1コーギーはペンブロークとカーディガンの2種類.
1-1.ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
1-2.ウェルッシュ・コーギー・カーディガン
【掲載:2019.04.23 更新:2024.10.09】
コーギーはペンブロークとカーディガンの2種類
まずは、コーギーは「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」と「ウェルシュ・コーギー・カーディガン」の2種類いるという事をそれぞれの違いなどを踏まえてご説明していきたいと思います。
◆ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
体高 25~30cm
体重 オス10~12kg メス9~11kg
毛色はレッド・セーブル・フォーン・ブラック&タンに限られます。ホワイトはあってもなくても大丈夫です。
一番ポピュラーな色はレッドで、茶色がベースですが、足先やお腹が白いカラーとなります。
ペンブロークの一番の特徴は「短い尻尾」です。「ペンブロークの尻尾はない」と思っている方がほとんどですが、実際は断尾されている短い尻尾があります。つまり、断尾しなければペンブロークも尻尾が長いという事です。
ここで「ペンブロークだけ何故断尾するのか?」という疑問が出てきますよね。そこでペンブロークの断尾の理由をいくつかご紹介していきます。
コーギーは元々牧畜犬として使役されていました。牧畜犬として牛や羊を追いかけているうちに、牛や羊などの家畜に尻尾を踏まれて怪我をしてしまう事があります。そのため、ペンブロークは断尾されていたのです。
コーギーはシェルティやボーダーコリーなどの犬種に比べて体高が低い犬種ですから、尻尾が長いと家畜に踏まれてしまうリスクが高かったのですね。
しかし、実際にはカーディガンも同じ牧羊犬として仕事をしていましたので、カーディガンは断尾せずにペンブロークだけ断尾するという矛盾もあります。
ペンブロークが断尾されていたのは「税金対策」という説が一番有力なようです。
コーギーの原産国イギリスでは、犬を使ったゲームハンティングがとても盛んでした。そのため、犬が狩りの対象となる動物を襲わないように1800年代に「腿に傷を付ける」か「尻尾を切る」か「つま先を切り落とす」事を法律で決めました。悲しい事ですが、そうする事によって早く走れないようにしたのですね。
この法律を守らない場合には、税金を納める必要がありました。お金持ちの裕福な人は犬を傷つけずに税金を納め、そうでない税金を払えない人は犬の尻尾を切り落としていたという事です。
では、なぜカーディガンは断尾しなくても大丈夫だったのかといいますと、カーディガンは丘陵地帯にいたため長くその存在を知られていなかったため、または尻尾以外を傷付けていたためだったのではないか、と言われています。
イギリスでは2007年に断尾が禁止されるようになりました。すると多くのブリーダーがペンブロークらしさの消失を理由にペンブロークの繁殖を辞めてしまい、一時期ペンブロークは「絶滅危惧種」として指定されたこともありました。
現在絶滅の危機は脱していますが、一時期は絶滅危惧種だったなんて驚きですよね!
コーギー・ペンブロークの歴史はカーディガンよりは遅れてしまいますが、1107年にはウェールズに存在していました。
◆ウェルッシュ・コーギー・カーディガン
体高 30cm
体重 サイズと調和が取れ、全体的なバランスが最重要事項
ペンブロークよりもカーディガンの方が骨は太く、しっかりとした印象のようです。また、カーディガンはペンブロークよりも耳が大きいのも特徴です。
カーディガンの毛色はとても豊富です。ホワイトの範囲が広すぎなければどのカラーも認められています。
ペンブロークの場合は「ブリンドル」が認められていません。しかし、カーディガンの場合は認められているため、街でブリンドルカラーのコーギーを見かけた場合にはカーディガンのコーギーである確率がとても高くなります。
先ほどペンブロークの断尾では「ペンブロークは断尾している」とご紹介しましたが、カーディガンは断尾をしません。ペンブロークと違いカーディガンの尻尾は断尾していないため長く、キツネのようにフサフサとしています。
カーディガンは紀元前1200年には存在していたとされている程歴史の古い犬ですが、ペンブロークの断尾の話の際にも触れたように、カーディガンは丘陵地帯で飼われていたため断尾を免れていたのではないかという説があります。
歴史の長いコーギーですが、1925年に初めてドッグショーに出陳し、その時にはまだペンブロークとカーディガンは分けられておらず、同一犬種とされていました。なんとペンブロークとカーディガンで交配もされていたそうです!
