犬のマナーベルトってなに?使い方は?オスとメスで違いがある?

2022.10.28

犬のマナーベルトってなに?使い方は?オスとメスで違いがある?

犬にマーキングをさせないように最近注目を集めている「マナーベルト」をご存知ですか?マナーベルトはマーキングだけでなく、様々な目的で使用することができる便利なグッズです。マナーベルトにはどのようなメリットがあるのかをご紹介します。

【目次】
1.犬にマナーベルトが必要なのはどんなとき?
 1.マーキングをさせない
 1.移動中のマーキング予防
 1.交尾を予防する
 1.高齢犬の介護グッズとして
 1.マナーベルトはおむつではない

2.メスの場合は「サニタリーパンツ」を利用
 2.生理中の汚れを予防
 2.交尾を予防する
 2.発情期のマナー
 2.オシャレとして

3.マナーベルトの選び方
 3.愛犬に合ったサイズを選ぶ
 3.嫌がらないように慣らしてから着用する
 3.犬種によってサイズが異なる場合

4.犬のおむつかぶれを防ぐには
 4.排泄後はすぐに取り換える
 4.清潔に保つ
 4.短くカットをする
 4.おむつかぶれがみられたらすぐに病院へ

5.犬のマナーベルトについてのまとめ

【掲載:2019.11.01  更新:2022.10.28】

犬にマナーベルトが必要なのはどんなとき?

マナーベルト

犬のマナーベルトは、「犬のおむつ」の役割を果たします。犬にマナーベルトが必要になるのは様々な要因があり、犬にも飼い主さんにとっても大きなメリットが様々あります。

◆マーキングをさせない

オスの場合、トイレトレーニングが完璧であっても他の犬の匂いがしている場所では、自分の縄張りを示すための「マーキング」をします。
お散歩中にマーキングをする犬が多いですが、マーキングは特に犬を飼育していない方にとって迷惑行為でもあり、衛生面なども問題視されています。

お散歩中だけでなく、犬がいる知り合いの家やドッグカフェなどでも様々な犬の匂いがするため、オスはマーキングをしてしまいます。少量とはいえ、してはいけない場所でのマーキングを防ぐためにマナーベルトをします。

マーキングによって電柱や木が腐食し事故になる可能性も考えられるため、トラブルを防ぐためにもマナーベルトの着用はおすすめです。

◆移動中のマーキング予防

犬を連れての旅行やドッグランへ出かける際は、移動手段として車で行くことが多いかと思いますが、車内でマーキングをされてしまうと困ってしまいます。
そこで、車に乗せている間だけでもマナーベルトをしていると、マーキングをされる心配はありません。

◆交尾を予防する

犬を飼育すると去勢・避妊手術が勧められます。ただし、病気やケガなどの理由で手術ができない場合や、高齢によって手術のリスクが高いと判断された場合に、交尾を防ぐ道具としてもマナーベルトは活躍します。

ドッグランや公園などの他の犬が多くいる場所で目を離した隙に交尾をしてしまい、トラブルに発展しないようマナーベルトをしておくのも良いでしょう。

◆高齢犬の介護グッズとして

歳を重ねるにつれて、身体の衰えによってトイレに間に合わない場合や、病気で尿漏れをすることも考えられます。病気だけでなく、犬の認知症ではトイレが分からなくなってしまうことから、色々な所に粗相をしてしまうこともあります。

特に、寝たきりになってしまうと自分ではトイレに行くことが困難になってしまうため、マナーベルトをしてあげると安心です。愛犬や部屋も汚れる心配もなく、飼い主さんも介護がしやすくなります。

◆マナーベルトはおむつではない

誤解されがちになってしまいますが、マナーベルトは排泄目的であるおしっこの量を吸収すると、漏れてしまう可能性があります。
しつけ道具ではなく、あくまでマーキングによる少量のおしっこを吸収し、してはいけない場所や交尾予防・介護のためのマナーベルトです。大量のおしっこを吸収させる場合は、犬用のおむつが必要となります。

犬の介護用おむつであれば、より吸収力が高いのでおすすめです。

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メスの場合は「サニタリーパンツ」を利用

マナーベルトは腹巻きのように巻き付けて使用するオス専用のため、メスの場合は「サニタリーパンツ」を使用します。マナーパンツとも呼ばれ、パンツ型になっているためお尻を覆う形になります。

マーキング癖がないメスにとっても、サニタリーパンツは様々な目的で使用することができます。

◆生理中の汚れを予防

避妊していないメスは1歳前後から生理が始まります。メスは避妊手術をしておくと子宮蓄膿症や乳腺腫瘍などの病気を防ぐことができるため、子供を望まない場合は避妊手術が勧められます。

しかし、病気によるリスクや子供を望み避妊手術を行わないと、年に2回生理が来ます。生理中はお尻周りや周囲が汚れてしまうため、汚れを防ぐためにサニタリーパンツを使用します。

◆交尾を予防する

オスと同じく、メスも交尾予防としてサニタリーパンツが活躍します。子供を望んで避妊していない場合、パートナーではない他の犬と交尾してしまうと大きなトラブルの原因になってしまいます。

