犬の低温やけどに注意!どんな症状が現れる?
ごく一般的に皆さんの知っているやけどの症状といえば、皮膚が赤くなるところから、酷いものでは皮膚がただれたりしますね。実際にやけどを経験したことのある人もいるかもしれません。
では、低温やけどとはどのようなものなのでしょうか?
◆低温やけどとは?
低温やけどと通常のやけどの違いは、その原因にあります。
そもそもやけどとは、熱源(気体・液体・固体)に触れることによって生じる皮膚の熱損傷です。
一方、低温やけども通常のやけどと同様、熱源に触れることによって生じる皮膚の熱損傷のことを指します。
しかし、低温やけどは通常やけどが起ることのない温度の熱源に、長時間触れていることによるやけどを指します。一見やけどが起こるような熱源で発生するものではありません。その点が、通常のやけどと大きく異なる点になります。
一見やけどが起こるような熱源ではないということは、正確な数字でいうと40度~50度程度の熱源になります。40度というと、みなさんが毎日入っているお風呂と同じような温度ですね。これでやけどになるなんて想像できませんね。
◆低温やけどの症状レベル
やけどは、その症状の状態により4段階に分類されます。低温やけどはその中でも酷いとされる深達性Ⅱ度や、もっとも酷い症状を表すⅢ度になりやすいです。
では、その症状を程度別に解説していきましょう。
– ①Ⅰ度熱傷 –
表皮内の熱傷であり、簡単にいうと皮膚の表面のみのやけどのことを言います。日焼けにより皮膚が赤くないヒリヒリとするのも、このやけどの状態の一種です。
Ⅰ度熱傷は、症状としてはやけどと自覚する症状は少なく、皮膚が赤くなる、ヒリヒリとした痛みがあるなどがあげられます。やけど自体も、跡も残らず数日で完治します。
– ②浅達性Ⅱ度熱傷 –
Ⅱ度熱傷には、比較的浅い浅達性と重症である深達性の2種類があります。浅達性と深達性は判断が難しく、混在する場合もあります。
浅達性のやけどは、真皮浅層のやけどです。症状は水泡ができ、その水泡が破けたり、酷い痛みを伴います。
跡が残ることはほとんどありませんが、完治には1〜2週間ほどの期間が掛かります。但し、色素沈着が生じる可能性はありますので、適切な対処が必要になります。
– ③深達性Ⅱ度熱傷 –
真皮深層のやけどで、浅達性のやけどよりも重症度が高くなります。皮膚が壊死したり、神経にも障害が出ることがあり、適切に処置を行わないと感染症の恐れもあります。
3〜4週間で完治しますが、跡が残る可能性が高いです。
– ④Ⅲ度熱傷 –
皮下組織までやけどが及び、神経や血管にまで損傷する重度のやけどです。神経が損傷してしまっているため、痛覚による痛みはほとんどありません。
病院で適切な治療を行なったとしても、完治には1ヶ月以上かかります。
また、手術が必要と寝る場合もあり、皮膚の移植が必要になります。そうなると跡が残ることは免れず、ひきつれが残ります。
低温やけどの問題点
低温やけどは、通常のやけどと異なり、日常的に使用している暖房器具に長時間触れることによって起こるため、やけどを自覚するまでに時間が掛かります。急に痛みが出るわけではないので、痛みでやけどに気がついた時にはⅡ度以上の重度のやけどになっていることが多いです。
そのため、低温やけどは通常のやけどに比べて重症になる可能性が高く、注意が必要になります。
重症になるまで気がつかないという点もありますが、その他にやけどの程度は熱源の熱さと熱源に触れ合っている時間の掛け算と考えて良いです。
温度の高い熱源であれば、意識的に熱源を避けようとします。しかしながら、低温の熱源であった場合は、意識がないため総合的に高い熱源によるやけどと比較して、重症になる傾向があります。
低温やけどになりやすい状況は?