しかし、特徴が異なる2つの犬種を同じ基準で審査する事は難しく、1943年に別犬種として登録し直されました。
第3のコーギー「フラッフィー」ってなに?
さて、先ほどまでコーギーの「ペンブローク」と「カーディガン」について説明していきました。ペンブロークとカーディガンの違いについては理解していただけましたか?
冒頭でもお話しましたが、実はこの2種類の他に「第3のコーギー」と呼ばれるコーギーが存在します。
コーギーの中に稀に「毛の長いコーギー」が生まれてくる事があるのですが、そのような毛の長いコーギーの事を「フラッフィー」と呼びます。そのフラッフィーこそ、第3のコーギーと呼ばれるコーギーなのです。
では、第3のコーギー、コーギーフラッフィーとはどのようなコーギーなのでしょうか?
◆フワフワモコモコ!
フラッフィーは、全身がフワフワの毛で覆われています。コーギーは短毛の犬種なのでいまいちピンとこないかもしれませんが、極端に言ってしまえばコーギーなのに、ポメラニアンのようにモコモコの見た目をしているという事です。
フワフワの犬が短い足でこちらに向かって来る姿はとても可愛いですよね!
◆どうしてフラッフィーは生まれる?
コーギーと言えば短毛の犬種ですよね。それなのにどうしてフワフワの毛のコーギーが生まれるのでしょうか?その謎に迫ってみましょう。
コーギーだけでなく、犬の世界では短い毛が優性遺伝、長い毛が劣性とされます。
通常のコーギーは優性遺伝の短毛で生まれてきますが、稀に劣性のヘテロになる時があり、その時だけ長毛のフラッフィーが生まれてくることがあります。
つまり、フラッフィーはコーギーの毛の劣性遺伝により生まれてくる、という事です。
ここで勘違いしないでいただきたいのが、あくまでも遺伝子的に劣性の「毛」として生まれてくるだけなので、「フラッフィー自体が劣性なわけではない」という事です。
そのため、フラッフィーではない普通のコーギーに比べても、特別病気がちということもありません。
この「長毛のフラッフィー」ですが、コーギー以外の犬種にも出ることがあります。例えば、シェパードの中でも毛の遺伝子が劣性に出てしまい長毛になってしまう子がいます。
「劣性遺伝」という言葉の響きからか、フラッフィーに対する偏見的な意見は未だに多いという事が現状です。
しかし、毛の劣性遺伝を持っているからと言って、必ず病気の遺伝子を持っているというわけではありませんので安心して下さいね!
フラッフィーが欲しい時はどう探す?
ここまでの説明でかなりフラッフィーに興味が出てきたのではないでしょうか?「実際に飼ってみたい!」と感じた方も中にはいると思います。
では、フラッフィーが欲しい時にはどのように探せばよいのでしょうか?
実はフラッフィーは劣性遺伝による突然変異で生まれるため、実際のところはいつ生まれてくるかが分からないそうです。「毛が短い普通のコーギーの親から生まれてくるかもしれない」という程の少ない確率でしか生まれないため、家族に迎え入れるには難しいのが現状です。
「どうしてもフラッフィーが家族に欲しい!」という方は、フラッフィーが生まれる可能性のある犬舎に事前に「フラッフィーが生まれたら家族にしたい」と予約しておく事をおススメいたします。
まとめ
ちょっと変わったモフモフのコーギー「フラッフィー」についてご紹介していきましたが、いかがでしたか?
「コーギーも好きだけどモフモフの毛が好き」という方にはピッタリのコーギーですよね!稀にしか生まれてこないため希少価値も高く、予約待ちされている方はすでにたくさんいると思います。
もちろん見た目は可愛らしいですが、フラッフィーの性格は毛が長いというだけで中身は「コーギー」です。
「飼いたい!」と思った方は予約をする前に今一度コーギーの特徴や性格などを良く調べ、問題がないかどうかをきちんとクリアしてから迎えましょうね!
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