レオンベルガーはどんな犬?特徴・性格・価格は?

2020.11.12

レオンベルガーはどんな犬?特徴・性格・価格は?

レオンベルガーは数ある犬種のなかでは比較的新しい種類です。大きい体が特徴的で愛すべき魅力がいっぱいの犬です。発祥の地「ドイツ」をはじめ、世界各国に愛好家がたくさんいます。日本でもじわじわと知名度があがってきて愛好家も増えてきています。この記事では、レオンベルガーの特徴や性格、価格、レオンベルガーを飼うときに知っておきたいことなど「レオンベルガー」をまとめてお話していきます。

【目次】
1.レオンベルガーとはどんな特徴の犬なの?
 1-1.レオンベルガーの大きさは?
 1-2.筋肉質でがっしりとした体格が特徴的
 1-3.毛量の多い犬種
 1-4.優しい表情
 1-5.ライオンのような風貌が特徴的
 1-6.水かきがある

2.レオンベルガーの歴史は?
 2-1.ライオンに似せたかった!?
 2-2.使役犬として活躍

3.レオンベルガーはどんな性格なの?
 3-1.穏やかで優しい
 3-2.愛情深く飼い主に忠実
 3-3.頭が良い

4.レオンベルガーを購入するなら価格はどのくらい?
 4-1.気になる価格は?

5.レオンベルガーの寿命は?気をつける病気は?
 5-1.平均的な寿命は?
 5-2.レオンベルガーがかかりやすい胃捻転を防ぐためには?

6.他にも気を付けたいレオンベルガーの病気
 6-1.股関節形成不全
 6-2.肘関節形成不全
 6-3.アジソン病
 6-4.レオンベルガー多発性ニューロパチー

7.レオンベルガーとの暮らしで知っておくポイントは?

【掲載:2018.11.08  更新:2020.11.12】

レオンベルガーとはどんな特徴の犬なの?

レオンベルガーの第一印象を一言で表すなら、「大きい体」という言葉につきるでしょう。でもそれだけではありません。レオンベルガーには、惹きつけられる魅力がたくさんあります。それでは、レオンベルガーの特徴について見ていきましょう。

◆レオンベルガーの大きさは?

レオンベルガーの体高の標準的な数値は、オスが72~80㎝、メスが65~75㎝です。人間の子どもの1歳児から2歳児くらいの身長と同じくらいの体の高さがあるんですね。

体重はオスが54~77キロ、メスが45~61キロ…!人間の大人並みの体重があるほど大型犬なのです。

◆筋肉質でがっしりとした体格が特徴的

体重が人間並みにあるレオンベルガーは、全体的にがっしりと筋肉がついていて、堂々とした体つきをしています。バランスの良い魅力的な体格をしているのが特徴です。

◆毛量の多い犬種

レオンベルガーは、ふさふさとした被毛に覆われています。そのため、大型犬のなかでもかなり大きく見えるかもしれませんね。少しウェービーなゴージャスな被毛で、とても頼りがいのある見た目をしています。

◆優しい表情

顔の「ブラックマスク」が特徴的で、黒く凛々しい顔立ちをしています。丸く茶色の瞳、三角形の耳は垂れています。体が大きいのでパッと見た瞬間「怖そう」と思うかもしれませんが、顔を見ていると優しい表情であること気づきます。

◆ライオンのような風貌が特徴的

レオンベルガーのしっかりと太い首の周りには、ライオンを思い出させるような立派な「たてがみ」が見られます。

◆水かきがある

足の指の間には水かきのようなものが見られます。実は、世界では水難救助犬として活躍しているレオンベルガーがいるほど、泳ぎが上手な犬種なのです。


レオンベルガーの歴史は?

レオンベルガーの歴史は、1846年、ドイツにある「レオンベルク」という都市から始まります。

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◆ライオンに似せたかった!?

