お骨はしばらく家に安置するか、すぐ埋葬するかを決めておきましょう
愛するワンちゃんの供養については、まず、「お骨をどうするか」を決めましょう。ペット霊園に安置するなら、火葬場併設のペット霊園を選んだほうが何かと話が早いです。お骨をしばらくご家庭で安置するなら、ペット霊園で火葬のみしてもらうのか、火葬専門業者に頼むのかなどを考えなければなりません。
人間の遺骨を自宅の庭に埋めることは「墓地、埋葬等に関する法律」によって禁じられています。しかし、ペットにはこの法律の適用がないので、遺骨を自宅の庭に埋めても法律上は問題がありません。ただし、ご自宅が借家の場合は大家さんの許可が必要ですし、引っ越すときは、後に住む人のために遺骨を掘り出して移動させる必要があります。
お庭にお墓をつくるときは、
①必ず自宅の所有地に埋める。借家の場合は、大家さんの許可を得る②所有地でも借家でも引っ越しのときに掘り出せるよう、火葬後に骨壺へ入れたままで埋めて散骨などを防ぎ、目印となるお墓などを立てておくことがおすすめです。
なお、お骨をそのまま自宅のリビングなどに安置してももちろんかまいません。実際に、リビングに祭壇などをつくってお骨を安置されている方も多くいらっしゃいます。また、最近では、ペットの遺骨からペンダントやメモリアルプレートなどをつくってくれるショップも多くあります。
ただし、ペットの遺骨を公園や山の中、河川敷などに無断で埋めることは、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」及び「軽犯罪法」に違反しますので、絶対にしてはいけません。また、庭への土葬は衛生上の問題がありますので、絶対にやめましょう。
心が乱れている状態でネットを検索してはいけません
ワンちゃんが亡くなり、心の準備ができないままあわててネットで「犬 ◎◎区 火葬」などと検索し、ヒットした業者に頼むのはまったくおすすめできません。ネットのホームページ上から信頼できる業者を見分けるのは正直申し上げて、難しいです。ホームページを美しく作ることは簡単ですし、口コミなどを操作することも不可能ではありません。さらに、亡くなった後の心が乱れている状態では、ゆっくり下見やリサーチもできません。
人間と違ってワンちゃんの霊園などには法律の規制がないため、悪質な業者もいます。実際に、大阪府枚方市のペット霊園が突然閉鎖し、多数の墓石や遺骨が山積みにされてしまうというトラブルがありました。また、国民生活センターにも「ペットの葬儀業者に火葬を依頼したが、担当者が犬に哀悼の態度を示さないので不満に思った」(http://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/data/pet.html)などの相談が寄せられています。
ペット霊園や火葬業者などは動物病院、ペット保険、お散歩友達、信頼できるペットショップなどからの紹介がおすすめです
私の愛犬、フレンチ・ブルドッグのハナは、脳腫瘍で半年の闘病の後に亡くなりました。もう長くないことはわかっておりましたが、亡くなったときは本当に動揺しました。
ハナの遺体を動物病院から持ち帰って家に安置し、花束を供えてからふと
「そういえば、ワンちゃんはどこで火葬すればいいんだろう? どうやって埋葬するんだろう?」
と疑問になり、とても困りました。実家で飼っていた犬はどうしたっけ? ハナの死で錯乱していて、いい考えが浮かびません。そんなとき、夫が
「親父が死んだときは、病院の先生が葬儀業者を何件か紹介してくれて、その中から選んだよ。犬もきっと、動物病院の先生がいろいろご存じなんじゃないかなあ」
と言ったので、ハナを看取ってくださった動物病院に電話をしました。
これが大当たり。先生は、3つの業者を紹介してくださった上に、
「何か問題がありましたら、すぐに私に知らせてください」
と言ってくださいました。3つ紹介してくださったのは
「飼い主さんの宗教などもあるので」
という理由でした。確かに、お寺系、無宗教系など、いろいろなペット霊園がありました。
ペット霊園や火葬業者などは、動物病院にパンフレットなどを置いてもらっているところも多いです。何か問題があったら苦情が動物病院に行き、パンフレットを置いてもらえなくなるので、動物病院から紹介されたお客様にはとても丁寧に接してくれます。
同様に、ペット保険に入っていたら保険会社、ペットショップから迎えたワンちゃんならペットショップから紹介してもらうのもいいでしょう。もちろん、仲良しのお散歩友達が利用したことがあるペット霊園などを紹介してもらうのもおすすめです。
ネット社会だけど、まだまだ日本は口コミや紹介に勝るものはない。これがハナを看取った経験からの結論です。
なお、ひとつの目安として、一般社団法人全国ペット霊園協会(http://www.petreien.or.jp/)の正会員から選ぶという方法もあります。
ペット霊園は近所でも遠方でもOK
遺骨をペット霊園に安置する場合、重要なのは場所です。私は、なるべく自宅の近所にすることをおすすめします。近くなら、ちょくちょくお墓参りに行けるからです。
もうひとつおすすめなのは、あえて自然が豊かなちょっと遠めのペット霊園にして、毎年夏などにお墓参りと家族旅行を兼ねてその場所を訪れることです。毎年夏、愛犬を偲ぶキャンプに家族で行くのもいいでしょう。
できれば事前に下見と相談をしておきたいところです
ハナが亡くなってから慌てた私が言うのも図々しいですが、やはり、ワンちゃんが亡くなる前に動物病院などからペット霊園や火葬業者を紹介してもらい、下見をしながら、プランについて担当者と相談しておくことをおすすめします。ペット霊園はほとんどが火葬場を併設しており、お葬式をあげてくれるところもあります。お葬式をあげるのか、どのような宗派で行うのかなどの相談もしておくといいでしょう。
火葬には、ペットオーナー様がワンちゃんと最後のお別れをした上で火葬し、ご家族でお骨を拾って骨壺に収める「お骨上げ」ができる「立会個別火葬」、スタッフがお骨上げして家族に返骨してくれる「一任個別火葬」、ほかの動物と一緒に火葬して、霊園の合同墓地に安置してくれる「合同火葬」などがあります。予算など、不明な点は担当者にどんどん質問してみましょう。そのときの応対で、「ここなら愛するワンちゃんの弔いを任せたい」と思えたところがあったら、担当者の名前を書いてもらったパンフレットを自宅の電話のそばなどに置いておくと、いざというときに慌てなくて済みます。
私は動物病院から紹介してもらったペット霊園で火葬のみ行い、一任個別火葬にしました。引き取った後のハナの遺骨は、しばらく家に安置した後に、山梨県北杜市にある実家の別荘にお墓をつくって埋めました。お骨を家に安置することで、当時2歳だった息子も心の整理をすることができました。いろいろと慌てた弔いでしたが、結果的にはベストの選択だったと思います。
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