【掲載:2017.12.06 更新:2024.10.04】
犬に鳥の骨を与えるのは危険!
そもそも、どうして犬に鳥の骨をあげてはいけないのでしょうか?
鳥の骨は、生の状態のときは噛み砕いても破片が尖った形状になりません。しかし加熱したものを砕くとタテに割れ、欠片が尖った形になります。
尖った骨は胃の粘膜を傷つけ、食道に刺さる危険性だけでなく、腸閉塞を起こし死に至るケースもあります。
鳥の骨は割れると危険ですが、鶏肉自体はどうでしょうか。
鶏肉は、タンパク質を中心に栄養豊富ですので犬に与えるには問題ない食品だといえるでしょう。
ただし、生の鶏肉はカンピロバクターなどの菌が付いていてそのまま食べると食中毒を起こす危険性があることを覚えておきましょう。
犬が鳥の骨を食べてしまった時の対処法は?
骨付きの鳥肉を食卓にのせることはあまりないかもしれませんが、のせる機会があるとすれば特にクリスマスが多いかもしれません。
普段と違うシーンでは私たちが気を付けていても、ふと意識をそらした瞬間に過って愛犬が骨を口にしてしまう可能性が高くなります。
そこで、ここからは愛犬が間違えて鳥の骨を食べてしまったとき、あなたが冷静に対応をしなければいけないことをあげていきたいと思います。
・愛犬が食べたのは、生の状態の鳥の骨か加熱調理された鳥の骨か
前述したように、生の骨と加熱後の骨では砕け方が違います。生だから安全、というわけではありませんが、加熱の有無など調理方法の情報も重要なポイントです。
・いつごろ鳥の骨を食べたか
目を離した隙に愛犬に起きたアクシデントですから、正確な時間を把握するのは難しいでしょう。それでもおおよその時間を知ることで、愛犬の胃の中にある骨がどの程度消化されたのかを計算し目安とすることができるのです。
・嘔吐や下痢の症状はあるか
鳥の骨を食べてしまったあとの愛犬に嘔吐した痕跡はありませんか? 嘔吐や下痢などの症状が現れることが多いのですが、食べてすぐに嘔吐をしないケースもあります。愛犬に嘔吐などの変化がないからと安心せず、すぐに病院へいけない場合は安静にして過ごしましょう。
愛犬が鳥の骨を食べてしまったことに気付いたとき、動物病院で受け入れ可能な時間なら速やかにアクションを起こしましょう。
愛犬がいつもとかわらない様子であっても、骨が愛犬の内臓を傷つけないよう、なるべく体を動かさないようにします。
動物病院では嘔吐や下痢の症状がひどい場合は点滴を行うなど適切な処置を開始します。嘔吐や下痢は脱水症を起こすだけでなく、想像以上の体力を奪い死につながることがありますから、決して嘔吐や下痢を軽視しないよう注意が必要です。
このほか、病院ではレントゲンで犬の胃の中の鳥の骨の残った量を調べ、状況によっては内視鏡を使い愛犬の胃の中の骨を取り除く処置をします。
時間が経つと加熱処理をしたあとの少量の鳥の骨は消化されてしまうことが多く、レントゲンでは確認されないことがあります。その場合は胃粘膜を保護する薬を服用したうえで経過観察、という診断を受けることもあります。
鶏肉の与え方
犬に鶏肉を与える際には、必ず骨を外して与えるようにしましょう。
生の状態のままでは骨を外すのは難しいですが、火を通すと簡単にほぐすことができます。
また、もも肉やささみなど最初から骨が付いていない状態の鶏肉であれば、骨を外す手間がありません。
さいごに
犬に鶏肉を与える際には、必ず骨に注意をしましょう。
一度の不注意が愛犬の命を奪いかねません。犬は鳥の骨を食べなくてはいけないわけではありませんので、与えないようにしてください。
特にクリスマスは骨付きの鶏肉が多く食卓に上がる季節です。気を付けながら愛犬と一緒にイベントを楽しみましょう。