1.犬の息が荒い、息切れしている状態とは?
2.犬の息が荒い原因は?
2-1.犬の息が荒い原因①生理的なもの
2-2.犬の息が荒い原因②病気
2-3.犬の息が荒い原因③事故
2-4.犬の息が荒い原因④肥満
2-5.犬の息が荒い原因⑤ストレス
3.犬の熱中症の症状、対処法は?
3-1.犬の熱中症の症状
3-2.犬の熱中症の対処法
4.今すぐできる犬の暑さ対策5つ
4-1.暑さ対策①まずはクーラーで室内温度を下げる
4-2.暑さ対策②ひんやりグッズを使用する
4-3.暑さ対策その③外飼いの犬は飼育場所を見直す
4-4.暑さ対策④十分な水分補給
4-5.暑さ対策⑤散歩は気温が低い時間帯に!
【掲載:2019.02.22 更新:2020.08.05】
犬の息が荒い、息切れしている状態とは?
まず、「犬の息が荒い」「息切れしている状態」というものがどんな状態の事を言っているのかを説明いたします。
「犬の呼吸が荒く息切れしている」とは、「犬が舌を出してハアハアと息苦しそうな状態で呼吸をしている」という状態のことを言っています。この状態の愛犬を見たことがある方は多いと思います。
通常ですと犬の呼吸は安静時で1分間に40回未満、睡眠時で1分間に25回未満が正常だとされています。
つまり、この数より多く呼吸している場合は「息切れしている可能性が高い」という事になりますね。
犬の息が荒い原因は?
では、犬の呼吸がこのように荒く息切れしてしまう原因をいくつかご紹介します。
◆犬の息が荒い原因①生理的なもの
犬の呼吸が荒くなってしまう原因として一番多いのが、この「生理的現象による息切れ」です。
生理的な現象による息切れとは、散歩や運動をした事により心拍数が上がり呼吸が荒くなってしまう事や、暑さなどで呼吸が荒くなってしまう時の事を言っています。
実は犬は皮膚からの発汗をほとんどしません。そのため、体温調節がうまく出来ず、体温が高くなってしまった時には口を開けて呼吸をする事により、体温を調節しています。このことは専門用語で「パンティング」と言います。
これにより、生理的現象による息切れが一番多く見られる事になるのです。
◆犬の息が荒い原因②病気
先ほどは生理的現象により息切れを起こすと言いましたが、実は生理的現象だけでなく「病気による息切れ」も存在します。
息切れを引き起こす病気は主に、
- フィラリア症
- 熱中症
- 僧帽弁閉鎖不全症
- 気管虚脱
- 心室中隔欠損症
- 肺炎
- 鼻炎
などの病気が挙げられます。
フィラリア症、僧帽弁閉鎖不全症、心室中隔欠損症は、心臓の働きが上手くいかない事により息切れを起こしてしまう病気です。
また、気管虚脱、肺炎、鼻炎などは、呼吸が上手くいかない事により呼吸困難を引き起こすことで息切れになってしまいます。
熱中症の場合は、体温が高くなってしまったためにパンティングを必死に行なっているので、呼吸が荒いのです。
いずれにしても、素人判断では何が原因で病的な息切れが起きているのかは判断出来ませんから、「おかしいな」と感じたら必ず動物病院で診察してもらいましょう。
◆犬の息が荒い原因③事故
事故にあってしまった場合にも呼吸が荒い状態が見られる事があります。その場合は、事故による外的衝撃が原因で内臓や臓器を圧迫している事により、息苦しさが見られるようです。
◆犬の息が荒い原因④肥満
肥満になると体温が上がりやすく、さらに厚い脂肪のせい熱が籠もりやすく、体温調節が上手に出来なくなります。
またそれだけでなく、付きすぎた脂肪によって気管が圧迫され呼吸がしづらく、息切れを起こしやすくなってしまいます。
可愛い愛犬のためにも肥満には注意してあげましょうね。
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◆犬の息が荒い原因⑤ストレス
ストレス(精神的不安)がある状態の時にも、呼吸が荒い状態を認めることができます。
例えば、犬によっては雷や花火の音を怖がる子がいますよね。そのような犬の場合は音が鳴っている時にハアハアと呼吸が荒くなります。
このように、一口に「犬の息切れ」といっても様々な原因がありますので、病気ではないかきちんと見極めてあげる必要があります。
📌【おすすめ記事】犬が音を怖がる理由と対処法~掃除機・ドライヤー・雷・花火は嫌い?!
犬の熱中症の症状、対処法は?
先ほどは犬の呼吸が荒い時の原因についてお話ししましたが、その中でも一番犬の息切れが起きやすい身近な病気「熱中症」にスポットを当てて、その症状や対処法をご紹介していきたいと思います。
◆犬の熱中症の症状
犬の熱中症は、高温の中に長時間いた事や過度な運動を行なった事による体温の上昇により引き起こります。
通常ですとパンティングによって普段の体温に戻りますが、熱中症になるとパンティングによっても体温が元に戻らず、熱が体内に籠もってしまいます。
熱中症にかかると、初期症状として
- ぼーっとしている
- パンティングが治まらない
などの症状が見られます。
重症になると
- ふるえ
- 嘔吐
- 下痢
- 意識が消失する
などの症状が出ます。
命の危険があるほど重症の場合は、血尿や尿が出なくなるなどの重篤な症状が出ます。その場合は速やかに体を冷やしながら病院に連れて行きましょう。
◆犬の熱中症の対処法
愛犬が熱中症に掛かってしまい息が荒い状態の時は、とにかく急いで体を冷やす必要があります。熱中症は時間との勝負だという事を覚えておいて下さい。
①涼しい場所に移動させる
愛犬に熱中症と思われる症状が見られた場合、まずは涼しい場所へ移動させます。
②体を冷やす
犬の体を冷やしてあげる必要があるので、水や湿らせたタオルで濡らしてあげましょう。その後、扇風機の風に当ててあげることで体の中に籠もった熱を応急的に逃がしてあげる事ができます。
熱中症になってしまった場合は必ず病院に連れて行く必要がありますが、病院に向かっている最中も体は冷やし続けましょう。
ここで一つ注意していただきたい事があります。氷や氷水、保冷剤などの冷たすぎる物で体を冷やした方が体温は下がりやすいと思っている方がいると思いますが、それは間違いです。冷たすぎる物で急激に体を冷やす事は、体の表面だけを冷やすだけで体内の熱を逃がす事には繋がらないので意味がありません。
そのため、犬の体を冷やす時は冷たすぎない温度の水を使用して下さいね。
今すぐできる犬の暑さ対策5つ
「愛犬を熱中症から守りたい!」そう思っている方が多いはずです。熱中症から愛犬を守るためには、犬を「暑さ」から遠ざける必要があります。
どのような暑さ対策をすれば良いのかいくつかご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみて下さいね!
