1.ペットロスとは?
2.ペットロスの原因は?
2-1.ペットとの関係性の変化が一因
2-2.医学的な原因は?
4.ペットロスによる心の変化は?
4-1.ペットロスによる心の変化①認めない
4-2.ペットロスによる心の変化②怒り
4-3.ペットロスによる心の変化③罪悪感
4-4.ペットロスによる心の変化④抑うつ
5.ペットロスが重症化する原因は?
5-1.ペットロスを一人で抱えてしまう
5-2.ペットに依存しすぎている
5-3.ペットを失う可能性
6.ペットロスの改善方法は?
6-1.ペットロスの改善方法①話す
6-2.ペットロスの改善方法②感情を出す
6-3.ペットロスの改善方法③遺品を整理する
6-4.ペットロスの改善方法④新しくペットを飼う
【掲載:2018.05.31 更新:2020.1.27】
ペットロスとは?
ペットロスとは、ペットロス症候群という飼い主の心の症状のことです。
ペットを失うことを意味する「Pet loss」は、ペットの行方不明や盗難、死去などでペットを失ってしまった時に起こります。
ペットロスは、ペットと家族として密接にかかわるようになった2000年代頃から日本でも注目を浴びる様になった疾患の一つです。
ペットロスの原因は?
◆ペットとの関係性の変化が一因
ペットロスは、番犬などの使役犬や、家畜として扱ってきたペットを、愛玩動物として位置づける様になってから起こるようになったといわれています。
つまり、外で飼育することが一般的だった犬が、完全室内飼いになり、生活に密に関わるようになり、人間と同様の扱いを受けることが増えたことが一因です。
共に過ごし、生活を共にする距離が近いほど、失った時の喪失感やストレスは増えるため、ペットロスになりやすくなります。
ペットロスは、家族として犬や猫などのペットに愛情を持って接していた証明でもあります。
◆医学的な原因は?
ペットロスは、ペットを失った事に飼い主の心が追いついていかない状態に起こることが多いです。これは「ペットを失う」という事実に対して「認めたくない」という防衛・逃避によって起こると考えられます。
そのため、ペットロスは精神症状が強く出る疾患であるといえます。
ペットロスの症状は?
ペットロスは精神的な落ち込みやストレスによるもののため、うつ病などの精神症状が多いです。
ペットロスで見られることが多い精神症状は以下のとおりです。
- うつ病
- 情緒不安定
- 精神症状(失ったペットの幻覚、幻聴など)
- 胃潰瘍
- 摂食障害(過食・拒食)/li>
精神症状が続くと、身体にも影響が出てきます。無気力、疲労感、眩暈などが代表的なものです。
ペットロスによる心の変化は?
ペットロスは、犬や猫などのペットを失ったことを認めたくないという意識の表れだといわれています。ペットを失ってから、精神状態はどのように変化していくのか確認してみましょう。
◆ペットロスによる心の変化①認めない
まず始めに、犬や猫を失った事を受け入れられない、認めない(認めたくない)という気持ちが起こります。
この気持ちは、特に事故などの突発的にペットを失った時に強く起こる症状です。心を保とうとする現実逃避を行っている状態です。
◆ペットロスによる心の変化②怒り
ペットを失った事を認めることが出来た次の段階は、怒りです。
攻撃対象を作る事によって、心が平常を保とうとする状態です。この状態も、現実逃避の一部です。
怒りの対象は様々で、原因となった事柄・もの、事故であったら対象物や人物、獣医師、病気などが代表的です。
家族同士が攻め合わない様に、共通の怒りの対象を作りあげることも、心の防衛本能によるものです。
◆ペットロスによる心の変化③罪悪感
「怒り」という感情はパワーを使う感情です。怒りが燃え尽きた時に起こる段階が罪悪感です。
怒りの対象に対して、「自分はこのように行動できたはずだ」「もっと他の手段があったかもしれない」という罪悪感を覚えます。
これはペットを失う原因が自分自身の決断によるものの時に、特に強くみられる症状です。
-
<例>
- 犬のリードの付け方が不十分で、逃げてしまった。
- 手術を決断できなかったため、亡くなってしまった。
◆ペットロスによる心の変化④抑うつ
抑うつ(抑鬱)は気分が落ち込んで気力、体力にパワーが向かわない状態を指します。常に鬱を抱えた「うつ状態」とは異なり、日常生活は送れるけれど時々考え込んだり、欝々とするといった状態です。
抑うつ状態の場合は、趣味や日常生活で気がまぎれることも多いです。ただ、この状態から気分が紛れず落ち込む一方になってしまうと、うつ病に変化してしまいます。
ペットロスが重症化する原因は?
