どうして「犬」を盗難(連れ去り)するの?想定される理由について
犬の盗難(連れ去り)は、何も知らない犬を大好きな飼い主さんから引き裂く行為。
愛犬家としては、胸を痛める出来事ですし、考えただけでも悲しいことですよね。
盗難(連れ去り)する人の心理については理解できない部分ばかりと感じるかもしれません。
いったいどんな目的なのでしょう。
◆盗難(連れ去り)した犬を他に売る
いわゆる転売です。
特に、人気の超小型犬、小型犬などが被害に遭っているケースが多いようです。
チワワ、ポメラニアン、トイプードルなどは、ペット市場やパピーミル、海外などにも転売しやすいためです。
また、体が小さいので盗難(連れ去り)しやすいとターゲットにされてしまうのかもしれません。
基本的に繁殖業者は、繁殖できる犬しか買いません。
そのため、盗難(連れ去り)で購入した犬が避妊あるいは去勢手術済みが発覚して捨てられる結果になることもあるそうです。
◆飼い主に恨みを抱いての「嫌がらせ」行為
人間関係に関する勝手な感情に犬が巻き込まれるケースです。
飼い主さんに何らかの恨みを抱き「困らせてやろう」と、犬の盗難(連れ去り)をすることもあるようです。
人間同士で何があったかは分かりません。
でも、どんな理由があったにせよ、なんの罪もない犬を巻き込むのは許せない行為です。
◆自ら飼う目的
この場合は、計画的というよりも、衝動的に盗難(連れ去り)する感覚かと思います。
犬の可愛らしい姿を見たときに、盗難(連れ去り)できる状況になり、思わず行動に移してしまうケースもあるのだそうです。
◆謝礼目的
盗難(連れ去り)で犬がいなくなった飼い主さんは、必死に探すことになるでしょう。
近所を探し回ったり、時にはポスターを作って街中に貼ったり配ったり…。
そんな飼い主さんの心理を利用した悪質な謝礼目的の盗難(連れ去り)もあるようです。
初めにわざと誘拐しておき、飼い主さんがビラを配ったりして探し始めます。
そこで盗難した人が「近所で保護しました」と連絡するのだそうです。
言葉が話せない犬は、「犯人はこいつだ」と訴えることもできません。
飼い主側が自発的に見つけてくれたお礼としてお金などの謝礼を渡すこともありますし、お金を要求するというケースもあるようです。
どんな状況で盗難(連れ去り)事件が発生する?
実際に起きた盗難(連れ去り)の事例から、事件が発生しやすい状況について紹介します。
◆スーパーやコンビニの店先で
散歩をしながら近所にお買い物をするという飼い主さんもいるかもしれません。
そんなときにありがちなのが、スーパーやコンビニの店内に犬を入れることはできないので、お店の前に繋いでおくこと。
そういった状況を見かけたことがあるという人も多いかと思います。
これがかなり盗難(連れ去り)されやすい状況なのです。
そもそも、大勢の人が利用するスーパーなら、顔見知りも少ないため、周囲を歩く人達にとっては、犬の飼い主さんが誰かは分かりません。
誰かがやってきて、リードを外して歩いて行っても犬が吠えたりしなければ疑うこともないでしょう…。
◆家の庭で
外で飼っている犬は、家のなかの飼い主さんの目には届かないでしょう。
鎖に繋がれていてもそれを外して盗難(連れ去り)されるケースがあります。
また、リードを外して庭で遊ばせている最中に被害に遭うこともあるようです。
◆ドッグランや公園で
犬や人間が多いドッグランや公園で盗難(連れ去り)の被害に遭うことも多いです。
ドッグランでは、リードを外すためちょっとした隙に盗難(連れ去り)されやすいです。
特に、飼い主さんが「誰かとの会話に熱中している」「トイレに行った」などちょっとした数分が危険です。
◆留守番させていた車内で
買い物のとき、車のなかに犬だけを残す飼い主さんもいるかと思います。
そんな「ちょっと」の時間で連れ去られたケースもあるようです。
◆自宅で
上記のように、外出していたときならともかく、自宅で盗難(連れ去り)に遭うなんてビックリしますよね。
実は、このケースの犯人は「初めは犬目的ではなかった」というものが多いのだそうです。
空き巣の多くは、金銭目的で住居に侵入するものですが、偶然目についたワンちゃんを見て「転売」を思いつき、一緒に盗難(連れ去り)をするというパターンのようです。
人気の小型犬などは、被害に遭いやすいと言われています。
盗難(連れ去り)に遭いやすい犬っているの?
