【ワンちゃんの栄養学 その1】ワンちゃんが必要とする栄養素とエネルギー量

2018.01.19

【ワンちゃんの栄養学 その1】ワンちゃんが必要とする栄養素とエネルギー量

犬は肉食に近い雑食なので、人よりも多くのたんぱく質を摂る必要があります。 また、毛や皮膚を健やかに保つ亜鉛が不足しないよう注意が必要ですし、ワンちゃんのライフステージによっても必要となる栄養量が異なります。 ペット栄養管理士の筆者は実体験から、ワンちゃんが簡単に必要かつ十分な栄養素を摂ることができる「ドッグフード(総合栄養食)」をお勧めします。 今回は、ワンちゃんが必要とする栄養素やエネルギー量、ドッグフードをお勧めする理由についてご紹介します。

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ワンちゃんが必要とする栄養素とエネルギー量とは?

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ワンちゃんの祖先といわれる野生のオオカミは、ほかの動物を捕食する「肉食」傾向が強い動物です。
そして、人と一緒に暮らすようになった現代のワンちゃんは、肉だけではなく穀物なども多く摂取する雑食型なりました。
現在のペット栄養学では、ワンちゃんが必要とする栄養素とバランスは以下の通りとされています。

◆各栄養素の働きと、その栄養素が含まれる主な食べ物

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ただし、ワンちゃんが必要とする栄養素は、ワンちゃんのライフステージによって異なります。
例えば、幼犬は骨を育てるカルシウムや脳神経を整えるドコサヘキサエン酸(DHA)を多めに、関節炎になりがちな高齢犬はω3脂肪酸などを多めに与える必要があります。
また、たんぱく質はワンちゃんの成長と健康にとって重要な栄養素ですが、多く摂りすぎると代謝され、エネルギー源になったり、脂肪として蓄積されたりします。
この過程で生み出される副産物を無毒化して排泄するには腎臓が余分に働く必要があるので、「たんぱく質の摂りすぎは腎臓に負担をかける可能性が高い」といえます。
たんぱく質も、常に「適量」を与える必要があるということです。

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手作り食は亜鉛不足になる恐れも

最近は、手作り食をワンちゃんにあげるペットオーナー様も多いです。
とても素晴らしいことだと思います。筆者も、昔、愛犬のキャンディス(トイ・プードル)に手作り食をあげていました。ところが、キャンディスはかなり少食だったため、手作り食だと栄養が足りなくなってしまうことがありました。

特に深刻だったのは亜鉛不足です。亜鉛が多く含まれる食べ物には牡蠣、うなぎ、牛もも肉、チーズ、レバー(豚・鶏)、卵黄、大豆製品(納豆・きな粉・豆腐)、そばなどがありますが、キャンディスが一度に食べられる量では毛量が多いトイ・プードルが必要とする亜鉛の量を摂取することができなかったようです。少食なキャンディスでも亜鉛を多く摂れるようメニュー作りをしてきたのですが、毛づやが悪くなってしまうことがあるため、亜鉛だけはサプリメントで補っていました

「こんなに頑張って手作り食を作っているのに、どうしてキャンディスの毛づやは悪くなることがあるのだろう?」
と悩み、試行錯誤の結果、私は手作り食からドッグフードに切り替えることにしました。愛犬のためにしていることで私がストレスを感じるのは、愛犬との関係にとってあまりよくないことだと思ったからです。
ドッグフードに切り替えたら、少量の食事でも多くの栄養素が摂れるようになったため、キャンディスの毛づやはみるみるうちに改善し、体重も増やせました。時々は気分転換に手作り食をあげていました。

少食のワンちゃんは、手作り食よりドッグフードが向いていると筆者は考えます。もちろん、手作り食が合うワンちゃんも多いです。大切なのは、どちらが自分のワンちゃんに向いているかを、飼い主自身の目で見極めることだと思います。

また、災害対策としても、ドッグフードに慣らしておくことは重要です。避難先では手作り食が作れないかもしれないからです。

手作り食派のペットオーナー様も、たまにはドッグフードをあげることで、栄養のバランスがさらに良くなりますし、ドッグフードに慣らすことができます。どちらもうまく取り入れられたら素晴らしいですね。

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ドッグフードの流通量は約30万t

では、日本のドッグフードはどのような状況にあるのでしょう。
2016年度における日本のドッグフード流通量は、約30万tでした。ピークは2004年の約49万tです。犬の飼育頭数の減少に伴い、ドッグフード流通量も徐々に減少しています。

一方、ペットフードの市場規模(製販価格)は現在もわずかずつ拡大しています。これは、一般的に製品1kg当たりの単価が上昇しているため(飼い主が犬の食事にお金をかけるようになったため)といわれています(一般社団法人ペットフード協会実施:ペットフード流通量調査より)。

犬の食事にかける費用は、市販の主食用ドッグフードの月平均支出金額が2994円、犬用オヤツが1269円とのことです(一般社団法人ペットフード協会実施:平成29年 全国犬猫飼育実態調査 犬 飼育・給餌実態と支出より)。

ワンちゃんのドッグフードにこだわるペットオーナー様が増えていることが統計からうかがえます。では、どのようなドッグフードを選ぶといいのでしょうか。次回は、ドッグフードの種類や機能、選び方などについてご紹介します。



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石原 美紀子

石原 美紀子

青山学院大学卒業後、出版社勤務を経て独立。犬の訓練をドッグトレーニングサロンで学びながら、愛玩動物飼養管理士1級、ペット栄養管理士の資格を取得。著書に「ドッグ・セレクションベスト200」、「室内犬の気持ちがわかる本」(ともに日本文芸社)、「犬からの素敵な贈りもの」(出版社:インフォレスト) など。愛犬はトイ・プードルとオーストラリアン・ラブラドゥードル。


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