星座ってなに?
私たちは星空を見上げ、良く「星座」という言葉を使いますが、そもそも星座とは一体どんなものなのでしょうか。まずは星座についてご説明します。
星座とは、夜空で輝いている恒星の中でも特に輝いている恒星同士を、ギリシャ神話の中に出てくる神々や動物、器具に見立てて結びつけ、天球上で分けているものの事を言います。
古代ギリシャでは星座は48星座でしたが、現在は全天で88星座が設定されています。そして、88星座ごとにギリシャ神話にちなんだ名前が名付けられているんですよ。
星座は、ドイツ語では「Konstellation」、英語とフランス語では「Constellation」と言い、ラテン語で「星を散りばめたもの」という意味を持ち合わせています。漢字を使用した「星座」という言葉自体は、中国から来たものです。
88星座全部に名前があり神話などが存在するのですが、その中でも「冬の星座」に焦点を当て、動物の名前が名付けられている冬の星座達をいくつかご紹介しますね!
冬の星座は動物がいっぱい!
さて、先ほどまでの説明で「星座」がどんなものか分かっていただけたかと思います。
それでは早速、今の季節にピッタリ!な冬の夜空で輝く星座の中でも、動物がモチーフとなっている星座達をご紹介していきたいと思います。あなたの知っている星座が出てくるかもしれません!
◆冬の動物の星座①こいぬ座
– <名前の由来> –
おおいぬ座の直前に空に上がってくることから、以前は「プロキオン」と呼ばれていました。プロキオンとは、ギリシャ語で「犬の前」を指す言葉です。
その頃は、こいぬ座は星座として認識されていませんでした。しかし、勇者オリオンは狩人であったため、2番目の猟犬として古代のローマ時代に認識される事になりました。その頃からこいぬ座は星座の仲間入りをしたのです。
– <元となった神話> –
こいぬ座は、神話内のイーカリオスという男性に飼われていた「マイラ」と呼ばれていた飼い犬だとされています。
非業の死を遂げたイーカリオス、イーカリオスの娘、飼い犬のマイラを悼しんだゼウスがそれぞれ天にあげてくれた事で、星座になったとされています。
ちなみにイーカリオスはうしかい座、娘はおとめ座になったとされています。
– <見える方角> –
概略位置 赤経7h30m 赤緯+6°
こいぬ座は、冬の南空に空高く輝く星座です。おおいぬ座が夜空に昇ってくる直前に現れます。
星座内の一等星のプロキオンがとても明るく夜空に輝くので、こちらのプロキオンを目印に探すと見つけやすいですよ。
実は、プロキオンは「冬の大三角」を形作る恒星の一つです。冬の大三角という言葉は皆さん知っていますよね!
冬の大三角は冬の夜空で一際輝く、オリオン座のベテルギウス、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンで出来た、冬の間に夜空に見える大きな三角の事です。
こいぬ座自体は小さめな星座なので、探す際は冬の大三角を見つけることですぐに見つかると思いますよ!
◆冬の動物の星座②おおいぬ座
– <名前の由来> –
おおいぬ座は、ギリシャ神話に登場するオリオンが飼っている猟犬と言われています。紀元前300年頃はおおいぬ座ではなく「いぬ座」と呼ばれていました。
おおいぬ座はオリオン座の隣に位置するので、こいぬ座と共にオリオンがいつも連れている猟犬だったと言われているのです。
しかし、おおいぬ座のモデルとなった神話内の犬は他にもいると言われているので、様々な言い伝えがあるようです。
– <元となった神話> –
先ほども簡単に説明しましたが、おおいぬ座の元となった神話はいくつかあります。
1つ目はこいぬ座のマイラと共にオリオンの猟犬であった飼い犬だというお話です。2つ目はアクタイオンという青年を襲った犬だという神話です。
他にもイカリオスが飼っていたメーラという犬だったというお話や、ケファリスの猟犬レラプスであるというお話もあります。
– <見える方角> –
概略位置 赤経 6h40m 赤緯 -24°
冬の南の夜空で一番輝く星、それがおおいぬ座を構成する恒星「シリウス」です。シリウスは全天で一番明るく輝いている星なので、おおいぬ座の目印になります。
こちらのシリウスは、先ほどのこいぬ座のプロキオンと同様に冬の大三角の一つです。おおいぬ座が見つけにくい時は冬の大三角を見つけ、その中でも一番青白く輝いている星、シリウスを目印に探してみて下さいね!