周囲に気づかれないように盗難(連れ去り)するため、腕に抱えて運びやすい小さい犬が被害に遭いやすいです。
特に「転売する」という目的の場合、成犬よりも幼犬が狙われる傾向にあります。
ただ、中型犬や大型犬、成犬だからと言っても安心できない状況。
「社交的」「人懐こい」「吠えない」という犬は、見知らぬ人が来てもあまり警戒しません。
盗難(連れ去り)後に犯人と一緒に歩いていても、吠えたり嫌がったりしなければ「盗難(連れ去り)」に周囲が気づくことはありませんよね。
つまり、一般的には、体の小さい犬や社交性のある性格の犬が被害に多くあっているようです。
大事な愛犬を盗難(連れ去り)から守るためにできる対策とは
どんな対策をすれば、愛犬を被害から守れるのでしょうか。
◆店先で犬だけを繋がない
店先で連れ去られるケースも多いです。
一度散歩を終えて帰宅して、その後に買い物に行くようにしましょう。
また、誰かと一緒に行き、一人が買い物、片方が犬と外で待っているパターンにすると安全です。
◆ドッグランや公園では絶対に目を離さない
ドッグランや公園は、他の飼い主さん達と交流できる場所。
情報交換などで話が弾むことも多いかと思います。
そんなときに目を離すちょっとした隙が危険です。
また、公園では犬を繋いだまま公衆トイレに立ち寄った時間で盗難(連れ去り)されていたという事例もあります。
人がいっぱいいるからと安心せずに、自分の目から離さないような注意が必要です。
◆車内に残すときには要注意
「ちょっとだから」とエンジンをかけたまま、車内に犬を放置する飼い主さんもいるかもしれませんが、施錠しないで目を離すのは危険です。
だからと言って、「施錠」が100%安全とは言えないようです。
それというのも、実際に遭った事例で「カギをしていたのに車のドアを無理やり開けられた」「窓を割られて盗難(連れ去り)された」というものもあります。
できるだけ、誰かを車に残しておくなど、犬だけを車内に放置するのは止めた方がいいでしょう。
◆家の庭での放し飼いは気をつける
一戸建ての庭は、敷地内ですから安心してリードを離していることもあるかもしれません。
誰かが侵入してくれば分かるだろう…と軽視しがちですが、ちょっとした隙に奪われることもあります。
犬をコントロールできる人が見ている状況なら別ですが、リードを外したまま目を離すのは避けるべき。
留守番時のときには、鎖につなぐようにしましょう。
◆長時間の留守番は避ける
基本的な空き巣対策をしていれば、家のなかに何者かが侵入するケースは稀かと思います。
仮に、空き巣が入っても「家族以外に警戒心を見せる」という性格の犬なら、盗難(連れ去り)に遭う確率も低いでしょう。
ただ、人馴れしている性格の犬を飼っているケースでは注意しなければなりません。
長時間と長くなる留守番は、控えるようにしたいものです。
また、ケージごと連れ去られないように外から開けにくいタイプのケージにいれて留守番させるのもいいかもしれません。
◆犬の写真を持っておく
スマホや携帯で写真を日常的に撮影できるようになった現代では、毎日のように愛犬を撮影する人も多いですよね。
この何気なく撮った写真が、盗難(連れ去り)に遭ったときに活用できるのです。
愛犬を連れ去った犯人を見たときに「こちらが本当の飼い主である」という主張のときに役立ちます。
◆情報の流出に気をつける
空き巣や犬の盗難(連れ去り)目的で誰がどんなところで情報を収集しているか分かりません。
公園で会った普通の人が、盗難をする人なのかもしれません。
