1.ボーダーコリーの体の特徴
1-1.体重はどのくらい?
1-2.体高はどのくらい?
1-3.大きさや体重はオスとメスで違う?
3.こんな病気に要注意!ボーダーコリーがかかりやすい病気
3-1.目の病気「コリーアイ異常」
3-2.股関節の病気「股関節形成不全」
3-3.血液の病気「グレーコリー症候群」
3-4.前足の関節の病気「肘関節異形性」
3-5.神経の病気「セロイド・リポフスチン症(CL症)」
ボーダーコリーの体の特徴
ボーダーコリーと聞くと、運動神経に優れていて、いつでもどこでも軽やかにカッコよく動いている印象がありますよね。
昔は「牧羊犬」として活躍していましたが、現在ではドッグスポーツや競技会などでおなじみです。
風を切るようにダイナミックに走っている様子は、多くの人を惹きつけています。
もちろん、家庭のペットとしても身近ですが、やはり運動量があって「元気」なイメージ。
一緒にアクティブに過ごせるパートナーです。
そんなボーダーコリーの体つきの特徴を見ていきましょう。
◆体重はどのくらい?
成犬になったボーダーコリーは、だいたい14~20キロほどで、分類的には「中型犬」のくくりです。
犬の分類上、「大型犬」「中型犬」「小型犬」という分け方は厳密なものはありませんが、一般的には10~20キロくらいまでを中型犬と言います。
ただ、ボーダーコリーのなかには、20キロを少し超える個体もいます。
その場合は、分類としては「中型犬」に分けられるものの、見た目的には「大型犬」に近い感じとなるでしょう。
◆体高はどのくらい?
犬の体高は、地面についている足から背中までの長さを表します。
ボーダーコリーは、50センチ前後くらいの体高が平均的です。
◆大きさや体重はオスとメスで違う?
どのワンちゃんにも言えることですが、オスの方が大きめに育ちます。
オスのボーダーコリーのなかには、20キロをやや超える個体もいるようです。
メスなら14キロ程度で成長がとどまることもあります。
同じボーダーコリーですが、体重が6キロも違えば、印象もだいぶ違うかもしれませんね。
どのくらい生きる…?平均寿命について
運動能力が高く、スタミナに溢れているボーダーコリー。
運動している様子を見ると、病気とは無縁で長生きできそうに思えるでしょう。
しかし、いつまでも元気いっぱいなわけではありません。
平均寿命を知ることで、ボーダーコリーがシニアになったときの心構えができます。
あまり知りたくはないかもしれませんが、参考までに寿命を知っておくといいかもしれません。
全体的に見ると、ボーダーコリーの平均寿命は12~14歳程度という調査データが多いようです。
ただ、先ほどもお伝えしたように、ボーダーコリーは14~20キロほどに成長するため、その体重によっては若干寿命が変わります。
大型犬に近い20キロを超えたボーダーコリーは12歳よりも短いかもしれませんし、14キロ程度と「ボーダーコリーのなかでも小さめ」となれば、やや長生きするかもしれません。
また、生活環境や病気の有無によっても、長生きできるかどうかは変わります。
飼い主さんとしてできるのは、生活環境を快適に整えてあげること、病気を見つけてあげることです。
こんな病気に要注意!ボーダーコリーがかかりやすい病気
ボーダーコリーには、遺伝的な病気をはじめ、体の特徴からかかりやすい病気がいくつかあります。
病気の概要や症状を知っておくと、早期発見に繋がります。
闘病で苦しんでいる様子を見るのは辛いですよね。
言葉を話せないワンちゃん達の様子から、病気を見つけてあげられるのは飼い主さんだけです。
いざという時にスムーズに病院へ連れていけるように、ボーダーコリーの代表的ないくつかの病気を知識として頭に入れておきましょう。
◆目の病気「コリーアイ異常」
ボーダーコリーをはじめとする「コリー種」によくある目の異常で、「コリーアイ症候群」とも言われます。
眼球を構成する組織に欠損が起こり、視力に障害をもたらす病気です。
・どんな症状?
