犬と飼い主の顔、性格はそっくりに似る?噂の徹底究明!

2018.01.17

犬と飼い主の顔、性格はそっくりに似る?噂の徹底究明!

自分では気づかなくても、身近な人に「愛犬と飼い主さんの顔や性格がそっくりね。」なんていわれたことはないですか?そこで、今回は愛犬と飼い主の顔や性格が本当に似るのか、最新の研究をご紹介して徹底究明していきます。

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飼い主とそっくりな顔の犬がいる!?

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犬を飼育しているお友だちの家に行ったときに、「ああ、犬は飼い主に似るものだな」と思ったことはありませんか?
何となくそう感じることはあるものの、私たちは何を識別して『そっくり』だと判断しているのか不思議ですよね。

実は、その「犬と飼い主の顔が似ている」という疑問をすでに研究した人物がいます。

◆犬と飼い主の顔に関する実験

動物心理学を専門とする関西学院大学の中島定彦教授は、2009年に「犬と飼い主は顔が似ている」という研究結果を発表しました。さらに2013年には、顔のどの部分が似ているのかという点についても明らかにしています。

中島教授は、40頭の犬とその飼い主の写真を用意し、飼い主とその愛犬が正しい組合せを20組、愛犬との組合せを入れ替えたものを20組作りました。そして、事情を知らされていない判定者547名を対象に、どちらが似ているかを尋ねたそうです。

すると、飼い主の顔と犬の顔をそのままの状態で見せた写真での正解率は67~80%なのに対し、人と犬の目の部分のみ見せた写真でも69~76%の人が正しい組を選びました。
その他、飼い主と犬の目を隠したとき、飼い主の口を隠したときの正解率は、共に低い正解率となりました。

◆犬と飼い主が似ていると感じる部分は「目」

以上の実験より、中島教授は「第三者が飼い主とその愛犬を見てそっくりと感じるのは、顔の中でも目及びその周辺である」と英国の学術誌アンスロズーズで発表しました。

実はこの発表はとても画期的なもので、これまでなら「やわらかい雰囲気の顔立ちの飼い主=性格のおとなしい愛玩犬」など、イメージが先に立ってしまうことが多く判断が曖昧だったものが、教授の研究では「目」だけで飼い主と愛犬が結び付けられるという実験データが得られたのです。

散歩の途中で見かけた飼い主とそっくりな犬は、私たちの気のせいではなく、無意識に脳が判定をして犬とそっくりだと結果をだしていたのかもしれませんね。


犬の顔が飼い主に似る理由は?

飼い主と愛犬は目や目の周辺がとてもよく似ているという研究結果をご紹介しましたが、じゃあ、どうして自分にそっくりな犬を見つけるのかしら?と、次の疑問が出てきたころではないでしょうか。

愛犬とあなたの顔が似る、という現象は、一説によると「自分のとても近しい人の面影を犬に映し、その面影にそっくりな犬を探しだすこと」で成立しているようです。あなたの両親や祖父母、兄弟や姉妹と、あなたの愛犬はそっくりではありませんか? 
自分と血縁関係にある人なら当然自分にも多少の面影があるので、探し出した愛犬に対して「そっくり」だという印象を持つ可能性は極めて高いようです。また、同時に好感のある人にそっくりな犬なので、通常よりも早く親近感が生まれやすくなるというわけです。
この犬との関係、よく耳にするあれに似ていませんか? 顔立ちや雰囲気、性格が似ている夫婦に対して使う、似たもの夫婦。犬も人も、パートナーとなる相手には、最初から特別な意識が働いているのかもしれませんね。


犬の性格の決まり方は?

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愛犬の行動を見たとき、犬の性格も飼い主に似るものだと思うことがあります。むしろ、そっくりだと思うこともしばしば。
犬の性格は、どのようにして決まっていくのでしょうか?

