犬がおもちゃを振り回すのはなぜ?やめさせた方が良い?
犬は、おもちゃやタオル、飼い主さんの靴下などで遊んでいる最中、興奮してくると、おもちゃを左右にビュンビュン振り回し、床に叩きつけたり投げつけたりします。これは、犬の大きさや犬種に関係なく、どの犬にも見られる行動です。
時には振り回す行動をしながら「うーっ!」と唸り声をあげ、おもちゃを破壊したりタオルを破いたりしてしまうこともあります。
この振り回す行動をやめさせた方が良いのか、悩む飼い主さんもいるのではないでしょうか。
なぜ、犬はおもちゃを振り回すのでしょう?
◆おもちゃを振り回す理由①狩猟本能の名残
現在私たちと共に暮らす犬たちは、オオカミが家畜化されたイエイヌが祖先となっています。
オオカミは狩りをするとき、獲物の首に咬みついてとどめをさし、鋭い牙で肉を引き裂いて捕食します。この本能が現在まで残っており、犬がおもちゃで遊んでいる最中に興奮すると振り回す行動として現れるのです。
狩猟本能、というと少し恐く感じるかもしれませんが、毎回おもちゃを獲物に見立てて殺そうとしているわけではなく、狩りのまね事をして遊んで振り回すことがほとんどです。
◆おもちゃを振り回す理由②ストレスが溜まっている
ただ振り回して遊んでいるのではなく、おもちゃを抱えて熱心に咬み、破壊してしまうような場合は、ストレスが溜まっているのかもしれません。
おもちゃを振り回すことで、適度にストレスが発散できているのなら良いのですが、無駄吠えをしたり、家具などにまで被害が及ぶのであれば要注意です。破壊行動は、分離不安症の犬に見られる症状のひとつでもありますから、犬の表情をよく観察し、楽しんでいるのか、退屈や不安を感じているのかをしっかり見極めましょう。
分離不安症の犬では、犬が飼い主を離れることを極度に恐れ、過度な破壊行動や無駄吠え、自傷行動、排泄場所の失敗などが表れます。
このような犬には、適切なトレーニングとそれに伴う時間が必要です。症状によっては病院で薬が処方されることもあります。
おもちゃを振り回す行為はやめさせた方が良いの?
犬が遊んでいる最中に、おもちゃを振り回す、唸ること自体は、悪いことではありません。犬の本能からくる行動ですから、無理にやめさせると、犬はエネルギーを発散できずに持て余し、別の問題行動を起こすこともあります。
家庭で飼われている犬は退屈していることも多いので、上手に遊んで犬のエネルギーを発散させてあげることが大切です。
お散歩に出て、広い場所でおもちゃを使って一緒に遊んだり、家の中でおもちゃを使って知育遊びをしたりして、愛犬とコミュニケーションを取りましょう。
犬におもちゃを与えるときの注意
◆おもちゃの大きさ
犬におもちゃを与えるときには、まず大きさに注意しましょう。その犬が飲み込むことができるサイズだと、誤飲の恐れがあり危険です。特にレトリーバー系の犬種の犬たちは、小さめのボールなどをすぐに飲み込んでしまいます。
咥えることはできるけれど、喉は通らない大きさのものを選びましょう。
◆おもちゃの種類
興奮しすぎてしまうワンちゃんはぬいぐるみなど、すぐに破ったり壊したりして中身を食べてしまう恐れのあるものは避けましょう。小さな部品がついているようなものも要注意です。食べ物ではないと分かっていても、遊びに夢中になった犬たちは、中から出てきた綿などを食べてしまうことがあります。
誤飲を防ぐため、おもちゃは丈夫な犬用のものを選び、古くボロボロになったおもちゃは、お気に入りであっても早めに捨てるようにしましょう。
◆おもちゃに飽きる前に止めさせる
おもちゃを使って遊ぶときは、犬が喜んで遊んでいても、飽きる前に遊びを終えるようにすることで、毎回飽きることなく遊びを楽しむことができます。
また、誤飲などの事故を防ぐためにも、おもちゃは出しっぱなしにせず、その都度片づけるようにしましょう。おもちゃは自分で勝手に遊ぶものではなく、飼い主が与えてくれるものという認識をつけることで、より良い主従関係を築くこともできます。
◆おもちゃ以外は齧らせない
犬がおもちゃ以外のもの(人用のぬいぐるみや靴下などの衣類、スリッパ、カーテン、絨毯など)で遊んでいたら、「アウト」や「出せ」「放せ」のコマンドを使ったり、他に注意を引き付けるなどしてやめさせた方が良いでしょう。
犬にとっては、手の届く範囲にあるものは全ておもちゃになり得るので、噛んで良いものと悪いものの区別がつかなくなってしまいます。
捨てるつもりだから、などと線引きを曖昧にせず、噛んで良いのは自分のおもちゃだけに限定しておきましょう。
おもちゃを離す「アウト」の教え方
できれば愛犬が子犬のうちに、おもちゃやオヤツなどの大事なものを口から離す練習をしておきましょう。