レオンベルク市の議員であったハインリッヒ・エスィヒ氏が、ライオンに似た犬を作りだしたかったのがそもそものきっかけ。なぜなら、レオンベルク市のシンボルがライオンだったからなのです。

ハインリッヒ・エスィヒ氏が初めに試みたのは、セントバーナードとニューファンドランドの交配です。セントバーナードはスイス原産で筋肉質の犬種、ニューファンドランドはカナダ原産のがっしり体型で垂れ耳の犬種。どちらも大型でどっしりした体つきの犬です。その後、グレートピレニーズなどとも掛けあわせました。これらの大型犬を中心に交配をかさねた結果、ハインリッヒ・エスィヒ氏が好むような犬が誕生しました。それが現在のレオンベルガーの元になった犬です。市のシンボルのライオンのような風貌があったことから、誕生した犬種はレオンベルガーと呼ばれるようになります。

◆使役犬として活躍

大きな体のレオンベルガーは、ドイツの人たちの使役犬として農業を手伝うなど人間の身近で大切に育てられました。やがて、国外へ出されるようになっていきましたが、ドイツを離れた外国、特にイギリスでは「セントバーナードとニューファンドランドの雑種だ」という「単なる雑種」扱いしか受けることはできませんでした。

イギリスでは酷評しかなかったものの、威厳たっぷりの風格と優しく賢い性格が世界中の王族や貴族の目に留まり始めます。貴族に愛される犬として人気になっていきましたが、戦争の影響を受け、第二次世界大戦後にはなんと8頭までにその数が激減していったのです。

その後、熱心なレオンベルガー愛好家の努力により繁殖が行われていきます。現在では、世界各国に愛好家を持つ魅力的な犬種となっています。


レオンベルガーはどんな性格なの?

大きな体のレオンベルガーですが、いったいどんな性格なのでしょうか。

◆穏やかで優しい

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<なんの木さん>

体がとても大きいので怖そうなイメージを持つ方も多いかもしれませんが、見た目とは逆にとても穏やかで落ち着いている性格の犬種です。人間や他の動物に対しても攻撃性がほとんどないくらい、優しい犬種です。

見た目が大きいので番犬にも適している感じもしますが、ほとんど吠えない特徴があるので番犬向きではありません。

◆愛情深く飼い主に忠実

レオンベルガーは、一緒に暮らしている飼い主さんには、大きな愛情を見せてくれる性格を持つ可愛らしい犬です。人懐こい性格なので、飼い主さんからの献身的な愛情を感じると、精一杯応えてくれる忠実さがあります。子どもとの相性も良いので、小さなお子さんがいる家庭でも飼いやすいかもしれませんね。

◆頭が良い

レオンベルガーは賢く記憶力抜群の犬種です。とても辛抱強い性格なので、しつけがしやすいと言われています。学習能力にも長けているので、さまざまなことを覚えてくれます。レオンベルガーは、他の犬たちと交流することも苦ではないため、多頭飼いにも適しています。


レオンベルガーを購入するなら価格はどのくらい?

勇ましい風貌とは裏腹に、とても心優しいレオンベルガー。大型犬が好きな愛犬家の方々は「飼ってみたい」と気になるかもしれません。しかし、そもそも日本では珍しい犬種です。ペットショップでレオンベルガーの子犬を偶然見かけるということはほぼないでしょう。

そのため、レオンベルガーを購入するならブリーダーからが理想的です。

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◆気になる価格は?

ブリーダーによって価格は異なります。しかし、やはり「希少な犬種」という事情も重なって、価格そのものは他の犬種と比べると少々お高め…。相場的な価格ですが、30~50万円前後を参考価格と考えておくといいでしょう。ブリーダーさんの数自体も日本国内ではあまり多くないので、購入するときにはレオンベルガーの飼い方についての情報をしっかり聞いておくようにしたいものです。上記の価格はあくまでも参考です。価格がやたらと安すぎたり高すぎたりする場合には、何か事情が隠されている可能性もあります。信頼できるブリーダーを見つけて、購入前にはいろいろとお話を聞いてみるようにするといいかもしれませんね。


レオンベルガーの寿命は?気をつける病気は?

