犬のハウスのしつけの重要性。愛犬がハウスを覚えていないと困るのは飼い主?犬?

2021.03.11

犬のハウスのしつけの重要性。愛犬がハウスを覚えていないと困るのは飼い主?犬?

私たち人間にとって「家」は大変重要なものです。家がないと安心して暮らすことはできません。同じように、犬にとっても「家=ハウス」はとても重要なものなのです。最近では、災害時にケージやクレートに入らなかったために、迷い犬になってしまうというケースも見られました。 ここでは、ハウスの大切さを理解するとともに、犬にハウスを覚えてもらうための方法についてご紹介します。

【掲載:2019.06.22  更新:2021.03.11】

犬にハウスのしつけを覚えさせるべき理由は?

犬 ハウス

◆犬にとって落ち着く場所を作ってあげるため

犬がハウスを覚えていないと、どういう面で困るのでしょう?

ウチの子は大人しくケージの中に入ってくれないし、それに無理やりケージに入れずに、自由に伸び伸び暮らしてほしい、家の中を自由に動き回らせてあげたい、そう考えている飼い主さんも多いと思います。

しかし、犬は元々自分の居場所として狭い空間を好む生き物です。自分だけの居場所があると落ち着くのです。これは私たち人間も同じですね。
ご主人だけの書斎、奥さんだけの趣味の場、子供部屋など、人間にも自分だけの居心地の良い「場所」があるというのは嬉しいものです。犬の場合、それがハウスになります。

飼い主さんの声が聞こえ、気配が伺える場所にいながら、自分の落ち着ける場所、そんなハウスが犬にも必要なのです。

一般的に言われる「ハウス」には、犬小屋も含まれますが、今回は、「ケージ」や「クレート」について考えてみたいと思います。リビングの隅などに置かれたケージや、お出かけの際に犬を入れておくクレートも含めてハウスという言い方をしていきます。

◆外出時にもハウスに入ることを覚えさせよう

家に来客があった時でも、犬がケージに入っていると安心して来客を迎えることができます。また、よその家にお出かけする場合や病院などの公共の場に連れていく場合にも、クレートに入ってくれていると安心です。

クレートに入ることを嫌がるようでは、飼い主さんも安心して連れて外出することができません。飼い主さん自身のためだけでなく、周りにいる人・犬に対するエチケット・マナーとしても、外へ出かけた時こそ、飼い主さんの腕の見せ所ともいえます。

ちゃんと大人しくクレートに入っているワンちゃんと、人や他の犬に向かって吠えているワンちゃんとでは、飼い主さんのしつけが行き届いたワンちゃんはどちらでしょう?人から見ても「お利口さんですね!」と言われる、しつけの行き届いたワンちゃんを目指したいですよね!

お散歩以外で外出するときに、クレートに入れて連れて出かけられる、そんな外出時こそ、ハウスの大切さを実感できるのではないでしょうか。

◆災害時にも役に立つハウスのしつけ

ここ最近の日本では、大きな災害が頻発しています。地震・台風・豪雨・豪雪など、自然の猛威の前に人間の無力さを感じる出来事が立て続けに起こっています。

災害時に、被災地で迷子になったり、置き去りにされたりしているペットを見る度に、心が痛みますね。人間でさえ怖い思いをしている、こうした災害時に、大事なペットを守る手段はあるのでしょうか?どうしたら安全な状態でペットと一緒に避難することができるのでしょうか?

実は、こういう時こそハウスの出番なのです。

災害時にリードをつないだ状態で、そのまま外を歩かせられますか?靴を履いている人間でさえケガをしてしまいそうな状態で、裸足の犬をそのまま歩かせることはとても危険です。犬自身も怖がってしまい歩けなくなってしまうでしょう。

そんな時に、クレートに入れて犬を連れだすことができたのなら、人も犬も安心して避難することができるはずです。

このように、家にいる時だけじゃなくて、外出時、そして何より災害時に、犬がハウスに入ることを覚えているということは大変重要な事です。これは、人間だけではなく、犬にとっても安心した状態で外に出ることができる理由のひとつなのです。

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ハウスのしつけの教え方は?

