犬は7歳を過ぎると老犬?7歳の老化サインとできる対策について

2019.12.09

犬は7歳を過ぎると老犬?7歳の老化サインとできる対策について

犬たちは、人間に比べてとても速いスピードで年を取っていきます。子犬の頃から一緒だった犬が年を取ったとき、どんな老化のサインが表れるのでしょうか?犬は7歳からが高齢期と言われています。犬の高齢期に表れるちょっとした変化を見逃さず、少しでも暮らしやすいようにケアしてあげましょう。

犬の7歳は人の何歳?

犬の7歳は人間年齢で何歳?

犬たちは、人間よりも速く成長します。つい最近まで子犬だった愛犬も、あっという間に飼い主である私たちの年齢を追い越してしまいます。

犬は7歳からが高齢期と言われていますが、人間に換算すると何歳くらいなのでしょうか。

小型、中型犬の年齢換算
生後6カ月 9歳
1年 17歳
2年 23歳
3年 28歳
5年 36歳
7年 44歳
10年 56歳
13年 68歳
15年 76歳
18年 88歳


大型犬の年齢換算
1年 12歳
2年 19歳
3年 26歳
5年 40歳
7年 54歳
10年 76歳
11年 81歳
12年 86歳
13年 92歳


一般的に、犬は人間の4倍のスピードで年を取ると言われていますが、比べてみると分かる通り、小型・中型犬よりも大型犬の方が早く年を取ります。

最近では、犬の身体の大きさだけではなく、犬種ごとでも年齢換算が変わることが分かっており、最初の1年を過ぎると、その犬の犬種や大きさに合わせてほぼ一定の速さで年を重ねていきます。

◆老化のサインを見逃さないようにしよう

犬が高齢期に入ると言われている7歳では、小型・中型犬は人間でいう44歳、大型犬では54才となっています。

まだまだ若いと感じる方も多いかもしれませんが、成犬期である1歳~6歳に比べると、7歳を過ぎた犬は身体的な衰えが出始めます。外見上は若そうに見えても身体の様々な部分の機能が低下していきますので、犬が見せる老化のサインを見逃さないようにしましょう。


7歳頃に現れる老化のサインは?

実際に、犬が7歳頃になるとどんな老化のサインが見られるのでしょうか。

◆被毛やひげが白くなってきた

犬も老化に伴って白髪が出始めます。7歳を超えると、口周りなど顔から白くなっていく犬が多く、白髪が出始めると犬の老いを感じる飼い主さんは多い様です。

老化の他にも、血行不良やストレス、急な環境の変化、栄養不足なども白髪の原因になりますので、犬の白髪が目立つようであれば体調や生活環境を見直す良い機会かもしれません。

毛の退色だけでなく、フケや皮膚の異常、できものなどの異変が見られた場合は、適切な治療が必要になることもあります。

◆目が白っぽい

犬の目が白く濁る代表的な原因は「白内障」です。

白内障には先天性と後天性のものがあり、後天性のものでは発症した時期により、若年性・壮年性・老年性に分けられます。7歳以降の犬は老年性白内障に区別され、全ての犬に発症する可能性があります。

目の濁りが広がるにつれて視力は奪われていき、一度濁った水晶体は元に戻ることはありません。

初期の白内障は、点眼薬で白内障の進行を遅らせることができます。また、症状が悪化した場合、手術によって人口水晶体を挿入することもできます。

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◆体型が変わった(太った、痩せた)

7歳を過ぎて犬の老化が進むと、筋力が低下し、代謝機能も低下するため、肥満になりやすくなります。7歳を過ぎてからの肥満を放っておくと、糖尿病や心臓病のリスク、関節への負担が大きくなります。

また、副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)や甲状腺機能低下症などの内分泌疾患を患っている場合にも、症状として肥満が見られることがあります。
肥満の他に、不自然な腹部膨張や皮膚症状、倦怠、無気力なども合わせて表れたら、早めに病院に相談しましょう。

逆に犬が痩せてきたら、内臓疾患や腫瘍などが考えられます。以前と変わらない量を食べているのに痩せてきた、食べても食べても痩せてしまう、といった症状が見られたら、もう高齢だから…と諦めず、まずは病院に相談した方が良いでしょう。

◆口臭が臭くなった

犬が高齢になると、長年溜まった口の中の歯石や歯垢が臭く感じられることがあります。そうならないように、若いころから毎日の歯みがきが重要です。

7歳を過ぎた犬は歯垢歯石が溜まり、歯周病が重症化することで腐敗臭がすることもあります。他にも、脱水症状で口腔内が乾燥すると、唾液が濃縮され、口臭が臭く感じるようになります。

何らかの内臓疾患を患っていると、口臭に異変が表れる場合もあります。

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◆イボができやすくなった

犬は高齢になるとイボができやすくなります。イボの原因は様々で、放っておいても問題ないものもあれば、何らかの治療が必要なものもあります。
悪性腫瘍の可能性もありますので、色や大きさが変わるようであれば特に注意が必要です。

