ノーリードでの散歩はなぜいけないの?
ノーリードで散歩できるのが理想、と思ってしまいがちですが、ノーリードには危険がいっぱいですので真似してはいけません。
それでは、なぜノーリードがいけないのか、考えてみましょう。
◆犬の制御が難しくなる
ノーリードで散歩する場合、犬の制御は飼い主の声に頼ることになります。
しっかりとしつけができている犬なら、飼い主の声によってある程度行動を制御することができるでしょう。
でも、突然の物音や地震・落雷などに驚き、犬がパニックに陥ってしまった場合、どんなにしつけられた犬でも、声だけで制御することは難しくなります。
犬が制御できない状態は、犬にとっても、周囲の人にとっても非常に危険です。
どんな状態であってもしっかりと犬の行動をコントロールするために、リードが必要です。
◆事故にあう危険性が高まる
ノーリードで散歩していれば、行動を制御しきれず、犬が事故にあう危険性が高くなります。
ノーリードでの散歩中に起こった実際の事故として、このようなものがあります。
<大型犬と乗用車の衝突事故>
狭い住宅街をノーリードで散歩していたセントバーナードと乗用車が衝突し、セントバーナードがケガをしました。裁判では、ノーリードだった犬側に7割、乗用車に3割の過失があったとする判決が出ています。また、セントバーナードのケガに対する慰謝料は認められませんでした。
参考:http://www1.odn.ne.jp/jikonochie/caraccident.htm
◆事故を起こしてしまう危険性が高まる
ノーリードでいれば、人や他の犬をがんでしまうなど、事故を起こす危険性も高まります。たとえば、次のような事例があります。
<ノーリードの犬が飼い猫をかみ殺した事故>
シェパードを公園で運動させるためにリードを外していたところ、ある家で紐につながれた状態で日向ぼっこをしていた猫を噛み殺してしまいました。裁判では、猫の飼い主に対して2万円の慰謝料の支払を命じる判決が出ました。
参考:http://dragonsam.a.la9.jp/ryoko_068.htm
<中型犬と接触したことによる転倒事故>
マンションの敷地内の通路を散歩中だった中型犬のリードを飼い主が放してしまい、マンションに帰宅してきた82歳の女性に背後から近づき接触。女性は転倒し骨折、その後二度の手術を受けましたが、女性は歩行困難になってしまいました。裁判では、居住のマンションが老後を健康的に送るためのマンションで、老人が多いことも考慮され、飼い主に対して320万円の支払を命じる判決が出ました。
参考:http://dragonsam.a.la9.jp/ryoko_068.htm
どの事例もノーリードでなければ事故を防げたはずです。
少しの自由のために、愛犬を危険にさらしてはいけません。
事故を起こさせないように、コントロールすることは、飼い主として最低限の義務です。
不幸な事故を防止するためにも、リードをつけて散歩をすることが大切です。
◆迷子になってしまう
犬が迷子になってしまう原因は様々なものがありますが、そのうちのひとつが散歩中の脱走です。
普段は飼い主のそばを離れるような犬でなかったとしても、落雷などの突然の騒音に驚き、走って逃げて行ってしまって迷子になるケースも多いです。
このようなケースは、ノーリードで散歩していなければ簡単に防ぐことができます。
また、リードをつけていても首輪が緩くて抜けてしまったり、金具が壊れてしまったり、リードが切れてしまって迷子になるケースもあります。
首輪やリードの点検は定期的に行いましょう。
そのほか、飼い主がリードを手放してしまうケースもあります。
せっかくリードをしていても、それではノーリードで散歩しているのと変わりません。散歩中は、リードを手首に巻き付けるなど、簡単には外れないようにする必要があります。
犬のサイズに合わせた首輪やリードを選ぶことも大切です。最近はワンタッチで伸縮できるものがあって、とても便利です。
また、LEDライトが内蔵されているものなら、雨で視界が悪くても日が落ちてしまった後でも人や車に気付いてもらいやすく、散歩中の危険防止にもなります。
●おすすめ商品
ボタン1つで簡単操作。
押してロック、押してフリー。
車のライトなどが当るとヒモが反射。
◆最低限のマナー
リードをつけて散歩をすることは、飼い主が守るべき最低限のマナーでもあります。
世の中には、犬が苦手な人や怖いと感じる人もいるのだということを忘れず、互いに気持ちよく過ごせるように配慮しましょう。
ノーリードは条例違反になるって本当?