家族として迎え入れたレオンベルガーとは、長く一緒に暮らしたいと思うのは当然です。しかし、育てる前に知っておきたいのが一般的な寿命についてです。レオンベルガーは大型犬なので、小型犬などに比べると短命の傾向にあります。

◆平均的な寿命は?

平均的な寿命ではありますが、およそ8~9年前後と言われています。ただ、あくまでも平均的な数値ですので、生まれ持つ個体差や育つ環境によって、寿命は変わることを覚えておきたいものです。ふだんからレオンベルガーの体調に気を使い、長く一緒にいられるように配慮してあげてくださいね。

◆レオンベルガーがかかりやすい胃捻転を防ぐためには?

大型犬に多く見られる病気で「胃捻転」をご存知でしょうか。レオンベルガーも体が大きいので、症状を起こしやすいと言われています。胃捻転は、「胃」のねじれによって、ガスや液体を発生させます。胃捻転を起こしてしまうと、命にも関わるような重大なリスクが出てきます。

胃捻転の原因は特定されていませんが、食事と密接な関わりがあると考えられています。

急いで食事をしたり、食べた後に急な運動をしたりなどによって引き起こされるとも言われています。

お腹が減っているとバクバクと食べてしまうので、1回に与える食事量を少なめにしましょう。水もゴクゴク飲み過ぎると胃捻転の原因になります。

また、食べたすぐ後の運動も控えましょう。散歩は、食後を避けてという配慮もしましょう。

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他にも気を付けたいレオンベルガーの病気

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前項で紹介した「胃捻転」以外にも、レオンベルガーと一緒に暮らすなら注意したい病気がいくつかあります。

◆股関節形成不全

股関節に異常が見られる股関節形成不全は、レオンベルガーのように体重が重い大型犬では気をつけなければならいない病気のひとつです。
性格が穏やか系のレオンベルガーでも、大きな体格なので適度な運動は必要。
ただ、激しい運動は股関節に大きな負担をかけ、股関節の先端が変形して異常をきたします。
本来、噛みあっているはずの股関節が上手く動かないようになり、歩行が難しくなるケースも。
また、太り過ぎによってこの病気を発症することも少なくありません。運動量・食事量の管理を徹底し、病気のリスクを減らしてくださいね。

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◆肘関節形成不全

肘関節形成不全も大型犬にありがちな病気です。
レオンベルガーの成長途中で歩き方の違和感があれば、肘関節形成不全の可能性もあるでしょう。
遺伝的に起こることもありますが、肥満が要因となって発症することも。
肘関節形成不全になると、初めは「歩き方がおかしい」くらいで済みますが、病気に気づかずに時が過ぎると歩行のたびに痛んでいるようなぎこちない印象を受けるかと思います。
重度になると、手術を伴う治療となってしまいます。

症状が進行していない早い段階なら、薬での治療もできるかもしれません。
歩き方の変化が見られたら、すぐに病院で見てもらうとレオンベルガー的にも治療の負担が少なくなるでしょう。

◆アジソン病

腎臓の機能が低下して起こる病気です。
副腎からの分泌物が不足したことが引き起こす病気で、副腎皮質機能低下症という別名で呼ばれることもあります。

一般的な症状は、下痢や嘔吐をともない元気がなくなることです。
急性で発症すると急激に弱り切った様子を見せるでしょう。
場合によっては命を脅かす深刻な状況となることも。
急な体調の変化が見られたら、少しでも早めに動物病院を受診しましょう。

また、慢性(緩やかに進行する)で発症している場合でも油断はできません。
嘔吐や下痢がよく見られ、体の水分がなくなって体重が減るでしょう。
少しすれば治ったように見えることもありますが、実際には体の内部で病状は深刻化していることも少なくありません。
尿の量が増えたり、水を頻繁に飲んだりとふだんと違う雰囲気なら、獣医師に相談してみてください。

◆レオンベルガー多発性ニューロパチー

レオンベルガーの遺伝子が原因となって発症する病気のひとつです。
遺伝子が関係しているので、レオンベルガーを迎え入れたら検査をしておくと病気の有無が分かって安心でしょう。
この病気にかかると、運動麻痺や筋力低下によって歩くのが難しくなったり、神経異常から感覚的な障害を持ったりします。


レオンベルガーとの暮らしで知っておくポイントは?

