1.トイプードルの平均寿命はどのくらいか
1-1.小型犬は大型犬よりも長寿?
1-2.気になるトイプードルの平均寿命は?
1-3.うちの子は「おじいちゃん?おばあちゃん?」何歳からシニアなの?
1-4.世界にいた長寿のトイプードル
1-5.犬の老化って…?
2.トイプードルがかかりやすい病気について
2-1.クッシング症候群~ホルモン異常からくる病気
2-2.レッグ・ベルテス~股関節の病気
2-3.膝蓋骨脱臼~関節に関する病気
2-4.外耳炎~耳のなかの病気
2-5.てんかん~脳が原因の病気
2-6.涙やけ~目の病気
3.愛犬の健康を保つ対策5つ
3-1.対策その1:食事をしっかりと管理する
3-2.対策その2:運動をさせよう
3-3.対策その3:愛犬へストレスを与えないように
3-4.対策その4:日々の健康チェックと定期的な動物病院
3-5.対策その5:清潔な空間で育てよう
トイプードルの平均寿命はどのくらいか
「トイプードルが初めて我が家にやってきた日」から毎日一緒に暮らしていると、愛情がいっそう深まっていくものです。
そんな嬉しい日々を過ごしていると、「あと何年生きられる」なんてことは、あまり考えないですし、耳を塞ぎたくなりますよね。
「まだまだ先のことだから…」と流しがちですが、愛犬のために、寿命や病気について知るようにしましょう。
◆小型犬は大型犬よりも長寿?
ペットフード協会が実施している「全国犬猫飼育実態調査(平成30年)」の結果によると、犬全体の平均寿命は14.29歳。
中型および大型犬と比べると、小型犬の方が長生きするというデータが発表されています。
・犬の寿命が長くなった理由とは
今でこそ、犬の寿命は10歳を過ぎていますが、数十年前には8歳や9歳まで生きられなかった犬の方が大半でした。
かつての一般家庭では、ペットの犬の外飼いは普通のことで、暑い夏や寒い冬を外で過ごしていたワンちゃんは多かったものです。
近年のような異常気象ではなかったものの、気温の変化により寿命が短くなっても不思議ではない飼育スタイルだったのです。
また、食事スタイルが昔と今で大きな違いがあるのも長寿の理由のひとつ。
人間の残飯を食べていた昔の犬たちは、塩分の多い食事が原因で命を落としていたようです。
現在は、室内で飼われる犬が増え、また栄養分のバランスのとれたドッグフードの種類が増えたことも長寿へと推移している要因と言えるでしょう。
◆気になるトイプードルの平均寿命は?
超小型犬に分類されているトイプードルは、だいたい14~17歳くらいが平均寿命と言われています。
犬全体の平均が14歳前後なので、トイプードルは少し長生きする犬種と考えてもいいでしょう。
◆うちの子は「おじいちゃん?おばあちゃん?」何歳からシニアなの?
成犬になると小型犬は緩やかに年齢を重ねるイメージで、大型犬よりもシニア期への突入が遅めです。
とは言っても、人間の年齢に換算しないことには、イメージが掴めませんよね。
犬の年齢を人の年齢に換算する方法はいくつかありますが、ひとつ例を紹介します。
例えば、犬が14歳になったとき人間に換算すると「小型犬⇒72歳程度」「中型犬⇒83歳程度」「大型犬⇒103歳程度」です。
人間の場合、70歳を過ぎてもアクティブな人はいますが、犬の場合にはそうとは言えません。
14歳になると、なんらかの老化現象はあるでしょう。
トイプードルのような小型犬は、7歳に入るとすでにシニアの仲間入り。
まだまだ若いように見えても、「シニア」を意識した健康管理が必要になってきます。
◆世界にいた長寿のトイプードル
トイプードルの平均寿命をだいぶ超えた長寿の子も存在していました。
2014年にすでに亡くなってはいますが、なんと20歳と298日も生きました。
小型犬の20歳は、人間でいうと96歳。
それに、298日と言えば約10か月。
もうすぐ21歳になるところだったのでかなり長生きと言えるでしょう。
◆犬の老化って…?
