自分が高齢となった時にペットが心配になる
家族として一緒に長い間を過ごしてきたペットたち。その時間が長いほど、たくさんの思い出が詰まっていることでしょう。
ただ、飼い主の年齢的な問題によって、離れ離れになってしまうケースもよくあることです。
新しい飼い主さんを見つけて一緒に暮らしてもらうこともできます。しかし、「もう会えない」と思うと心配以上に悲しみが込み上げてくるでしょう。
まるで我が子のように育ててきた愛犬と離れて暮らすことは、想像以上に辛いことです。できるならば、いつまでも一緒に暮らしたいのが本心ではないでしょうか。
そんな気持ちに寄り添った「老人ホーム」が最近増えてきているとのこと。「いつまでも一緒に犬と暮らしたい」という願いを持つ方のために、
犬と一緒に入居できる老人ホームもあるのです。
●犬と一緒に活き活きとした暮らしを
愛する犬と一緒に暮らせるとなれば、毎日の生活に張り合いが戻りますよね。離れ離れになって「どうしているのだろう」と心配し、
元気をなくした毎日を送るよりも、今までのように一緒の時間を過ごせる方が活力もあります。愛するペットは「心の支え」です。
また、近頃では医療分野でもペットの癒し効果が注目され、アニマルセラピーという言葉も珍しくありません。
動物の不思議な力が生きがいをなくしたお年寄りたちの心に寄り添ってくれ、笑顔と幸福感をもたらしてくれます。
愛犬と一緒に過ごすことは、精神面でもとても良い影響を与え、さまざまな病気予防にも繋がると考えられています。
中には認知症の進行を遅らせる効果もあるという報告さえあります。
ペットと同居ができる老人ホームは、アニマルセラピーとは違ったものではありますが、愛犬と一緒に過ごすことができ笑顔の
日々をもたらしてくれる場所と考えても良さそうですね。
●入居には施設ごとののルール確認が重要
最近増えてきたとは言え、ペットと入居できる施設は、全国的にもまだまだ少ないのが現状。
そういった施設が増えることは、愛犬と一緒に暮らしたいご高齢の方の希望になることでしょう。
「愛犬と離れなくていい」と思っても、施設の数がまだ少ないため入居待ちとなるケースも多いです。そのため、
「入居したい」と思ったタイミングで入れる訳ではないと考えておく必要があります。行動にうつすならば、早めに動いた方がいいようです。
また、入居する上で細かい規制があるケースもあります。犬の大きさや特徴によっては、難しいこともあります。
老人ホームは「集団生活」です。自宅で飼うのとは違い、飼い主以外の人間とも接することになります。
吠え癖や噛み癖など根本的に集団生活に向かない犬の場合、難しいこともあります。入居を検討した場合には、
パンフレットなどでルールについて確認しておくと同時に、施設を見学してスタッフに相談するといいでしょう。
「ペットOK」とは言っても、受け入れてくれる老人ホームのルールを守って一緒に住めるのが理想的ですね。
●施設のスタッフが協力してくれる
体力に自信がないなどの理由で一人暮らしを断念し、老人ホームへの入居を決めた方は、愛犬と一緒に入居しても、
その後のお世話が気になるところでしょう。一般的なペットOKの老人ホームは、動物好きな施設のスタッフが散歩などのお世話のサポートをしてくれます。
愛するペットのための「ペット信託」
「自分が亡くなった時・・・」の万が一ということを考えて、残された家族が生き続けるために、
「貯金」や「生命保険」という対策は多くの方が行っていることでしょう。ただし、これは人間に対して行える対策です。
言葉が話せなく、一人ぼっちでは生きていくことができないペットたち。自分が突然の事故や病気で、
愛するペットの面倒を見ることができなくなった時のペットのことを考えると、不安ばかりがつのります。
そんな万が一のケースに備え、「ペットのために何かをしたい・・・!」、そんな思いを形にしたのがペット信託です。
●ペット信託とは?
2013年から登録された日本ではまだまだ新しいシステムなので、初めて耳にしたという方も多いかもしれません。
もし自分がいなくなった場合のペットの将来を考えるのは、高齢の方だけではないでしょう。
突然の事故や天災によって、若い年代の方がペットを残してしまうケースもあります。そこで心配なのが、
ペットの行先。愛する家族なのですから、いつまでも幸せに暮らしてもらいたいものです。
しかし、ペットが生きていくためには、飼育費というお金が必要です。
ペット信託のシステムでは、ペットの将来のために「飼育費」を信託しておくことができます。
そして、新しい飼い主を指定することができます。信頼できる誰かでもいいでしょうし、ペット用の預かり施設を指定しておくこともできます。
こうして、生命保険のように準備をしておくことで、自分に万が一のことがあった場合には、
管理会社から新しい飼い主さんのもとに毎月飼育費が支払われます。また、「きちんと飼育費が支払われているか」
「新しい飼い主さんがきちんとお世話をしてくれているか」という心配もあるでしょうが、
その点については信託監督人という存在がいるため安心です。
●ペット信託のメリット・デメリットとは?
前述のように、自分が万が一のケースにペットの引き取り先が決定していることは大きな安心になります。また、
ペット信託のメリットは、自分が亡くなった時以外でも対応してもらえることです。
重度の病気になってしまいペットと一緒に住むことができなくなるケースもあります。
そんな時もペット信託のシステムなら、愛犬の将来が守られていて安心なメリットがあります。
新しい飼い主さん以外にも、信託監督人という、愛犬の将来を見守ってくれる人の存在があるので、
さらに安心感は増すことでしょう。ペットの飼育にはお金が発生するため、毎月の飼育費が支払われることで、
新しい飼い主さんが責任感を持ってしっかりとお世話をしてくれることに繋がるのではないでしょうか。
ペットの将来を守ることができる安心なシステムと思えるものですが、デメリットについて考えたいと思います。
実は、ペット信託の方法には、民間の生命保険会社を利用する方法や自分で管理会社を設立する方法などがあります。
どちらにも共通して言えることは、「新しい飼い主を誰に指定するべきか」ということでしょう。愛するペットの幸せのため、
本当にしっかりと面倒を見てくれる信頼できる人にお願いしなければなりません。また、法人として会社を設立する場合には、
税金面など手続きが難しくなるというデメリットがあります。
まだまだ新しいシステムのため、難しい部分が多々あります。そのため、専門的な知識を有する弁護士や司法書士へ相談してみることが理想的です。
可愛らしく癒しをもたらしてくれる愛犬ではありますが、かけがえのない「命」です。生きていくためには、
食事や病院代などの費用もかかります。自分が飼い主として最後まで面倒を見ることはとても大切ですが、
万が一のケースに備えてペットのための行先や費用について考えておくことも「責任」と言えるのかもしれませんね。
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