「犬の健康診断っていったいどんなことをする?」
「どのタイミングで受ければベストなの?」
「定期的ってどのくらいの頻度?」
今回は、そんな犬の健康診断についての疑問について詳しく解説していきたいと思います。
犬の健康診断…受けた方がいいの?
私たち人間は、職場や学校などで健康診断を受けるタイミングが多いものですよね。
会社に属していなくても各自治体で「健康診断を病院で受けるように」と通知がきたり、費用を補助してくれるケースも多いのではないでしょうか。
健康診断は、「早期発見・早期治療」という言葉とともに健康でいるためには受けた方がいいものと認知されています。
なかには、健康診断で病気が分かって、病状が悪化する前に治療ができたというケースも多いでしょう。
自覚症状がない病気の場合には、健康診断で細かく調べてもらうことが寿命を延ばすこととも大きく関係していると言えます。
言葉を話せない犬にとっては「飼い主さんが見た犬の異変」「診断で分かった検査結果」でしか、病気の有無を知る方法がありません。
でも、飼い主さんが「どこか痛そう」と犬の異変に気付いた頃には、病気が進行しているかもしれません。
多くの病気は、初期と言われる頃に気づくことができれば、早くに治療することができます。
それだけ、愛犬の負担も減るのです。
それを防ぐためには、やはり「健康診断」は犬にとってとても大切なものだと思います。
犬の健康診断の受けるタイミングや頻度
犬は健康診断に自分で行けるわけではないので、飼い主さんの判断で受けるタイミングや回数を考えなくてはいけません。
◆いつ頃から健康診断を受ければいいの?
人間にも同じことが言えますが、基本的に年齢を重ねるほどに病気のリスクが高まります。
そのため、愛犬が若いほど「健康診断はシニアになってからでもいいのでは?」と考えてしまうかもしれません。
パピーと呼ばれる時期には、体が小さく愛嬌たっぷりで元気にパワフルに動くことが多いものです。
そんな様子を見ていれば、とても病気になっているようには見えないかもしれません。
でも、我慢強い犬たちは具合の悪さを表面にあまり出さず、思わぬ病気が潜んでいる可能性もゼロではありません。
それに、病気にもよりますが年齢が若いほどに病気の進むスピードが早いこともあります。
病気の早期発見のためには、犬の年代問わず健康診断を受ける方がいいのかもしれませんね。
また、犬は人間の4~5倍のスピードで年をとっていく動物です。
生後7~8年くらいから「シニア」と言われるようになりますが、見た目の変化は急激に変わりません。
幼犬時代と変わらない見た目に気づきにくいですが、体の老化は始まっています。
「こうすべき」という決まりはありませんが、できるだけ早めに健康診断を受けるようにした方が犬の寿命を延ばすことにも繋がるでしょう。
◆犬の健康診断を受けるタイミング?
「定期的に愛犬の健康診断を受けさせたい」とは思うものの、そのタイミングが気になりますよね?
人間と違って、健康診断の通知が来るわけではないので、なかなかタイミングが分からないかもしれません。
忘れてタイミングを逃さないようにするには、なにかとセットで覚えておくのもいいでしょう。
「愛犬の誕生日に健康診断に行く」と決めておくのも一つの方法。
ひとつ年をとった日に「長く生きてもらうための健康診断をプレゼント」と思うと忘れずに済みますよね。
また、毎年必ず動物病院に訪れるタイミングのワクチン接種やフィラリア予防薬をもらうときもおすすめです。
特に、フィラリア予防薬をもらうときは、「感染しているかどうか」の確認のために犬の血液採取をする病院も多いでしょう。
一緒に健康診断の血液検査をすれば、犬にとっての負担も少なくなります。
このタイミングで年に1回の健康診断をする飼い主さんが増えてきています。
◆健康診断の頻度はどのくらいが適切?
健康診断の頻度は、若い世代の犬には1年に1回、あるいは2~3年に1回が理想的ですが、シニア時期からは半年に1回ずつ、つまり1年に2回がおすすめと言われています。
「頻度が多すぎないか?」と感じるかもしれませんが、犬の時間スピードはかなり早いです。
人間と犬は年齢の重ねるスピードが違い、犬の年齢の重ね方は1年間で約4~7歳(小型犬、中型犬、大型犬で異なります)。
つまり、「半年に1回なんて頻度が多いな」と思っても、犬の時間に換算するとそんなに頻度が多いわけではありません。
犬の年齢や健康状態に応じて、シニアには健康診断の回数を増やしていくといいでしょう。
犬の健康診断では何を検査するの?
