1.犬に果物を与える効果は?
【掲載:2020.02.05 更新:2021.10.19/2023.12.14】
犬に果物を与える効果は?
みなさんのおうちでは、愛犬に果物を与えていますか。実は、おやつとして犬に果物をあげることは、犬の健康な体づくりにとって良いことがたくさんあります。
◆水分補給
水分を多く含む果物は、愛犬の水分補給としておすすめの食べ物です。夏場や乾燥している季節などは、摂取水分量を増やす意味でも果物を犬に与えるのは良いことと言えます。
◆老化防止
果物の果肉や皮には、ビタミンなどの抗酸化物質が含まれています。抗酸化物質を摂取することで、犬の免疫力を高め、老化を防ぐなどの効果が期待できます。
犬に与えていい果物の目安量は?
果物に含まれる果糖は、一般的な砂糖よりも甘味が多く、甘いものが好きな犬にとってとてもおいしい食べ物となります。
ただし、おやつとしての扱いなので、摂取カロリーの10%以内に収めて与える必要があります。特に糖尿病や肥満気味の犬は注意が必要です。
【一日の犬の食べる果物 目安量】
体重 | 果物全般 |
5kg | 20~30g |
10kg | 33~50g |
20kg | 60~90g |
※中ぐらいのリンゴを6等分にカットした6分の1個分で約30g(目安)
人間も普段の食生活で果物は沢山食べるものではありません。犬にとっても過食するものではないということをまずは、念頭にいれておきましょう。
犬にみかんなどの柑橘類を与えてもいいの?
柑橘類のにおいや酸味を苦手とする犬もいますが、みかんやオレンジなどの果物は、低カロリーながら果糖を含み甘みがあるので、好む犬も多い食べ物です。
結論から言うと、犬にみかんを与えても大丈夫です。
レモンやグレープフルーツ、オレンジなどの柑橘類も、みかん同様に犬の健康上、特に問題はありません。犬の健康を保つ上でむしろ役立つ栄養素も多く含まれています。
中でもみかんは栄養価が高く、この時期最も手軽に手に取りやすい旬な果物なので、犬のおやつとして少量あげるのにはちょうどいい果物でもあります。
ただし、与え方や与える量については注意が必要な点もあります。
柑橘類に含まれている成分にはどんな効能があるの?
◆β-カロテン
犬はβ-カロテンからビタミンAを合成することができます。
ビタミンAは皮膚や粘膜の維持を助ける栄養素として機能したり、網膜色素の構成成分として目の機能を健康に保つ役割を持ちます。
ちなみに猫はその合成の過程に必要な酵素を欠くため、ビタミンAを食事から摂取しなければなりません。
◆β-クリプトキサンチン
β-クリプトキサンチンは、骨粗しょう症やガン予防に良いとされているため、老犬のおやつとしても役立ちます。
2ヶ月以上もその効果が続くといわれていて、冬場に食べたみかんのβ-クリプトキサンチンが、春まで体を守ってくれる効果が期待できます。
◆クエン酸
クエン酸は体内のミネラルバランスを適切に保つのに役立ちます。
代謝によってエネルギーを生産するクエン酸回路は、クエン酸を媒介として細胞のナトリウム、カリウムのバランスを維持しています。
◆ビタミンC
ビタミンCは、体の細胞と細胞の間を結ぶコラーゲンというたんぱく質をつくるのに不可欠で、犬の皮膚や粘膜の健康維持に役立ちます。
また、病気などいろいろなストレスへの抵抗力を強めたり、鉄の吸収を良くしたりもします。
ビタミンCには抗酸化作用もあり、有害な活性酸素から体を守る働きをすることから、動脈硬化や心疾患を予防することが期待できます。
みかんの中でもおススメは「温州みかん」
みかんは病気予防や老化予防としても、そして疲労回復成分もたっぷりの果物です。スーパーに行くと色々な種類のみかんが売られていますが、その中でも温州みかんは犬のおやつに栄養面からも最適です。
◆冬の果物を代表する温州みかん
温州みかんって近所のスーパーに売っているのかな…。そう思った方もいるかもしれませんね。
実は、私たちが普段この季節に口にする代表的な「みかん」の正式名称は「温州みかん」なんです。一番手に入りやすい温州みかんに含まれる栄養素が犬の健康にも役立ちます。
◆β-クリプトキサンチンはオレンジの約10倍
温州みかんに含まれるβ-クリプトキサンチンは、体内に吸収されやすく、ガンや骨粗しょう症予防に役立つ成分ともいわれています。β-クリプトキサンチンとは、黄色や橙(だいだい)色の色素成分で、β-カロテンなどと同じカロテノイド系抗酸化物質の一種です。
脂溶性の抗酸化物質として知られ、体内に長く留まる性質を持っており、これが優れた健康効果をもたらします。
温州みかんにはこのβ-クリプトキサンチンが特異的に含まれることで知られています。その量は、オレンジの約10倍。また、熟すほどに含有量が増すことが分かっています。
◆可食部100グラム中の含有量
https://www.kudamononavi.com/eiyou/eiyouhyou/
ビタミンCの摂取は犬に必要?
