1.そもそも噛み癖って何?
1-1.甘噛みと本気噛みの違いって?
1-2.犬が人を噛むとどうなる?
2.成犬になっても噛み癖が治らない!原因は?
2-1.飼い主との遊びだと思っている
2-2.飼い主のことを下に見ている
2-3.新しい環境に慣れない
2-4.縄張り意識
2-5.恐怖
2-6.本能
2-7.興奮
2-8.病気
2-9.抵抗
4.成犬の噛み癖を改善する方法は?
4-1.低い声で叱る
4-2.噛んでも良いものを与える
4-3.ご褒美方式のしつけをする
4-4.懲罰方式のしつけをする
4-5.苦味を感じるグッズを使う
そもそも噛み癖って何?
噛み癖は、その名の通り噛むことが癖になってしまっている状態です。対象は物のこともありますが、人のこともあります。
◆甘噛みと本気噛みの違いって?
甘噛みとは、本気で噛んでいない状態の噛み方で、遊びでガジガジと噛みついてくる状態をいいます。子犬の弱い力と、脆い乳歯で噛まれることも甘噛みと呼ぶ方もいます。
甘噛みを許していると、力がついてくる成犬の段階で本気噛みに変わる事もあります。
犬の本気噛みはかなり痛く、怪我をしたり、噛まれた傷から感染症にかかる恐れもあります。
また、中には人を噛んだことで保健所に通報されたり、家族がその犬を手放さなくてはいけない事態に追い込まれることもあります。
◆犬が人を噛むとどうなる?
人の手を噛むことが癖になってしまっている場合、他人を噛んでしまう事故も有り得ます。その場合は、飼い主が法的責任を負わなければいけない場合があります。
相手から民事訴訟などを起こされた場合には、損害賠償を払わなくてはいけない判決が出る可能性も高いです。
また、噛んだ犬に関しては、事故から24時間以内に保健所に咬傷届を出さなければいけません。その際に「この犬は狂犬病では無い」という証明書を獣医師に出してもらい、保健所に提出しなければいけません。
飼い主の義務である年一回の狂犬病予防注射を接種している場合は、スムーズに行われますが、未接種の場合はトラブルの種となります。
成犬になっても噛み癖が治らない!原因は?
噛み癖は、犬の問題行動の代表的なものとして知られています。殆どの犬の噛み癖はしつけで改善されますが、中には成犬になっても噛む癖が抜けない場合もあります。
成犬になっても噛み癖が治らない原因には、どんなことがあるのでしょうか。
◆飼い主との遊びだと思っている
これは成犬になってから学んだことではなく、多くが子犬の頃にきちんとしつけないまま成犬に成長したケースです。
飼い主の持ち物や、室内のものを噛むという噛み癖は、遊びだと思っている成犬が多いです。
この時、飼い主さんは高い声で「こらっ」と怒ったり、「だめだよ~」と優しく諭すなどの対処をしているのではないでしょうか。犬は声の高低や抑揚で言葉を聞き分けているため、「遊んでもらっていて楽しいな」と誤学習してしまっている可能性があります。
◆飼い主のことを下に見ている
飼い主のことを下に見ているため、言うことを聞かない犬もいます。そういった犬が自分の不満や、苛立ちを噛むことで表す場合もあります。
これは成犬や、年老いた老犬に多いです。
◆新しい環境に慣れない
特に成犬や、老犬に多い噛み癖で、新しい環境に慣れない、という原因があります。長年同じ環境で暮らしているため、新たな変化に心が追いつかない状況です。
例えば、飼い主に子供が生まれた、新しいソファーや家電を買ったなど、環境が変わった際に対象を噛むことで排除しようとする犬もいます。
◆縄張り意識
来客に向かって噛む場合には、家を自分の縄張りだと主張している可能性があります。
この場合の犬は、家族という群れの中のリーダーとして立ち振る舞っています。群れのリーダーとして、家と群れを守ろうとする行動の表れです。
この行動は、単純に噛み癖の矯正だけではなく、飼い主がリーダーだと認識させるリーダートレーニングのしつけ不足です。
◆恐怖
恐怖が原因で噛む犬も多いです。特に成犬は頑固な面がありますので、恐怖からの噛み癖が治らないという特徴があり、矯正やしつけにも時間がかかります。
◆本能
猟犬として使役された犬などは、本能として噛む癖がついてしまっていることが原因の場合が多いです。
猟犬として作出される際に気性が荒かったり、噛みつく攻撃性などを持つ犬を掛け合わせたりしていたことが原因です。
◆興奮
興奮が原因の噛み癖は、家族が帰宅した際や、新しいオモチャを渡された時に多いです。テンションが上りすぎてしまい、興奮状態になって噛むことに繋がってしまいます。
突発性激怒症候群と呼ばれる「スプリンガー・レイジ・シンドローム」という病気の場合は、理由も無く、突然怒り状態に達して興奮から噛みつくこともあります。
◆病気
精神的に不安定な病気を抱えていたり、てんかんなどの脳の疾患を持つ成犬の場合、噛み癖の原因になっている可能性があります。また、口内炎などの口腔内の痛みから、噛む犬もいます。
◆抵抗
どうしても嫌な事がある時に、抵抗として噛む成犬もいます。
多い例は、歯みがきの時の歯ブラシ、シャンプーの時の飼い主の手、ブラッシングの時のブラシなどです。
噛み癖のしつけに最適な時期は?
