犬はどうして雷でパニックになるの？
雷の大きな音は人間でも怖いですよね。犬も同じです。そして恐怖という感情は、動物が自分の身を守るために危険から遠ざかろうとする正常な反応です。ただ、あまりにも恐怖心が強くなり、身体的に異常な反応に自分ではコントロールできず、冷静な判断ができなくなった状態をパニック状態といいます。雷でパニックになる犬が多いため「雷恐怖症」と呼ばれることもあります。パニックは雷以外でも花火の音やカメラのフラッシュなどでも起こる場合があります。
雷でパニックになるとどういった状態になるの？
よだれを大量に垂らす、体が震える、息づかいが荒い、嘔吐する、おもらしなどの症状が現れることもあります。飼い主が声をかけても反応せず、雷が鳴ると突然走りだすこともあります。
普段ならできないこともやってしまいます。リードを噛みちぎったり、引きちぎったりして逃走したり、普段なら家から飛び出さない犬が飛び出して迷子になってしまうこともあります。そういったことも想定して、外飼いの場合はこの時だけは家に入れるとか、飛び出していかないように扉の開け閉めに注意するなど気をつけて対応する必要があります。
犬がパニックを起こした時の対処法
犬が安心できる場所を用意しておきます。普段使っているケージは犬が自由に出入り出来るようにしておきます。犬は狭くて隠れる場所を好みます。移動用に使う小さめのキャリーバッグなども最適ですが、必ず扉は開けておくようにしてください。逃げ道を必ず用意しておくことが大切です。
まずは飼い主が冷静になることです。飼い主も犬の異常な状態に動揺して過剰に心配すると、犬をさらに不安にさせてしまうかもしれません。やさしく犬を落ち着かせるように抱きしめてあげてください。犬の状態が落ち着くまで側に居ることが必要です。
絶対にやってはいけないことは、犬を元気づけようと大声を出したり、叱って怒鳴ったりすることです。更に恐怖を誘発させてしまう可能性があります。
犬の雷恐怖症を改善するために
少しずつ練習し、時間をかけて慣らしていくことは可能です。
雷などの音が入ったCDを使って慣らします。まずは気にならない程度から始め少しずつ時間をかけて音を大きくしていきます。
抱きしめられることに慣らしておくことも大切です。自分の意思以外で抱きしめられることが苦手な犬の場合は、大人しく抱きしめられることに慣らしておくことが大切です。抱きしめられたら飼い主が離してくれるまで大人しくしていることを教えてあげると、パニックになったときも抱きしめると落ち着く時間が早くなります。
あまりにも重症な場合は、一時的ですが薬で緩和する方法もあります。その場合は、獣医師と相談しながら改善していくことをお勧めします。
シニア犬、静電気を溜めやすい犬のケア
被毛に覆われているので人間よりも静電気を溜めやすいです。雷恐怖症の場合、静電気の不快感が要因のひとつと考えられています。その場合は、なるべく静電気の起きない環境づくりをすることも効果的です。
シニア犬の場合は、聴覚が衰えて雷を気にならなくなった場合もありますが、逆に、聴覚が衰えた分別の器官が敏感に反応するようになってしまい、歳をとってから急に雷を怖がるようになる場合もあります。
愛犬がパニックを起こしたときは飼い主が冷静に対処すること、トレーナーや獣医師など専門家と協力して改善していくこと、そして時間をかけて取り組むことが大切です。
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