条例とは、国が定める法律とは別に、地方自治体が定めているものです。
各都道府県では、犬などの動物に関する条例を定めており、そのほとんどで「犬は必ずつないでおき、運動や移動のときにも、リードやチェーンを使う」といった内容が書かれています。もちろん、ノーリードは条例違反になります。
犬はいつもつないでおかなければならない、という厳しい条例があることを知らない飼い主さんも多いのではないでしょうか。
ここでは、代表的な各都道府県の条例がどのようなものか、ご紹介します。
◆東京都
東京都では、「東京都動物の愛護及び管理に関する条例」の九条に、ノーリードに関連する規定があります。
「犬を逸走させないため、犬をさく、おりその他囲いの中で、又は人の生命若しくは身体に危害を加えるおそれのない場所において固定したものに綱若しくは鎖で確実につないで、飼養又は保管をすること」
「犬を制御できる者が、犬を綱、鎖等で確実に保持して、移動させ、又は運動させる場合」はその限りではない、としています。
参考:http://www.reiki.metro.tokyo.jp/reiki_honbun/g1013637001.html
◆岩手県
岩手県の定める「動物の愛護及び管理に関する条例」の第9条は「人の生命、身体又は財産に害を加えるおそれのない場所又は方法で飼い犬を訓練し、移動し、又は運動させるとき」などを除き、「人の生命、身体又は財産に危害を及ぼさないように飼い犬の係留をしておくこと」としています。
http://www2.pref.iwate.jp/~hp0731/giin-teian-jyorei/03dobutsu.html
都道府県によって少しずつ内容に違いがあり、また、罰則の有無などにも差がありますが、犬は一定の場所につなぎとめておくことが基本で、犬を制御できる飼い主がリードを使う場合だけ散歩しても良い、というのが条例の平均のようです。どの条例を見ても、ノーリードが許される可能性は全くありません。
仮に県の条例にノーリードについての規定がなくても、市町村などの条例で定められている場合もあります。
念のため、地元の都道府県や市町村の条例について、確認しておくと良いかもしれません。
犬をノーリードにできる場所
以上のように、散歩中のノーリードは、犬にも人にも危険な上、条例違反になるケースもあります。
でも、たまにはノーリードで思いっきり自由に遊ばせてあげたいと思う飼い主さんも多くいるでしょう。
そんなときには犬をノーリードにできるドッグランなどの施設に連れて行ってあげましょう。
一口にドッグランと言っても様々なものがありますので、どういったものがあるのか、実際の施設と共にいくつかご紹介します。
◆ドッグカフェにあるドッグラン
ドッグカフェに併設されているドッグランは、犬を遊ばせてあげるのも食事も、同じ場所でできるのが利点です。
またドッグカフェには、普段は食べさせてあげられないような犬用のメニューが用意されていることも多いです。
自由に遊んでちょっぴりグルメなフードを食べる、犬にとっても特別な時間が過ごせる場所ではないでしょうか。
<ウェリナ・ドッグパーク>
新潟県長岡市にあるドッグカフェで、1,500坪を超える広いドッグランが併設されています。ドッグランは、小型犬用・中型&大型犬用・貸切り専用の3つに分けられており、慣れていない場合でも貸切りエリアを利用すれば安心です。(事前予約可)
カフェにはドッグランを眺めながら食事ができるウッドデッキがあり、犬用メニューも複数用意されています。
参考:http://www.welina-dogpark.com/index.html
<ドッグカフェ&レストラン ブルスケッタ>
京都府京都市にあるドッグカフェで、カフェに併設されているドッグランの他に、食後には屋上ドッグランも利用することができます。