噛み癖のしつけは、本気で噛んでいない「甘噛み」の時期に行うことが最適です。甘噛みをするのは、子犬の時期が一般的です。
通常甘噛みは、歯の生え変わりが気になったり、痒かったり、ということが原因でもありますので、歯が全て生えそろう生後7ヶ月には落ち着くことが多いです。
そのため、噛み癖のしつけに最適な時期は家に迎えた日から生後7ヶ月頃まで、ということになります。
成犬になってからだと、本人が頑固になっていることが多いのでしつけには時間がかかります。
成犬の噛み癖を改善する方法は?
成犬の噛み癖は、矯正のしつけに時間がかかります。長年かけて身に沁みついた癖は、一筋縄ではいきません。
成犬の噛み癖を改善する方法にはどんな方法があるのでしょうか。
◆低い声で叱る
犬は、声の高低や抑揚で飼い主の伝えたい言葉を理解しています。叱る時に、高い声で「だめだよ~」「こら~」等の声掛けをしていると、遊んでくれているのだと勘違いしてしまいます。
低い声で、短く一言で怒るようにすると、ハッとして噛むことを辞めます。声掛けは「ダメ」「ノー(NO)」など何でも良いです。
◆噛んでも良いものを与える
何でもかんでも噛んじゃダメ、だと犬はストレスが溜まります。犬は何かを噛んだり、咥えて運ぶという習性を持っているため、噛むこと自体は自然なことだからです。
そのため、他を噛んではいけない、とする代わりに噛んでも良いものを与えましょう。
ソファーや洋服などをパイル生地のオモチャは、タオルなどの同じ素材で出来たものをオモチャと見なして噛むというトラブルもありますので、オモチャの材質にも注意が必要です。
おすすめは噛むオモチャとして人気の高いコングです。
コングは室内にはあまり無い素材で出来ていることがあるため、噛むことに慣れた時に別のものを噛みだすということがありません。
コングは体の大きさによってサイズを選ぶことが出来ますので、ライフスタイルに合ったものを選んであげましょう。
◆ご褒美方式のしつけをする
ご褒美方式のしつけとは、噛まなかった時にご褒美を与える、という方法です。
初めは、一瞬でも構いません。噛まない瞬間があったら、大げさに褒めてあげましょう。おやつをあげたり、楽しい遊びの時間がご褒美でも良いです。
◆懲罰方式のしつけをする
懲罰方式とは、悪いことをしたときに嫌な事が起きる、というしつけ方法です。悪いこと、とはこの場合は噛む行為のことです。
懲罰と聞くと、叩いたり、体罰を連想する方がいるかもしれませんが、絶対に手はあげないでください。懲罰は犬にとって嫌なこと、で良いのです。
噛んだら飼い主に無視される、嫌な音が聞こえる、などの方法を試してみましょう。
◆苦味を感じるグッズを使う
口に入れると苦味を感じるグッズを使う方法も効果がある、しつけ方法です。
ただし、人間の爪噛み抑制のグッズ同様に効果がある犬とそうでない犬が居ます。逆に好きな味だという犬もいますので、その場合は逆効果になります。
改善しないときはしつけ教室へ
成犬の噛む癖がしつけをしても改善しない時は、しつけ教室を利用してみましょう。
しつけ教室は短期のスポット教室も有りますが、成犬の場合は長期間通う形の教室がおすすめです。
しつけ教室の注意点は、犬だけを預けてしつけをしてもらうタイプの教室は避けた方が良いという点です。
噛み癖などの問題行動は、飼い主と犬との関係性を表しているからです。いくら犬がしつけをしてもらって学んできても、飼い主が変わらなければ同じことを繰り返します。犬はしつけ教室のインストラクターの言う事しか聞かなくなるでしょう。
成犬の噛み癖矯正には、家族ぐるみで取り組む覚悟が必要です。
成犬の噛み癖を改善する方法はある!しつけをしっかりとして、噛み癖を無くしましょう。
この記事では、噛み癖が治らない原因や、しつけ方法についてご紹介しました。
成犬の噛み癖は、放置していると他人を噛む事故を起こす可能性があり楽観視できない問題行動です。成犬の噛み癖を改善するには根気と時間が必要です。しっかりと家族で向き合い、改善する様にしましょう。
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