犬を飼いたい!初期費用は?何を準備すればいい?
愛犬と幸せな生活を始めてみたい!ペットショップで一目ぼれしてしまった!保護犬の里親になりたい!
…など、様々な理由やタイミングで犬を飼いたいと思う方がいるでしょう。しかしそれは、その子の一生を担うということなのです。
いずれの場合もこれは変わらないことで、人間の子育て同様、たくさんの愛情を要し、加えて費用がかかるのが現実です。
犬との暮らしを手に入れるために、まずは初期費用について知っておきましょう。
◆事前準備にかかる費用
初めに飼育環境を整える必要があります。最低限必要なアイテムを揃えておかなくてはならないのです。
以下、初めに揃えておくべきアイテムを紹介します。
①サークルやケージ
②ベッド
③食器・水入れ
④トイレトレー・トイレシーツ
⑤リード・首輪
他にもお手入れグッズやマナー用品など、必要なアイテムが多々ありますが、取り合えずすぐに必要となる物として5つあげました。
各アイテムの値段は様々で、低価格のものから高価格のものまで多種多様です。
それぞれを高価なアイテムとしたい!となればもちろん値段は跳ね上がりますが、①~⑤のアイテムを購入するのに必要な費用は、大体2万円前後はかかると考えておきましょう。
ペットショップによっては、犬を迎える際に必要なアイテムのセットを販売している場合もあります。
初めて犬を飼う方はそちらを利用するのもおすすめです。
ただし、飼う犬のサイズによってもこの費用は変動します。小型犬と中型犬では、必要なサークルや首輪などの大きさが変わってきます。そのサイズに伴って、やはりアイテムの値段も高くなるのです。大型犬ともなれば、それは更に上乗せされます。
一概にいくらかかるとははっきりいえませんが、低価格のアイテムを揃えても1万円前後は必要となるでしょう。
生体購入費用
譲り受けるとなるとほとんどの場合かかりませんが、ペットショップやブリーダーから購入するとなれば、もちろん生体購入代金がかかります。
生体価格は犬種や血統、月齢によって差が生じます。その時の流行によっても大きく左右されるのです。
低価格であれば10万円前後、高価格であれば40万円~50万円以上する個体もたくさんいます。
子犬であれば全体的に20万円前後の価格が平均的ではないでしょうか。
購入時に畜犬登録やワクチンが済んでいる個体に関しては、生体価格にそれらの費用が含まれている場合もあります。
登録費用やワクチンなどにかかる費用
飼い主には犬の「畜犬登録」と「狂犬病予防注射」が義務付けられています。更に「混合ワクチンの接種」も必要となります。
– ①畜犬登録 –
畜犬登録は厚生労働省によって、生後90日以上の犬の飼い主全てに義務付けられています。
まず、生後90日を過ぎたら狂犬病予防注射の接種を受けます。そして「注射済み証明書」をもらい、30日以内に役所または保健所に行き登録を行うのです。
登録費用は地域によって異なりますが、大体3,000円前後となります。
登録をすると鑑札(首輪に付ける物)、注射済票(メタルと呼ばれる首輪に付ける物)、標識(犬と記載されたステッカー)が渡されます。
尚、飼い主の住所変更や、飼い主変更の際にも届け出が必要となるので忘れないようにしましょう。
– ②狂犬病予防注射 –
狂犬病とは、ウイルスに感染することで発症し、感染すればほとんどの場合死に至るという、恐ろしい人獣共通感染症です。
この病気を防ぐために、狂犬病予防法によって毎年1回の接種が義務付けられているのです。
畜犬登録が済めば、毎年接種時期(4月~6月頃)に葉書で連絡がもらえます。
費用は注射料金と注射済票手数料を合わせて大体3,500円前後ですが、これも地域によって異なります。
– ③混合ワクチンの接種 –
混合ワクチンとは、犬が発症しやすい病気に対する免疫力を高めるためのものです。予防する病気の数によって、5・6種、8~10種の混合ワクチンがあります。
子犬の場合は受動免疫が備わっていますが、これは離乳する頃に免疫力が低下してしまいます。そこで、生後50日頃に1回目のワンクチン接種を、生後80~90日頃に2回目の接種を受ける必要があるのです。
以後の混合ワクチン接種は、1年に1回のペースで受け続けるのが一般的なスケジュールとなります。
費用は地域や病院によって異なりますが、5・6種混合ワクチンで5,000~7,500円程、8~10種混合ワクチンで5,000~10,000円程かかります。
ワクチン以外の医療費
予防注射やワクチン接種の他に、病院でかかる費用として「健康診断」や「去勢・避妊手術」があります。
– ①健康診断 –
初めて病院に行ったらほとんどの場合、健康診断が行なわれます。一般的な健康診断の検査項目は以下の通りですが、オプション項目も含まれるので、合計金額には大きな変動があります。また、これに関しても病院によって料金は異なります。
・体重測定(適切な食事量が摂れているかの目安になる)
・体温測定(成犬であれば平熱は37.5℃~38.5℃、子犬であれば38℃~39℃)
・便検査(700円~800円台で手法により変動あり)
・尿検査(採取料金と検査料金を合わせて2,500円~3,000円前後)
・血液検査(採血料金と検査料金を合わせて5,000円前後)
・エックス線検査(単純撮影であれば4,000円前後、尿路造影・消化管造影であれば約7,000円台)
・心電図検査(2,500円前後)
– ②去勢・避妊手術 –
去勢や避妊手術は、飼い主の任意で行われます。手術を行うことでマーキング・発情期の問題行動改善や、生殖器の病気予防などのメリットがあることから、去勢・避妊手術を選択する方が多いです。
・去勢手術費用⇒約2万円
・避妊手術費用⇒約3万円
http://nichiju.lin.gr.jp/small/ryokin_pdf/h27.pdf
犬を育てるには年間どのくらいかかるの?
