日本犬ってどんな犬?性格は?
日本犬と洋犬は、もちろん「原産地」が違います。
「日本犬」と「人間」との関わりは、古い時代までさかのぼります。
◆日本犬は6種類
国の天然記念物として指定されている6種類の犬種のことを一般的に「日本犬」といいます。
●秋田犬
日本では忠犬ハチ公の物語で知らない人はいないほどの秋田犬。
海外でも映画化され、世界的に知名度があります。
大型犬に分類され、日本犬のなかでもビッグサイズです。
最近では、平壌オリンピックで金メダルを獲得した、フィギュアスケートのザキトワ選手が夢中になっていることで注目されています。
●甲斐犬
山梨県生まれで、山岳地方で狩猟犬として活躍していた犬です。
山で活動するときに敵に気づかれにくい「黒虎毛・中虎毛・赤虎毛」の毛色に特徴があります。
●四国犬
見知らぬ人には心を開くことがないくらい警戒心が強い犬です。
頑固でかなりワイルド系です。
●北海道犬
古くはアイヌ民族に変われていたため「アイヌ犬」とも呼ばれることがあります。
北海道生まれで、厳しい寒さに耐えられる我慢強い性格です。
北海道の大自然で突如現れる熊などの大きな敵にもひるまず立ち向かう勇敢さを持っている犬種です。
ソフトバンクのCMの「お父さん犬」がこの犬種です。
●紀州犬
狩猟犬として活躍するために、ほとんどの個体が「白い被毛」です。
頭が良く人間の指示に従える忠実性がある反面、気性が荒い性格でもあります。
●柴犬
日本犬のなかで最も小型の柴犬は、日本や海外でも大人気。
警戒心の強さはありますが、飼い主への愛情が深く可愛らしいです。
◆日本犬に共通する特徴は?
6種類の日本犬は、体重10キロ前後の小型の柴犬や体重が50キロ近くにまでなる大型の秋田犬がいます。
体の大きさはだいぶ違いますが、顔つきや体つきの雰囲気はだいたい似ていますよね。
筋肉質でバランスのよい体型で「つぶらな瞳」、顔つきはとても凛々しい印象があります。
また、性格は「飼い主に従順」「警戒心が強い」と共通していて、しつけも難しいと言われています。
◆洋犬との違いって?
海外原産の洋犬は、チワワやパピヨンなどの小さな犬から、ゴールデンレトリーバーといった大型犬までバラエティに富んでいます。
なかでも「小型犬」に分類されている犬種は、膝の上に乗せたり抱っこしたりされる愛玩犬です。
室内で人間からお世話をされながら生きていたので、自立心はあまりなく、どちらかというと飼い主への依存度が高め。
「可愛がられる」ということにも喜びを感じるので、一般的には社交的で飼い主以外に触れられるのも苦にならないワンちゃんも多いです。
個体差はありますが、「日本犬=飼い主だけに心を開く」というのに対し、「洋犬=人懐っこく他人にも慣れやすい」という違いがあります。
洋犬と比べ日本犬のしつけが難しいのにはこんな理由があった!
