1.まずは柴犬が成犬になったときの適正体重を知ろう
1-1.柴犬は…実は小型犬
1-2.オスの方が体重は重い
2.柴犬の子犬はどのくらいが適正体重?
2-1.月齢ごとの推移~生後1年くらいまでが成長期
2-2.「標準」と「おデブ」のボーダーラインは…?
2-3.ボディラインもチェック
2-4.体重の測り方
3.「おデブ」になったらどんなリスクがある?
4.「おデブ」にしないための育て方
4-1.定期的に体重や体型をチェック
4-2.運動不足にならないように気をつけよう
4-3.食べ物の管理をしっかりと行う
5.まとめ
まずは柴犬が成犬になったときの適正体重を知ろう
柴犬の子犬は小さくてとても可愛いらしいですよね。
そんな小さい体も、成長するにつれて大きくなり、体重が増えます。
体重が増えるのは「スクスク育っている」という証ですが、平均的な体重からオーバーすると「おデブ犬」となり、健康の心配も出てきます。
そこで、まずは柴犬の平均的なサイズ感を知っておきましょう。
◆柴犬は…実は小型犬
一般的に、日本犬は洋犬よりも体が大きめ。
チワワやヨークシャーテリアなどの“超”がつくほどの小さい犬と比べると、少し大きなイメージがありますよね。
しかし、実は柴犬は「小型」と表記されるケースが多いです。
ひとくちに小型犬といっても「○○キロまでが小型」というハッキリとした基準は設けられていません。
一般的には10キロくらいまでのワンちゃんが小型犬のくくりに含まれるケースが多く、「9キロ前後が適正」とされる柴犬は“小型犬”と分類されるようです。
ちなみに、柴犬は「日本犬保存協会」の分類では、小型と表記されています。
それは、6つの犬種がある日本犬のなかで、最も体が小さいのが柴犬だからでしょう。
日本犬のなかでは「小ぶり」という表現がぴったりな柴犬ですが、軽くて抱っこしやすい洋犬と比べると「大きい」と感じます。
イメージ的には、小型犬と中型犬の境界線上にいる感じなのかもしれませんね。
ただ、基準となる数値が世界的に明確になっているわけではないため、ドッグランやペットホテルなどの場所においては、柴犬を中型犬の扱いにするケースもあるようです。
◆オスの方が体重は重い
9キロ前後が平均体重の柴犬の成犬ですが、オスの方が重めに育つ傾向にあります。
育つ環境によって若干の違いがあり、オスは9キロから11キロ、メスは7キロから9キロほどというデータがあります。
これは、適正体重の目安なので必ずしも「その範囲内でなければならない」ということでないでしょう。
9キロ前後が適正と言われていている柴犬なので、12キロまで成長しても、見た目的には「ちょっとポッチャリ」程度で済むかもしれません。
しかし、筋肉の重さもそれぞれ違うため、体重が重くても見た目はそれほど太っておらず、「ガッチリ系」という印象のワンちゃんもいます。
平均的な体重よりもかなり重ければ、体にはなんらかの影響が出てしまう可能性があります。
そのため、ひとつの指標として適正体重を知っておくことは大事です。
柴犬の子犬はどのくらいが適正体重?
子犬の時期は成長期で、体重は増え続けます。
柴犬の子犬の時期には、どのくらいが適正体重なのか、見ていきましょう。
◆月齢ごとの推移~生後1年くらいまでが成長期
柴犬の子犬は、成長に個体差があります。
生まれてから3か月くらいは、多くの柴犬の子犬が2キロから3キロほどと小ぶりです。
まだまだあどけなさが残っている時期ですね。
そして、生後6か月には、5.5キロ程度にまで増加します。
わずか3か月で約2倍の体重に増加することから分かるように、月齢が浅いうちは急スピードで体重が増えていきます。
生後半年を過ぎたころには、体重の増加のスピードはやや緩みますが、まだまだ成長真っ盛りです。
生後8か月頃には6キロ前後、生後10か月頃には7~8キロ、生後1年で8~9キロという体重増加が目安と考えられています。
ただ、ドッグフードのカロリーや給餌量、散歩の頻度、ワンちゃんそれぞれが持つ食欲など、環境によって、体重の増え方は変わります。
1歳くらいまでは「成長期の犬にとって大事な時期」と意識することが、飼い主さんの任務なのかもしれませんね。
◆「標準」と「おデブ」のボーダーラインは…?