◆本来持っている犬の性格

犬種によって、気性が激しいとか、人懐こいとかいわれる、犬がもともと持っている性格というものがあります。
その性格を構成するもののひとつに、遺伝があります。もちろん、環境なども性格を作り上げますが、ベースとなっているのは体内に眠る長いその犬種の歴史であるDNAだといわれています。
これだけでは、犬の性格が似る理由にはなっていませんが、生まれたての犬はまだ犬本来の気質で作られた性格しか持っていない、ということになるのです。

◆学ぶことで作られる犬の性格

たとえば、犬の性格を説明されるとき、ラブラドール・レトリバーは優しい性格だとか、シベリアン・ハスキーは警戒心が強い性格だとか、犬種に対しての性格の分析を聞くことはありませんか? 優しい性格だから飼育しやすい、狩猟犬の血統だからスポーティ、確かにその情報は間違ってはいません。
ただ、これはそれぞれの犬種の遺伝子が記憶している気質で、まだ環境や人から変化を促されていない、素のままの性格なのです。もっとわかりやすくいえば、素のままでは赤ちゃんと同じ状態なので、飼い主という親に出会い、そこから親の周囲の世界を学び、やっと犬の性格が誕生するのです。


犬の性格が飼い主に似る理由は?

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◆飼い主の影響を受けている

愛犬の行動が飼い主であるあなたにそっくりだといわれることはないですか?
これは、あかちゃんが家族の影響を受け人格が作られていくことと同じで、犬の性格も飼い主であるあなたや、その周りの環境の影響を少なからず受け吸収することで性格が作られていくためです。
常にあなたを見て同じ環境で長く一緒に過ごす愛犬の性格が、どんどん自分に似てくるという現象。こうして考えてみると、それだけ親しく付き合えているという証拠なのかもしれません。そしてこれは、遺伝子の記憶とは別の、犬種にとらわれない後天性の性格が作られている、ということにも繋がります。

◆人や環境によって変化している

たとえば、劣悪な環境から保護された犬たちは、保護される以前に置かれた環境の影響で、犬種独自の性格すら損なわれてしまう恐れがあります。
本来の飼い主から自分たちに対しての無関心さを学んだ犬は、時には吠える、噛むなど暴力で訴える性格になったり、反対に何も訴えることのできない、むしろ自分を傷つけ追い込んでしまうような性格になってしまうことも。
しかし、時間をかけて世話をしてあげることで、関わった人たちの優しさや厳しさといった性格に触れ、徐々に犬種本来の明るさや利発さといった個性、そして本来の性格を取り戻すことができるのです。
これは極端なケースの性格の決まり方なのかもしれませんが、犬の性格は、私たち人間と同じように人や環境によって変化する、ということなのかもしれません。

◆飼い主の性格が愛犬に似る?

ここまでは私たちが犬の性格をかえてしまう、というケースを紹介してきましたが、愛犬の性格に飼い主が似るというケースもあります。
私の友人は、以前は少し怒りっぽい性格をしていました。ですが、ある日保護団体から日本犬を迎え入れると、時間が経つにつれ、彼女のいつも怒ったような表情が和らいで笑顔が見られるようになりました。このころには、すぐに怒ることも減っていたといいます。
彼女が迎え入れた愛犬は、とても明るく活発で、まるで小さな子供のようだったそうです。いつも彼女に寄り添い、はしゃぎ、甘える時間を持つうちに、愛犬の笑顔が彼女に伝染し、同じようにはしゃぎ、笑い合うようになったのでしょう。


さいごに

ここまで、飼い主と顔や性格がそっくりだといわれるナゾを調べてきましたが、いかがだったでしょうか?
改めて向き合ってみると、そういえばこういうところが似ている、なんて部分が見つかってきたのではないかと思います。

犬は人の感情を読み取ることが得意だといわれています。感情を見抜くのが得意、ということは、それだけアンテナを張り巡らせて観察する能力に長け、感受性が豊かな動物だということです。もしも愛犬の性格で気になる部分が出てきたら、相手は自分を映す鏡だということを思い出して、見つめなおすことも重要なポイントとなりそうです。



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犬のいない生活がほとんどないほどの犬好きです。現在は保護犬の里親になり楽しく暮らしています☆


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