◆ペットロスを一人で抱えてしまう
ペットロスが重症化する原因の一つが「孤独」です。
ペットを失った事を受け入れるために、他人に話したり、怒りを露わにしたりといった事が出来ずに内に悶々と抱えてしまうと、重症化しやすくなります。
精神的に落ち込んだ時には家に閉じこもりがちになってしまいますが、積極的に外出することでペットロスの重症化を避けることができます。
◆ペットに依存しすぎている
ペットを失う前のペットとの距離感も、失った時のペットロスが重症化するか否かの見極めポイントになります。
ペットとの距離が近く、愛情が深いほど失った時の悲しみは大きく比例するといわれています。距離が近すぎることを実感し、他に趣味を見付けるなどの生活の楽しみを持つことも大切です。
◆ペットを失う可能性
病気や手術などでペットを失うかもしれないという状態に陥った時も大切なポイントです。現状のペットの様子をしっかりと把握し、ペットを失う可能性があることを受け止めましょう。
覚悟のないままの突然の別れ(この場合は死)は、大きなペットロスを生みます。しっかりと理解することが、一番のペットロスを重症化しないコツです。
ペットロスの改善方法は?
ペットロスは、犬や猫などのペットを失ったことを認めることが出来ない状態の時に起こります。そのため、ペットロスの一番の改善方法は「ペットを失ったことを認める」ことです。
◆ペットロスの改善方法①話す
自分の気持ちを誰かに話す、という行為で心を整理することができます。悶々と考え込むよりも、外に感情を出すことで精神的なバランスを取ることもできます。また、ペットを失った事による孤独感からも解放されることが多いです。
専門医(臨床心理士や、診療内科)を受診し、カウンセリングを受ける事も有効です。
◆ペットロスの改善方法②感情を出す
主に負の感情といわれる、「泣く」「怒る」という感情を表に出すことでストレスを発散します。
思う存分、感情を出すことが出来ると、ペットを失ったことを実感し、認めることができる状態に心が変化するのです。
◆ペットロスの改善方法③遺品を整理する
失った犬や猫などのペットの遺品を整理することも、ペットロスを受け入れる改善方法の一つです。
部屋の中に遺品が残ったままだと、どうしても思い出してしまったり、罪悪感を感じてしまうことがあります。
そのため、遺品を整理することは「もう居ないんだ」と認識し、前へ進むための作業として有効的です。
◆ペットロスの改善方法④新しくペットを飼う
新しく犬や猫などのペットを迎えることで、生活に変化をもたらす方法です。失ったペットとの違いを感じることで、ペットロスを認めることが出来ます。
他の方法に比べても、比較的早期にペットロスを改善することが出来る方法です。
ペットロスを癒す本「虹の橋」とは?
「虹の橋」という言葉を、ペットを飼っている人なら一度は聞いたことがあると思います。
虹の橋(Rainbow Bridge)とは、原作者不詳の詞です。
天国の手前にある虹の橋で、亡くなったペットは元気だった頃の姿で走り回り、他の犬たちと遊び、あなたを待っています。あなたが虹の橋へ行く頃、ペットはあなたを見付けて一緒に虹の橋を渡るでしょう。二度と会えないのではなく、また会えるまでの間離れるだけだよというペットロスの方の心を癒してくれる詞です。
虹の橋は原作者不詳のため、本やウェブサイトが沢山あります。少しずつ内容の異なる点もありますので、是非一読してみてください。
ペットロスの人への接し方は?
ペットを失ってしまった時に起こるペットロスとは、心の疾患です。そのため、適切なケアと接し方が大切だといえます。
ペットロスになってしまった人への接し方はどうすれば良いのでしょうか。
◆話を聞いてあげる
一番のケアが、この「話を聞いてあげる」ことです。励ましや、注意はしないでください。
ペットロスの方の気持ちを受け止めてあげることが大切です。
◆距離をおく
言葉にすると冷たい様に感じますが、距離をおき一人にさせてあげることで悲しみを受け止める時間を作る方法です。
しかしながら、一人になると考えすぎて鬱が進行してしまうタイプの方の場合は逆効果になります。
相手が乗り越えて、会いたいと言うまでそっとしておいてあげることも大切です。
◆気分転換に連れ出す
美味しいランチや、観劇、家族だったら孫や子の参観などに連れ出すのも効果的です。
一人でいると考えすぎてしまう相手や、家族など距離が近く気心が知れている相手の時に使いたい方法です。
気晴らしをさせて、ペットロスで一色になっていた心を解放させてあげましょう。
ペットとの思い出をしっかり受け止めましょう
ペットロスは、ペットを失った事に飼い主の心が追いついていかない状態に起こることが多いです。特にペットを失ったことを認めたくない、という現実逃避が強い時に起こります。
ペットを失ったことをしっかりと認めることが前に進む一歩となります。そのためには、しっかりと悲しみ、泣き、話し、心を解放させてあげることが大切です。
居なくなったペットが大好きだったのは、笑顔の素敵な飼い主だったのではないでしょうか。ペットを失ったことを受け止めて、思い出話を笑顔で語れることが一番です。
ペットロスについて、しっかりと向き合ってみましょう。
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