよね。腸を元気にする「腸活」で愛犬をさまざまな不調から守りましょう。
それでは、犬の腸活のオススメ方法についてご紹介していきます。
犬と人間は体の構造が違うので、犬にNGな食べ物もあるので野菜や果物の摂取には注意が必要です。
犬が食べてもOKで胃腸に優しい食材とはなんでしょうか。
まずはリンゴ。リンゴは腸内の善玉菌を増やしてくれます。リンゴは甘みもあり、好物だという犬も多いのではないでしょうか。
また、弱った胃腸にも優しい食べ物なので安心して食べさせてもいいでしょう。
ただし、リンゴには糖分もあるので与え過ぎるのは要注意。個体差もありますから、食べさせる時は少量から与えて、犬の様子をチェックしながらがオススメです。
次にオススメなのがキャベツ。キャベツは胃腸に優しく、食物繊維が豊富ですから腸内環境を整える働きのサポートをしてくれます。
キャベツは生のまま食べさせると、含有されているビタミンUの摂取をスムーズにしてくれます。ただ、やはり与え過ぎないように注意しましょう。
よく洗い、食べやすいように小さく刻んで少量ずつあげるのがポイントです。
愛犬が食べても良いと言われる野菜や果物は、ドッグフードとのバランスを考えながら与えるようにしたいものです。
手作りフードは愛犬の胃腸にも優しいことではありますが、毎食ごとに手作りをするのも飼い主さんの負担が大きくなるものです。
また、手作りフードばかり食べさせると、ドッグフードを食べなくなるケースもあります。その点には気をつけた方がいいのかもしれませんね。
精神的にストレスが溜まると、腸の活動にも影響があります。その辺は、人間と一緒ですよね。ストレスによって腸内環境が悪くなり、
便秘や下痢になるケースも多いです。犬は人間のように自分でストレス解消法を見つける訳にはいきませんから、飼い主さんが気をつけてあげるしかありません。
犬は運動不足でストレスを溜めることがあります。飼い主さんの仕事などの都合で、
留守番が多めでコミュニケーションがあまり取れないこともストレスに繋がります。部屋の中で一緒に遊んであげたり、
スキンシップで愛情表現をしたりなど、愛犬と過ごす時間を多めに持つようにしたいものですね。
そして犬が過ごしやすい環境を常に作ってあげましょう。家の中がピリピリとした雰囲気になると、
逃げ場のないワンちゃん達が受けるストレスも大きいです。家族同士でケンカをして家庭の雰囲気を悪くしないようにすることも大切です。
愛犬にはできるだけ胃腸に優しいドッグフードを与えてあげたいものです。ドッグフードや犬用おやつなど、現在市販されているものはかなりの数。
パッケージを見るとどれも栄養がありそうで「愛犬に食べさせてあげたい」と思うでしょう。
しかし、すべての食品はそれぞれ原材料や製造工程が異なります。そこで注意したい点が「食品添加物」。
人工的なものである食品添加物は、悪玉菌を増やしてしまうことに繋がります。
ドッグフードや犬用おやつを購入する時には、成分表示をよく見て添加物には注意するようにしてみてください。
愛犬の便秘が続いている場合、腸の働きが弱まっているものです。場合によっては動物病院に行って原因を見極めて対処することも解決策のひとつですが、
飼い主さんができる解消法もあります。それが「マッサージ」。お腹の周辺をグルグルと円を描くようにしてマッサージをすることで、
腸の活動をサポートすることもできます。劇的に便秘が改善する訳ではありませんが、「腸活」のサポート的な意味もあります。
また、マッサージはスキンシップなので、愛犬をリラックスさせる効果もあります。
腸活のメリット
腸活をすることは単に便秘や下痢を防ぐだけではありません。健康的な腸内環境は、免疫力を高めて病気を防ぎ、
皮膚と毛の健康をキープできるメリットもあります。いつまでも元気でいて欲しいと願うならば、飼い主さんが意識的に愛犬への「腸活」をしてあげたいものですね。
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