7歳を過ぎた高齢犬では、年齢を理由に治療を先延ばしにしていると、本当に治療が必要になったときに手遅れになってしまう場合があります。イボを見つけたら早めに検査し、そのイボが何なのかを調べることが大切です。

◆以前は登ることが出来た段差を登れなくなった

犬は老化に伴い、今まで登ることができていたソファや段差に登れなくなってしまう事があります。他にも、散歩でよたよたするなどの様子が見られたら、足腰が弱ってきているサインです。

7歳を過ぎたら室内の環境を見直し、ツルツルする床材にマットやカーペットを敷いたり、段差にステップをつけるなどの対策をしてあげる良いでしょう。

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◆耳が遠くなった

インターフォンが鳴っても気づかない、呼んでも反応しない、近寄っても気づかず触るとびっくりするなどの様子が見られたら、愛犬の耳が遠くなっているのかもしれません。老化によって聴覚を司る器官が衰え、徐々に音が聞き取りづらくなってきます。

犬の耳が遠くなったと感じたら、犬に急に触るのは控え、先に視界に入ってからスキンシップをとるようにしましょう。ジェスチャーを多く取り入れると、コミュニケーションを取りやすくなります。

◆夜泣きや無駄吠えをする

犬は高齢になると、身体の不調や不安感などから無駄吠えをしたり、夜泣きをすることがあります。

その場合は、昼間によく運動させるようにし、昼夜のリズムをしっかりとつけることで、夜間は寝てくれる場合があります。飼い主さんと室内で遊んだり、コミュニケーションをとったりすることも有効で、安心感を与え、頭を使うことで適度に疲労感を感じることもできます。

何をやっても上手く対処できない場合は、飼い主さんが疲れてしまう前に、動物病院に相談してみましょう。

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◆トイレを失敗する

犬は、老化が原因で粗相をするようになることがあります。7歳を過ぎてから急にトイレの失敗が増えてきた、という場合は、老化が原因かもしれません。

トイレまでの時間が我慢できない、回数が増える、排尿までに時間がかかる、興奮するとおしっこがもれるなど、主な原因は泌尿器官の筋力低下が多く、老化による記憶力の低下や痴呆も考えられます。

ただ、腎臓や膀胱、前立腺の病気や糖尿病の可能性もありますので、排泄の異変を感じたら、まずは尿検査をすることが大切です。

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7歳頃に気を付けたいこと、できる対策は?

7歳ごろに気を付けたいこと

◆床の滑り止め

犬が7歳を過ぎ、足腰が弱くなったと感じたら、床材を見直しましょう。犬の爪の音がカチャカチャと聞こえたり、足が滑っているようなら対策が必要です。

犬の滑り止め専用シートや絨毯、カーペットなど、なるべく滑らずクッション性があるものを使用すると安心です。また、トイレの失敗がある場合は、小さいサイズのものを敷き詰めて使うのもお勧めです。

最近では、高齢犬向けに性能の良い靴下も販売されています。嫌がったり誤食の危険がないのであれば、試してみるのも良いかもしれません。

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◆適度な散歩とストレス解消

犬が7歳を超えてると、散歩に行っても歩く距離が短くなってしまったり、歩く速度が遅くなってしまったりして、足腰の衰えを感じるようになります。

あまり散歩に行きたがらなくなってしまうこともあるかもしれませんが、適度な散歩は高齢犬の健康にとても重要です。時間と気持ちに余裕を持って、無理のない範囲で続けましょう。

また、ただ歩くだけではなく、ボールで遊んでストレス解消したり、簡単な指示を与えてクリアさせることで、達成感を与えることもできます。

子犬のころと違って高齢犬は褒められる回数が少なくなりがちです。7歳を過ぎた高齢犬でも、遊びを取り入れることで日々のお散歩も楽しくなるでしょう。

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◆病院で定期的に健康診断を受ける

犬が7歳を超えたら、定期的な健康チェックを受けることをお勧めします。犬の場合、半年に一度は動物病院で検診を受けることが推奨されます。

一般的な動物病院で受けられる検査は、触診、聴診、血液検査、エコー、レントゲンなどです。現在の体調などを伝えれば、必要なものを勧めてくれるはずです。病気の早期発見・早期治療により、高齢犬でも生活の質を保つことが出来ます。

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◆おうちでも普段から健康チェック

病院で専門の検査を受けるだけではなく、日々の健康チェックも重要です。生活の中に表れる小さな変化は、獣医さんには見つけられないこともあります。

体中を触り、被毛や皮膚の状態をチェック、歯みがきと口腔内のチェック、耳の中のチェック、排泄のチェック…確認すべきところは沢山ありますが、日々の日課にしてしまえば大変ではありません。コミュニケーションの一環として、欠かさずに行いましょう。



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harunyan

harunyan

動物の専門学校で看護の資格を取得後、6年間動物病院に勤務しました。5歳のシェルティと4歳の猫、0歳の息子と毎日楽しく過ごしています。ペットと過ごすうえで役に立つ情報をお届けできるよう、日々勉強しております。よろしくお願いします。

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