離婚したら愛犬の所有権はどうなる?愛犬の幸せのために検討すべきポイントについて

2016.12.06

離婚したら愛犬の所有権はどうなる?愛犬の幸せのために検討すべきポイントについて

ペットと一緒に暮らしている人の多くは「ペットは家族だ」という人が多いでしょう。 しかし、ペットは人間とは違うため、一生誰かが育ててお世話をする必要があります。 「家族みんなでお世話をしている」という家庭も多いかもしれませんが、一人暮らし、夫婦だけの世帯、 カップルでお世話をしていることもあり、飼育形態はさまざまです。 ペットは「家族」であるという考え方の飼い主さんは多いものの、言葉を話せないペットに 「意思」を聞く事もできないため、夫婦の離婚などで「ペットをどちらが引き取るか」と人間同士がトラブルになるケースも増えてきています。

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法律上の問題・・・ペットは「親権」とは言わない

犬の所有権について

離婚をする場合、夫婦に未成年の子供がいると「親権」をどちらにするかが協議されます。
未成年の子供の親権を決めるのは、子供達は一人で生きていくことができないからです。
どちらかが「親権」を持ち、子供を成人まで養育していかなければなりません。そこで、
親権者が子供を養育するのに必要な費用が「養育費」です。ケースバイケースですが、
小さい子供の場合は母親が引き取るケースが多く、父親は養育費を支払うという取り決めとなることがよく知られているケースです。
このような、子供の親権問題は、離婚時に必ず決めるべき問題です。


それではペットの場合も「親権」なるものがあるのでしょうか?

犬の親権

ペットを飼う人達は「まるで我が子のよう」という気持ちを持って育てているものです。
しかし、法律上、ペットたちは「物」です。法律上は「所有権」という扱いになります。
家族のような存在のペットを「物」扱いするのは切ないことですが、離婚した場合には財産分与の対象になってしまいます。
財産分与の対象になっても、貯金のように分割できる訳ではありません。必ず、「どちらかが引き取る」という形にしかできないのが現実です。


財産分与の対象にならないケースもある

離婚時の財産分与にペットは含まれない可能性がある

協議離婚では、財産分与についてさまざまな話し合いをします。基本的に財産分与される対象になるのは、
結婚後に二人で築き上げた「共有財産」の部分。結婚後にペットを飼った場合には、夫婦二人の共有財産になります。
一方、どちらかが結婚前から飼っていた場合には、共有財産とはならないのです。

そのような場合には、結婚後に二人で可愛がって育てても、結婚前に所有していた片方の「特有財産」として見なされます。
つまり、この場合は結婚前に飼っていた方が引き取ることになります。


どちらに引き取られるのが一般的?

離婚後ペットはどちらに引き取られるのが一般的か

人間の小さな子供の場合、さまざまな事情はあるものの、母親が引き取るケースが多いのが現在の日本の現状です。
「シングルマザー」という言葉も、世の中に浸透してきましたよね。しかし、ペットの場合は「どちらかが妥当」ということはなく、お互いが主張し合うことも少なくありません。ペットへの愛が強い夫婦ほど、話がまとまらずトラブルになりがちです。
ただ、ペットは一人では生きていけない守るべき存在なので、引き取った方は最後まで責任を持つことが大切です。


所有権を決める時の話し合いのポイント

・金銭面でペットを育てていけるか

ペットを育てるには費用がかかります。食事面だけでなく、病気をした場合には突発的に大きな費用が必要になります。
収入が少ない、あるいは安定していない場合、引き取ったペットの費用が捻出できないリスクも考えられます。

また、子供に対して支払うべき「養育費」なるものはペットの場合にはありません。離婚後に「急に病気になったから半分支払って」
という訳にもいきませんから、経済力があるかどうかは話し合い時の大きなポイントとなってくるでしょう。

ペットの所有権

・ペットが暮らす環境は十分か?