カフェのメニューは、フレンチからイタリアン・中華・和食まであり、そのどれもが本格的です。
食事の際には、ジャーキーやクッキーなど、犬用おやつのうれしいサービスがあります。
参考:http://www.daktari.info/relatedfacility/bruschetta/access.html
◆公園にあるドッグラン
公園に併設されているドッグランは、無料で利用できるところも多いのが魅力です。
公園で散歩をして、ドッグランでノーリードで自由に遊ばせてあげたら、犬も大満足です。
<代々木公園 ドッグラン>
東京都渋谷区にある都内最大級のドッグランです。
代々木公園サービスセンター窓口で登録が必要になりますが、無料で利用できます。
施設内は超小型犬用・小型&中型犬用・中型&大型犬用の3つのエリアに分かれています。
たくさんの木々が植えられているため、緑に囲まれた自然豊かなで環境で遊ぶことができます。
参考:http://yoyogidogrun.net/use.html
<ひろしま遊学の森 広島県緑化センター・広島県立広島緑化植物公園 わんこひろば>
広島県広島市にあるドッグランです。
緑化センター管理事務所で登録が必要になりますが、無料で利用できます。
施設内は、小型犬用と中型&大型犬用の2つのエリアに分けられています。
足洗い場の水は水道水のため、足を洗っている最中犬が飲んでも安心です。
参考:https://ryokka-c.jp/about/dogrun.php
◆観光施設にあるドッグラン
ドッグランが併設されている観光施設は、犬と一緒にお出掛けがしたい方におすすめです。犬を含めた家族全員でステキな思い出がつくれそうですね。
実際にはこんな施設があります。
<成田ゆめ牧場>
千葉県成田市にある観光牧場で、広大な緑地でたくさんの動物と触れ合ったり、アスレチックで遊んだりできます。
その一角にある広々としたドッグランには、様々なアジリティが用意されていて、自由に走り回ったり、トレーニングしたりできます。
参考:http://www.yumebokujo.com/play-6-dog.html
<つくばわんわんランド>
茨城県つくば市にあり、チワワなどの小型犬からゴールデンレトリーバーなどの大型犬まで、様々な種類の犬と触れ合える犬好きにはたまらない観光施設です。
園内に併設された天然芝のドッグランは、犬の足腰に負担が少なく、思い切り遊ばせることができます。
参考:https://wanwan-land.co.jp/dogrun
ドッグランは、犬がノーリードで自由に遊べる施設ですが、その分飼い主の指示に従えない犬は危険です。
ノーリードであっても飼い主の指示に従うように、しっかりとしつけをすませてから連れて行くようにしましょう。
また、ドッグランに入る際には、狂犬病やワクチン接種の証明書などが必要になる場合も多いです。
ドッグランごとに細かいきまりがあることが多いので、初めて訪れるドッグランの場合は、注意事項や必要なものなどを事前に調べて準備するようにしましょう。
まとめ
犬を外に出すときはリードが絶対必要、と多くの条例で決められています。
愛犬と自分自身と周りの人達が危険な目にあうことなく、楽しく散歩をするためには、リードは必要不可欠です。
ノーリードでの散歩は飼い主失格、というくらいのつもりで、必ずリードを使いましょう。
最近はいろいろなドッグランがあるので、愛犬のために行きつけのドッグランを見つけてあげられるといいですね。
– おすすめ記事 –
・夏休みは愛犬とバーベキュー!都内のバーベキュースポットと注意点 |
・夏休みは愛犬とバーベキュー!都内のバーベキュースポットと注意点 |
・必ず覚えさせたい!犬の「呼び戻し」の教え方 |
・海を渡るとこんなにも違う?海外の驚きワンちゃんのための法律 |