犬の健康診断は、動物病院によってその内容が違います。
また、人間ドッグ的な内容で「わんちゃんドッグ」「ドッグドッグ」などと言われているものもあり、検査内容がさらに濃くなることもあります。
それでは、どんな項目の検査があるのかについて紹介していきます。
◆問診
言葉の話せない犬から、健康で気になる点を聞き出すわけにはいきません。
問診は、飼い主さんが気になる日頃の様子を獣医師に伝えます。
「食欲はどうか?」「元気に動くか?」などを確認されます。
◆体重チェック・視診・触診
犬が「太り過ぎていないか」「痩せすぎていないか」について体重を測ってチェックします。
また、目や耳のなか、歯など目視で異常がないかを確認、そして犬のお腹や足、関節、皮膚などに直接触れて異常を確認していきます。
◆尿検査・便検査
犬の尿を調べることで尿結石、腎臓病、糖尿病などを知ることができます。
また、便に寄生虫や出血が混じっていないかを便検査で調べます。
尿、便ともに自宅で事前に採取したものを持っていくことになるでしょう。
◆血液検査
健康診断での血液検査は、赤血球や白血球、肝機能、貧血、たんぱく、血糖値、コレステロールなどの数値を知ることができます。
病院によって調べる項目数が違います。
調査項目が多いほど料金が高くなるでしょう。
健康診断の血液検査に必要な血液量は多いので、犬の血液を採取するときには動物看護師さんだけでなく、飼い主さんも保定のお手伝いをすることもあります。
基本的に前足や後足の静脈からの採血が多いですが、超小型犬などで血管が細い、あるいは病院によっては首の血管から採血することもあるようです。
◆レントゲン検査
視触診で知ることができない骨や内臓の状態をレントゲン検査で確認します。
◆超音波検査
主にお腹や心臓に超音波の機械をあてながら、内臓の動きや大きさなどをチェックしていきます。
レントゲンでは確認できない詳細な検査ができます。
麻酔をかけなくても行える検査ですが、超音波の機械がスムーズに動くようにお腹にゼリーを塗るのでワンちゃんもちょっと気になるかもしれません。
また、毛が多いと機械が上手く当たらないので毛を剃ることもあります。
◆心電図検査
心臓に機械を取り付けて、心臓の動きを調べることで、不整脈の発見に役立ちます。
健康診断での注意点は?
健康診断を受けるための注意点について紹介していきます。
◆予約をする
健康診断の内容にもよりますが、数時間かかることが多いです。
簡単なコースであれば飼い主さんと一緒に帰宅できますが、検査コースによっては「お預かり」となることもあるので、予約が必要なケースがほとんどです。
午前中に犬を連れていき、指定された時間に迎えに行くことになるでしょう。
◆病院からの指示を守る
血液検査をする場合には、正しい数値判断ができるように一定の時間の「食事抜き」が求められることが多いです。
「健康診断の前日の夕食は抜きで」「健康診断の当日の朝食は抜きで」など病院によって指示が違うので事前にしっかり把握しておきましょう。
◆コースによって所要時間が違う
動物病院によって健康診断の内容が異なっています。
一般的には、血液検査・尿検査・便検査が基本項目になっていることが多く、それをベースにして必要と思うものをプラスしていく形となります。
「レントゲン」「超音波」「心電図」と項目がプラスされていけば内容が濃くなっていきます。
もちろん項目が増えるほど費用は高く、シンプルなコースだと1万円もかからないこともあります。
逆に特に念入りに調べてもらいたい…となれば、2~3万円と高くなったりもします。
また、犬の大きさによっても費用が異なるので受診する動物病院に費用を聞いた方がいいでしょう。
人間の健康診断のようにおおよその費用が決まっていないので、費用が高い病院もあれば、あまりかからないところもあるかと思います。
◆犬のふだんの様子を知っておく
問診では、飼い主さんが犬の様子を伝えることになります。
食事量の変化や歩き方、尿の回数、便の状態、元気の度合いなど、何か変わったことがあれば伝えられるようにメモを取っておくのもおすすめです。
◆犬の負担にならないような病院選び
動物病院の多くで健康診断を受けることができます。
検査内容や費用の選択肢が多いので、飼い主さんの都合で病院を選んでしまうかもしれません。
見知らぬ場所に行って緊張すると犬の負担が大きくならないように、基本的には、通い慣れている病院で受けるのが理想的です。
また、健康診断にはいつもの受診よりも時間が長くかかります。
お預かりで検査する場合には、飼い主さんと離れている時間が寂しく負担になります。
遠方の動物病院を選ぶと、移動時間も含めるとかなりの時間が必要になり、愛犬の精神面にダメージもあるでしょう。
できるだけ、リラックスした状態で健康診断を受けたいので自宅から近い場所を選ぶ方が負担になりにくいかと思います。
日々の健康チェックでできること
健康診断で愛犬を見てもらうのはもちろん大切なことです。
ただ、日々の生活のなかで愛犬の様子を確認できるのは飼い主さんだけです。
日頃から愛犬の様子に気を配っておくようにしましょう。
犬にとって「食事」はとても嬉しいもので、食事の時間を気にしたり、人間の食べるものを食べたいとアピールしたりと「食欲」は高いのが普通のことです。
しかし、そんな様子から一変、食欲が落ちているときには、体のなかで何かの変化が起きているとき。
なるべく早めに病院に連れて行きましょう。
また、ふだんからスキンシップで皮膚や体の状態を把握しておくのも大事です。
お腹や体に硬いしこりがないか、皮膚の炎症を起こしていないかを知ることもできます。
歯磨きのときには、歯石や歯茎の状態もチェックしておくようにしましょう。
まとめ
「痛い」「苦しい」と言わない犬達の異変にはなかなか気づきにくいものです。
自分の変化を飼い主さんに伝える術もありません。
そんな愛犬の微妙な変化に気づいてあげられるのは、飼い主さんだけです。
ふだんから愛犬の様子を見守ることも大切ですが、体の内面から検査できる「健康診断」も定期的に受けることを考えてあげましょう。
若くても病気になることはあります。
定期的な健康診断を受けていれば、早めの対応で悪化しなくて済むことも多いです。
受けるタイミングや頻度は飼い主さんが決めることですが、「どうしたらいいか分からない」ということなら、かかりつけの動物病院で相談しながら決めてみてくださいね。
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