春は散歩が楽しい季節
寒い冬も終わり、いよいよ散歩が楽しい季節がやっていきました。また、春はキレイな植物が花咲く季節でもあるので、愛犬と一緒に散歩に行く機会も増えるのでははいでしょうか。我が家の愛犬たちも、寒い冬は家から全然出たがらなかったのに、暖かくなるにつれ散歩に行きたいとせがむようになり、今では毎日のように散歩に行っています。もちろん、お花見をしたりキレイな花を見ては、一緒に写真を撮ったりもして、愛犬だけでなく私も春を満喫しています。もしかすると、ポカポカ陽気が増える春は、愛犬だけでなく飼い主である私たち人間も、なんだか心が広くなる季節かもしれませんね。
犬はなぜ散歩中に草を食べるの?
春は、雑草を始めいろいろな草も生えだし、夏に向けて生い茂ってくる季節でもあります。いつも歩いている歩道も、草が生い茂ったことにより、なんだか狭くなったと感じる飼い主さんも多いのではないでしょうか。実は、私もその一人です。春から夏にかけて、草が生い茂ってしまい、散歩しながら草を避けたり、避けきれず草に当たりながら歩くこともしばしばあります。また、中には散歩中に草を食べてしまう愛犬もいるのではないでしょうか?ワンちゃんが草を食べようとするとそれを必死で止める飼い主さんや、そのまま食べさせている飼い主さんを見かけることがありますが、そもそもなぜ犬は草を食べるのでしょうか。実は、犬が草を食べるという行為には、ちゃんとした理由があるのです。
●整腸のために草を食べる
犬が草を食べる理由として一番多いのが、【整腸のために草を食べる】です。その理由は犬がまだ野生時代の頃まで遡ります。野生時代、犬は群れを成し狩りをしながら生活をしていました。その際、小動物を丸ごと食べていたため、消化しきれない小動物の毛も一緒に食べていたそうです。そのため、消化しきれない毛を吐き出すために、あえて草を食べることで胃を刺激し、不要な毛などを草とともに吐き出していたと言われています。
つまり、この頃の名残が今でも残っているため、胃がムカムカしている時や、胃の調子が良くないと感じた時に、犬は草を食べて整腸をしているのです。
●草を食べることを楽しんでいる
整腸作用のために食べていると説明しましたが、中にはただ単に草を食べることを楽しんでいる犬もいます。これは、単に草の食感が気に入った・お腹が空いている・暇つぶしなどの理由から、食べているのですが、それでもやはり吐き出すこともあります。また、吐き出さなかったとしても、未消化のまま便として出てくる場合もあるので(犬の体は草を消化するのに適した体の造りをしていないため)、愛犬が草を食べてしまった場合は、どれくらい食べたのか・食べた時間などを覚えておくと良いでしょう。
しかし、ここで気を付けなければならないのが、歩道などに生えている草は季節的に除草剤が散布されてる場合があるということです。除草剤が付いた草を犬が食べてしまうと、命の危険にさらされる事もあるため、出来れば愛犬が草を食べようとしたら止めた方が良いかもしれません。
犬が食べてはいけない野草とは
春からいろいろな草が生えだしますが、中には犬が食べてはいけない野草もあります。以下に挙げる野草は、犬が食べることにより体調不良に陥るものや、命を落とす危険のある野草なので、散歩中にこれらの野草を見つけたら注意するようにしましょう。
●アジサイ
これから梅雨に向けて、あちらこちらで目にする機会が増える野草のアジサイ。見た目はキレイだし、毒性はないと思いがちですが、実はアジサイには強い毒性があるのです。アジサイに含まれる毒性は、過呼吸・興奮・痙攣・麻痺・歩行困難などの症状を引き起こし、犬はもちろん私たち人間もアジサイを食した場合に中毒を起こします。
●あんず
あんずの場合、未成熟な種子や果実の中にアミグダリンという青酸配糖体の一種が含まれており、体内で加水分解されることにより青酸に変化していしまいます。そのため、食べてすぐに呼吸困難・けいれん・虚脱などの症状が現れ、最悪の場合は死に至る可能性もあります。
●梅
梅も、あんず同様に青酸配糖体が含まれているため、食べてしまうことにより呼吸困難・けいれんなどの症状を引き起こし、大量摂取した場合は死に至る可能性が高いと言われています。
●オダマキ
