ビジネスのために珍しい犬種や人気の犬種を繁殖させ養育する「パピーミル(Puppy Mill)」。パピーファーム(Puppy Farm)とも呼ばれ、直訳すると『子犬生産工場』となります。お金儲けの為だけに、劣悪な環境で子犬たちを繁殖させるブリーダーのことを指す言葉です。
聞くだけでも恐ろしい言葉ですが、実際では世界中に存在すると言われている、このパピーミル。これは、あるアメリカのパピーミルを動物保護団体が訪れた際に救出された、一匹のプードルのお話です。
そのプードルの名前は、B.B.(ビービー)。パピーミルにて生まれ、それ以来ずっとパピーミルの建物の地下室にて生活をしてきました。
彼女の行動範囲は、彼女が閉じ込められていた小さいケージのみ。食べる、飲む、寝る、といったことしかできない環境で、B.B. は他の犬と触れ合うことも無く、可哀想な生活を強いられてきたのです。
去年の9月、Humane Society of the United States(アメリカ最大の非営利の動物保護団体、通称”HSUS”)が、ノースカロライナ州にあるパピーミルを訪問。そこで救出されたB.B.は、何度も品種改良を繰り返されて生まれたであろう、とっても小さくて弱々しい姿を見せるプードル犬でした。
「彼女は小さくて気力の無い生物のようだったわ」と語るのは、HSUSの動物犯罪チームでマネージャーを勤めるジェシカ・ラウジェニガーさん。
スタッフ達により外に連れ出されたB.B.は、そこで初めて太陽の光を浴びたのです。
眩しそうに目を細めるB.B.。生まれてから一度も感じたことの無い感覚に包まれ怯える彼女は、その後アニマルホスピタルへと搬送されていきました。
そのアニマルホスピタルでB.B.から目を離せなくなってしまったのは、そこで受付係を勤めていたブレンダ・トートレオさんです。
「B.B.はずっと部屋の隅から動こうとしませんでした。痛々しいほど可哀想に映ったんです。彼女は本当に怯えており、このままでは恐怖から死んでしまうのではないか、という程でした。」
そんなB.B.の姿を見て「彼女を引き取るんだ」と固く決意をしたブレンダさん。
しかし、それまで小さいケージの中で生活をしてきたB.B.にとって、ブレンダさんの家は大きくて広くて奇妙に映ったようです。
「B.B.を床に置くと、小さい円を書く様にクルクル歩き回るの。走ったりした事が無いからでしょうね。」
空も太陽も草むらも砂も、全てが未知の世界のもの。怖がるB.B.にブレンダさんは根気よく接し、そしてB.B.は徐々に新しい生活に慣れていきました。
今ではブレンダさんの家中を走り回るようになったというB.B.。外の空気に触れ自由に動き回れるという幸せを噛み締めている彼女、これからも幸せに暮らしていってほしいですね!
<参考サイト>
boredpanda.com
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