生後1年までは成長期と考えられるため、体重増加は自然なことです。
しかし、目安として適正体重の10%を超えたくらいから、「肥満」疑惑が高まることを頭に入れておくといいでしょう。
一般的には、平均的な体重よりも10~15%ほど増加が見られたときに、肥満と考えられます。
成犬になったオスの柴犬を例にとって見てみましょう。
平均体重が9~11キロだとすれば、生後1年を過ぎたころに「12.65キロくらい」だとすれば、数値上は標準よりも肥満気味となるようです。
子犬の場合だと、生後半年ですでに成犬の標準体重の9キロオーバーくらいだと「おデブ」と考えられるかもしれません。
ただ、「太っている・標準・痩せている」は、数値だけでは判断できない部分があります。
人間でも同じことが言えますが、同じ体重でも身長や筋肉量が違えば「太り気味」なのか「適正」なのかが違いますよね。
それと同様のことが犬たちにも当てはまります。
そのため、「体重が適正体重よりもオーバーしているかどうか」という数値上の目安だけでなく、体型のチェックもしておきましょう。
◆ボディラインもチェック
上から見たときのお腹周りの肉付き、横から見たときのお腹の膨れ具合、触ったときに触れる骨の感覚のチェックで、肥満傾向にあるかどうかを確認する方法もあります。
一般的に、肥満と考えられる体型は「腰のくびれがない」「肋骨が皮膚の上から分からない」「横から見ると腹部が垂れ下がっている」などです。
飼い主さんが愛犬を触ったときに肋骨が触れないケースでは、すでに「おデブ」の仲間入りをしている可能性が高いでしょう。
横から見たときに、地面とお腹の距離が縮まっているとおデブ傾向かもしれません。
◆体重の測り方
動物病院に行くと、専用の機器で正しい体重を測ってもらえます。
ただ、体重を測るためだけに何度も動物病院にはなかなかいけませんよね。
そこで、日頃の体重チェックは自宅で測ることをおすすめします。
測り方はとくに難しいこともなく、ヘルスメーターがあれば簡単です。
①愛犬を抱っこして体重計に乗る
②愛犬を下ろして、飼い主さん一人で体重計に乗る
③ (①の体重-②の体重)というように差を求めて犬の体重を知る
という流れです。
これなら、家庭でも気軽に体重のチェックができますね。
スキンシップも兼ねて、数日おきに測ってみるといいでしょう。
後から体重の変化が分かるように、カレンダーや手帳にメモっておけば安心ですね。
「おデブ」になったらどんなリスクがある?
おデブ傾向にある犬を見ると「まるまるとして可愛い」「動きに愛嬌がある」と思えるかもしれません。
でも、実際には愛犬の体にさまざまなリスクを抱えてしまいます。
骨の周りに脂肪がつくので関節の動きが制限され、負担も大きいでしょう。
関節が変形し炎症を起こす可能性も高いです。
また、体全体に重い体重がのしかかるため、ちょっと動くと疲れてしまいます。
心臓にもかなりの負担がかかり、咳が止まらない、呼吸しにくいなどの異常も見られるようになります。
ポッチャリした犬を見ると首周辺にお肉が目立ちますが、そのせいで気管が狭まり呼吸がしにくくなるためです。
そして、肥満で発症しがちなのが糖尿病。
一度発症すると投薬や食事管理、注射など、ずっと向き合っていかなければならない病気です。
重症化すると入院したりなど、医療費も覚悟しなければならないでしょう。
「おデブ」にしないための育て方
適正と言われる体重を大きく超えると、肥満によりさまざまな問題が起こるかもしれません。
病気になれば、愛犬は痛みや苦しみで辛い毎日を送らなければならずかわいそうですよね。
そこで、おデブにしないために、飼い主さんができることを知識として覚えておくことが重要です。
◆定期的に体重や体型をチェック
人間の場合、1~2日の間に数百グラムの体重変動は珍しくないものですよね。
その感覚があるためか、犬が数百グラム増えても気にしないという飼い主さんもいるかもしれません。
しかし、人間と犬の体のサイズは数倍から10倍も違うことから分かるように、犬にとっての「数百グラム」は人間にとっての数キロ…!
