犬社会にも高齢化現象が起きている
犬種にもよりますが、一般的には7歳からが老犬と認識されています。平均寿命は小・中型犬が12~15歳、大型犬が10~12歳といわれますが、勿論個体差があるので一概にはいえません。
さらに近年では、ドッグフードの改良、医療の高度化により、犬の平均寿命は劇的に延びているのです。
これは、愛犬家にとって嬉しい事実ですが、その反面、老犬の介護問題を抱える飼い主さんの増加に繋がっています。飼い主さんが高齢となれば、これは更に深刻な問題となるのです。
犬の寿命は今後も延びると予想されています。人間同様、犬社会でも高齢化が進むということですね。
現実的に高齢者が介護を続けるには限界があり、その対策の一環として、老犬の介護施設が存在しているのです。
大切な家族だから一生を自分のもとで過ごさせたい。実際、そう願う飼い主さんがほとんどでしょう。
老後の過ごし方には複数の選択肢があります。そんな選択肢の一つが、老犬の介護施設なのです。
介護施設を利用するということ
まず認識して欲しいのは、老犬の介護施設は飼育放棄をするための施設ではないということです。
家族なんだから飼い主が最期まで面倒を見ればいい、と思われる方もいるかもしれません。
しかし、現実的にそれが叶わない飼い主さんも沢山いるのです。
自身の高齢化や病気による長期入院、付きっきりの看病が難しい場合など、介護施設の利用理由は様々です。より良い環境で専門家のもと適切な介護をして欲しいという飼い主さんもいます。
介護施設を利用するということは、決して愛犬を見捨てる行為ではないのです。
老犬介護施設ってどんなところ?
介護施設の規模は、個人経営の小規模施設から、大手企業の大規模施設まで様々あります。
ワンちゃんの状態によって介護の種類も変わります。基本的な世話から、元気なワンちゃんにはお散歩やトリミング、寝たきりや病気のワンちゃんには床ずれ対策や流動食の準備、オムツ交換などのトイレの世話。基本的には専門のスタッフが24時間常駐して対応してくれます。
動物病院と連携して、ケガや病気に対応している施設がほとんどでしょう。
預かり期間も一ヵ月から終身までと様々です。基本的には高齢犬が対象となっているので、年齢制限を設けている施設もあります。
費用は預かり期間や犬種によってプランが設定されており、入所金の他に病院治療費などが加算されます。
一ヵ月数万円から数十万円までと様々な料金設定がありますが、大型犬・長期利用となれば利用費は更に高額となります。
また、施設の設備やスタッフの人数など、生活環境面と費用は比例して高くなっているようです。
老犬介護施設の選び方
犬の高齢化に伴い、近年では全国的に老犬の介護施設が増加しております。
料金プランやサービス内容は施設ごとに違うので、愛犬の状態や家庭の経済状況などによって、選択肢は限定されていくでしょう。
そこで、ホームページやパンフレットに記載されている情報のみで決定付けても良いのでしょうか。
終身プランで利用する場合、そこは愛犬が人生の最終日を迎える場所となるかもしれません。
やはり最終的には、飼い主さんが自分の目で、施設の環境を確認した方が良いでしょう。
もちろん、多くの介護施設は愛情をもって愛犬のお世話に携わってくれるでしょう。しかし、そんな施設が全てだとは残念ながら言い切れません。
介護施設に限りませんが、経営者が経営難に陥り、保護犬やペットショップの犬達が放置されるという、痛ましいニュースを耳にすることもありますよね。
大切な家族の命を預ける施設です。利用する介護施設の選び方には慎重になりましょう。施設の責任者と納得のいくまで話をし、飼い主さんが信頼できると感じた場所を愛犬に選んであげたいですね。
老いのサインを知ろう
愛犬が老犬へとかわるとき、この変化に気付けるのは、愛犬自身を除けば飼い主さんしかいません。
大きな老化のサインとして、脚力・聴力・食欲の低下や毛質の変化があります。
他にも感情のコントロールが難しくなったり、トイレの失敗が増えるという些細な変化から、眼の中心が白っぽくみえる核硬化症が現れる場合もあります。
老化現象は急激に訪れるものではありませんが、いずれも、日々生活を共にしてきた飼い主さんなら気付くことができます。
愛犬の老化が受け入れ難くても、その兆候から目を背けてはいけません。
私の愛犬も一番上の子が7歳になります。少しずつ目の周りに白い毛が増えてきました。そんな老化の兆候が切なくなることもありますが、これまでの成長を実感して更に愛情を感じることもあります。
無事に老後を迎えるということは、飼い主さんと愛犬が共に幸せな人生を歩んできた証拠です。
そんな家族の一生を、最期の時まで真剣に考えていかなくてはなりませんね。
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