1.犬が噛むのは本能でもある
2.パグが噛むのはどんなとき?考えらえる原因って何?
2-1.その1:歯がかゆいから
2-2.その2:遊んでいるつもりで噛む
2-3.その3:恐怖で噛む
2-4.その4:噛んで相手を従わせようとしている
3.犬が噛むとどんなリスクがある?
3-1.感染症のリスク
3-2.他人を噛むとどうなる…?
4.噛まない犬にするための対策とは
4-1.パグとの関係性を見直そう
4-2.人の手を噛むのはいけないと分からせることは大事
4-3.「ダメ」とはっきりと伝える
4-4.「噛む=面白くない」と分からせる
4-5.スプレーを試してみよう
4-6.噛んでもOKのオモチャを用意する
4-7.噛み応えのあるガムを与える
4-8.プロの力を借りて噛み癖を直す
犬が噛むのは本能でもある
子犬の頃から、噛み癖に悩んでいる飼い主さんもいるかと思います。
子犬の頃は、迎えられた家族との関係性を確かめたり、社会化を学んだりとパグにとっても毎日が未知指数に溢れている時期です。
人間世界で生きていくルールを学ぶ前に、パグは「犬としての本能」が備わっているので、ときどき本能行動が表れます。
何かのタイミングで急に「噛みたい」という衝動に駆られることがあります。
そもそも犬の口は、相手とのコミュニケーションツールにもなっています。
「獲物をしとめるために噛む」「親への愛情表現で舐める」「兄弟犬たちと遊びの延長でお互いを噛む」など、噛むという行動そのものを悪いこととは認識していません。
そんな本能を持った犬が人間の家庭に来たからと、「噛む」という癖を自分からおさえるというのは難しいでしょう。
パグ自身は「噛むことがいけない」と理解していないので、飼い主さんが「なぜ噛むか?」を知り、それに合わせた対策をしながら噛み癖をしつけていくことが大事です。
パグが噛むのはどんなとき?考えらえる原因って何?
子犬の頃のパグにみられる甘噛み。
放置していると噛み癖と言われるほど頻繁になりますが、この行動にはさまざまな原因があります。
まずは、どんな理由からパグが噛むのか、その心理に近づいてみましょう。
◆その1:歯がかゆいから
子犬のパグを飼っていると、歯の生え変わりの時期に「口のなかの違和感」を覚えます。
新しい歯が生えてくる感覚なので、「かゆい!」「なんとかしたい!」と何かを噛んで紛らわそうとします。
硬めのものを噛むケースが多く、気づかないうちに椅子やソファーの脚、壁の表面などがボロボロになっていることもあります。
この子犬期の「噛み癖」はある程度なら仕方のないものです。
本能行動ですし、時期が来たらおさまるものと思って大目に見てもよいでしょう。
ただ「噛んでいいもの・悪いもの」の区別は教えた方がいいかもしれませんね。
◆その2:遊んでいるつもりで噛む
一緒に遊んでいるとパグが手を噛んでくることがあります。
いわゆる「甘噛み」というもので、飼い主さんに対して自分なりの遊びのつもりの表現から噛んでいるのでしょう。
このときのパグの心理は、「ムカつく」とか「お前のことが嫌いだ」ということではなく、攻撃性はないと安心してもいいかもしれません。
しかし、この甘噛みを許して時が過ぎると「人間の手を噛んでもいいのだな」と学習してしまいます。
やはり、早めに噛み癖を直した方がいいでしょう。
◆その3:恐怖で噛む
フレンドリーな性格のパグでも、それなりに警戒心はあります。
遊んでくれる、優しくしてくれる…と無害な人と認識すれば、パグが恐怖心を感じることは少ないでしょう。
ただ、動物的本能で「何かされるのでは!?」と恐ろしさを感じると、噛むことで必死に抵抗しようとすることがあります。
いきなり頭の上から見知らぬ人に撫でられる、動物病院で獣医師や看護師から何かをされそうになるなど、人に慣れていないパグが恐怖を感じるシーンは多々あるでしょう。
反射的につい噛んでしまうようです。
◆その4:噛んで相手を従わせようとしている
パグは、基本的に攻撃性の少ない犬種です。
そのため、理由なく相手を噛むという行動はあまりしません。
しかし、ワガママが強いパグは噛み癖がひどくなることがあります。
飼い主さんとの主従関係がじゅうぶんにできておらず、「自分がリーダーだから言うことを聞け!」と噛むことで自分の強さをアピールしているのかもしれません。
「パグのオモチャを取ろうとしたら噛まれた」「残したごはんのお皿を取り上げようとしたら怒って噛んできた」など、自分のものを取ろうとした飼い主さんに噛むというケースもあります。
犬が噛むとどんなリスクがある?