寒い時期に日常的に使用する暖房器具による低温やけどは、非常に多いです。
犬の低温やけどは特に首やお腹、太ももなどの皮膚の薄い部分に生じやすく、特に、睡眠の間に低温やけどが生じることが多いでしょう。
また、幼犬や老犬は成犬に比べ皮膚が薄く、自力で移動する力も弱いので、注意が必要です。
その中でも、特に犬の低温やけどの原因で多いものを紹介致します。
◆お湯
湯たんぽなどのお湯を使用した暖房器具です。電気を使用せず火事などの心配がない為、犬が家でお留守番する際の暖房器具として使用する人が多いのではないでしょうか。
ほのかに暖かくやけどの心配は全くないように思えますが、低温やけどの症例としてとても多いのです。
特に湯たんぽは幹部に直接触れる為、皮膚の薄い部分に長時間触れていた場合は、重症化に発展しやすいです。
火事の心配はありませんが、老犬の為の暖房器具として与える場合は、注意が必要です。
◆電気
電気カーペットや電子ストーブなどの、火を使わず電気を用いた暖房器具です。こちらもお湯を用いた暖房器具と同様に、犬のお留守番の際に与える方は多いでしょう。
電気カーペットは温度が一定に保たれる為、気がついた時には重症化したやけどに発展していることが多いです。
上記のように、留守番の際に犬に与えた暖房器具による低温やけどはとても多いです。
特に老犬は皮膚の感覚が鈍い為、犬自身もやけどに気がつかず寝てしまっており、飼い主が帰ってきた頃には大きなやけどになっていることがあります。
留守番の際は、時間に限りのある暖房装置や、エアコンなどを使うことをお勧めします。
犬が低温やけどになってしまった時の対処法は?
では、犬が低温やけどになってしまった場合、とのように対処したら良いのでしょうか。
もちろん病院になるべく早く連れて行くのが一番ですが、病院が空いていない時間や病院に連れて行くまでの応急処置としてできることをご紹介します。
◆家でできる犬の低温やけどの応急処置
まず愛犬に低温やけどの症状が確認できた場合は、その患部をすぐに冷やすことが重要です。
場合によっては布が患部に布が張り付いてしまっていることもあると思います。そのような時は、布を無理やり剥がさずに、そのまま流水で冷やすことが重要です。
冷凍庫に保冷剤や氷がある場合は、保冷剤や氷を用いて冷やすことも得策です。冷却時間は大体10〜20分ほどで、冷却している間は犬の体調に変化がないかチェックしながら行いましょう。
冷却が完了したら、薬などをむやみに塗らずに、清潔に保てるようにガーゼなどで幹部を覆って、速やかに病院に連れて行きましょう。
◆低温やけどの完治までの期間
低温やけどの症状レベルで紹介したように、症状のレベルにより完治までの時間は大きく異なります。
犬の低温やけどの場合は重症化することが多い為、病院に連れて行った場合でも、完治までには3週間以上かかることを覚悟して起きましょう。
また、老犬の場合は回復力が成犬と比較して低い為、目安の期間よりも時間がかかることが考えられます。
犬用おすすめあったかグッズ
低温やけどには注意が必要ですが、留守番時の愛犬の防寒対策はとても重要です。犬用のおすすめあったかグッズをご紹介します。
◆犬用の洋服やベッド
まずおすすめなのが、犬用の洋服などの熱を使用しない暖房グッズです。寒さ対策の為のドーム型のベッドも有効です。この場合、低温やけどの心配が必要なくて良いですね。
◆タイマー付きの暖房器具
長時間つけっぱなしにすると、低温やけどの危険性が高くなります。その場合は、一番温度の下がる時間に3時間程度のタイマー設定をして使用することがおすすめです。
上記の洋服やベッドと併用すれば、3時間のタイマーでも十分や防寒になるかと思います。
まとめ
犬の低温やけどは留守番の際に起こりやすく、特に老犬や幼犬など自力で動く力が低い犬は注意が必要です。長時間家を開ける際は、可能であればエアコンを使用することがおすすめです。
しかし、家がとても大きい方などはエアコンをつけたまま外出するのは憚れるかたもいると思います。難しい際は、タイマー付き暖房器具や、熱をしようしない暖房器具を上手に使用して寒い冬を乗り切りましょう。
また、万が一、犬が低温やけどになってしまった場合は、家にある薬をしようしたり自分で対処するのではなく、必ず病院に連れて行きましょう。
病院に連れて行くまでに時間が空いてしまう場合は、なるべく患部を冷やして清潔に保つようにしてください。初期の低温やけどの場合、犬が患部を舐めたり噛んだりしたがりますが、なるべくさせないように清潔なガーゼなどを貼っておくと良いです。
予防と対策の知識をしっかりと付け、適切に対処して行きましょう。
– おすすめ記事 –
・老犬の介護はいつから必要になるの?老犬介護に便利なグッズを紹介! |
・遊んで食べて笑って最高の1日に!駒沢公園わんわんカーニバル2018大盛況で幕を閉じました♪ |
・【看板犬】ペットの専門店コジマ三軒茶屋店マスコット犬ルテくんをご紹介 |
・【犬と猫の違いにあるある】3話 『犬の大天使ぶりと猫の非情っぷり』編 |