血液の病気に要注意!血小板減少症の症状や治療法とは?

2016.11.06

血液の病気に要注意!血小板減少症の症状や治療法とは?

血小板減少症と言う病気をご存知でしょうか? あまり聞いたことのない病気かもしれません。 聞きなじみのあまりない病気ですが、早期発見の方法は意外としやすかったりします。 どんな病気なのか、どんな症状に気を付けていると早期に発見できるのか、お話したいと思います。 

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血小板減少症の症状とは?

そもそも血小板とはどんな器官でしょうか。
血小板とは、血液の中に含まれる成分で、血液は大まかに、赤血球、白血球、血漿、血小板から構成されます。
赤血球は酸素を運搬し、白血球は自分以外のものが体内に入ってきたときに防御をする免疫の役割を担います。
そして、血小板は血漿中に含まれる成分と共に出血してしまった時に止血をする役割をするのです。
血小板が減ってしまうと何が起こるかと言うと、出血してしまった際に血が止まりにくくなってしまい、貧血等の症状を引き起こします。


発見方法は?

出血

その名の通り血小板が減少してしまう病気ですが、数値で見る以外どんなことに気付くのでしょうか?
まず多く言われているのがやはり出血傾向です。
お腹付近や口の中など皮膚の薄い部分で小さな出血が起こり紫斑と呼ばれる赤紫っぽい小さなあざがたくさん見られるようになります。
ひどいときには、そんなに固いものや鋭いものではないのに口にしていたもので口の中が大出血を起こしてしまうということもあります。
また症状が進行すると消化管での出血により下血や黒いタール便が見られたり鼻や膀胱などいたるところで出血が見られることになるでしょう
感染などの大きな原因に併発して二次的に起こることもありますが、多くは特発性と呼ばれる原因のはっきりしないもので、免疫介在性と言って自分の免疫が自分自身を攻撃して破壊してしまうことからおこるものだと言われているのです。


治療方法は?

まずは血小板の減少程度を知るためにも血液検査を行うことになるでしょう。
その後、血小板減少症を起こす他の病気でないかをはじいていくために、場合によってはレントゲン検査や尿・糞便検査を行う場合もあります。
免疫介在性の血小板減少症であることがわかると、治療は主にステロイドや免疫抑制剤といった、過度になってしまっている免疫を落ち着かせてあげる治療を行っていくことになります。
お薬の投与も、多すぎても副作用が出てしまう可能性もありますし、少なければ効果が得られない場合もあり、ちょうどよい量を試行錯誤していくことになるでしょう。
最初に投与した量で効果がきちんと得られる場合もありますし、何度か増量してちょうどよい量になる場合もあるのです。
これは出血の症状の有無や血小板の数値を見ながら調整していくことになることが多いです。
効果がきちんと得られ、症状が落ち着いて来ればお薬の量を徐々に減らしていき、最終的には飲まずにいるようになることもできます。
しかし、症状が重症化してしまった場合は投薬だけでなく、輸血などの治療も追加していく必要が出てしまう可能性もあるでしょう。


この病気で気を付けることは?

犬と人

この病気は出血と言う、悪化すれば命の危険を伴う可能性のある症状を持っています。
悪化していくらお薬を投薬しても重症化し過ぎていてお薬の効果が十分に発揮されないという場合もあり得ます。
そうならないためにも、皮下出血等症状の軽いうちに発見をし、動物病院を受診して、しかるべき治療を始めることが一番大切だと言えるのではないでしょうか。
体中くまなく出血の紫斑を探すのは難しいかもしれませんが、見やすいお腹やお口の中、そして出血している場合黒い便が出ますので、普段の便や尿の色を日々のルーチンチェックとして見ることはとても大切です。
これは、お薬を飲んで症状が無くなった後でも、この病気は再発の可能性も充分に考えられる病気なので大切だと言えるでしょう。

チェックと言うと固く考えがちですが、普段撫でたり、ブラッシングをしたりするスキンシップの一環として一緒に出来ると飼い主さんの負担にあまりなりにくいのではないでしょうか。
この血小板減少症に限らず、他の病気の早期発見にもつながります。
日々、心がけていけたら良いですね。


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りなぎ

りなぎ

動物病院での勤務の傍ら、家では6匹の犬(ダックスフント5匹、パピヨン1匹)と一緒に生活しています。 もちろん猫も大好き!です。 私生活では犬だけでなく、子供もいるため、常にいろいろな世代の人と動物が仲良く、よりよい生活をできるようにするためにはどんな知識があるといいのか、どんな生活が理想か、考えることがよくあります。 少しでも皆さんのお役に立てる知識や情報を発信できたらと思います。

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