犬がトイレで足上げするのをやめさせたい!しつけ方と困ったときの対処法

2020.12.12

犬がトイレで足上げするのをやめさせたい!しつけ方と困ったときの対処法

オス犬が足を上げてオシッコをする光景は、犬を飼っていない人でもよく目にするものです。オス犬が足を上げてオシッコをするのには、縄張りを主張する「マーキング」の意味があり、本能的な行動。しかし、室内で壁に向かってオシッコをされると困ってしまうのも飼い主さんの本音です。犬がトイレで足上げするのをやめさせることはできるのでしょうか?しつけ方や対策をご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

【目次】
1.オス犬が足を上げておしっこをするのはなぜ?
 1-1.犬のオシッコには情報が詰まっている
 1-2.排尿とマーキング
 1-3.オスの足上げはいつから?
 1-4.発情期
 1-5.主従関係が逆転している

2.メスも足をあげておしっこをすることがある?
 2-1.環境の変化から
 2-2.気が強い
 2-3.綺麗好き
 2-4.どうしても自分の情報を残したい

3.足上げおしっこをやめさせることはできる?
 3-1.他の子の足上げオシッコを見せない
 3-2.足上げをする前に去勢手術を受ける
 3-3.犬との関係性を見直す

4.足上げをさせないトイレトレーニング
 4-1.基本のトイレトレーニングを完璧に
 4-2.足を上げかけたら下ろす
 4-3.失敗しても叱らない

5.室内で足を上げてトイレをするときの対処法
 5.壁にトイレシーツを貼る
 5.トイレトレーにポールをつける
 5.L字型のトイレトレーを使う

6.まとめ

オス犬が足を上げておしっこをするのはなぜ?

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◆犬のオシッコには情報が詰まっている

犬のオシッコには、オシッコをした犬の情報が詰まっています。
犬は、他の子のオシッコの匂いを嗅ぐことで、その子の性別、およその年齢や健康状態、発情しているかどうかなど、たくさんの情報を得ているのです。
その場所を通った他の子の情報を集めるため、散歩中にあちこちニオイを嗅いで回り、その上に自分のオシッコをすることで、自分の情報を残していきます。

◆排尿とマーキング

オス犬のオシッコには、溜まったオシッコを出す排尿と、自分のニオイをつけるマーキングがあります。
排出されるオシッコは全く同じものですが、排尿とマーキングは意味が異なります。
オス犬は、オシッコを一度に出し切ることをせずに、何回にも分けて、あちこちに自分のニオイをつけて回るマーキングを行います。
従来、マーキングはテリトリーを主張するための行為とされてきましたが、近年は、他の犬との情報交換をする意味もあると考えられるようになっています。

◆オスの足上げはいつから?

オス犬は、個体差がありますが、生後6ヶ月~10ヶ月ごろの間に、足を上げてオシッコをするようになります。
この時期に、生殖器官が整ってきて成犬としての成長が活発になるためです。
オス犬が足を上げてオシッコをするのは、性ホルモンの影響を受けています。

◆発情期

近所に住んでいるメス犬が発情期を迎えると、オスの発情が誘発されます。
発情したオスは、メスに対する自己アピールとしてのマーキングを行うようになり、室内でも足上げオシッコをしてしまいます。

◆主従関係が逆転している

飼い主さんを群れのリーダーとして、家の中を飼い主さんのテリトリーであると認識していれば、室内でマーキングをすることはありません。
何らかの理由があって、犬が自分の方が飼い主さんより優位にあると認識するようになると、家の中でもテリトリーを主張し始めます。
このマーキングは、原因を取り除くことで改善できるかもしれません。
原因は、犬を甘やかしすぎて要求に何でも応えていたり、散歩では行きたい方に行かせていたり、人間より先に食事をさせていたりすることで、主従関係があいまいになっていることです。


メスも足をあげておしっこをすることがある?