成犬となったパグの鋭い歯で噛まれると、「血が出て痛い」というだけでなく、さまざまなリスクに発展します。
犬に噛まれたときのリスクは、どんなものなのでしょうか
◆感染症のリスク
日本では数十年も発症例がありませんが、「犬から人へ感染する病気」として狂犬病が有名ですが、そのほかにも「犬からうつる感染症」はいくつもあります。
犬の口腔内には、感染源となる菌がたくさん存在しています。
過剰に接触しないかぎり、その菌が人間にうつることはないですが、噛まれたときには「傷口から菌が入り込むリスクが高まります。
頭痛や発熱、筋肉痛などの症状が出ますが「いつもの片頭痛かな」とか「風邪気味で微熱が出た」「運動し過ぎたかな」など、飼い主さんは犬に噛まれた原因とは結びつかないかもしれません。
そのため、放置してしまい、重症となることが考えられます。
感染症のなかには、肺炎や敗血症などへと重篤化するケースもあるため注意が必要です。
◆他人を噛むとどうなる…?
飼い主さんが噛まれるのはもちろん、噛み癖によって他人を噛んで大きなトラブルに発展するケースもあります。
ちょっとくらいの傷だと「大丈夫」と優しく対応してくれるかもしれませんが、うやむやにしたままだと、後から「言った・言わない」と揉めるかもしれません。
後から病院代を請求されても、いろいろと曖昧になってしまいます。
ケガの大小にかかわらず、愛犬が他人を噛んでしまったら、病院で処置をしてもらったり、関係機関へきちんと連絡するのは大事なことです。
当然ですが、治療費は全額負担しなければなりません。
噛み癖が直らないまま外出すると、散歩中やドッグランなどでこういった揉め事に発展します。
大事な愛犬が他人をケガさせないように早めに噛み癖を直しましょう。
噛まない犬にするための対策とは
噛み癖を直すための対策をいくつか紹介していきます。
どんな方法が合っているかは、パグの年齢や性格によって違いますが、時間はかかってもしっかりと直しておきましょう。
◆パグとの関係性を見直そう
「噛み癖がダメ」と理解させるには、飼い主さんの適切な指示が効果的です。
ただ、犬は「人間なら誰でも指示を受けるよ」とは思っていません。
飼い主さんのことが好きでも、「自分よりも格下だよね」と認識していると、噛み癖を直そうと「ダメ」と支持をしても反抗的で、やめてくれないことがあります。
そもそも噛み癖が現れているパグは、本来隠れ気味の「頑固な部分」が前面に出ているのでしつけがしにくいでしょう。
「噛むのはいけないこと」と教える以前に、自分はリーダーであると教え、関係性を見直しましょう。
◆人の手を噛むのはいけないと分からせることは大事
噛み癖に困っている飼い主さんのなかには、「手を噛んで困る」という人も多いです。
これは、子犬期に「飼い主さんの手と遊んで楽しかった」という感覚が刷り込まれていることで、人の手を噛んでもOKと定着してしまっているからでしょう。
犬にオヤツやオモチャを与えるときに、口が届く場所にいつもあると「遊んでいいもの」と感じてしまうようです。
オヤツを手から与える場合などには、「犬の口が届かない位置にオヤツを持った手を挙げておく」⇒「オスワリなど指示に従ったら手を下げてオヤツを手から与える」という流れでやってみるのもいいでしょう。
◆「ダメ」とはっきりと伝える
パグが噛んできたときに「ダメだ!」と伝えて分からせるのも対策です。
ただ、女性の甲高い声は「自分が噛んだら喜んでくれた」と勘違いされやすいでしょう。
犬の世界では、お母さんワンコが子犬をしつけるときに「唸り」で教え込むのだそうです。
そのため、噛み癖を叱るなら、低音で「ダメ!」「痛い!」がいいでしょう。
逆に、噛むのを止めて褒めるシーンとなったら、「お利口さんだね!」と高い声で喜ばせてあげましょう。
メリハリをつけて、パグの心理に語りかけてくださいね。
◆「噛む=面白くない」と分からせる