日本犬のしつけが難しいのは、その歴史の背景にあった飼い主との関係性や生まれ持った気質が関係しています。
◆かつての飼育環境が性格に影響しているから
今でこそ、「家族同然の犬は室内で飼う」というスタイルが定着していますが、昔は家の外が主流。
なぜなら、かつての日本では「犬を飼う」という理由のほとんどが「番犬として」だったから。
不審者の存在を飼い主に知らせるため「大きな声で吠える」のが役割です。
警戒心を持つことで、番犬という重大な任務を果たせたのです。
農家においては、農作物を荒らす動物を撃退するために「追いかける」「吠える」で対応していました。
そんな時代を過ごしてきた日本犬には、警戒心が本能として備わっています。
◆頭がよく自立心に満ちあふれているから
日本犬はとても賢いです。
飼い主に頼らなくても自分で行動パターンを考えることもでき、依存度が高い洋犬とは違いって自立心を持っています。
「飼い主さんが喜んでくれるかな?」という気持ちで行動することは少ないでしょう。
◆信頼できる飼い主以外には興味がないから
基本的に日本犬は飼い主だけに従順な姿勢を見せます。
「飼い主=信頼できる人」なので、それ以外の人には興味を示さないこともあるでしょう。
飼い主以外の人が近づいてくると持ち前の警戒心を表わします。
自分が嫌だと思った人や他の動物には、攻撃することもあるかもしれません。
また、人間のことをよく見ているので、一緒に暮らしていても「飼い主」として見てもらえないケースもあるでしょう。
人数が多い家庭で飼われている場合、しつけが一貫していないと人によって対応を変える日本犬もいます。
「お父さんの指示には従うけれどお母さんには無視」なんていう状況も結構よくあることです。
◆「野生」の本能が出てしまうから
今では人間にペットとして飼われている犬でも、そもそもの歴史は自然界で暮らす野生動物でした。
自然界では、縄張り争い、獲物やメスの奪い合いなど、激しい闘争が繰り広げられることもあります。
争いのための「攻撃性」は日本犬の本能に備わっています。
特に、日本犬のオスには野生の本能が強い傾向にあり、しつけするときにもネックになることもあるでしょう。
◆気分屋の一面もあるから
自分が飼い主と認めた人には、心を許して指示に従うことができます。
頭が良いので、「マテ」「オスワリ」など基本的なしつけは一通り簡単に覚えてくれます。
ただ、気分屋の面があり、「気乗りしない」と知らないふりをすることもあります。
日本犬のしつけで注意すべきポイントは?
「日本犬=しつけが難しい」とはイコールとは言い切れないでしょう。
日本犬の性質をきちんと理解し、飼い主がリーダーシップをとれば素晴らしいパートナーになってくれると思います。
信頼される飼い主になるため、どんな点に注意すればいいでしょうか。
◆子犬時代の接し方に注意する
成長すると自立心のある犬になりますが、子犬のころは体もそれほど大きくなく「可愛い」と甘やかしてしまうこともあるでしょう。
「しつけは成犬になってから」と子犬のころに甘えん坊に育てると、気分屋になります。
飼い主のことは「信頼できるリーダー」ではなく、「ワガママを許してくれる仲間」程度に勘違いしてしまうと大変です。
しつけをしようとリーダーを主張する飼い主に対して「俺の方がボスだ!」と攻撃したり、威嚇したり手に負えなくなるケースもあります。
◆甘やかし過ぎない、しつけは早めに徹底する
成犬になってからも「可愛いから抱っこしたい」「フサフサな毛だから撫でていたい」と嫌がる日本犬を無視して、飼い主の欲求のまま可愛がり過ぎるとそれがストレスとなります。
甘えさせてくれる人は、リーダーとは意識いないでしょう。
そのため、過剰なスキンシップから反抗心が芽生えて攻撃されることもあります。
スキンシップは重要なことですが、それ以上に「しつけ」は大事です。
徹底した態度でしつけるように早めの対応をしてくださいね。
◆社会性を育むのは子犬のころから
狩猟犬や番犬として飼うならば「警戒心」や「攻撃性」があってもいいのですが、家庭のペットとして飼うならば社会性が大事です。
頑固なままでは、周囲の人間や動物たちと仲良くなることはできません。