メスは、基本的には、腰を落としてオシッコをしますが、中には足を上げてオシッコをする子もいます。

◆環境の変化から

新しい犬を迎えて頭数が増えたり、引っ越しや居住スペースの変更などで環境が変わったりした場合に、メスが足上げをすることがあります。
これは、オスと同様、自分のニオイをつけてアピールをしていると考えられます。

◆気が強い

「オスにも負けない!」というタイプの気が強いメスは、足を上げてオシッコをすることがあります。
テリトリーを主張するためなので、常に足を上げてオシッコをします。

◆綺麗好き

非常に綺麗好きで、オシッコが体につくのを嫌って、足を上げてする子もいます。
ダックスフントなど足の短い犬種では、腰を落とすと胴体が地面に近くなり、オシッコで胴体が汚れやすいです。
このため、足上げをしますが、オスのように高く足を上げることはなく、数センチ上げる程度です。

◆どうしても自分の情報を残したい

草が茂ったような場所にマーキングをしようとして、わずかに足を上げる場合もあります。
草が邪魔で腰を落とせないけれど、どうしてもその場所にマーキングをしたい場合です。
この場合のマーキングは、テリトリーの主張というより、情報交換の意味合いが強いでしょう。
ちなみに我が家のメス犬は、通常足上げをしませんが、草の生えたところでは足をわずかに上げています。


足上げおしっこをやめさせることはできる?

一旦、足上げオシッコをするようになった子にやめさせることは難しいです。

◆他の子の足上げオシッコを見せない

犬は、散歩中に他の犬のことをよく観察しています。
ある程度の月齢になり散歩を始めるころ、他の犬が足を上げてオシッコをするのを見ると、マネをして足上げをするようになると言われています。
逆に言えば、他の子が足上げでオシッコをしているところを見せないようにすれば、足を上げてオシッコをすることを「学習」しないと考えられます。

◆足上げをする前に去勢手術を受ける

去勢手術を受けたオス犬は、メスへの自己アピールや、他のオスに対するテリトリーの主張をする必要がなくなります。
このため、去勢手術をするとマーキングをしなくなる、または頻度が1/3程度に減るとされています。
一旦性成熟を迎えて、足上げスタイルでオシッコをするようになった子でも、去勢後、やらなくなったという飼い主さんもいます。
将来の繁殖を考えていない子犬であれば、生後半年ごろには去勢手術を受けるとよいでしょう。

◆犬との関係性を見直す

室内で足上げオシッコをする原因が主従関係の逆転にある場合には、犬との関係性を見直す必要があります。
人より先に食事をさせない、散歩の時には行先を飼い主さんがコントロールするなどして、飼い主さんがリーダーであるという本来の関係性を構築しましょう。
また、不安やストレスが原因の場合には、お留守番の時間を短くしたり、帰宅したらたっぷりとコミュニケーションを取ったりして、原因を取り除いてあげましょう。


足上げをさせないトイレトレーニング

完全に足上げを防ぐことは難しいことではありますが、足上げオシッコを始める時期に、足を上げないようにトイレトレーニングすると効果があります。

◆基本のトイレトレーニングを完璧に

まず、排泄をトイレトレーの上でできるようにトレーニングをしておきます。
ペットシーツの上で排泄することを覚えさせることと、足上げオシッコをしないようにさせることを並行してトレーニングすると、犬も混乱してしまいます。
確実にトイレトレーの上で排泄できるようになったら、次のステップである「足上げをやめさせる」段階に進みましょう。

◆足を上げかけたら下ろす

足腰が未熟な子犬の頃には、腰を落としてオシッコをします。
生殖器官が発達してくるころに、足を上げてオシッコをしようとし始めるので、この頃に足を上げさせないようにトレーニングを行います。
足を上げかけたら、そのタイミングで、上げかけた足をやさしくタッチして、下ろしてあげましょう。
そのまま腰を落としてオシッコができたら、おやつをあげるなどして、大げさなくらいに褒めます。
しっかり褒められることで、犬にとって「腰を落としてオシッコをする=いいこと」になります。
繰り返すことで、この認識が定着していくので、根気よく続けましょう。