オダマキには、プロトアネモニンという有毒成分が含まれているため、嘔吐・下痢・不整脈・痙攣などの症状を引き起こし、最悪の場合は死に至る可能性もあります。
●アサガオ
夏にかけて目にする機会が増えてくるアサガオですが、アサガオの種子は毒性が強く嘔吐・下痢・血圧低下などの症状を引き起こします。
●オシロイバナ
オシロイバナの根・茎を食べてしまうと、皮膚への刺激・嘔吐・下痢・腹痛などの症状を引き起こす他、種子には幻覚作用もあるので危険です。
●サツキ
サツキの花に含まれる成分を食べてしまうと、よだれ・嘔吐・下痢・視覚障害・痙攣・昏睡などの症状を引き起こします。
●スイセン
特に球根に多く含まれるリコリンという成分により、嘔吐・下痢。よだれ・血圧低下・心不全などの症状を引き起こし、最悪の場合は死に至る可能性もあります。
●さくらんぼ
さくらんぼの種子を食べてしまうと、呼吸困難・痙攣・虚脱などの症状を引き起こします。
●チューリップ
チューリップの球根には、毒性の強い成分が含まれているため、嘔吐・下痢・血便・めまい・呼吸困難・瞳孔の拡大などの症状を引き起こし、死に至る可能性もあります。
●トマト・ナス
実は、トマトの芽や葉には毒性があり、嘔吐・下痢・血便・めまい・呼吸困難などの症状を引き起こし、場合によっては死に至る可能性もあります。
●ニチニチソウ
ニチニチソウには、細胞分裂阻害作用があるため、嘔吐・下痢では済まない危険もあるため注意が必要です。
●パンジー
今の季節でも咲いているところを目にする機会の多いパンジーですが、パンジーは強い毒性を持っているため、食べてしまうと嘔吐・神経麻痺・心臓麻痺などの重篤な症状を引き起こします。
以上が、犬が食べると危険な野草となっています。この中でも、これからの季節に特に注意をして欲しいのが、アジサイとオシロイバナです。アジサイとオシロイバナに関しては、住宅地以外の歩道や公園などでも咲いている機会が多い他、犬が口にしやすい位置に生えているためちょっと目を離した隙に食べてしまう可能性が多い野草でもあります。また、アジサイに関してはこれからの時期に見ごろを迎えるため、散歩中に必ずといって良いほど目にする機会が多いかもしれません。ちなみに、私がいつも散歩をするコースでは、毎年色とりどりのアジサイを目にすることが多く、アジサイの前で犬の記念写真を撮る飼い主さんを多く見かけることがあります。
野草には、何が含まれるか分からないため、出来ればむやみやたらに食べさせることはしないようにしましょう。
万が一、危険な野草を食べてしまったら…
万が一、愛犬が危険な野草を食べてしまったら、すぐに動物病院を受診するようにしましょう。その際、どの草を何時位にどれだけ食べたかが重要になります。もし、愛犬が食べてしまった草が何か分からない場合は、同じものを持っていくか写真を撮るなどして動物病院で説明する際に分かりやすいようにしておくことが必要です。日頃から、草を食べないようにしつけをすることが必要ですが、なかなかうまくいかない場合もあるかと思います。そんな時は、やはり食べてしまわないようにしっかりと観察しておくことが必要なので、散歩中も愛犬から目を逸らさないこと・万が一食べてしまったら、自己判断せず早急に動物病院で相談することが、愛犬の命を救う上で重要なカギとなります。
犬が食べても大丈夫!犬に与えたい野菜や植物とは
野菜や植物など、犬が食べてはいけないものばかりではありません。ここでは、犬が食べても安心の野菜や植物を紹介していきます。
●キャベツ
胃腸の免疫をサポートするビタミンUが豊富に含まれています。与えるときは、消化を良くするために茹でて細かく刻むと良いでしょう。
●ニンジン
免疫力を活性化するカロテンや免疫保護のビタミンAが豊富に含まれています。茹でて細かくするか生のまますりおろすと良いでしょう。
●絹さや
自宅でも育てられる絹さやには、新陳代謝強化作用のあるリジンやアスパラギン酸を多く含んでいます。与えるときは、茹でて細かく刻むと良いでしょう。
●ベビーリーフ
ベビーリーフも自宅で栽培できる植物です。ベビーリーフには、ビタミンやミネラルが豊富に含まれています。軽く茹でて細かく刻むか、生のまま与えると良いでしょう。
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