コリー種の多くが保有している遺伝疾患のため、「発症するか・発症しないか」で出てくる症状が異なります。
大多数のボーダーコリーは、病気が潜伏しつつも発症せずに無症状で、特段異変が見られないでしょう。
ただ、重症なケースでは、「視力が悪い」様子がはっきり分かるかと思います。
歩行中に周囲にぶつかって物が見えていない様子なら、この病気の可能性は高いかもしれません。
・対策はある?
視力の異常は、「動くものを目で追うか?」で探ることができます。
日常的に視線の焦点が合わなかったり、歩行時に下ばかり向いていたりなど、「おかしい」と感じたときには動物病院で視力の検査をしてもらいましょう。
また、遺伝的なので、病気自体を未然に防ぐことは難しいです。
子犬期に発症するケースが多いと言われているので、迎えた頃から様子をチェックすることが大事です。
たとえ症状が見られなくても、定期健診に行ったときに相談することで、病気が見つかることもあるかもしれません。
診察や検査の結果、病気が見つからなかったとしても「大丈夫だよ」と言われると一安心ですね。
◆股関節の病気「股関節形成不全」
太ももと骨盤を繋ぐ関節部分が異常になる病気を「股関節形成不全」と言います。
・どんな症状?
後ろ足の異常のため、おしりを「右・左」と交互に揺らしながら、歩く様子が見られます。
股関節部分の違和感により、「まるでスキップみたい」「足を引きずっているように見える」など、明らかに普通と違った歩き方をします。
・対策はある?
この病気を発症する犬のほとんどが遺伝的な要因からで、そもそもボーダーコリーは遺伝的に股関節形成不全になりやすいです。
遺伝的に発症した場合には、予防法が残念ながらありません。
「早く見つけてすぐに治療をする」ことで、愛犬の辛さを改善できます。
特に骨が形成される子犬期に発見しやすい病気です。
症状によって運動制限や投薬治療で済む場合もありますが、ひどくなれば手術が必要になることも。
早く見つけて、愛犬の負担を減らしてあげたいものですね。
また、この病気は3割近くのケースで後天的で発症すると言われています。
運動が大好きなボーダーコリーは、足の関節を頻繁に動かしますが、急な力が加わることは関節への負担が大きくなるだけです。
ふだんからアクティブなボーダーコリーなので、無理な動きで関節を痛めないようにしなければなりません。
特に気をつけたいのがフローリングでのジャンプや着地です。
また、肥満になると、激しい動きをしなくても、日常的な軽い動作だけでも関節への負担が大きくなります。
余計なお肉がつかないように、たとえ食べ盛りの成長期でも、カロリーに気をつけて食事をさせましょう。
◆血液の病気「グレーコリー症候群」
病気名にあるように、グレー系の毛色の個体に発症する血液の病気で、「周期性好中球減少症」とも言われます。
・どんな症状?
生後数か月くらいの子犬の頃に、白血球を構成する「好中球」が減少することで、発熱や関節炎、下痢、呼吸がおかしいなどさまざまな症状が出てきます。
それに伴い、「元気がない」「食事を食べない」など、具合の悪そうな様子を見せるでしょう。
・対策はある?
先天的な要因で発症する病気のため、事前に予防は難しいです。
毛色が「グレー」「シルバー」のボーダーコリーを飼うなら発症する可能性が高いので、この病気について知っておいた方がいいでしょう。
また、症状を放置して重症になると、感染症が合併症として表れて命を落とす可能性も出てきます。
ふだんからボーダーコリーの様子を観察し、疑問に思う点があれば獣医に相談するなど、「早く見つけて対処する」という意識を持っておくといいですね。
◆前足の関節の病気「肘関節異形性」
さきほど紹介した「股関節形成不全」は後ろ足の病気でしたが、「肘関節異形性」は前足の肘に発症します。
・どんな症状?