犬に必要な栄養素のビタミンには20種類以上あり、水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンのグループにわけられます。ビタミンCは水溶性ビタミンに分類され、健康な犬や猫では通常、体内でこれを合成することができます。
犬は体内でビタミンCを合成できるため、与えなくてもいいという説があります。しかし、ビタミンCがストレスや体調不良でうまく合成できないこともあるので、みかんやオレンジなどのビタミンCを多く含むものをおやつとして摂取することをおすすめします。
みかんは、柑橘類の中でもビタミンCが手軽にそのまま食べられるため、愛犬と一緒に楽しむおやつとして最適な果物です。
柑橘系果物のおすすめ取りいれ方
ビタミンCが豊富なみかんやオレンジなどは、薄くスライスして与えたり、ドライフルーツにして細かく刻んでヨーグルトなどのトッピングに使ったり、犬の手作りごはんの隠し味にほんの少し使ったりすると良いでしょう。
◆ヨーグルトと一緒に与える
ヨーグルトは善玉菌の一種である乳酸菌を豊富に含んでいます。整腸作用があり、腸内のビフィズス菌を増やすので、病気のもととなる悪玉菌を退治してくれます。
みかんと一緒に与える場合には、無糖のヨーグルトを選ぶようにしましょう。
◆柿と一緒に与える
柿はビタミンCが豊富なほか、キラー細胞の活性力を増強しウイルスを退治してくれるタンニンや抗酸化作用のあるβ-カロテンが豊富に含まれています。
柿の甘さは、食欲がずっとなかった犬などが柿を差し出したら食べるようになったといわれるぐらい魅力的な甘さです。柑橘類が苦手な犬でも柿と合わせると食べてくれます。
◆夏はデザートで食欲回復
夏の食欲回復に、フレッシュな果物や果汁を使ったゼリーなどのデザート風の食べ物をあげると犬たちも喜んで食べてくれます。
特に夏の果物、南国の果物は身体を冷やす作用があり、夏バテには効果的です。
ただし、与えすぎは果糖の摂取量が増えて肥満につながるので、適量をこころがけましょう。
犬にみかんを与えるときの注意点は?
これまで、みかんをはじめとする柑橘系を摂るメリットをお伝えしてきました。「さっそく今日から、愛犬のためにみかんを食べさせよう!」と思っている方もいると思います。
ただし、「食べても問題のない果物だし、むしろ健康に良いから」ということで、私たちが食べるような量を当たり前に与えるのは良くありません。
最後に、犬にみかんを与えるときの注意点をまとめていきたいと思います。
◆みかんの過剰摂取は禁物
みかんは水分を多く含み、体の冷える果物のため、少量を与えるようにしましょう。
犬の大きさにもよりますが、1日に食べることのできるみかんの量は約15g程度です。1~2房くらいで十分です。
◆初めて与える場合には極々少量から
みかんは必ず食べなければいけない食べものではありません。
柑橘系のにおいが苦手な犬もいるため、嫌がる場合には無理に与えないようにしましょう。
果物のアレルギーがある場合もあるので、初めて食べる場合には1房の果肉を少し舐めさせる程度から様子をみるようにしてください。
◆みかんは必ず熟しているものを与えましょう
未熟なものには、アクの成分であるアルカロイドの毒が多く身体に害になることがあるため、必ず熟しているものを与えましょう。
◆みかんの皮は食べさせてはいけません
ワックスがついているものがあるため、皮をむいて食べることが必須です。
◆みかんの薄皮と白いスジは向いて与えましょう
ふさの白い皮部分や筋の部分は消化によくありません。食べすぎるとお腹をこわすことがあります。
まとめ
みかんや柑橘類には犬に嬉しい栄養素が多く含まれています。与える場合には正しい知識と注意点をポイントに、量をコントロールしながら与えましょう。
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