犬の寝る場所はどこに用意すればいい?寝る場所で分かる心理とは

2024.04.25

犬の寝る場所はどこに用意すればいい?寝る場所で分かる心理とは

子犬の時はケージで過ごすことが多く、寝る場所もケージ内のベッドであることがほとんどです。 成長するにつれ、愛犬が甘えん坊で…飼い主さんの意向で…と理由は様々でありながら、愛犬と飼い主が一緒の布団で寝ることもあるかと思いますが、犬に質の良い睡眠をとってもらうには、どのような場所、どのような環境が最適であると言えるのでしょうか。 この記事では、犬の寝る場所に最適なところや寝る場所から分かる犬の心理についてご紹介します。

【目次】
1.犬の寝る場所はどこがいい?
 1-1.ケージやクレートがおすすめな理由
 1-2.犬が寝るベッドは好きなものでOK

2.飼い主と一緒に布団で寝るのはいいの?
 2-1.犬の睡眠の質を考えると寝る場所が別々の方が好ましい
 2-2.寝る場所が一緒の場合は上下関係の構築が難しくなる?
 2-3.最悪の場合犬の命を奪ってしまう
 2-4.病気のリスクを高める

3.寝る場所でわかる愛犬の心理とは
 3-1.飼い主の膝の上で寝る
 3-2.寝る場所が一緒の場合は上下関係の構築が難しくなる?
 3-3.ベッドの下
 3-4.飼い主の足元で寝る

4.犬の睡眠に関する豆知識
 4-1.犬の睡眠時間は12~19時間
 4-2.犬の1回あたりの睡眠時間は短い!

5.まとめ

【掲載:2020.01.02  更新:2024.04.25】

犬の寝る場所はどこがいい?

ソファで丸まって寝ている犬

犬が寝る場所として最適な場所は、『その犬だけの安心できる場所』です。

  • 家族の気配を感じられる場所
  • 静かで安全だと感じられる環境
  • (室内でトイレをする場合)トイレから離れた場所
  • 暑すぎたり寒すぎたりしない場所

このような環境下に、ケージやクレート、部屋の隅に置かれた愛犬用のベッドといった、愛犬自身が自分のテリトリーである認識がしっかりとある場所を用意してあげると、『質の良い睡眠』をとってもらいやすいでしょう。

犬に寝る場所を用意してあげないのは、よくありません。
寝たいところで寝させてあげるという発想もありますが、1つ安心できる箇所があるとないとでは大きな違いがあります。

もし決まった場所がない状態で安心できそうなところを探すとなると、これがストレスや問題行動の原因に繋がることがあります。

また、犬が人用のソファや人間のベッドで寝ることが習慣化すると、犬と飼い主の関係にも悪影響を及ぼすことがありますので、注意が必要です。

◆ケージやクレートがおすすめな理由

ケージやクレートがおすすめな理由としては、犬は本来暗くて狭い場所を好む動物であるという事が挙げられます。
犬の中には飼い主さんと離れるクレートは嫌だ!と感じる子もいるかもしれませんので、一概には断言できませんが、基本的には人の行動範囲などとはある程度隔離された場所の方が良質な睡眠時間を維持するには好ましいと考えられています。

ケージやクレートで犬を寝かせるとき、寝る場所が狭いと可哀想に思ってしまう飼い主さんもいますが、クレート内は狭くて暗いため、犬にとっては寧ろ安心感があると言えます。

特に、子犬の頃からクレートに入る練習をしている子であれば、クレートは自分のテリトリーであり、リラックスできる空間であるという認識があるでしょう。

また、クレートで寝ることに慣れている犬の場合は、災害時や緊急時に非常に役に立ちます。
犬は環境の変化に弱い生き物ですので、災害時に過度なストレスによって体調を崩したり睡眠障害になったりする犬が多くいます。

そんな時クレートを普段から寝る場所に使用していると、違う環境下であっても自分だけの安心できるスペースが確保でき、ストレスや睡眠障害の危険性を低くすることができます。

愛犬と一緒に寝たい!と思うことも当然あると思いますが、日中は好きなところで寝てもらい、飼い主さんも休む時はクレートで休むのようにしておくとよいと思います。

◆犬が寝るベッドは好きなものでOK

犬が寝る場所として、最も重要なことは周りの環境です。
実際に犬が寝ることになる、ベッドやマットについては、愛犬が好むものを色々試しながら探してみてあげてください。

犬用のベッドには、様々な形や素材の組み合わせがあります。
ドーム型やマットレス型といった形はワンちゃんの好みに、ボア素材や冷感素材といったベッドの素材については季節に合わせて選んであげると良いでしょう。


飼い主と一緒に布団で寝るのはいいの?

飼い主と一緒にベッドで寝る犬

◆犬の睡眠の質を考えると寝る場所が別々の方が好ましい

飼い主と一緒に寝たがる犬は多いかと思いますが、犬の睡眠の質を高めるためには実は寝る場所は別々にした方が良いと考えられています。

犬はちょっとした音や変化に敏感に反応して寝ているときに起きてしまうので、どんなに寝相が良い人であっても犬の睡眠に被害を与える可能性があります。

ただし過剰に甘えん坊の犬の場合は、精神的な問題で飼い主と寝る場所が同じでないと安心して眠れない犬もいるので注意しましょう。

この場合、大抵はじめは寝る場所が違うと犬が寂しがりますが、はじめは短い時間から慣らしていくことで、最終的に一人で寝る方がリラックスできるようになることが多いでしょう。

◆寝る場所が一緒の場合は上下関係の構築が難しくなる?