シニア期に入ったからと言って、急激に運動能力や身体機能が劣るわけではありません。
ただ、若い頃と同じ体をずっとキープはできないのは事実です。
トイプードルは自分でエイジングケアができないので、老化スピードを早めてしまうか遅くできるかは飼い主さんの管理能力にもかかっています。
老化サインが出始める時期は、個体差があります。
・毛が薄くなる
・被毛が細くなった
・目が白くなってきた
・寝ている時間が増える
・歩くスピードが遅くなる
・食べ物の好き嫌いがはっきりしてきた
・散歩を嫌がるようになった
・反応が鈍くなった
・前よりも食が細めになった
などがシニア世代から始まる心身の変化です。
老化のサインが見られたら、飼い主さん側でできる対策を見つけてあげましょう。
トイプードルがかかりやすい病気について
トイプードルがかかりやすい病気をいくつか紹介します。
遺伝性の病気は残念ながら防ぎにくいですが、早期発見でさまざまな治療ができます。
また、トイプードルは小さい体で活発に動くので、室内環境によってはケガをしやすい犬種。
関節の病気には特に注意した方がいいかもしれません。
個体差があるので、「病気知らず」で健康的な毎日を送っているワンちゃんもいるでしょう。
まずは、飼い主さんが病気についての知識を持つことが大事。
「ふだんと変わったところがないかチェック」で早期発見をし、「ケガを未然に防ごう」と対策をすることで、トイプードルの健康的に結びつく環境づくりをしましょう。
◆クッシング症候群~ホルモン異常からくる病気
シニア期に近くなるとかかりやすい疾患です。
ホルモン分泌の異常により、尿の回数が増える、脱毛症を引き起こす、水を飲む回数が増えるなどの症状が見られるようになります。
◆レッグ・ベルテス~股関節の病気
股関節へ血流が阻害されることで、大腿骨頭の壊死が引き起こされます。
トイプードルのような体重10㎏に満たない小さな犬に発症しやすい病気です。
特に、成長真っ盛りの子犬期で病気になるケースが多いのだとか。
痛みが生じるため、足を引きずる、あまり足を地面に着地しないなど不自然な歩行が症状です。
気づかずにさらに悪化すると、歩行に障害が残ってしまうかもしれません。
◆膝蓋骨脱臼~関節に関する病気
小さい犬が発症しやすい疾患で、パテラとも言われています。
膝にあるお皿がずれて脱臼する症状です。
先天性で生まれたときからすでに疾患を持っているケースもありますが、高い場所からのジャンプなどで発症する後天性のケースも多々あるようです。
太り過ぎが原因でも起こる可能性があります。
軽度であれば自然に治りますが、くせになると関節炎にまで発症することも。
関節に負担をかけない生活を見直しましょう。
◆外耳炎~耳のなかの病気
外耳に炎症を起こし、かゆみや痛みを発症します。
外耳炎の症状が悪化すると、さらに内耳炎になることも。
かゆみから、耳を掻く仕草をしたり、頭を振ったりします。
◆てんかん~脳が原因の病気
突発的にけいれんを起こす病気です。
外傷や脳腫瘍による脳の神経異常が原因と考えられていますが、遺伝性のもの、突発性で原因不明のケースも多いです。
急な発作で意識がなくなることもあります。
◆涙やけ~目の病気
目が大きいトイプードルならではの病気ともいえる涙やけ。
目の周りに涙が付着し、それに菌が繁殖する症状です。
愛犬の健康を保つ対策5つ
平均寿命が14~17年…と聞くと、とても寂しい気持ちになるかもしれません。
あくまでも平均で、それより短命のこともあれば、逆に長寿のこともあります。
ただ、ほとんどの場合、寿命を伸ばせるかどうかは飼い主さんの心がけがキーポイントとなります。
具体的な対策について、実践して欲しい5つのポイントを紹介していきます。
◆対策その1:食事をしっかりと管理する
食事は、体に足りない栄養素を補う役割もあります。
単に食べればいいのではなく、品質もチェックし、「体に良いもの」を選ぶことが大事です。
・トイプードルに必要な栄養を考える
極端に安価なドッグフードは、長持ちさせるために添加物が多量に配合されています。
毎日の食事はトイプードルの体を作る目的があるので、品質の悪いフードはトイプードルに悪い影響を与え、寿命にも関わります。
栄養価が高く、そして吸収されやすいドッグフードを選びましょう。
・傷んだドッグフードは食べさせない