◆引っ張りっこなどの遊びを通して教える
「アウト」や「オフ」、「放せ」「出せ」などは、口に咥えているものを放させるコマンドです。
引っ張りっこ遊びなどで犬と遊んでいる最中に、「アウト」とコマンドをかけ、おもちゃを引っ張っていた手を動かないように固定します。すると、犬は最初のうちは何回か引っ張り続けるかもしれませんが、反応が無いことに気づくと口を放します。犬が離れたら、よく褒めて再び遊びを再開しましょう。
犬はオンとオフがはっきりした遊びを好みますので、コマンドの意味を理解すれば楽しんで遊んでくれるはずです。
◆ごはん時にも「アウト」を応用する
「アウト」などのコマンドは、犬がごはんやオヤツを食べている時にも応用できます。子犬のうちにこれを教えておくと、ごはん中に人が近づいたり手を出したりすると怒る、などの問題行動を予防することができます。
まず最初は、ごはん中に食器の中に手をいれ、怒らないようであればササミやレバーなど、ごはんよりもさらに美味しいものを食器の中に入れてあげます。これができたら、ごはん中に「アウト」とコマンドをかけて食器を取り上げ、また更に美味しいトッピングをして返してあげます。すると犬は食事が中断することに抵抗を感じることがなくなり、食事中に人が近づくことを喜ぶようになります。
毎回の食事の度にこれを行うと、普通のごはんをそのままでは食べなくなってしまうこともあるので、週末に限定するなどして、特別なご馳走としてやってあげてください。
犬の狩猟本能を満たすおすすめのおもちゃ
犬のおもちゃには、大きく分けて3つの種類があります。犬によって好みもありますので、用途に応じて上手に使い分けましょう。
①ボールやロープなど、狩猟本能を刺激するおもちゃ
音が出るボールやフリスビー、伸び縮みする引っ張りっこおもちゃなど、犬が興奮して遊ぶおもちゃです。
犬によって好みが違いますので、愛犬に合ったものを選んであげましょう。上手に犬を刺激するためには、投げたり動かしたりする飼い主さんの遊びのテクニックも必要です。
◎デンタルトーイ ロングロープ レインボー
遊びながら歯を綺麗に出来ちゃう優れもの!
ひっぱりっこもできてワンちゃんとのコミュニケーションにも最適です。ワンちゃんの噛みたい欲求に応えるおもちゃ。
◎コング ウァバ コスモス
強く噛んでも壊れにくく、丈夫で耐久性があります。鳴り笛付きで愛犬も大喜びです。
◎LIKER LUMI 妖しく光るロープ
抜群の噛み心地のLIKERシリーズに新たな商品が登場。それは、暗闇で怪しく光る『LIKER Lumi』ロープ部分が明るいところで光を吸収し暗闇で光る蓄光だから、昼夜関係なく遊べてとっても便利。
◎毎日ハミガキコットン
しっかり噛める、コットン100%のおもちゃ。引っぱりっこ遊びもできます。
コットンに歯が食い込むたびにキュキュキュッと歯みがきするみたいに汚れ取りをお手伝い!
糸をぎゅっと縒ったコットンロープ玩具とちがい、編み目に歯が根元までよく食い込みます。
②デンタルボーンなどの噛むおもちゃ
牛皮や木、プラスチックなどでできていて、長時間噛むことができ、デンタルケア効果もあるおもちゃです。
フレーバーがついているものもあり、飽きない工夫がされています。形も様々で、ボール型で投げられるものや、取っ手がついていてひっぱりっこができるものもあります。
◎ハーツ デンタルボーン 超小型犬~大型犬
丈夫なプラスチック素材でできていて噛み応えがあり、ベーコンのフレーバーがついています。噛んで遊ぶのはもちろん、唾液の分泌を促すことによって楽しくデンタルケアができる犬用玩具。
③コングや知育トイなど、中に食べ物を入れて与えるおもちゃ
内側が空洞になっていたり、網状だったりして、中にオヤツやペーストを詰めることができるタイプのおもちゃです。犬にとっては取り出しにくいので、長時間夢中にさせることができ、お留守番の時などにも役立ちます。
◎コング
アメリカ生まれのおもちゃで、天然ゴムでできており、サイズや硬さ、形も豊富にあるので愛犬に適したものを選ぶことができます。中が空洞になっているのでオヤツを詰めることができ、同じコング社では、コングに詰めるためのチューブに入ったおやつペーストも売られています。
ユニークな骨のかたちをした玩具。穴の開いている部分にフードやおやつを詰めることができます。
最後に
おもちゃは使い方次第で、愛犬とより良いコミニケーションをとるのにとても役立ちます。犬に、自分勝手におもちゃで遊ばせないことが重要です。飼い主さんが主導権を持ち、おもちゃを上手に管理・コントロールして、愛犬のエネルギーを発散させてあげましょう。
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