遊んでいるつもりで噛んでいるパグの場合、「噛んでも全然面白くない」「むしろ悲しい」と分かると自然にやめてくれるようになります。
効果的なのは、「噛んできたら無視する」というしつけです。
遊びで興奮すると甘噛みをしつこくしてくるかもしれませんが、その都度、パグから離れて遊びを止めてみましょう。
パグ的には「自分が噛んだから楽しい遊びが終わった」と寂しく感じるでしょう。
犬は学習能力が高いので、そういったシーンを繰り返すことで次第に「噛んでも自分に得がない⇒じゃあ止めよう」と言う流れにするのが狙いです。
吸収力が高い子犬期には、こうした方法も効果があるでしょう。
◆スプレーを試してみよう
特定のものを噛んでしまうなら、スプレーを試してみましょう。
犬の噛み癖対策として市販されているスプレーは、「噛むと苦くてイヤだな…」と思わせる成分が入っています。
あらかじめスプレーしておけば、噛んだときに「苦い」と不快になって噛まなくなるでしょう。
一度で学習するのは難しいかもしれませんが、何度かやっていると頭の良いパグは分かってくれるかと思います。
◆噛んでもOKのオモチャを用意する
歯の生え変わり時期に噛み癖が出るなら、家具や人の手を噛まないように「これは噛んでもいいよ」というオモチャを用意しましょう。
用意したからと言って、それが噛んでもいいものかどうか初めは分かってくれないかと思います。
噛んではダメなものを噛んだときに「注意する」、噛んでもOKなものを噛んだら「褒める」と何度か繰り返して覚えさせましょう。
また、歯の生え変わりの時期は、自然な「噛み癖」なので時期が来ればおさまることがほとんどです。
口の中がかゆいので、本人もどうしたらいいかモヤモヤしているはず。
オモチャで気分を紛らわせてあげましょう。
ただ、注意したいのは安全なオモチャかどうかです。
よくある「噛んで遊ぶ」というオモチャのなかでも、ロープでできたものは注意しなければならないことも。
夢中になるあまり、ロープを食いちぎって飲み込んだり、ロープのなかに歯が挟まっていつの間にか歯が抜けたり…など、いくつかのリスクも考えられます。
どんなオモチャでも言えることですが、目を離すと思いもよらぬ事故が起こる可能性はゼロではありません。
注意書きをよく読み、噛み癖対策で遊ばせるなら飼い主さんの目の届く範囲がいいでしょう。
◆噛み応えのあるガムを与える
噛み癖アイテムとしては、長く噛んでいられるガムなどを試す人も多いようです。
ただ、好奇心旺盛な子犬期には、硬めのガムは逆に危険という考え方もあります。
小さく噛んで食べる…という理解ができず、大きく噛んで喉へ詰まらせるリスクもあるでしょう。
「ガムを一本与えずに小さく刻む」「近くで見守りながら噛ませる」「子犬用と表示された柔らかめのものを与える」などに注意しなければいけません。
◆プロの力を借りて噛み癖を直す
成長段階の子犬の頃の噛み癖は、まだまだ直せます。
それに、「どうして噛むのか?」という原因を突き止めることができれば、対策は可能でしょう。
ただ、噛み癖が長引いた場合、飼い主さんの独自の対策ではなかなか直らないケースも少なくありません。
「自力で解決ができない」と悩んだときには、プロの力を借りるのも解決策のひとつになるかと思います。
まとめ
甘噛みだった時期に対策をしなければ、噛み癖がついたまま成長してしまいます。
成犬となったパグに噛まれると、ケガや感染のリスクも出てくるでしょう。
いきなり噛まれるとビックリして強く叱ってしまいがちですが、それがパグの恐怖となり逆に噛み癖が悪化すると大変です。
犬が噛むのは本能的な部分もありますが、しつけによって改善することができます。
噛み癖がひどくならないうち、まずはその原因を知ることから始め、パグとの楽しく幸せな毎日を送りましょう。
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