ドッグフードには、ドライフード、セミモイスト、ウェットフードなどの種類がありますが、それぞれ推奨される保存方法が違うので、正しい保存をしましょう。
賞味期限を超えたものは鮮度が悪くなっているので気をつけたいものです。
ドライライフードは湿気を含むと傷みやすくなるので、基本的には大袋を開封したら、完全密封し冷暗所に置いておくのがおすすめです。
水分が含まれているセミモイストは、開封後はあまり日持ちしません。
なるべく数日以内で食べさせるようにしましょう。
ウェットフードは、開封したら別容器へ移し冷蔵庫へ、その後、2日以内くらいで食べきるようにしましょう。
また、どのタイプにも言えますが、トイプードルが食べ残したものは処分すべきです。
特に、高温になる時期には、一度口をつけたフードは雑菌が繁殖してしまいます。
もったいないですが、食べずに残したものは捨てて、常に新鮮な食事をさせましょう。
◆対策その2:運動をさせよう
筋肉は使わなければどんどん弱ります。
トイプードルは小さいので、部屋のなかで動くだけでも結構な運動になりますが、室内を歩くときはあまり筋肉を使わず、カロリーも消費しません。
また、散歩に対する気持ちもそれぞれ違い、散歩が嫌いな子もいるでしょう。
特に、足腰が弱り始めたシニア世代のトイプードルは、散歩に行きたくない様子を見せるかもしれません。
無理に散歩に連れていこうとするとストレスにもなるので、犬用のオモチャを使って家のなかで数十分程度遊ぶだけでもいいでしょう。
ただ、注意したいのは室内でのケガ。
テーブルや荷物がぎっしりの部屋、フローリングで滑りやすい床など、ぶつかったり転んだりとケガをするリスクもあります。
小型犬は、ソファーや階段のジャンプでの足の脱臼、関節を痛めることも考えられます。
じゅうたんを敷くなどして、ケガをしないように配慮しましょう。
◆対策その3:愛犬へストレスを与えないように
社交的なトイプードルは、家族のいる空間が大好きです。
明るく活発、そして甘えん坊なので、1人で放置されている環境はストレスに感じます。
仕事で留守にする時間が長いと、寂しい気持ちが一日中続き、ストレスが溜まるでしょう。
また、飼い主さんが一緒に家のなかにいるのに孤独を感じさせる状況もよくありません。
明るく甘えん坊な本来のトイプードルは「飼い主さんから愛されていない」と察すると、心を閉ざしてしまうかもしれません。
愛犬がストレスで苦しまないように、話しかけたり一緒に遊んだりコミュニケーションの時間を多めにしましょう。
◆対策その4:日々の健康チェックと定期的な動物病院
トイプードルは「今日は具合が悪い」「足が痛む」など、言葉で訴えてくることはありません。
そのため、飼い主さんが健康のチェックをすることが健康維持のために必要です。
便や尿の状態や回数を毎日観察していると、下痢や便秘にも気づきやすくなります。
病気を予防するためにワクチン接種などもしっかり行いましょう。
「予防」として、病気を防ぐことができるからです。
また、病院を怖がる犬は多いものです。
いざというときに獣医師や動物看護士さんを怖がることがないように、子犬の頃からかかりつけの動物病院を決め、健康診断がてら定期的に足を運ぶようにしましょう。
◆対策その5:清潔な空間で育てよう
不衛生な飼育環境から愛犬が不調になるケースも多いです。
愛犬の抜け毛がたくさん散らかっていると、それがもとでハウスダストも増えます。
抜け毛や皮脂の汚れが蓄積するとダニのエサになり、体に炎症を引き起こすかもしれません。
また、ホコリを吸って体内に影響が出ることもあるでしょう。
清潔な環境で気持ちよく生活させてあげましょう。
まとめ
トイプードルの平均的な寿命を伸ばすには、飼い主さんが飼育に対して知識を持って「愛犬を健康にしたい」という意識を持つことが大事です。
今回お伝えした健康対策は、ふだんから実践できるものばかりなので、愛犬のために一度生活を見直してみてはいかがでしょうか。
愛犬の存在は、まるで我が子のようなものと考える飼い主さんも多いかと思いますが、トイプードルにとっての飼い主さんの存在にも同じことが言えます。
愛犬にとって頼れる存在は、リーダーでもあり親でもある飼い主さんだけです。
トイプードルの「健康」に対して知識を持ち、深い愛情で包んで育ててくださいね。
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