このようなトラブルを防ぐためにサニタリーパンツを使用するのもおすすめです。

◆発情期のマナー

メスはマーキングをしないと思われることが多いですが、縄張り意識が強い犬であれば、メスでもマーキングをすることがあります。また、発情期になれば多くのオスが集まり、ストレスになることも考えられます。

マナーとしてだけでなく、愛犬を守るためにもサニタリーパンツはおすすめのグッズと言えます。

◆オシャレとして

メスのサニタリーパンツには可愛いオシャレなものが多く販売されています。マナーや介護グッズとして利用されることが多いサニタリーパンツですが、ファッション感覚として利用する飼い主さんもいらっしゃいます。

フリルが付いたものや、オーバーオールタイプなど様々なサニタリーパンツが販売されているため、愛犬に合ったサニタリーパンツを選んであげることが大切です。


マナーベルトの選び方

マナーベルトは腹巻きのようにして巻き付け、マジックテープで止める使い捨てタイプが多く市販されています。ペットショップやホームセンター、ネットで購入することができ、サイズも様々あります。

◆愛犬に合ったサイズを選ぶ

愛犬の腰周りやお尻のサイズを測り、記載されている大きさに1番近いものを選びます。小型犬から大型犬までのサイズはSS~LLまでありますが、マジックテープのため、厳密なサイズでなくても使用できる場合が多いです。

サイズは緩すぎると漏れてしまい、キツすぎるとおむつかぶれの原因となりますので1番少ない量のマナーベルトで試してみるのもおすすめです。

◆嫌がらないように慣らしてから着用する

初めてマナーベルトやおむつを着用すると、嫌がって脱いでしまうことも多くあります。気になって噛む内に間違って飲み込むと危険なため、最初は短時間で少しずつ慣らしてから着用すると犬も安心します。

◆犬種によってサイズが異なる場合

犬種によって体格が異なるため、記載されているサイズに合わない場合もあります。小型犬であってもフレンチブルドッグなどは腰周りが太いため、SSではキツく感じることもあり、大型犬のボルゾイは腰周りが細いため、LLでは緩くなる可能性も考えられます。

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犬のおむつかぶれを防ぐには

マナーベルトやおむつをしていると、心配になるのが「おむつかぶれ」です。人間の赤ちゃんに多くみられる症状ですが、犬も正しいマナーベルトやおむつの使い方をしなければ「おむつかぶれ」になる可能性は十分に考えられます。

◆排泄後はすぐに取り換える

マーキングとはいえ、少量のおしっこも皮膚に付いたまま長く放置してしまうと、炎症を起こしてしまう可能性があります。
特にメスはサニタリーパンツのため、おしっこだけでなくうんちをしてしまうとすぐに取り換えてあげる必要があります。

◆清潔に保つ

マナーベルトやおむつを取り換える際には必ず綺麗に拭いてあげましょう。炎症を起こすと皮膚病になる可能性が高くなります。
ペット用のウェットシートやシャンプーシートなどを利用するのもおすすめです。

また、夏季は暑くなり蒸れると余計に炎症が起きやすくなるため、定期的に取り換えて通気性を良くしてあげる必要があります。

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◆短くカットをする

短毛種やサマーカットをしている犬には問題ありませんが、長毛の犬の場合は毛によって汚れやすくなります。お腹からお尻にかけて少し短めにカットしてもらうことで汚れにくくなり、マナーベルトやおむつを着用しやすくなります。
特にメスはサニタリーパンツで汚れてしまうと、シャンプーをしなければならない状態になることも少なくありません。汚れる範囲を少しでも減らすため、お腹周りやお尻はトリミングサロンで整えてもらうのがおすすめです。

◆おむつかぶれがみられたらすぐに病院へ

おむつかぶれは皮膚の赤みだけでなく、症状が進行するとただれや脱毛などもみられることもあります。痒みや痛みから犬が気にしてしまい、舐めてしまうため余計に酷くなることもあります。

おむつかぶれは予防も大切ですが、症状があらわれた場合病院で受診し、薬を処方してもらう必要があります。痒み止めや抗炎症剤など、症状によって飲み薬や軟膏が処方されます。

介護や病気で長期間マナーベルトやおむつを使用していると、途中で薬を辞めてしまうと再発する可能性もあるため、しっかりと治療しましょう。


犬のマナーベルトについてのまとめ

マナーベルトはあまり聞き慣れませんが、犬を飼育している方には是非知ってもらいたいグッズの1つです。

マーキングは犬にとって生理現象のため、トイレトレーニングをしていても防ぐことは難しく、縄張り意識が強いと何回もマーキングをしてしまいます。特に愛犬と外出が多いと困ってしまうことも少なくありません。
また、マーキングは他人にとっては迷惑行為となり、衛生面なども大きな問題になります。

マナーベルトはトラブルを防ぐためだけでなく、病気でトイレが近い犬や介護グッズとしても非常に便利です。正しい使い方で清潔にしていれば、愛犬にとってもメリットがあり、様々な場所で活躍します。

マーキングや介護などで困っている飼い主さんは、愛犬に快適でストレスがないようマナーベルトの利用を考えてみてはいかがでしょうか。



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なつ

なつ

認定動物看護師、トリマー、愛玩動物飼養管理士の資格あり。動物看護師として動物病院で勤務していた知識を活かし、様々な情報をお伝えしたいと思っております。


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