ほんのちょっとしたことで「吠える」「噛む」「威嚇する」といわゆる問題行動が目立ってしまうので注意が必要です。
身体が大きい日本犬が人間を噛むと大きなケガに繋がって危険です。
それに、吠える癖も飼い主の制止で止めるようにしなければ、住宅街でペットとして飼うときに近隣トラブルへと発展するリスクにもなります。
子犬のころに、家族以外の人間や動物と触れ合うことで社会性が育まれていきます。
正しいしつけのため、社交性はとても大事なことです。
「飼い主以外の人間や動物でも自分に危害を加えることがない」と社会化で気づかせることで、少しは頑固さが和らぐかと思います。
◆叱り方は間違えない
犬を叱るときに、自分の感情をむき出しにしないようにしましょう。
それは、しつけとは違い、単なる感情の押し付けですよね…。
人間の子供を叱るように、何度も同じ言葉を繰り返したとしても日本犬は理解できません。
特に「叩く」という行為は、しつけるときには絶対にNGです。
従順なときには優しい表情をする日本犬ですが、そもそも気性は荒いです。
「叩かれる」「怒鳴り過ぎる」など極端な罰を与えると攻撃性が増してしまう可能性があります。
それまで上手くいっていた信頼関係も壊れかけ、「指示を聞いてくれない」というヤンチャ犬となることも…。
しつけの一環として怒るシーンがあったら、「体罰をしない」「同じ言葉で長時間怒り続けない」などに注意するようにしてみてくださいね。
◆「飼い主」として態度で示す
正しい方法でしつけができれば、日本犬は飼い主さんに深い愛情を示してくれることでしょう。
頭が良い日本犬は、信頼できる人間のみリーダーとして認めます。
たとえ一緒に暮らしていてもワガママを聞き入れてくれる人やいつも怒鳴っているばかりの人はリーダーとは思えないようです。
信頼関係を築くのは簡単なことではありません。
程よい距離感で、日本犬と良い関係をキープすることが大事です。
可愛がるときにはスキンシップを取りながら、たくさん褒めてあげてくださいね。
何をやっても許すなど甘やかしは止めて、「褒める」「怒る」のメリハリをつけましょう。
しつけるときに、怒る必要があれば「低い声で短め」で、体罰を与えたりダラダラと叱ったりしないようにしましょう。
◆運動不足にさせない
日本犬は体力がある犬。
特に、日本犬のなかでも秋田犬はかなり大型サイズで、体に合った運動量が毎日必要です。
小型の柴犬とはいえ、小さな洋犬とは違い運動が大好きなワンちゃんと言えます。
そのため、日々の運動量が不足するとストレスが溜まりやすくイライラして判断力が鈍ることもあります。
指示をされても受け入れたくないと頑固な一面が出てしまうでしょう。
「ストレスが溜まる=攻撃性が増す」にも繋がり、しつけにも影響が出るかもしれません。
日本犬を飼うなら、身体に合った運動量を確保することが大事です。
散歩ではリードを引っ張って制止するシーンもあります。
しつけのために、引っ張る力も必要なので体力がない人は飼うのは難しいかもしれませんね。
育て方によってはしつけもできる日本犬
頑固な性格のイメージがあるので、しつけは難しいと考えられている日本犬。
社交性があって誰とでもフレンドリーにできる洋犬とは、真逆と言えるかもしれませんね。
ただ、洋犬といっても犬種によっては日本犬のように攻撃性が高かったり、頑固だったりとしつけが難しいこともあります。
逆に、日本犬であっても飼い主さんの接し方が上手いとしつけはそれほど難しくないケースもあるでしょう。
もともとの性質にも左右されてしまうことが多いですが、「飼い主と犬との関係」が良好であれば、日本犬が頼れるようなリーダーとなりしつけも難しすぎることはないかと思います。
まとめ
育つ環境によっても個体差があるので一概には言えませんが、洋犬よりはしつけ面で苦労することがある日本犬。
日本犬は自立心が高く誰にでも笑顔を振りまくタイプではありません。
しかし、飼い主が一貫した態度でしつけを成功させることができれば、気性の荒さをコントロールすることもできます。
日本犬の大きな魅力である「忠誠心」も見せてくれ、幸せな毎日を過ごせるようになるでしょう。
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