初期費用に加えて頭に入れておくべきことは、年間の飼育費用です。
アニコム損害保険株式会社による「ペットにかける年間支出調査(2016年)」によると、以下の通りの結果が出ています。
病気や怪我の治療費 57,129円
フード・おやつ 49,994円
しつけ・トレーニング料 41,393円
シャンプー・カット・トリミング料 45,718円
ペット保険料 43,799円
ワクチン・健康診断等の予防費 24,862円
ペットホテル・ペットシッター 22,297円
日用品 16,323円
洋服 13,169円
ドッグランなど遊べる施設 9,706円
首輪・リード 6,900円
防災用品 5,901円
合計 337,191円
参考:https://www.anicom-sompo.co.jp/news/2016/news_0170322.html
こちらの調査では、犬を1頭飼育するのに、年間約33万円の費用がかかったとの調査結果となりました。
もちろん、犬種や年齢によって、食費・医療費・保険料等にかかる金額も変わりますので、ひとつの目安として参考にしてみてください。
初期費用の他にかかるものについて、いくつかご紹介します。
– ◎トリミング –
犬種によっては、定期的なトリミングが必要な子もいます。
頻度や料金についても個体によって様々ですが、小型よりも大型、短毛よりも長毛の種類のほうが料金が高くなります。
小型犬であれば1回約3,000円前後なので、月1で行うとなれば年間約36,000円前後かかることになります。
他にもペットホテル・一時預かりの利用、シャンプー・爪切りなどでの利用を考えれば、更に上乗せされるでしょう。
– ◎フィラリア予防薬 –
蚊が媒介する寄生虫によって、犬を死に至らしめる可能性のある恐ろしい病気がフィラリア症です。
予防薬の定期的な投与によって、100%防ぐことができるので忘れないようにしましょう。
5月~12月の期間内に、毎月1回投薬するのが一般的です。
料金は体重や薬の種類などによって変動がありますが、大体、年間約1万円前後です。
– ◎ノミ・ダニの駆除 –
予防薬や防虫グッズの使用も、飼育する上で必要なことです。皮膚炎などの病気防止や、室内の衛生環境保持にも役立ちます。
方法は、防虫効果のある首輪や防虫剤の塗布、予防薬の使用など様々ですが、年間で1,000円前後かかるでしょう。
病気になった時の治療費は?
初期費用や年間費用の他に大きな支出が加わるとすれば、それは愛犬が怪我をしたり、病気になった場合の治療費です。
かかった病気・怪我の状態や、必要な治療法によってかかる料金は変動します。もちろん、地域や病院によってもこれは異なります。
怪我や病気が発生する危険性は常に付きまといます。飼い主さんの配慮で予防できることもありますが、どのようなタイミングで大きな治療費が発生するかは予測できないのです。
金銭的に余裕がなくて病院に行けなかった…などという理由で、手遅れになってしまう可能性もあります。そんな悲しい結果を招かないよう、飼い主さんは常に最低限の資金的余裕を持っているべきです。
現在ではペット保険が販売されており、その種類も増えています。
そういった保険の加入を考えたり、毎月金額を決めて積み立てておくなど、万が一の場合に困らないよう何らかの対策をとっておきましょう。
前述の通り治療費は一概にいくらとはいえませんが、以下、平均的な治療費の一例を紹介します。
◎歯周病の治療⇒約5~10万円程
◎心臓病の治療⇒約4~5万円程
◎骨・関節症の治療⇒約3万円程
治療期間や、持病による通院、病気によって永続的な投薬が必要となるなど、生涯かかる医療費には大きな差が生じます。
また人間同様に、老化に伴って病院にかかることが多くなるのです。
やはり医療費に関しては、長い目でみて余裕を持った資金作りをしておくべきでしょう。
まとめ
今回紹介した飼育費用はほんの一例です。
購入する商品のグレードが上がれば支出は上乗せされますし、大きな病気にかかれば医療費は膨れ上がります。
将来、介護の為に費用がかかる可能性もあるのです。
金銭的な原因によって愛犬を手放すことになった…、実際にそのよう結果を招いてしまう方もいます。
このような悲しい事態を起こさないためにも、犬を飼うことはお金のかかることだということを十分理解して頂きたいのです。
しかし愛犬との生活は、お金をかける価値のある素晴らしいものです。
しっかりとした計画をたてて、幸せなペットライフを手に入れてくださいね。
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