離婚した場合、住む場所が以前とは変わります。例えば、離婚前の住居からどちらかが出ていき、
どちらかがそのまま住み続ける場合などがあります。理想的なのは、そのままの家に住む方がペットを引き取るケースですよね。
慣れた場所に住むことでペットのストレスは軽減されます。人間と違って犬達は環境の変化に馴染むのにとても時間がかかります。
慣れない部屋で過ごすことは大きなストレスです。

また、引っ越す方に引き取られる場合、引っ越し先が狭い環境だったりすると、ペットのストレスも大きくなります。
さらに、離婚後に実家に戻る方が引き取る場合、以前の飼い主以外の人とも一緒に生活することになります。
新しい住居だけでなく、新しい飼い主になる人にも慣れなければなりません。一緒に住む人が動物好きであるかというのも重要な点です。

ペットが暮らす環境だけでなく、育てる人のライフスタイルもペットの生活に大きく影響します。仕事が忙しく、
ペットに留守番ばかりさせる可能性のある場合も争点のポイントになるかもしれません。

・幼い子供とペットを一緒に引き取る場合は?

子供がいない夫婦だけの世帯が離婚する場合には、引き取った方はペットの世話だけでいいでしょう。
ただし、問題となるのは「子供もペットも引き取りたい」という希望です。特に未就学児などを引き取るケースは、
子供の保育園の送り迎え、仕事、家事など多くのやるべきことがあります。そして、犬の散歩までとなると飼育状況は疎かになることが予想されます。
ペットに対して十分な飼育時間を確保できる方が引き取るのが理想であり、また愛犬のための最善策とも言えるのかもしれませんね。


取り決めがあったら証書に残すことも重要

ペットの所有権の取り決めは証書に残す

離婚時には公正証書や離婚協議書など、子供のことや財産分与についての取り決めを記しておくことが重要と言われています。
口約束で所有権を決めても、後からトラブルになることも避けたいものです。子供の親権のように養育費が発生するものではありませんが、
大切な一つの命としてお互いに話し合いで養育費のような「飼育費用」について決めておく夫婦もいます。

例えば、どちらかが引き取り、片方が飼育費用として金銭を支払うという取り決めをするケースもあります。お互いが内容に納得しているなら、
ペットのためにはいいことかもしれませんね。

ただ、ペットの所有権がなくなった方は、「費用ばかり負担してペットと触れ合うことができない」といった不公平を感じるものでしょう。
そこで、飼育費用を支払う代わりに定期的に面会したいと「面会権」を取り決めている方々もいらっしゃるようです。


話し合いがまとまらない場合はどうする?

ペットの所有権に関する話し合いがまとまらない場合

法的には「物」として扱われる問題であっても、当事者たちにとっては子供そのもの。どちらかが引き取るかについては、
なかなか話し合いがまとまらないことも多いでしょう。特に、「離婚」は感情的になりがちですから、
二人で話し合いをしていても平行線をたどってしまいます。「どちらかが一方的に話をする」「相手の話に聞く耳を持たない」など、
片方が自己主張ばかり繰り返す場合、ペットに対しての気持ちを我慢してしまう結果にもなりかねません。
当事者だけの話合いはまとまりにくいため、第三者に入ってもらうのが理想的な解決方法です。

知人に間に入ってもらうのもいいかもしれませんが、ペットの引き取りは「所有権」という法律上の話です。
できれば、専門家である弁護士への相談、裁判所の調停の利用などが理想的です。第三者が入ることで、
冷静な判断ができることに繋がります。お互いが意固地になって「譲らない」というのは、ペットの幸せにはなりませんよね。

「愛するペットを離したくない」と所有権を主張する気持ちは、愛犬を愛していれば当然のことです。しかし、
ペットは生きています。お互いの感情だけで引き取って、寂しい生活をさせてしまってはかわいそうですよね。

今までにどのくらい愛していたかということだけでなく、金銭的問題や住居面、飼育環境など総合的に判断し、
大切なペットがこれからも幸せに生きていく状況をつくることが飼い主としての責任と言えるでしょう。

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笹本 雅

笹本 雅

犬が好きです。小型犬でも大型犬でもとにかく犬が大好きです。これから犬種についてや豆知識や健康についてなど、幅広いワンちゃんについての情報をご提供していきます。犬好きの方にぜひとも見ていただいてご意見いただければと思います!


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