◆暑さ対策①まずはクーラーで室内温度を下げる
犬の暑さ対策として一番効率的な物は、何と言ってもやはりクーラーを使い部屋を涼しくしておく事です。
夏場の温度は28℃前後が理想となっていますが、犬の場合は被毛により熱がこもりやすくなっています。
28℃に設定していても飼い主さんが「暑いな」と感じるのなら、犬はもっと暑いと感じているはずですので、設定温度を下げる必要があります。
犬の快適温度としては大体冷房時の室温で25度~26度といわれており、これ以上の気温になると熱中症になりやすいとされています。
また以下の条件に当てはまる犬は他の犬種よりもさらに熱中症のリスクが高まりますので、室内で過ごす場合でも特に注意が必要です。
- シーズー、パグ、フレンチブルドッグなどの鼻の短い短頭種
- シベリアンハスキー、サモエド、シェルティなどの寒冷地方が原産の犬種
- チワワ、マルチーズ、ゴールデンレトリバー、バーニーズマウンテンドッグなどの長毛種
その他にも、肥満気味の犬や呼吸器に疾患のある犬、体温調節が苦手な子犬や老犬も細心の注意を払う必要があります。
またエアコンの中で割と厄介なのが、最新型に搭載されている機能「人感センサー」です。
人間がいる間は良いですが、犬だけでお留守番している場合に小型犬などの大きさでは反応してくれないという事があるそうです。
人感センサーが働いていて犬を感知してくれないと省エネモードに入ってしまい、思っているより室内が暑くなってしまう事もあります。
犬だけでお留守番するときには人感センサーを解除してから出掛けることをおすすめします。
また、暖かい空気は上に行き、冷たい空気は下に行きますよね。そのため、犬の高さだと飼い主さんが思っているより冷えすぎていて寒い場合もあります。
犬が寒さを感じたときに暖まれるように、暖まれるベッドや毛布を置いておくと良いですね。
◆暑さ対策②ひんやりグッズを使用する
クーラーだけでは熱中症が心配だという場合などには、クーラーと併せてひんやりグッズを使用する事をオススメします。
ひんやりグッズは夏が近づいてくるとペットショップなどにたくさん品物が並びますので、自分の愛犬に合う物を見付けてあげましょう!
アルミシートなど、電気が不要で安全に使えるものがあるとお留守番時にも重宝します。
◆暑さ対策その③外飼いの犬は飼育場所を見直す
外飼いの犬の場合、夏は気温も高くかなり厳しい戦いになることでしょう。「外に慣れているから」「強いから」などと思い込まず、必ず飼育場所を見直してあげる必要があります。
室内に入れてあげる事が一番理想ですが、様々な事情があり室内に入れられないご家庭もあると思います。
どうしても室内に入れてあげることが出来ない場合は、犬の飼育場所を日陰に移動してあげるなどの処置をしてあげましょう。
日なたから日陰になるだけでもかなり違いますから、大切な愛犬が熱中症で命を落とさないためにも犬の飼育場所を少しでも涼しい場所へと考えてあげてくださいね。
◆暑さ対策④十分な水分補給
暑いと水分は自然に取りますが、水分補給が間に合っていない場合もあります。一度にたくさんの水が飲めるように、夏はペットボトル取り付け型の給水タンクだけではなく水用の器も用意してあげましょう。
また、素早く水分とミネラルを補給するために、ペット用の経口補水液を利用するのもおすすめです。
◆暑さ対策⑤散歩は気温が低い時間帯に!
夏の昼間のアスファルトはかなりの高温になります。犬が肉球を火傷してしまう恐れもありますし、アスファルトからの照り返しで犬の高さの気温はかなり高く、熱中症になりやすい状態です。
朝や夜などの時間帯ですと比較的アスファルトが高温になっていないので、朝や夜などの気温が低い時間帯に散歩に行くようにして下さいね!
📌【おすすめ記事】夏の愛犬のお散歩、時間帯は早朝と夜がおすすめ!真夏の散歩の注意点とお役立ちグッズ
犬の息切れに関するまとめ
今回は犬の呼吸が荒い原因から熱中症、暑さ対策までをご紹介してきましたが、いかがでしたか?
犬が息切れをしているような所は割と身近に何度も見ているので、あまり気にする事が少ないかもしれません。しかし、今回説明したように、犬の息切れからは生理的な物から熱中症などの病気によるものまで、様々な原因がありました。
「たかが息切れ」と思わず、愛犬の息が荒い時には注意深く様子を観察し、必要ならばすぐに病院へ受診しましょうね!
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