◆冬の動物の星座③やまねこ座
– <名前の由来> –
ヨハネス・ヘヴェリウスという天文学者によって、1687年に設定されました。全体的に山猫の姿を直線的並んだ恒星達で現しています。
– <元となった神話> –
やまねこ座は、他の星座と違い新しい時代に設定された星座のため、元となった神話はありません。
– <見える方角> –
概略位置 赤経 7h50m 赤緯 +45°
おおぐま座とふたご座の間にあるのが、この「やまねこ座」です。一年中見えてはいますが、やまねこ座は構成する星全てが3等星以下ばかりなので、見つけるのはかなり根気がいります。
設定者のヨハネス・ヘヴェリウスですら、「この星座を描き出すには山猫のような鋭い目が必要だ」と言っているほど、描き出し辛い星座なのです。見付けたい場合には、星座盤が必須ですね!
◆冬の動物の星座④うさぎ座
–<名前の由来> –
うさぎ座の中にあるR星は、変光星で「クリムゾン・スター」と呼ばれており、深い紅色が特徴です。この星はイギリスのハインドによって1845年に発見されました。
この変光星は「ミラ型変光星」であり、エリダヌス座との境界線近くに存在しています。
うさぎ座はオリオン座の足元に存在しているため、オリオンの飼っている犬、おおいぬ座によって追いかけられているウサギであると言われています。
– <元となった神話> –
ギリシャ神話の中にうさぎ座の元となった神話は出てきません。しかし、先ほども説明した通り、オリオンが連れている犬(おおいぬ座)によって追いかけられているウサギに見立てていると言われています。
その他にも、神がオリオンに優しい心を持つように与えたウサギという説もあります。気性の荒いオリオンはこのウサギを踏みつぶしてしまい、憐れに思った神が夜空に上げたのではないかと言われているそうです。
– <見える方角> –
概略位置 赤経 5h25m 赤緯-20°
うさぎ座は小さな冬の星座ですが、比較的見付けやすい星座です。と言うのも、うさぎ座はオリオン座の南に位置しているため、比較的見付けやすい星座なのです。
オリオン座と言えば冬の星座の中でも代表的な星座なので有名ですよね!
うさぎ座はウサギが右を向いている姿を星座として設定してあるので、体は左側ということになります。うさぎ座を探す際はオリオン座を参考に、南を探してみて下さいね!
◆冬の動物の星座⑤はと座
– <名前の由来> –
はと座はバイエルにより1603年に星座として設定されました。その後、ロワイエによって1679年に広く知られるようになりました。
はと座の東側には「アルゴ船座」という大きな船の形をした星座があるのですが、この星座を「ノアの箱舟」に見立てた事により、その隣にノアの箱舟の物語に出てくる鳩をモデルにした星座が造られたと言われています。
バイエル以前の1592年からペトルス・フランシウスにより「ノアのはと座」と名付けられていたという言い伝えもあります。
– <元となった神話> –
はと座は星座の中でも新しく造られた星座のため、元となった神話という物はありません。しかし、アルゴ船座のモデルとなった「ノアの箱舟」という物語に鳩が出てくるため、その鳩がモデルであると言われています。
ノアの箱舟に出てくる鳩とは、神の怒りによって洪水が起きた後に水が引いた事を知らせ、オリーブの枝を咥えて陸地がある事も知らせたとされている鳩の事です。
– <見える方角> –
赤経 5h40m 赤緯 -34°
はと座は、冬の南の空低くに輝く星座です。地平線近くの低い位置に昇るため、はと座を見付けたい場合には高い建物や木など、視界を遮る物がない開けた場所で探す必要があります。
はと座を探す目印としては、おおいぬ座の南西を探すか、オリオン座、うさぎ座の南側を探すと見つかりますよ。
しかし、はと座は3等星が一つだけという暗い星座なので、星座盤を持って行くと良いでしょう。
まとめ
冬の夜空に広がる動物の星座達をご紹介しましたが、いかがでしたか。
全ての星座には平等に神話があるのかと思っていましたが、やまねこ座のように比較的新しく設定された星座の中には元となった神話が特にない場合もありましたね。
このように星座の名前や見える位置だけでなく、星座に隠された神話なども調べてみると、より一層楽しく夜空を見る事が出来ますよ!
冬は空気が澄んでいるので星を観察するにはベストな時期です。今回ご紹介した動物の星座だけでなく、冬に輝く動物の星座達はまだあります。
この機会にぜひ、冬の夜空に輝く動物の星座を探しに行ってみてはいかがでしょうか!
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