ある日、道の一角で小さく丸まっているやせ細った犬が発見されました。名前はエンリケ。
その命には、終わりが迫っていました。
エンリケの皮膚は、一部が剥がれ落ちてむき出しになっており、その部分が乾燥して硬くなっていました。正しく立つことさえ難しく、とても深刻な状態だったことを物語っています。
今まで皮膚病の犬たちを見てきた獣医師の方ですら、「これほど酷い症状を見たことがなかった」と話します。とても深刻な状態であったため、回復できるかどうかもわからず、そしてうまく皮膚を再生するには絶対安静にすることはもちろんですが、体力をつけることなど、エンリケにはすべき事がたくさんありました。
エンリケを発見した「マーヤン・ファミリー」は、苦しんでいる動物の不安を取り除いて、新しい家を見つけてあげる活動を行う保護団体です。
彼らは活動の中で「動物は決して諦めることはない」という信念を持ち、希望を失くした動物たちが再び生きることへの喜びを持てるように全力でサポートする活動をしています。
そんなマーヤン・ファミリーのメンバーは、とてもひたむきな姿勢でエンリケを支え続けてくれました。
そして、エンリケが入院をして3ヶ月後。
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エンリケは、本来持っていた美しいフワフワの茶色い毛を取り戻していました。皮膚の治療も上手くいき、剥がれ落ちた部分もしっかりと治り、立ち上がることもできるようになったのです。
身体的に素晴らしい回復をみせたエンリケではありましたが、彼にはもうひとつ乗り越えなければならないことがありました。それは、再び人間と暮らせるように心をケアすること。
エンリケは長い間ずっと路上で過ごした苦しみがトラウマとなり、人間や他の動物にオドオドとしてしまうほどの恐怖心を持っていました。そのため、体は回復していても心の回復はしておらず、イキイキとした犬らしい行動を取れずにいました。
エンリケが普通に生活できるよう、トレーニングを通して社交性や忍耐力、人間の温かみを伝える必要があったのです。
エンリケは、訓練を重ねるうちに自信を持ち始め、他の犬たちとも交流したり、人間を信用することを学んでいきました。時間をかけ愛情を注がれたことによって、エンリケは飛躍的に心を開いてくれているようです。
今、オドオドしてすべてのものに怯えていたエンリケの姿はありません。とても魅力的なワンちゃんになったエンリケにも、きっとすぐに新しい飼い主が見つかることでしょう。
動くこともままならず苦しみを抱えて生きていた動物たちは、希望を感じた時、このような素晴らしい変化を見せます。今後もエンリケのように不運な状況下にいる動物たちが救われ、幸せな生活へ導くことができることが証明され続けてほしいですね。
<参考サイト>
boredpanda.com
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