犬のトレーニング学上、多くの専門家たちは人間と犬は一緒に寝ない方が良いと考えています。

これは上下関係の構築が難しくなるという理由で、寝る場所が同じだと同じ空間で寝ることによって犬が人と同じ、または人よりも上の立場であると思ってしまう危険性があります。

◆最悪の場合犬の命を奪ってしまう

特に超小型犬や小型犬の場合、寝ているときの怪我をはじめとした事故の危険性が高まります。
最悪の場合は、犬が死んでしまうような事故もあるので超小型犬や小型犬とは一緒に寝るのは好ましくありません。

また、中型犬や大型犬の場合は、睡眠時に窒息するほどの事故の危険性は低いものの、人間も犬も怪我をしてしまう危険性はあります。

人と犬は質の良い睡眠時間確保のみならず、事故防止の為に寝る場所は分けた方が良いでしょう。

◆病気のリスクを高める

症例は少ないものの、犬と一緒に寝ていて睡眠時に犬の唾液が口に入ってしまうようなことがあると、パスツレラ症などの人獣共通感染症(ズーノーシス)感染の危険性を高めてしまいます。


寝る場所でわかる愛犬の心理とは

リラックスして寝る犬

◆飼い主の膝の上で寝る

人間の膝の上は暖かくて心地がよいことや、飼い主さんが動いたらすぐに反応できることから、犬は飼い主さんの膝の上で寝ることがあるようです。

また、膝の上を「自分の場所」と捉えている場合は、「飼い主さんを独占したい」という気持ちの表れかもしれませんね。

◆飼い主の枕元で一緒に寝る

愛犬が飼い主さんの枕もとで一緒に寝る場合、顔を飼い主さんに近づけることで、愛犬が飼い主さんの側にいることを強く感じて安心できると考えられます。

また、飼い主さんに何かあった時にすぐに助けてあげなきゃという、世話焼きの様な一面が出ているとも言われています。

◆ベッドの下

飼い主さんに従順な犬や、飼い主さんのベッドに上がらないようトレーニングされている犬は、ベッド下など限りなく飼い主さんに近い場所で寝ます。飼い主さんに、好きなきもちをわかってほしいという距離感ですね。

◆飼い主の足元で寝る

犬の祖先であるオオカミの習性として、「リーダーを守るために足元で寝る」というものがあるので、犬もその気質を受け継いでいるのかもしれません。
何かあった際にすぐに飼い主さんを守ろうとしていると考えることができます。


犬の睡眠に関する豆知識

犬にとって睡眠とは

◆犬の睡眠時間は12~19時間

犬にとって睡眠は、人間同様に脳や体、精神を休ませるためにとても重要な時間です。

起きているときの活動時間で使った疲れをしっかりと休ませるためには、十分な時間と質の良い睡眠が必要ですので、安心できる寝る場所の確保がとても大切です。

●世代別犬の睡眠時間

・成犬の睡眠時間目安
個体差はあるものの、犬の睡眠時間は一般的には成犬で12~15時間程度であるといわれています。

・子犬の睡眠時間目安
生後1年未満の発育途中の子犬の場合は、平均睡眠時間が18~19時間と長くなる傾向にあります。

ただし、犬種や個体差によって子犬年齢が異なるため、睡眠時間は多少異なります。

・老犬の睡眠時間目安
7歳を超えたあたりから犬は睡眠時間が延びる傾向にあり、老犬の場合は18~19時間程度が目安となります。

また、一般的には、大型犬は睡眠時間が長くなる傾向にあるといわれており、狩猟犬や牧羊犬は歴史的に神経を使いながら生活していることから、睡眠時間が短くなる傾向があるという研究結果報告もあります。

その他、1日の運動量や運動性質が高い犬の方が睡眠時に体や脳を休ませる必要があるため、睡眠時間は長くなると考えられます。

◆犬の1回あたりの睡眠時間は短い!

人間は大抵の場合は5~7時間程度は連続した睡眠をとりますが、犬の場合の睡眠は浅く短い眠りの連鎖となり、十分な睡眠を取る為には長い睡眠時間が必要になります。

よく「ノンレム睡眠」、「レム睡眠」という言葉を聞きますが、犬の睡眠は浅い眠りである「レム睡眠」の割合が人間よりはるかに多いのが特徴です。

人や犬によって個体差はあるものの、一般的な目安としては人間の睡眠の約25%程度がレム睡眠(浅い睡眠)で、75%程度がノンレム睡眠(深い睡眠)であると言われています。

それに対して犬の場合、80%程度がレム睡眠(浅い睡眠)で20%程度がノンレム睡眠(深い睡眠)であると言われているので、人間よりはるかに長い睡眠時間を確保しないと健康に被害を及ぼす危険性があります。


まとめ

犬も人間同様に、健康維持のためには質の良い睡眠が欠かせません。

最近では犬と一緒に寝る飼い主さんも増えましたが、多くの場合犬にとっては自分だけの安心できる寝る場所が必要ですので、質の良い睡眠維持のためにクレートやゲージが役立ちます。

犬が安心して快適に過ごせるように、犬専用の寝る場所を準備してあげましょう。



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smochijp

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動物看護士(日本能力開発推進協会/日本キャリア教育技能検定協会)、老犬介護士(日本キャリア教育技能検定協会)、犬の管理栄養士(全日本動物専門教育協会)、ドッグトレーニングアドバイザー(日本ペット技能検定協会)等、動物関連資格を多数保有。大型犬2頭、中型犬1頭、小型犬(保護犬)1頭、猫3頭と暮らしながら、役立つペット関連情報を提供しております。


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