ただし、犬の性格的な部分は、実際のところ「個体差」があります。人間でも、生まれて育っていく環境で「性格」という内面の部分は、大きく変わってきますよね。そのため、一般的に言われている「オス」や「メス」の性格とは違う犬もたくさんいます。
実際は多いのです。100匹いれば100匹の犬の性格があると言っていいのかもしれませんね。
オスの身体的特徴について
一方、身体的特徴については、「オス」と「メス」ではたくさんの違いがあります。生理的な部分なので、一緒に暮らす前には「特徴」として知っておきたいところです。
それでは、一般的に言われる「オス」の特徴についてです。
– 体が大きい –
人間でも男性の方が女性よりも体格が大きめですよね。それは、犬にも言えることです。体の大きさや体重もメスよりも若干大きいです。
体格がよく運動能力が高く、活発な犬が多いです。オスは、攻撃的でいたずらっ子の傾向にあります。
ただし「やんちゃだから仕方がない」としつけを軽くしてしまうと、飼い主と犬の主従関係があやふやになってしまいます。
犬の攻撃性を放置せず、しっかりとした「しつけ」を行うことが大切です
– マーキング –
犬が持つ本能的な縄張り意識。「ここは自分の場所だ!」と主張する行動がマーキングとして表れます。散歩に出かけると電柱におしっこをする光景を見ますが、
あのようにマーキングをすることで縄張りを自己主張しているのです。マーキングは、オスだけでなくメスも行いますが、一般的にはオスに見られる行動です。
ただ、その行動が激しくなると家の中でも尿を壁などにかけるようになることもあります。本能的な行動とはいえ、あまりにも度が過ぎると大変です。こういった本能行動は去勢手術によって減少させることもできます。
メスの身体的特徴について
では、メスの身体的特徴について見てみましょう。
オスと比較すると小さい体
一般的にメスはオスよりも体格が小さめ。そのため、同じお母さん犬から生まれた兄弟でも、体が小さい傾向にあり、可愛らしい印象になるのかもしれません。
発情期の「ヒート」がある
メスの犬が「赤ちゃん」を産むために欠かせない生理があります。これを一般的に「ヒート」(発情期)と言います。
飼い主さんが女性ならば、ある程度は生理について把握しているかもしれませんが、人間のそれとは違った部分が大きいです。
◎妊娠OKのサイン
人間の場合は受精せず不要となった子宮内膜が剥がれ落ちて出血します。しかし、犬の場合には「赤ちゃんを作れる」というサインとして、
出血が起きます。そのため、出血後が妊娠しやすい時期なのです。
◎どのくらいの周期で起こる?
また、犬の生理は生後1年以内には迎えるもので、その後1年間で数回(大型犬は1~2回、小型犬は2~3回)繰り返し、1回の出血は7~10日程度あります。
◎パンツをはかせる?
ヒートの時の出血には、個体差があります。もともとの体の大きな大型犬のメスであれば、出血が多く部屋中が汚れてしまうこともあります。
小型犬の場合は、出血量もそれほど多くない、あるいは自分で舐めるケースも多いので出血に気づかないままのこともあります。
ヒートの時期のメスの尿には「フェロモン」と言われるオスを惹きつける独特の成分が混じっています。
オスには決まった発情期がありません。そのため、メスのフェロモンに誘われて、交尾をしたいと思います。
ヒートの時に、パンツを履かずに散歩に行ってしまうとオス犬がかなり興奮してしまいます。できれば、ヒートの時期にはオス犬と接触させる外出は控えたいものです。
◎ヒートの時の注意点
生理によって、痛みやストレスを抱えるメス犬たちは、食欲がなくなる、落ち着きがなくなる、痛がる、頻尿になるなどさまざまな症状を表わします。症状の表れ方は個体差がありますが、今後妊娠させる予定がなく、ヒート時の症状を落ち着かせたいなどの場合には、避妊手術を考える方法もあります。
オスとメスではかかりやすい病気も違う
オスとメスでは体の構造の違いから、かかりやすい病気も異なると言われています。
– オスがかかりやすい病気 –
・前立腺肥大
年齢を重ねるにつれ、発症しやすいオス特有の病気です。去勢していないオスの場合、シニア世代になると多く見られる症状です。
前立腺が肥大して、一回にする尿量が減ります。そのため、何度も尿をする「頻尿」に繋がります。また、肥大した前立腺が周囲を圧迫し、
膀胱炎などの二次疾患を引き起こすリスクも増えます。
未去勢のオスに多く見られる病気ですので、子供を作る予定がない場合には、去勢手術が最も効果的な予防策です。
・精巣腫瘍
精巣の腫瘍は、触診などで片側が大きくなったことで発見できます。だいたいの場合、悪性度は低いのですが、放置することで他の疾患をも引き起こしてしまう可能性もあります。
また、高齢となってこの病気にかかった場合、手術の負担は体にとって大きいものです。定期的な健診はもちろん、普段から愛犬の様子をチェックしておきましょう。
・肛門周囲腺腫
肛門周辺にしこりができます。ホルモンバランスの影響で発症する病気なので、予防には去勢手術が有効と言われています。
– メスがかかりやすい病気 –
・子宮蓄膿症
オスとの交尾の際に、子宮頸管からなんらかの細菌が入り炎症を起こし、それが膿となってしまう状態です。
子宮蓄膿症になると、陰部からの膿、嘔吐や発熱などさまざまな症状が見られます。また、重症化すると命に関わることもあるリスクの高い病気なのです。
この病気が早期に見つかれば、ホルモン剤や手術により治療が可能です。
子供を出産する上で大事な子宮ではありますが、出産の予定がない場合には、病気のリスクを回避するために「避妊手術」を行う飼い主さんもいます。
・膀胱炎
メスが膀胱炎にかかりやすいのは、オスと比較すると「尿道」が短く、細菌に感染しやすいという理由があります。
人間でも膀胱炎という病気があるので、知識のある飼い主さんも多いかもしれませんね。オシッコの回数が多くなる、
排尿時に痛みを感じる、尿に血液が混じるなどの症状があります。
– 手術によって予防できる –
オスやメスの生殖器特有の病気は、去勢手術や避妊手術によって回避できるものが多いです。ただし、手術は全身麻酔です。年齢が高くなるにつれて、体への負担が大きくリスクが伴います。
また、若くても犬によっては麻酔が合わないなどの可能性もあります。生殖器の病気を防ぐことができる去勢・避妊手術ではありますが、手術によるリスクも事前にしっかりと理解しておく必要があります。
そして術後は「肥満」になりやすくなります。飼い主さんがしっかりと食事の管理をすることが重要になってきます。
オス、メスと性別の違いは、見た目や性格だけでなくかかりやすい病気も異なります。一緒に暮らす前には、そういった点についてある程度把握しておき、配慮しながら大切にしてあげたいものですね。
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