1.クレートトレーニングとは?
2.クレートトレーニングが必要な理由
2-1.通院時などに落ち着いて移動できる
2-2.車に乗せた際に安全が確保できる
2-3.車での旅行に役立つ
2-4.飛行機輸送にも対応できる
2-5.災害時に役に立つ
3.クレートトレーニングの方法
3-1.クレートトレーニングする時のポイント
3-2.クレートトレーニングの手順
【掲載:2019.12.30 更新:2023.09.20】
クレートトレーニングとは?
クレートトレーニングとは、簡単に言うと犬がクレートの中でリラックスした状態を保つためのトレーニングです。
主に犬の安全性をはじめとし、犬にとってのメリットが非常に多いトレーニングになります。
犬の先祖であるオオカミは、薄暗い巣穴の中で生活をしてきました。
狭い場所や無駄な物が見えない環境が犬にとって落ち着けるという本能であると言えます。
クレートも巣穴と同様の役割を果たす為、精神状態を安定させることが出来ます。
ただし、そういった本能はあるものの犬はオオカミではありませんし、クレートは巣穴と違って自分で作るものではありませんので、犬に『クレートは安全な場所』と理解してもらうことで、段々とクレート内が落ち着ける場所となっていきます。
最初は警戒心や緊張から入る事を嫌がる犬もいますが、慣れておくことでたくさんメリットがありますので、早いうちからクレートトレーニングを始めましょう。
クレートトレーニングが必要な理由
◆通院時などに落ち着いて移動できる
犬が動物病院に行くときには多くの場合は、怪我をしていたり病気を発症していたりします。
そんな時は、普段より一層落ち着いた状態で犬を病院に連れて行く必要がありますが、クレートトレーニングができていると、犬は車内でも安静にしていられるので、通院時にも役立つトレーニングです。
また、動物病院での待合時間が長くストレスを感じる犬も多くいます。そんな時でもクレートトレーニングをしておくと、犬は自分だけの安心できる居場所が確保されているので、落ち着いて待つことができます。
◆車に乗せた際に安全が確保できる
最近では犬と一緒に車で出かける飼い主さんが増えましたが、人間より体が小さな犬にとって車には危険がたくさんあります。
例えば、車に衝突されるなどの事故に遭った際、体が窓ガラスに衝突して大けがをする恐れがあります。安全の為に必ずクレートに入れてあげましょう。その為にも慣れさせる必要があります。
また、運転手にとっても犬がフリーだと気を取られて事故を起こす可能性があります。お互いが安心出来る状況を作りましょう。
◆車での旅行に役立つ
犬を連れて旅行をするときは、どうしても長距離犬を車に乗せることが多くなります。
そんな時にクレートトレーニングができていれば安心して旅行できますし、旅行先でも犬を置いて部屋を出なければいけない時にクレートに入ることが出来ればお互い安心です。
例え短時間であっても、犬にとっては見知らぬ旅行先の部屋で1人にされるのはとても不安です。
クレートトレーニングができていれば、自分の居場所が確保できるため、犬の恐怖心を和らげることにも役立ちます。
◆飛行機輸送にも対応できる
国内外問わず、飛行機を利用するときにもクレートトレーニングができていると安心です。
犬を飛行機に乗せるときは、基本的にはクレートに入れて貨物室で預かってもらわなければいけませんが、クレートに慣れていないと移動中にかかる負担がより多くなってしまいます。
飛行機内には見知らぬ犬も多くいて環境も普段とは大きく異なるため、犬の不安やストレスが付き物です。
そんな時に飼い主と離れ離れになる貨物室内であっても、クレートトレーニングで犬が自分だけの居場所であると認識していればストレス軽減に役立ちます。
ちなみに飛行機に乗せるときには空港会社によってクレートの種類(犬に対してのクレートの大きさや形状など)の規定が異なります。
そのため、飛行機に乗せる機会がある犬の場合は、クレートトレーニングを始める時に規定に沿ったクレートを準備しておき普段使いしておくことをおすすめします。
使い慣れていないクレートより、普段から使っている使い慣れたクレートにいる方が犬は安心できます。
◆災害時に役に立つ
クレートトレーニングができていると災害時に非常に役立ちます。
急な災害が起きた際にすぐに犬をクレートに入れて移動でき、同行避難時、または個別に避難した時にも犬にとっての安心できる自分の居場所があることは非常に重要です。
犬は環境の変化に非常に弱くストレスを感じやすい生き物ですので、クレートのようにどこにいても自分の居場所があることはストレス軽減にも役立ちます。
また、避難所には犬が苦手な人やアレルギー体質の人もいます。他人に迷惑を掛けない為にもクレートに慣れて置くことは重要です。避難所の中には犬をクレートに入れないと同行避難出来ない施設が多いです。
クレートトレーニングの方法
◆クレートトレーニングする時のポイント
クレートトレーニングで一番大切なことは、「クレートは安心できる自分の居場所である」と犬に認識させることです。その為には無理やり入れるのではなく、犬が自ら入るようになる練習が必要です。
犬がクレートに入ったらすぐに扉を閉めてしまいがちですが、トレーニングのコツは飼い主が焦らず犬が自らリラックスしてクレート内で休むまで扉を閉めずに待つことです。
クレートに入ること自体を怖がる犬も多いので、そんな時は絶対に無理にクレートに入れてはいけません。必ず犬がおやつやおもちゃ目的で自分から入るまで気長に待ちましょう。
◆クレートトレーニングの手順
手順1:まずは犬をクレートに誘導しよう!