愛犬が数百グラム増えたときには、「たかが数百…」とは軽く考えられないのですね。
ただ、成長段階の子犬は、増えることは当たり前。
定期的に体重を測り、極端に増えすぎていないか、平均体重の範囲内にあるかなどの確認に役立てましょう。
そして、見た目もチェック。
毎日一緒にいる飼い主さんは分かりにくいものですが、周りから「コロコロとしているね」と言われれば、ポッチャリしているのかもしれません。
スキンシップで、脂肪のつき方や腰回りを触り、総合的に肥満度をチェックしてみてくださいね。
◆運動不足にならないように気をつけよう
肥満解消や肥満予防に大きな効果があるのが運動です。
摂取したカロリー脂肪として蓄えないためには、運動で消費する必要があります。
柴犬の子犬との暮らしでできる運動は、「毎日の散歩」と「飼い主さんとの遊び」です。
散歩で足腰を鍛えれば筋肉量も増え、基礎代謝のアップにも繋がります。
「なにもしなくてもカロリーを消費してくれる」という意味がある基礎代謝は、おデブにならないためには重要なもの。
一緒に散歩すれば飼い主さんの運動にもなり、お互いに健康的な体づくりができ幸せな毎日となるでしょう。
また、運動は外に出かける散歩だけが運動ではありません。
家のなかで、ボールやヒモなど犬用のオモチャを使って一緒に遊ぶのも肥満解消に効果ありです。
一緒に遊びながらコミュニケーションをとるのは、信頼関係を深めるのにも役立ちます。
◆食べ物の管理をしっかりと行う
総合栄養食と書かれているドッグフードは、犬が毎日を健やかに保てる栄養満点の食べ物です。
そのため、それ以外に意識して食事を与える必要は基本的にはありません。
しつけのために、オヤツを使う飼い主さんも多いですが、与えすぎると「カロリー過多」となってしまいます。
オヤツを食べさせたときには、ドッグフードの量を減らすなどしてバランスを保ちましょう。
ワンちゃんのなかには、香り豊かな美味しそうなオヤツを与えすぎると「ドッグフードは物足りない…」と食べなくなるケースもあります。
そうなると栄養が足りなく、順調に成長しなくなります。
子犬期には高カロリー&高たんぱくの良質な栄養が必要です。
基本的には、犬にオヤツは不要なもの。
「愛犬が喜んで食べるから♪」とオヤツをたくさん食べさせたくなる気持ちをグッとこらえることも大切。
しつけ以外ではオヤツを与えないようにするなど、食事の管理をしっかりと行いましょう。
まとめ
いかがでしたか?
おデブ犬はまるまるとしていて可愛らしいですが、背景にあるリスクを考えると注意しなければならないことです。
今回ご紹介した体重の目安や肥満度は、ある程度の参考にしかなりません。
それに、成長期の柴犬の子犬なら、体重だけでは肥満かどうかが分かりにくいでしょう。
「体重が増える=成長している」なので、腰回りのくびれやお腹の出っ張り、首回りの肉付きなど、見た目も定期的にチェックが必要です。
体重や見た目、そして愛犬の体調などで気になる不安点があったら、獣医師さんへ相談するのがおすすめです。