犬の年齢や犬種、あなたの職業、家族の人数など、「初めて会ったのにいろいろ聞いてくるな」という人には注意すべきでしょう。
犬に興味を持ってくれる人だと、ついつい友好的に話をしそうになりますが、家のなかのプライベートな情報を話すことはリスクを伴います。
また、幅広い地域の人と交流を持てるSNSを利用しているケースも要注意。
ブログやツイッターに愛犬の写真や生活の様子をアップするのは、珍しいことではないでしょう。
ただ、それが盗難(連れ去り)をする人の情報にも繋がってしまう可能性があるのです。
プライベートな情報をどこまで公開するか…、リスクも含めて十分に考えておくべきなのかもしれませんね。
◆ご近所さんとの繋がりも大事にする
家のなかや庭から連れ去られる場合、ご近所さんの視線が盗難(連れ去り)を未然に防ぐことに繋がることもあるでしょう。
犬を含めての交流があれば、見知らぬ人が犬を連れていくところを見かけて不信感を抱き、飼い主さんに連絡をくれるかもしれません。
ふだんから、会話をしておき、円滑な人間関係を築いておくと、万が一のときに協力してくれるかと思います。
◆飼い主さん同士の交流を深めておく
ドッグランや公園などで、顔見知りになっておくと、いざというときにお互いに情報を共有できます。
それに、飼い主さん仲間にお願いできれば、散歩で立ち寄った公園でトイレに行きたくなっても安心です。
また、自分が目を離した隙に犬を盗難(連れ去り)しようとする不審者を見かけ、声をかけるなどで未然に防げることもあるかもしれません。
盗難ではないけれど…犬が自ら逃げてしまう状況もある
盗難(連れ去り)とは違って、犬が自ら逃げてしまうことがあります。
逃げて街中を歩いている犬を見て盗難の対象にされてしまうなんていうことも…。
最終的に盗難(連れ去り)に繋がるケースもあるので注意が必要です。
◆車のドアを開けた瞬間に逃げる
車のなかで何にも固定せずに乗せているとき、ドアを開けた瞬間に犬が走り出すこともあります。
自由に動き出せる状況で乗せていると特に要注意です。
犬の性格にもよりますが、リードで固定しておく、ケージにいれておくなど、自分では降りられないようにして、万が一の飛び出しを防ぎましょう。
◆家の庭から逃げる
家の庭なら慣れている場所だから安心と思いがちですが、ふとした瞬間に逃げ出すこともあります。
好奇心の旺盛な犬なら、何か家の外で聞こえた音などに反応して出て行ってしまうこともあるでしょう。
また、子供達だけが庭でリードに繋がれていない犬と遊ぶ状況も注意が必要です。
遊んでいるときには犬もテンションが上がっています。
犬が家の外に出ようとすれば、当然追いかけて止めようとするでしょうが、そんな子供達の様子を、「楽しんでくれている」「喜んでくれている」と犬が誤解することも。
さらに走って、家から離れた距離に逃げてしまうこともあります。
まとめ
犬を盗難(連れ去り)する人の行為は、とても許せるものではありません。
しかし、何らかの目的を持って犬を盗難(連れ去り)する人は、少なからずいるのが現実です。
もし、自分の身近にいるなら、それはとても恐ろしいことです。
被害について背景や防止策を知っておくことで、防げることもあります。
言葉を話せない愛犬を守れるのは、飼い主さんだけ…。
愛犬との幸せな日々がこれからも続くように、盗難(連れ去り)の被害から守るための防止策をふだんから頭にいれておきたいものですね。
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