1.ボーダーコリーってどんな犬?
1-1.中型サイズのアクティブな犬
1-2.頭脳明晰の知性派のワンちゃん
1-3.豊富な毛色を持つボーダーコリー
2.スムースコートとロングコートの違いを知ろう
2-1.その1:毛の長さが違う
2-2.その2:毛のボリュームが違う
2-3.その3:系統が違う
2-4.その4:性格が少し違う
2-5.その5:運動量が若干違う
5.スムースコートでも重要なお手入れ
5-1.ブラッシングはどのくらいの頻度?
5-2.ブラッシングのアイテムは?
5-3.ブラシのメンテナンスも忘れない
5-4.シャンプーは月1~2回はしよう
5-5.抜けた毛の掃除もしよう
5-6.洗濯して身の回りを清潔にしよう
ボーダーコリーってどんな犬?
一般的によく見かけるボーダーコリーと言えばロングが多いかもしれません。
美しく長い毛が風になびき、颯爽と走り回る姿はカッコいいですよね。
日本でもロングコートのボーダーコリーが多いので、実はスムースもいると聞くと「意外!」という感想のほか、「ロングとスムースのどちらを家族に迎えよう…」と新たな悩みも出てきそうですね。
まずは「ボーダーコリー」の全体的な特徴を見てみましょう。
◆中型サイズのアクティブな犬
地面から背中までの体高が50センチ前後、成犬となったときの体重が14~20キロの中型犬のボーダーコリー。
オスのなかには、20キロを超える個体もいるので「大型寄りの中型犬」と言ったところでしょうか。
全体的に筋肉質でたくましく、「瞬足で駆け回る」「高いハードルをジャンプする」などのダイナミックな動きも得意です。
運動神経に長けたアスリート犬と言えるでしょう。
海や山、広場やドッグランなど、飼い主となれば毎日をアクティブに過ごせる楽しみがあります。
◆頭脳明晰の知性派のワンちゃん
もともと、動物のなかでも犬は頭が良いと言われています。
人間の言葉を理解して、「オスワリ」や「マテ」などに従う様子を見ると、本当に頭が良いことが分かりますよね。
ボーダーコリーは、数百もある犬種のなかでも1位とも言える知能を持っています。
古い時代から、牧羊犬として人間の近くで作業していましたが、「自分で判断する能力」が抜群に優れたワンちゃんです。
羊を追いかけるにしても、「羊を噛んで痛めつける」という暴力的なコントロールではなく、人間の指示に従いながら「鋭い目力」や「堂々たるリーダーシップ」という“態度による見えない圧力”によって、羊を包囲しながら統率できると言われています。
羊毛業が盛んな地域では、ボーダーコリーの高い知性と運動神経に人間たちは助けられていたのかもしれませんね。
飼い主さんを「主人」と位置付けることができれば、深い愛情と忠誠心を見せてくれます。
◆豊富な毛色を持つボーダーコリー
ボーダーコリーには、人気のある「ブラック&ホワイト」のほか、ブラウン系、レッド系、ブルー系と多彩な毛色があります。
模様の表れ方も個体によって違い、主流なタイプから、「日本ではあまり見かけない」という珍しいものまであって、見た目のバリエーションが豊富です。
「どんな毛色を迎えようか」と考えるのも、ボーダーコリーを家族にする楽しみのひとつかもしれませんね。
スムースコートとロングコートの違いを知ろう
ボーダーコリーの代表的な特徴が分かったところで、毛の長さによる違いについても見ていきましょう。
基本的には、ボーダーコリーと言えば毛が長いロングコートが定番ですが、スムースコートも短い毛でひそかに注目されているようです。
「スムースコート」と「ロングコート」の違いを分かりやすく、ひとつずつピックアップしていきます。