◆失敗しても叱らない

完全に足上げをしなくなるまでには、何度も失敗をするでしょう。
その時には、絶対に叱らないでください。
トイレをすること自体を「悪いこと」と認識して、排泄を我慢したり、飼い主さんに隠れて粗相をしたりするようになる可能性があります。
失敗したときには、叱ったり騒いだりせず、静かに後片付けをしましょう。
掃除後は、しっかりと消臭を行います。
臭いが残っていると、同じ場所で繰り返してしまうようになります。


室内で足を上げてトイレをするときの対処法

◆壁にトイレシーツを貼る

足上げでトイレをすることで汚れてしまう壁に、トイレシーツを貼っておきます。
室内でも足上げでオシッコをする子は、家の中の何カ所にもマーキングをするので、その場所全てに貼らなくてはならず、あまり見栄えはよくありません。

◆トイレトレーにポールをつける

トイレトレーに、電柱などの代わりにオシッコの「的」となるポールを設置します。
ポールやペットボトルにトイレシーツを巻き付けて手作りしたものでも大丈夫ですが、専用の商品も市販されています。

足上げオシッコポール アイボリー

トイレ内に的づくり!オシッコを吸収して、はみ出し軽減。
メッシュタイプのトイレに取り付けて使えます。
男の子のワンちゃんは、電信柱など、的になるものに向かって足を上げてオシッコをする習性があります。
トイレ内に的を作ってあげることで、はみ出しを減らし、周囲の汚れを軽減します。

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ペット用品ブランド「リッチェル」の商品で、トイレトレーのメッシュに、付属のボルトで固定できるポールです。
専用のシーツをポールの中にはめ込んで、オシッコを吸収させるので、汚れがひろがりません。
オシッコの量が比較的少ない超小型犬や小型犬に、おすすめです。

◆L字型のトイレトレーを使う

通常のトイレに、壁部分がついてL字型になっているトイレトレーがあります。
壁に向かってオシッコをしてしまう子に、おすすめです。
壁部分にもシートをセットでき、汚れたら取り換えるだけでいいので、後始末も簡単です。
愛犬の大きさに対応したものより、大きめのサイズを使うと、成功率が高くなります。
口コミでは、アイリスオーヤマの「しつけ用ステップL型トレー」が高評価でした。

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・シーツのかみちぎりや引っかきなどのいたずらを防ぎます。
・プラスチック製なので、水洗いできてお手入れ簡単です。
・滑り止め付きなので、ズレにくく床をキズつけません。

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まとめ

犬のオシッコには、性別やおよその年齢、健康状態など、その犬の情報が詰まっています。
嗅覚の鋭い犬は、このおしっこのニオイから他の犬の情報を得て、その上に自分のオシッコをすることで、自己アピールをしています。
オス犬の場合、発情期のメスへの自己アピールや、他のオスへのテリトリーの主張として、マーキングを行います。
この時、自分を大きく見せるために、少しでも高い位置にニオイをつけようと足を上げると言われています。
足上げをするのは、基本的にオスだけですが、メスでも気の強い子は足上げをすることがあります。
足を上げてオシッコをするのをやめさせるには、足を上げてトイレをし始めるころに、上げた足を飼い主さんが下ろしてあげるトレーニングを行います。
また、去勢手術を受けることで、マーキングの頻度は1/3に減少すると言われているので、足上げを始める前に手術をするのも一つの方法です。



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SHINO

SHINO

保護犬1頭と保護猫3匹が「同居人」。一番の関心事は、犬猫のことという「わんにゃんバカ」。健康に長生きしてもらって、一緒に楽しく暮らしたいと思っています。


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