家族として迎える前にレオンベルガーとの暮らしで知っておきたいポイントをいくつか紹介します。

– ポイント1:毎日の散歩は欠かさずに… –

体が大きい割にとても温和で穏やかな性格です。とは言ってもその筋肉質でがっしりした体型をキープするには、毎日のように運動をさせるようにしなければなりません。1日に2回の散歩が理想的。1回にかける時間は1時間程度を目安に連れていってあげてくださいね。

散歩が短いとレオンベルガーはストレスを溜めてしまうこともあります。激しい運動は必要ありませんが、散歩時間が長いので、飼い主さんの体力も大事なポイントです。

家族のなかで散歩に連れていく役割を分担するなどレオンベルガーの運動量が減らないように工夫してあげてくださいね。

– ポイント2:室内飼いが理想的 –

レオンベルガーは寒い地方原産の犬種のため、日本の暑さには弱い傾向にあります。室外で飼っているとすぐに体調を壊してしまいます。被毛も厚いので、温度が上昇することで体力が奪われ、げっそりと痩せてしまうこともあるのです。レオンベルガーを飼うなら、エアコンで過ごしやすい温度をキープできる室内飼いが理想です。大きな犬種なので、レオンベルガーが家のなかでも十分動けるスペースを確保してあげましょう。

そもそも散歩で運動量を確保できると思われがちですが、天候によっては外に連れていけないこともあるでしょう。そんなときに家のなかで運動ができるスペースがあるといいものです。家のなかで動き回るだけでも適度な運動量になるものです。

また、レオンベルガーは飼い主さんとのコミュニケーションを望みます。屋外飼いでは、散歩時以外のコミュニケーションが不足しがちで、寂しがってしまいます。レオンベルガーと暮らすなら、家族団らんのときにレオンベルガーを囲みながら、みんなで楽しい時間を過ごせるような環境作りが重要です。

– ポイント3:被毛のお手入れは丁寧に行う –

レオンベルガーは、寒さに耐えられるような分厚い被毛が特徴的。ダブルコートの被毛で、換毛期には抜け毛が多いです。

コミュニケーションも兼ねて、レオンベルガーの体のブラッシングは日課にしてあげてください。丁寧にブラッシングをすれば、ツヤがある被毛が保たれます。体が大きな犬種のため、お手入れには時間がかかることを知っておくべきです。レオンベルガーを家族に迎える前には、家族でしっかりと話し合って決めるようにしなければなりません。

– ポイント4:しつけは子犬時代からしっかりと行う –

頭が良く学習能力が高いレオンベルガーなので、しつけの訓練は比較的行いやすいです。飼い主との信頼関係は、できるだけ小さいうちから築くようにします。

また、大きい体の割に攻撃性が少ない犬種ですので、他の犬に対してケンカ腰になることもほぼありません。ただ、社会性が身についていない状態だと、たまに他の犬や人間を見たときに興奮してしまうこともあります。小さいうちから、散歩やドッグランなどで社会性を身につけるようにしたいものです。


まとめ

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がっしり体型で勇敢な見た目のレオンベルガー。大きな体格ではありますが、愛情深く穏やかな性格から愛好家がたくさんいる犬種です。大きい犬が好きな人には気になる魅力がいっぱいですね。

ただ、日本では珍しく価格も高い犬種です。それに、体の大きい犬だからこそ、お手入れや散歩には時間がかかります。家族として迎え入れるからには、事前にしっかりと考えておくべき点がたくさんあります。レオンベルガーと幸せな毎日が送れるように心構えをしっかりと持ちたいものですね。



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笹本 雅

笹本 雅

犬が好きです。小型犬でも大型犬でもとにかく犬が大好きです。これから犬種についてや豆知識や健康についてなど、幅広いワンちゃんについての情報をご提供していきます。犬好きの方にぜひとも見ていただいてご意見いただければと思います!


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