◆その1:毛の長さが違う
パッと見た瞬間に分かりますが、毛の長さが違います。
ふさふさの長毛のボーダーコリーばかり見ていると、スムースコートは同じ犬なのに違った雰囲気に見えますね。
◆その2:毛のボリュームが違う
ロングコートとスムースコートでは、毛のボリュームが変わります。
人間でも同様のことが言えますが、毛の本数が同じくらいでも「長い」「短い」で見た目のボリュームの印象が違うものですよね。
毛が短いスムースコートは、全体的にすっきりした見た目です。
体に密集した被毛がフィットしているので、筋肉質でたくましい体型が際立ちます。
一方のロングコートは、顔周り、首回り、ボディ、シッポ、4本の足…と、ふさふさした被毛が特徴です。
全体的にボリュームがでるので、体の筋肉は少し隠れてしまうかもしれません。
両者を比べると、同じ体重やサイズだとしても、スムースコートのボーダーコリーの方が骨や筋肉が目につくため、スリムに見えるでしょう。
◆その3:系統が違う
今では、全世界に愛好家がいるボーダーコリーは、そもそもイギリス原産です。
羊毛業が盛んだったイギリスでは、ボーダーコリーのような優れた牧羊犬が大活躍していました。
ただ、その高い能力が全世界に注目されるようになり、同じように牧羊に勢いのあるオーストラリアやニュージーランドにも持ち込まれ、実用犬として定着していきました。
現在、世界にいるボーダーコリーのうち、ロングコートは「オーストラリア系」および「ニュージーランド系」、スムースコートは「イギリス系」と言われています。
◆その4:性格が少し違う
「長い・短い」の毛質で、少しばかり性格が違う傾向にあります。
ボーダーコリーの性格は「親しみやすく明るい」と「知らない人への警戒心がある」が同居しています。
その警戒心は、スムースコートの方が少し目立ちやすいようです。
ただ、その警戒心は賢いからこその表われ。
人間や周囲をじっくり観察するため、ちょっと気難しいという表現になってしまうようです。
◆その5:運動量が若干違う
スムースコート、ロングコートのどちらも運動能力に溢れています。
1日に2回は散歩に連れ出すことが理想的で、時には高い運動能力を刺激するダイナミックな運動もさせるべき犬種と言われています。
ロングコートもスムースコートも、体重や体格にそれほど差はないものの、スムースコートの方が運動量は多めと言われています。
家庭犬としても人気のボーダーコリーですが、「一緒に競技会に出てみたい」「ドッグダンスをしたい」と運動を楽しみたい人にはスムースコートは合っているかもしれませんね。
ロングもスムースも「ダブルコート」で抜け毛はある
スムースコートのボーダーコリーを迎えるとき、「毛が短いから抜け毛が少ないのでは?」と思うかもしれません。
でも、すっきりした見た目に反して、実際には抜け毛はあります。
そもそも、ボーダーコリーの毛の構造が「ダブルコート」だという点を理解しておいた方がいいでしょう。
犬の被毛構造には、「シングルコート」と「ダブルコート」という2パターンがあります。
ダブルコートは、季節によって生え変わる“下毛(アンダーコート)”と、それを覆う“上毛(オーバーコート)”と2層構造です。
一方のシングルコートは、1年のうち何度か生え変わる下毛がないので、抜け毛もあまりなくお手入れが楽と言われています。
ボーダーコリーは、ロングコートもスムースコートもどちらも「ダブルコート」の被毛構造。
つまり、全体的に毛が短くスッキリした印象でも、抜けていく毛はあるので、お手入れは必須なのです。
スムースコートのお手入れはロングよりは楽ちん?!