◆犬にとって安心できる場所を確保してあげる

まず、家の中で犬にとって安心できる場所を確保することが一番重要です。家族の声が聞こえて、顔が見られる場所、できれば家族が集うリビングの一角などにハウスの場所を確保できるといいですね。

ハウスは、ひとりぼっちにさせることなく、安心できる場所を選ぶことが大切です。

ケージの中には、いつでも飲めるように水を用意しておきます。また、ひとりでも遊べるようお気に入りのおもちゃを入れておくのも忘れないようにしましょう。

季節に応じて、敷物なども工夫しておくことも忘れずに。今はお店で季節に応じたマットなどがたくさん売られていますので、愛犬のお気に入りを見つけてあげるようにしましょう。

人間と同じで、犬にとっての快適な環境を用意してあげるのも飼い主さんの大事な役目なのです。

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◆ハウスのしつけを覚えさせよう

ハウスの準備ができたら、実際に「ハウス」を覚える練習をしてみましょう。

まず、お気に入りのおやつをケージの入り口に近づけて、犬を入り口の前まで誘導します。
ちゃんと入り口まで来たら、入る前に「ハウス」と命令(指示語)を出します。

無事おウチの中まで誘導できたら、おやつをあげます。これを繰り返して、「ハウス」の命令で中に入ったらおやつがもらえるよ、いいことあるよ、というのを犬に教えます。

この時、指示語は家族の中で統一しておきます。他のしつけの際も同じことが言えますが、指示の言葉が何種類もあると犬が混乱してしまいますので、指示の言葉(コマンド)は家族間で統一するよう、日頃からよく相談しておくことも大切です。

これに慣れてきたら、次はおやつがなくても「ハウス」の命令だけでおウチに入るようにしていきます。

最初はおやつでケージの近くまで誘導していきますが、おやつを隠して命令だけで中に入ることができたら、ご褒美としておウチの中でおやつをあげます。徐々に、おやつの回数を減らして、最終的には命令だけでおウチの中まで入ることができるよう、何度も繰り返して覚えさせます。

この時、飼い主さんも犬も楽しんで練習していきましょう。ハウスの練習が苦痛なものにならないように、決して焦らず、根気よく楽しく練習を続けていくことが大切です。

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ハウスのしつけができるようになったら「クレートトレーニング」も教えよう

◆クレートトレーニングとは?

家の中にあるケージと違って、クレートは主に外出時に使用します。キャリーケースとも呼ばれ、持ち手もついているので持ち運びに便利です。

飼い主の命令・指示でクレートに入る、入ったまま中で大人しくできる、そのまま外出できるように練習していくことをクレートトレーニングといいます。

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◆クレートトレーニングの教え方

ハウスを覚えさせるのと同じように、まずは、おやつなどを使ってクレートの近くに来るように誘導します。クレートの中におやつを置いて、犬が中に入るタイミングで「ハウス」と命令を出します。クレートの中に入ると、いいこと(おやつ)があるよ、ということを覚えさせます。

指示と同時に中に入れるようになったら、次は、中で「待つ」ことを覚えさせます。犬によっては、クレートの中を嫌がって、すぐに外に出てしまう子もいるのですが、そんな時は無理に中に閉じ込めようとせず、いったん外に出してあげます。クレートの中が嫌な場所だと思わせないことが大切です。

いったん嫌がるようでも諦めずに、クレートの中にいる時間を1秒、3秒、5秒、と少しずつ増やしていけるよう繰り返し練習をしていきます。

中で待てる時間が増えてきたら、扉を閉めた状態でも、落ち着いていられるよう練習をしていきます。クレートの中にお気に入りのおもちゃを入れてあげたり、中に敷くマットもお気に入りのものを置いたりしてあげると安心するかもしれません。

扉を閉めると不安になる犬もいるでしょうが、これも少しずつ時間を増やしていき、犬にとってクレートの中が不安な場所になってしまわないよう、楽しく少しずつ練習をしていきましょう。

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◆クレートトレーニング上級編!

飼い主さんの指示でクレートに入る、クレートの中で大人しく待つことができる、扉を閉めても大丈夫、ここまでのことができるようになったら、次は少しレベルアップして、クレートに布をかけてみましょう。クレートの中が暗くなります。

暗い状態を怖がる犬もいると思いますが、災害時には暗い中で過ごさないといけない場合もあります。この状態でも大人しくしていられるように、これも少しずつ慣らしていくようにしていきます。

ここまでできるようになったら、あと一歩!クレートに入れた状態で一緒に外に出てみましょう。その際、急に持ち上げると、中にいる犬がビックリして暴れてしまう可能性がありますので、ゆっくりと声をかけながら、あくまでも犬の様子を観察しながら外に出るようにします。

「クレートに入ったらお出かけできる!」と思って、喜んでクレートに入ってくれるようになるのが理想的ですね!

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まとめ

犬にとってハウスは落ち着ける場所であることがおわかりいただけたでしょうか?

家の中だけじゃなくて、外出時、災害時にもクレートに入れて一緒に外出できることはとても重要なことです。これは、飼い主さんだけじゃなくて、周りにいる人にとっても大切なことで、犬がクレートの中に入っていると、安心できますね。

一歩外に出たら、すべての人が犬好きだとは限りません。飼い主としてのマナーを問われることにもなりますので、家の中はもちろん、家の外でも「できる犬」と「できる飼い主」でいられるようしっかりとトレーニングしましょう。

ライター/MIN



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