クレートトレーニングはまず犬をクレートに誘導することからはじめます。
クレートに犬が大好きなオヤツやフード、おもちゃなどを予め入れておいて犬がクレートに入るように促しましょう。
もし犬がクレートを怖がっても無理に入れずに、自らクレートに入るまで色々なオヤツやフード、おもちゃなどで試して時間をかけて犬を誘導するようにしましょう。クレートに入りたくなるような魅力的なオヤツを見つけてあげましょう。
手順2:犬がクレートに入ったらコマンドを教えよう!
犬が自らクレートに入るようになったら、入ったタイミングですぐに「ハウス」とコマンド(合図)を出します。
通常コマンドは犬が行動する前に出しますが、この段階ではまだ犬はクレートに入る時のコマンドを知らないため、それを教えるためにクレートに入ったタイミングで「ハウス」や「イン」など何かしらの決まったコマンドを出します。
クレートトレーニングでは犬がコマンドを覚えるように、コマンドは毎回同じ単語で家族皆が同じコマンドを使用するように統一しなければいけません。
手順3:クレートに入ったらご褒美をあげよう!
犬が完全にクレートに入ったら、オヤツやおもちゃなど何かしらのご褒美をあげましょう。
この時、ご褒美だけでなく飼い主がに褒めてあげるとより効果的です。必ず犬の体全体がクレートに入ってから褒めるようにしましょう。
手順4:クレートの扉を閉めるトレーニングをしよう!
クレートの中で待てるようになったら、クレートの扉を閉めるトレーニングをはじめます。
この時、大抵の場合犬はすぐに外に出たがり、恐怖心を抱く犬もいるのでゆっくり慎重に行う必要があります。
ここで焦ってしまうと、犬はクレートが嫌な場所だと認識してしまい、クレート自体に入らなくなってしまうので、扉の隙間や通気口から犬が好きなおやつを入れてあげましょう。
扉を閉めたらおやつをもらえる(良いことが起きる)ということを犬に認識させなければいけません。
はじめのうちは扉を閉めたら5秒~10秒程度で扉を開けて、扉は閉めても開けてもらえるということを認識させます。
犬がクレートトレーニングに慣れてきたら10秒程度ずつ時間を延ばして、最終的に長時間クレート内でリラックスしていられることを目的とします。
クレート内で安心して休めるように完全にトレーニングできるまでは、1回のクレートトレーニング時間は15分程度にしましょう。また、クレートトレーニングは犬が飽きないように1日数回に分けて行うことをおすすめします。本当に入れなければならない時ではなく、時間に余裕を持って練習しましょう。
クレートトレーニングに役立つアイテム
◆ペットキャリーカバー サイズS・M
コジマオリジナルキャンピングキャリーにぴったり使用できるカバーです。全体が覆われて、ワンちゃんの視界を遮ることが出来るので、落ち着いて休むことが出来ます。ファスナーが付いているので、扉の開閉にも便利です。クレートから外の景色が見えると落ち着いて休むことが出来ないので、カバーをかけて落ち着ける環境を作ってあげましょう。
◆KONG サイズXS~XL(色により異なります。)
クレートの中にKONGを入れて遊ばせることで、暇や不安を解消してあげましょう。噛んでストレスを解消したり、中に好きなフードやおやつを入れることで知育玩具として使用したりすることが出来ます。クレートの中でリラックスさせるのにおススメのおもちゃです。KONGを好きになってもらうことで、クレートに入る=KONGで遊べる!と良いイメージを作ることが出来ます。犬に合ったサイズを選びましょう。小さいものだと誤飲する可能性があるので、飲み込めないサイズを選びましょう。いきなり留守番中や長時間目を離す時に使用するのではなく、まずは飼い主様が居る状態でどのように遊ぶのかチェックしてから使用することをお勧めします。
まとめ
クレートトレーニングについて、必要性やトレーニング方法を中心に幅広くご紹介致しました。
クレートトレーニングは、犬の安全性を守るため、犬にとって安心できる自分の居場所確保のために非常に大切なトレーニングです。成犬になってからでも有効ですが、是非子犬のうちからクレートレーニングを行ってみましょう。
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