ロングコートでもスムースコートでも抜け毛はありますが、「お手入れのしやすさ」に焦点をあてると、スムースコートの方が少し楽ちんと言えるかもしれません。
ロングコートの場合、1本ずつの毛が長いため、日頃から「毛が絡まないように」という目的を持ってブラッシングしなければなりません。
自然に抜けた毛もボリュームのある毛に埋まり、毛玉ができやすいからです。
さらに被毛が厚くなると、皮膚が蒸れるので、「毛玉を防ぐ」「皮膚の通気をよくする」と頻繁なブラッシングをしなければなりません。
また、抜けた毛がふんわりと空中を舞うため、日常的に掃除機を頻繁にかけたり、じゅうたんについた毛を粘着シートで取り除いたりなど、お手入れだけでなく掃除回数も増えるかと思います。
そういった点で見ると、毛量が少ない分、スムースコートの方が室内飼いをしていても、比較的お世話がしやすいかもしれませんね。
スムースコートでも重要なお手入れ
「スムースコート vs ロングコート」という観点で見ると、スムースコートはお手入れが楽そうに見えますが、お手入れ自体は必須です。
ダブルコートなので抜け毛は結構ありますので、日常的にお世話をしてあげましょう。
◆ブラッシングはどのくらいの頻度?
スムースコートのブラッシングの意味は、「抜け毛を取り除くこと」「皮膚をマッサージすること」と考えておくといいでしょう。
ロングコートよりは回数は少なくていいですが、換毛期になれば1日1回は行いたいものです。
◆ブラッシングのアイテムは?
スムースコートは密集したツヤツヤの被毛が魅力です。
被毛にツヤを与える「獣毛ブラシ」を準備しておくといいですね。
豚や馬、牛などの被毛から出来ているので、ブラシをかけることでツヤがうまれます。
マッサージで血行促進したいなら、「マッサージ効果+ブラッシング効果」の両方を持つゴム製のラバーブラシを使いましょう。
リラックスしているときに手で撫でてあげるだけでもマッサージ効果があります。
◆ブラシのメンテナンスも忘れない
ブラシに毛がギッシリと付いたままだと、次にいくらブラッシングをしてもワンちゃんの毛が綺麗になりません。
それに、付着したままの抜け毛には油分が含まれているので、「せっかくブラッシングしたのに清潔」とは言えませんよね…。
ブラシを使ったら付着した抜け毛を取り、次に使うときのブラッシング効果を高めましょう。
◆シャンプーは月1~2回はしよう
運動量が多いボーダーコリーは、外に行く機会が多いもの。
どうしても、体に汚れがつきやすいでしょう。
ただ、あまり頻繁にシャンプーをすると、皮膚に刺激を与えてしまいます。
乾燥や炎症などの皮膚トラブルも起こりやすくなります。
ライフスタイルにもよりますが、毎月1~2回くらいは綺麗に体を洗ってあげましょう。
◆抜けた毛の掃除もしよう
ロングコートよりも毛は短いものの、スムースコートの抜け毛は犬用の寝具やカーペットにまとわりつきやすい特徴があります。
抜け毛についた皮脂により、ダニの発生を誘発することも…。
それが原因で皮膚の炎症を起こすこともあります。
抜け毛を見つけたらこまめに掃除機をかけたり、粘着クリーナーで取り除いてあげるといいでしょう。
◆洗濯して身の回りを清潔にしよう
換毛期には抜け毛が結構目立つかもしれません。
飼い主さんの洋服やカーペットなどに、抜けた毛が付くことも日常茶飯事です。
スムースコートでも寝具周りは、かなりの量の抜け毛が付いているでしょう。
ただ、白系の衣類や寝具だと、なかなか目立たないので盲点になりやすいですが、快適な睡眠のためには定期的に洗濯してあげましょう。
被毛についた皮脂汚れは、ペット用の洗剤だと落ちやすいかと思います。
愛犬のベッドや毛布を洗ったら、しっかり乾燥させ、「フワフワした快適にしてあげてくださいね。
日中たくさん運動して疲れ切ったボーダーコリーが、ゆっくりと眠れますように…。
まとめ
ボーダーコリーのロングコートとスムースコートの違いについてまとめてみました。
毛の長さによって受ける印象が変わりますが、性格や運動量にも違いがあるのは何だか不思議な感じがしますね。
スムースコートの方が、ちょっとばかりスタミナに溢れている傾向と言えそうです。
また、「抜け毛が少なそう」という理由でスムースコートに注目するケースもあるかもしれませんが、ボーダーコリーはダブルコートなので抜け毛ケアは念入りに行う必要があります。
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