犬にとっての筋肉…!どんな役割をしている?
筋肉は、犬の体全体にあり、それぞれの働きが違います。骨だけで体を動かすことはできないので、
骨の周りの筋肉で体がスムーズに動くための役割をします。
また、犬は普通に立っているだけでも筋肉を使います。オスワリをした状態でのフセ、フセをしてから立ち上がって歩く、
オシッコやウンチのために力をいれる…など、
すべて体中の筋肉があるからスムーズに行われることです。
ドッグフードを食べときに下を向き、頭をキープするのも首の周りの筋肉があるからこそなんです。
筋トレで筋肉量アップ!犬が筋肉をつけるとどんなメリットが?
人間と一緒で、健康維持のために筋トレをするとさまざまなメリットがあります。
●犬の筋トレは、健康で長生きにも繋がる
「筋肉」は使うことによって発達するもの。つまり、使わなければどんどん筋肉量は減ってしまいます。
高齢となってあまり動かないような犬は、体を支えることが少ないため、どんどん筋肉が減ります。一度なくなってしまった筋肉は、衰える一方です。
筋肉がないと体を支えるのが辛いので、愛犬はどんどん動かなくなってしまいます。
筋肉量を意識的に増やすことは、愛犬の健康にも繋がります。
単に長生きするのではなく「健康的」に生きて欲しいのなら、飼い主さんが愛犬の筋トレで筋肉量を増やすようにしましょう。
筋トレは、愛犬の健康と長寿のメリットがあります。
●老化を防止する効果がある
犬は年齢を重ねると外見的にはそれほど変わることがないものの、体力的には衰えてきます。
「散歩に行きたがらなくなった」「日中寝てばかりいる」など、シニア犬の飼い主さんから聞かれる言葉です。
体力がおちるのは老化現象のひとつですよね。飼い主さん的には、「動きたくないなら無理させないでおこう」と思ってしまうかもしれません。
愛犬のためと思っていることが、実は愛犬の体を辛くしてしまうことに繋がります。
犬自身が「動きたがらない」状態をそのままにしておくと、筋肉量がどんどん減り、最終的には立ち上がることさえ大変になってしまいます。
しっぽを振って飼い主さんに駆け寄る姿を少しでも長く見ていたいものですよね。筋トレで筋肉量を増やすことは、
自分の足で動ける時間を増やすことに繋がります。愛犬のためでもあるんです。
それに、筋トレで飼い主さんとのコミュニケーションが増えると、頭も使うので認知症予防にもなります。犬自身の体調や体力もあるので、
無理して長時間する必要はありませんが、毎日少しずつでも筋トレを日課にすることで老化防止にも役立ちます。
筋肉が衰えてくるとみられる諸症状とは?
犬の老化が進んで介護が必要になってから筋トレを始めてもほとんど効果がありません。
大事なのは早期に発見して、飼い主さんが適切に筋肉アップのために対策をすることです。
そこで犬が衰えがちな筋肉や衰えたときの症状について見てみましょう。
●筋肉には2種類ある
「普段、散歩をしているから筋トレになっているのでは?」と思いがちですが、散歩だけでは衰えてしまう筋肉があります。
犬の筋肉には「速筋」「遅筋」という2つの種類に分類されます。
速筋とは、文字通り「速く」動く、瞬発的に使うような筋肉のことを指します。
スピードを出して走り回るようなときに使う筋肉です。一方、遅筋とは「遅く」、
ゆっくりと運動するときに使われます。つまり、毎日の散歩のときに使うのは後者の「遅筋」。
普段は、速筋の方はなかなか使うことがないのです。
基本的には日々の散歩が筋肉維持のためには効果的なものですが、バランスよく筋力を保つために筋トレをすることをおススメします。
●筋肉がなくなるとどんな症状が犬にあらわれる?
犬は言葉が話せないので、普段から飼い主さんが愛犬の様子を観察し、
いつもと違ったような動きやスタイルから筋肉がなくなってきたことを知るしかありません。
一番分かりやすいのは、散歩を嫌がるようになったということかもしれません。
犬は立ったり座ったりするときに、自分の体を主に前足で支えるものです。そのため、犬の足の筋肉は比較的後足から弱まると言われています。
オスワリやフセをしたときに後足が横にそれているなど、後足が若いときと違っている様子が見られたら、
筋肉量が減少しているので筋トレを意識的に行ってあげるといいかもしれませんね。
犬が筋トレするならどんな方法がある?
犬は、人間のように筋肉トレーニングのためにジムに通うことはできませんよね。
もちろん「筋肉が衰えてきたから鍛えなきゃ」とトレーニング内容を自分で考えることもできないのです。
飼い主さんが犬の筋肉を増やすために、筋トレをしてあげることで愛犬の健康にも繋がります。
それでは、具体的にどんな方法で犬の筋トレができるかいくつかご紹介していきます。
●犬にお手の繰り返しさせて筋トレ
おやつを用意して、!犬にお手をさせてみましょう。愛犬は、飼い主さんの手に前片足をのせると、
残りの足でバランスを保って立っているのが分かりますよね。足や腰の筋肉を使って立つので、これが筋肉アップに繋がります。
●犬の散歩は平坦な道よりも坂道がいい!?