体を支える前足の関節の骨の噛み合わせ部分に異常が出て、運動に障害が見られます。
発症するのは、骨の形成期である子犬が多いでしょう。
関節の痛みから、動くこと自体嫌がり、本来ボーダーコリーが持つ軽やかな動きがなくなるかと思います。
「歩き方がゆっくり」「散歩を嫌がる」「足を痛がっている」「前足が変な形に見える」など、いくつかの症状が表れます。
・対策はある?
肘関節異形性は、大型犬によく発症する病気です。
ボーダーコリーは中型犬とは言え、大きさ的には大型犬に近い個体もいます。
成長期に骨がグングン形成されるとき、前足の関節に負担が増えることから発症しがちのようです。
「股関節形成不全」と同様に、関節に強い刺激が加わらないように飼い主さんが意識することが対策となります。
アクティブな犬種なので、一緒に遊ぶのも楽しいものですが、運動のさせ過ぎには注意しましょう。
成長期の骨に対して「急激な体重増加」もリスクが高いので、月齢に合った食事で肥満を防ぐのも対策です。
また、軽い症状の場合、見た目的にはふだんと変わらないように見えるかもしれません。
しかし、病気が潜んでいる場合、健康診断の検査で発覚できることもあるでしょう。
重症化を防ぐため、ほんのちょっとでも気になる点は、定期健診の際に相談してみることも大事なのかもしれませんね。
◆神経の病気「セロイド・リポフスチン症(CL症)」
ボーダーコリーの遺伝的疾患として「セロイド・リポフスチン症」という神経系の病気があります。
脳の老廃物を排出するための「酵素」が不足する病気で、溜まった老廃物が脳神経に障害をもたらします。
・どんな症状?
発症する時期は、成犬になってからが多いでしょう。
老廃物が分解されずに溜まっていくので、神経系の症状が出てきます。
「上手く歩けない」「ジャンプや着地が苦手」など一見すると足の病気に見えるものから、「いきなり怒り出す」「なんでもない場所で怖がる」「トイレの場所を忘れて粗相をする」など精神が錯乱している様子も見られるでしょう。
進行性なので、初めは軽い症状ですが、そのうち進行して重い症状が出ます。
1~2歳の頃に発症すると、2~3年で亡くなってしまうという悲しい病気です。
・対策はある?
動き方がおかしい、急に性格が変わった、視力がおかしいようだ…と、脳からくる症状はさまざまです。
遺伝的な病気で予防はできない病気です。
しかも、発症しても残念ながら治療法がない病気と言われています。
ただ、愛犬に上記のような症状が出ても「この病気として表れる症状なのか?ほかの病気の症状なのか?」は、飼い主さんが判断できるものではありません。
不安に思う点が見られたら、病名を特定してもらうためにも、まずは獣医師に相談することが大事です。
早期に見つけて適切な対処をしよう!
ボーダーコリーは、遺伝的な疾患がいくつかあります。
先天性な要因の病気は、事前に対策したからと防ぐのは難しいものです。
しかし、「遺伝的なものなら仕方がない」と病気について知ることをしなければ、愛犬の病気の重症化を防ぐことはできません。
病気によりますが、「早く見つけたから薬だけで治せた」「進行をおさえられた」「痛みを取り除いてあげられた」と早い段階で病気を発見すれば、ワンちゃんの苦しみを取り除くことに繋がります。
まとめ
運動能力の高いボーダーコリーならでは、関節の病気を防ぐには、家の環境を整えることも対策のひとつということが分かりましたね。
骨が形成される途中の成長期には、無理に激しい運動をさせるのは控えた方がよさそうです。
また、なかには遺伝性疾患により発見しても治療法がないものも残念ながら存在します。
ただ、治療法がなくても、早く病気を見つけてあげることは、その後の余生の過ごし方にプラスの影響をもたらすはずです。
病気を見つけるためには、飼い主さんの観察眼が必要です。
ふだんからスキンシップをしたり、愛犬の様子をじっくり観察したりと、たっぷり愛情を注いであげたいものですね。
そして、飼い主さんが気づけないことでも動物病院の検査で分かることもあります。
定期的な健康診断で愛犬の健康を守ってあげましょう。
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