足腰の負担になるからと、散歩中は坂道を避ける飼い主さんもいるかもしれません。
しかし、平坦な道よりも坂道などの方が犬の筋トレには適しています。
ただし、あまりにも急な坂道だと負担が大きいので、緩やかな坂を散歩コースに取り入れてみましょう。
愛犬の下半身の筋肉量アップにも繋がります。
●オスワリ&フセの繰り返し
オスワリをさせた状態で、フセの体勢にすることは、足腰を鍛える運動になります。
人間の腕立て伏せのようにも見えますよね。
犬に「オスワリ&フセ」を繰り返しさせるときには、
おやつを準備しながら「オスワリ→フセ→おやつ」の順でやってみてください。
●飼い主さんの足を使って筋トレ
硬いものの上よりもやわらかいものの上を歩く方が犬の筋肉は鍛えられます。
そこで効果が期待できるのが、飼い主さんの足を使った筋トレです。
まず飼い主さんが足を伸ばして座ります。愛犬が飼い主さんの足を飛び越えたりできるように、おやつを使って誘導してあげます。
また、飼い主さんが膝を曲げて片足を立てた状態にしてみてください。足の下を愛犬がくぐって通れるように、おやつで誘導します。
愛犬は頭を下にして、足の下をくぐります。くぐるときには、頭から足の先まで体全体の筋肉を使うそうです。
お部屋で飼い主さんと一緒にできる筋トレなので、愛犬とのコミュニケーションにもなります。散歩に行きたがらないワンちゃんも、
室内でできる運動ですし、何よりもおやつが食べられるので喜びの筋トレタイムとなりそうです。
●首の筋肉に効果アリの首振り筋トレ
首の周りの筋肉は、食事をするときや水を飲むときに大事な部分です。飼い主さんがおやつを持って愛犬をオスワリ状態にします。
高い位置におやつを持ちあげます。すると愛犬はそれを眺めるように首を上にあげます。その手を下にさげたり、横に向けたりとワンちゃんの首が動くように意識してみてください。首の筋肉が鍛えられる筋トレです。
●マッサージをしてあげる
愛犬とスキンシップのときに、足を伸ばしたり曲げたりとマッサージしてあげましょう。関節を飼い主さんが動かしてあげるだけでも、
筋トレになります。特に、加齢とともに関節が動きにくくなるワンちゃんも多いので、運動量を高める意味でもマッサージは効果的です。
筋肉アップが期待できるワンちゃんの食事
筋肉量が減り、足腰が弱まるのは、主にシニア犬と言われる年齢になってからでしょう。シニア世代になると、人間同様「筋肉がない」
「足腰が弱くなる」という症状が明らかに見られるようになります。そこで、筋トレなどで意識的に動くようにするだけでなく、
体の内側からケアしてあげることも大切です。栄養分に気をつけた食事内容にしましょう。
そこで、筋肉をつくるうえで欠かせない栄養素「たんぱく質」を意識したフードを与えるように意識してみてください。
本来、肉食動物の犬ですから、たんぱく質は動物性のものを与えるといいですね。たんぱく質は、筋肉量を増やすだけでなく、
骨、血、皮膚など体全体に欠かせない栄養素です。
また、シニア犬になると基礎代謝も減るので、若いときと同じカロリーを摂取すると肥満にも繋がります。与え過ぎに注意し、
低カロリーのシニア犬用のものを食べさせてあげるようにしたいものです。
●おすすめ商品
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◆筋肉がつきやすい犬って?犬種をご紹介
どんなワンちゃんでも体には筋肉があります。ただ、「これぞ筋肉!」というくらいムキムキした筋肉を持つ犬種もあるんです。
●グレート・ピレニーズ
フランス原産で牧畜犬として歴史があるグレート・ピレニーズ。体重は50キロほどにも成長し、ガッシリと筋肉量が多いのが特徴的です。
寒さに耐えられるようにフサフサとした毛がどこかエレガントな雰囲気も表わしていますが、どっしりとした力強さもある犬です。
●ドーベルマン
警察犬としても大活躍しているドーベルマンは、機敏な動きができる運動量の多い犬です。引き締まった体に筋肉がしっかりとつき、
美しいスタイルとたくましいカッコよさが魅力的な犬です。見た目は凛々しくクールですが、社会への順応力がありさまざまな訓練も習得できる頭の良いワンちゃんです。
●グレイハウンド
「走るのが速い」ので有名なグレイハウンド。スピードを出して駆け抜けることができるように、細長いスラリとした足を持ち全体的に細身の体型です。
体全体には、速く走るために筋肉がバランスよくついていますが、ムキムキとした感じよりもスマートな印象です。
そもそも野ウサギ狩りのために使われていた歴史もあり、何かを追いかけることが大好きです。
運動が大好きな反面、家の中ではゴロリとくつろぎたいタイプのようです。広い場所では機敏に動きますが、
家の中ではゆっくりと家族との時間を過ごしたいのかもしれませんね。
●アメリカン・ピットブル・テリア
頭がとても大きく丸みを帯びていて、骨と筋肉が全体的についているガッシリ体型の中型犬です。
体重は、15~35キロ程度が一般的ですが、50キロ以上の大型になる個体もあります。
そもそも闘犬として繁殖された犬のため、気質が荒く闘争心が強いたくましい犬です。
飼い主がしっかりと管理することが必要なほど危険になることもあり、国によっては飼育を規制されています。
まとめ
愛犬にとっての筋肉は自分の足で歩いたり、食事をしたり排泄するために大事なものです。
シニア犬で筋肉が弱くなってきて動くことが苦手になったワンちゃんでも、きっと大好きな飼い主さんと一緒に散歩に行ったりしたいと思っているはずです。
「筋肉が弱ってきたかな」と少しでも感じられたら、筋トレで愛犬の健康を維持してあげましょう。
お部屋の中で行う筋トレは、飼い主さんとの遊びの一環としても行えます。頭を使うので脳の活性化にもなりますよね。
認知症を予防する効果もあるので、愛犬の若さをキープするのにもおすすめです。
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